日航のボンバルデア機、名古屋空港へ緊急着陸、、、
23日午前 大阪伊丹から山形空港へ向かいっていた日航(Jエアー)機 ボンバルデアCL600型機が発電機のオーバーヒート警報を示す回路に断線が生じ、急遽目的地を名古屋空港へ変更し緊急着陸したそうです。
経営破たんの危機にある日航が何かをしでかすと、マスコミの餌食になるちょうど良い話題を提供した格好になってしまってかわいそうです。
中東から日本へ飛ぶチャーター便ではANAと日航が1機ずつ747を飛ばすべく予定を組んでいたところJALが故障して飛べなくなって非難を受けたことも最近あったようです。
以前このブログで、キャビンプレシャーの故障機が最寄の関空や中部国際空港に着陸しないでわざわざ目的地の羽田間で飛び、着陸時に緊急着陸と称して着陸料金の減免を受けたのではないかと取り上げたことがありました。
今回の緊急事態では、警報系統に断線という通常に飛行にはなんら差し支えない故障であるにかかわらず、途中の名古屋空港へ緊急着陸までしたのはなぜなのかとまで思う人は少ないでしょう。
系統の断線を表示する注意灯があれば、断線とはっきりとわかり通常の飛行には差し支えないのですからマニュアルにしたがって、本来の目的地山形まで飛行することは出来ますが、ヘリコプターのEC135と同じように、発電機ホットの注意灯だけしかないシステムならば、一応加熱状態にあるということを想定して、発電機の作動を止め、残ったもうひとつの発電機のみで緊急着陸ということになるでしょう。
ここで航空に少しでも詳しいものならば、わかるのですが、Jエアーの本社は名古屋空港にあり、その上空でトラブルが発生し、それが軽微なものであっても、念のため、また山形以降の運航のため、降りて点検修理するかというような判断もありうるでしょう。
これが本社とぜんぜん離れた地域を飛行中に同じようなトラブルが発生したら、目的地まで飛んだかどうかは、少し考えればわかることでしょう。
もうひとつ別の見方もありえます。
航空会社が良く使う手なのですが、何か重大な緊急事態が発生したときに、本当のことは報告公開しないで、系統の警報装置の故障でしたという手です。
本当に発電機のホットコーションがついて、その発電機を止めても過熱警報が消えない場合はかなり危険性の高い緊急事態で、エンジンルームが異常な高温になっている恐れがあってすぐに緊急着陸という事態です。
このような場合では乗客やマスコミに強く不安を与える可能性があるので、警報装置の故障で本体の危険性はありませんでしたとやる可能性があります。
今回は8時半に離陸して9時まえには名古屋上空に差し掛かっているでしょうから、後着陸まで20分以上かけています。
そう考えれば指示系統の故障でそれほどの緊急状態でなかったようにも思えます。
いずれにしても安全のための緊急着陸ですとは言いながら、どこに着陸するかはただ単に安全だけではなく経済性や効率性まで考えながら、飛んでいるようですがそれでも経営難はやってくるという厳しい現実です。
追伸 EC135のジェネレーターホットのコーションは本当にホットの状態と系統が断線した場合も点灯するような構造になっています。ボンバルデアが同じ構造になっていると断線と本当の過熱の状態の区別はつかないようですので、名古屋空港緊急着陸は正解でした。カンパニー無線でこのようなやり取りがあって名古屋空港へ着陸したのでしょう。
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No title
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APU関連の故障なら大小に関係なく事故報告を国土交通省へ上げる義務が生じるのでは?
その点でウソはないでしょう。