八尾空港セスナ206道路上不時着事故調査報告、、、、
http://www.mlit.go.jp/araic/
平成20年8月19日 八尾空港のR/W27ファイナル500メートル付近にエンジンが停止した第一航空所属のセスナTU206が不時着した事故の調査報告が発表されました。
昨日のお昼のテレビニュースで流れていましたのを見た方も多いと思います。
過去に地上滑走中にエンジンが止まる事例があり、その原因は燃料配管中に気泡が発生し、十分な燃料がエンジンに供給されないのが原因でそれを防ぐためには、補助燃料ポンプを作動させて、圧力を高めるてやると防ぐことが出来るという考え方が、社内にあったようでした。
かたやメーカーから着陸進入最終時などエンジンを絞った状態で、補助燃料ポンプを作動させると燃料供給が過多となって、エンジンが止まる恐れがあるという通知が出ていたそうです。
要はポンプを作動させてエンジンが止まらないようにした手順が逆にエンジンを止める原因を作ってしまったということだったそうです。
まったく同じ補助燃料ポンプの操作が方やエンジンを止めてしまい、方やエンジンが止まらないようにする操作であったということです。
やはりパイロットは自分が乗る航空機の性能、構造、操作について絶対的な知識を持っている必要があるということをものの見事に教訓として残したといえるでしょう。
あるひとつの操作は何のためにするのか、その操作をすることによって機構的にどのような動きがなされ、どのような結果がもたらされ、そしてどのような危険性があるかなど逐一知っていなければならないということでしょう。
しかし少しの間違った操作がエンジンを止めてしまうとは、構造的にはなんと恐ろしいことなのでしょうか。アクセルが引っかかってフルスロットルのまま戻らないのと同じレベルの恐怖でしょう。
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No title
No title
軍用機であれば転換課程があり、機種ライセンスを得るまでに操作を熟知する猶予もあるのでしょうが民間ではそうもいきませんしねぇ。
で、車のアクセサリーと運転手の無意識が引き起こす事故と、構造的欠陥が同じレベルで語られるのは今ひとつ違和感を覚えますがいかがなものでしょうか?
No title
TSIO520は循環燃料系、気泡スワール分離などを理解しないとポンプのオーバーライドの使い方を間違えやすいかも。
私も初めての時、POHに理由まで書いてなかったから、本買って整備さんに聞いてやっと理解できた。
fuelパイプ内の泡を抜くのに、mixture絞るの忘れてポンプ回して、スタータ回した途端にエンジン燃やしたボナンザの話を聞いたことあります。
機体に持病があったのかも知れないけど。
No title
機械式、電動式と2個のポンプが燃料回路に直列に入っており、どちらかのポンプのオーバーライド圧を逃がすオリフィスが備えられていますが、エンジン駆動のポンプがダメになったとき用に電動ポンプには巡航吐出量を賄える能力を持たしている為、Hiポジだとover flowします。
全体としてはポンプを直列に入れることができる非常に柔軟なシステムで信頼性も高いと思いますが、それ故、「持病への対処」という想定外の使用もできてしまっていたという、何とも柔軟性というのは厄介なものですね。
パイロットはそれも理解して使用していたのであれば、少々の持病も一緒に付き合っていかなければならないパイロットは本当に苦渋の選択に迫られることになりますね。