ヘリパイロットはいつもわき役、、、、

パイロットという仕事は中々、華やかでいつも主役を演じるように思われがちなのですが、実はヘリパイロットはいつもわき役で表に出ることはありません。
主役になるのは自分のミスなどで墜落するなど事故を起こした時だけで、ドクターヘリの取材にずいぶんとお付き合いさせていただきましたが、インタビューされることは一回もなかったように思います。
ヘリコプターの運航は旅客機などの運航と違って、飛行の目的が細かく特化している場合がほとんどで、取材や空中撮影ではカメラマンが主役、ドクターヘリでは医療関係者が主役、送電線パトロールでは電力会社の方、送電線工事では工事関係者が主役で、それぞれ主役の方の要望に合わせてどのように飛ぶかということが重要とされます。
長い期間にわたって協力して仕事をしていると、お互いに気持ちが良くわかり、以心伝心でどのように飛んでほしいか、こちら側としては、どのように飛ぶべきかを理解できるようになればしめたものですが、実はなかなかそうはいかないことが普通です。
航空写真や動画の撮影では地上で打ち合わせて飛ぶと、後は何の会話もなく、次々と必要なカットをほとんど無言で取れるようになるとよい仕事になりますが、おおむね下手なカメラマンと下手なパイロットが組めば、上が下だ、離れろ近づけと文句ばかりで全く良い絵が取れないのが良くある話です。
送電線パトロールではパイロットの方が先に異常個所を見つけて、近ずいてゆっくりと飛んであげても、素知らぬ顔という場面が多くあったり、逆のことも良くありますが、普通は何の打ち合わせの会話もなくスムーズに仕事が運ぶことが多いようです。
送電線の線に素線切れがあって、パイロットが発見して教えてあげても、担当の搭乗者がへ表彰されることがあってもパイロットには何の音さたもなかったことがありましたが、別の先輩パイロットは大昔、同じことをして腕時計を副賞にもらったことがあったと教えてくれましたが、昔はヘリが珍しくてパイロットが準主役になっていた良い時代だったのでしょう。
ヘリコプターが珍しくなくなって、全般的にヘリパイロットの技量が上がってどんどんいろいろな仕事で飛ぶようになると、フライトがうまく行って当たり前で、少しでも失敗したり、人当たりが良くないなどすると、コードブルーに描かれたような、変人パイロット扱いされてしまうようです。
バブル時代のベテランパイロットがいなくなると、飛ぶのは新米ばかりで失敗が日常茶飯事になると、さらにパイロットはわき役に追いやられて、いつも悪口と失敗におびえてびくびくしながら飛ぶのかと思うとかわいそうになります。
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