コリジョン コース

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230330/k10014023921000.html
https://news.yahoo.co.jp/articles/54385802f25d31cadc675cce1990f3aa9d06fd4b
30日午前、愛知県稲沢市で見通しの良い田んぼの真っただ中の交差点でワゴン車と乗用車が激突し1名の方が死亡したほか、10人の方がけがをする大事故が起きています。
アメリカでは現地時間の夜10時ころ、夜間飛行の訓練中のヘリ同士が衝突し、9名全員死亡したというニュースが入っています。
2つの事故例は、遠く離れた日本とアメリカ、車とヘリコプター、地上と空中と事故の様子は全く違っていますが、事故の原因はコリジョンコースに入ってしまったということが濃厚です。
コリジョンコースとは接近する他の機体や車両がお互いに同じように見え、その接近率が加速度的に大きくなって、気が付いて避けようと操作をしても間に合わないでぶつかるという現象です。
お互いに同じ位置に相手を見、接近に従って同じ位置で徐々に大きく見え、それが遠くではあたかも止まっているように見えるので、結果的にぶつかるのですが、見え方の錯覚で危機感がなく、最終局面でぶつかります。
車の場合は接近に従って、危険性を感じた場合には速度を落とすのですが、相手も同じように減速すると見え方は変化せず、ぶつかるコースから外れない可能性があります。
ぶつからない見え方は、徐々に相手が前に出るように見えるか、逆に自分が前に出るような見え方のどちらにでも変化するならぶつかることはありません。
空中も同じなのですが、戦闘機のパイロットは編隊飛行の訓練が重要な科目で、実はわざわざこのコリジョンコースに乗って編隊集合や、敵機に接近する飛び方をし、いち早く相手に近づく必要があります。
コリジョンコースに乗って正確に相手機に接近して、いち早く、編隊の定位置に着くことや、攻撃する相手機に着く接近操作をし、至近距離でぶつからないで定位置に着ける操作は必須科目ですが、同じパイロットでも、輸送機やヘリではこのような操縦はそれほど重要性はなく、まして民間のパイロットは近づかないという飛び方しかしないため、間違ってコリジョンコースに入った最終局面で衝突を回避できない可能性が高くなります。
まして車でこのようなコリジョンコースに入って錯覚状態になったらよほど知識がなければ避けることができません。
アメリカの今回のヘリの事故は夜間飛行なので、昼間に比較して大変難易度が高く、真っ暗な中での、機体に灯る小さな航法灯の光の変化だけで相手機の動きをつかむ必要があり、コリジョンコースに入ったら避けるのは難しくなります。
もちろん戦闘機も夜間は非常に難しく、夜間の迎撃訓練でそのまま目標機にぶつけた例は相当数あって、殉職した同期生もありました。
車の事例でも例年複数回同じような事故が起きています。
もちろんドクターヘリが夜間飛行するようになったら、複数機が同じ空域内で飛べば同様の事故の可能性はあることになります。
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