オートローテーションってローターは逆に回る、、??

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3#cite_note-5
陸上自衛隊のUH60が原因不明の墜落事故を起こして、あまりに原因がわからないので、いわゆる航空評論家はほとんどまともに評論できない中、政治評論家などが適当なことを評論しているのを聞くと無理もないとはいうものの、相当いい加減なこともまぜこぜで言っているようです。
ヘリコプターはエンジンが止まっても安全にオートローテーションという方法で着陸できるので、最悪、エンジンが2基積んでいる双発機でも安全に着陸できるらしい、、、オートローテーションという方法らしいがローターは逆転するらしいと、、、、
政治評論家でも専門外のことを言うときには少しは一夜漬けでもしてくれば話に信用度が上がるのですが、、逆転すると言ったらすべて主張がぶち壊しです。
メディアでローターが逆転するという発言は何回かは聞いたことがあり、素人なら無理もないとはいうものの、まったく知らない人に短時間で理解してもらえるように説明するのは至難の業で自分自身でもあまり知らないのではないかと思うほどです。
このネットの記事でも、エンジンの馬力が入っているときには気流がローターの上から下へ通過し、オートローテーションの時には下から上に流れることによって飛行すると図面が出ていますが、正確にはそうでもないようです。
回転するロータが切る空気の流れはヘリの前進速度と、ローターの回転による各部分の対空気速度の合成された速度がある範囲内の一定数ならその部分がグライダーの主翼と同じ働きをし、それ以外の部分、先端部と付け根の部分は抵抗となるだけなので、翼として働く有効な部分の効果から、抵抗になる部分の値を引いただけの揚力が有効となるようです。
機種やローター回転数にもよりますがおおむね前進速度70ノットから80ノットくらいが一番効率が良い速度なので、動力がなければその速度で降下していくのが降下速度が小さくゆっくりと降りていけることになります。
降下してきて最後の着陸時は減速して行き足を降下を止める効果として使い、最後の軟着陸にはローターの角度を一挙に返して、ローターの惰性力を上昇力に変えて接地しますが、これで一挙に回転数が落ちますので、一発勝負です。
オートローテーションの状態で垂直に降下したり、高速で降下すると、ローターの領域の抵抗部分が増えて急降下になったり、回転数が落ちたりします。
エンジンの力がない状態ではローターの回転数の制御はピッチレバーでローター角度を変えて、適切な回転数を維持するのですが、いったん過回転したり急低下させてしまうと、正常値に戻すことが大変むつかしく、その間にもヘリは急降下しますので、接地までに間に合わなければ激突となります。
このように理論を説明しても、素人の方にはちんぷんかんぷんかもしれず、簡単に逆転しますとでも言いたくもなるのでしょう、、、、
飛行機の場合のエンジンオフは速度を維持するだけなのですが、ヘリの場合は速度とローター回転を維持することが必要で、低高度を飛行する場合が多いのでいったん外すと修正する前に激突しますので、一発勝負という面が強いでしょう。
今日の記事 よければ 「拍手」 クリックよろしくお願いします。
スポンサーサイト