生かせないか 原油安、、、、



 先日も少し取り上げましたが、新型コロナウイルスの集中的なニュースに隠れて、原油価格が大暴落しているという情報がほとんど取り上げられないようです。

 2か月ほど前は1バレル60ドルだったものが今日は23ドル台になっていますので半分以下ということになります。

 同じ航空機でも1機当たりの運航時間が多い定期便の場合は燃料費が運航原価の30%程度であると思いますがヘリコプターの場合は1機当たり、期間あたりの運航時間が極端に少ないため、燃料費の運航原価に占める割合は10%以下であると思います。

 ドクターヘリのEC135が年間運航契約固定で2億円程度で、300時間程度飛行するとして、時間単価66万円 必要な燃料は時間200リッターですから、おおむね3万円で燃料が飛行単価に占める割合は5%程度にしかなりません。

 年間の燃料代は1000万円程度でその価格が半分になったとしても年間500万円程度しか浮きませんので、原油安のメリットは少ないと言えるでしょう。

 これが自主運行の防災ヘリや県警消防ヘリになると、金額の変化は同じですが、その費用は何らかのものに使える可能性があります。

 何に使うべきか使ってほしいかというと、やはり飛行機会が極端に少なくなっているパイロットの飛行訓練などに使ってほしいものです。

 燃料代が半分になったからと言って倍飛べないのが残念なのですが、ぜひともヘリパイロットが1時間でも多く飛べるとよいのですがそう簡単な話ではないようです。

 ただし、ドクターヘリで年間2億円、1時間当たり60万程度の支払いを受けているEC135の直接運航原価は1時間当たり、20万円程度なので、この場合の燃料費が占める割合は15%程度になり、少しは訓練は出来そうです。

 この直接運航経費は自主運行の場合も同じ程度なので、自主運行の防災警察消防はより訓練飛行に充てることができる可能性が高くなります。

 時間当たりの直接運航経費は稼働時間が多くなるほど安くなるので、いずれにしても、航空機は地上に置いておくものではなくどんどん飛んで任務をこなして、運航経費を安くし、パイロットがより多く飛ぶという好循環にするべきです。

 飛ばないと原油安の恩恵も少ないということになります。

 
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Secre

今こそ国家備蓄を!

トランプは3月13日に新コロ拡大で、政府が戦略石油備蓄(SPR)を積み増すと表明しています。秋の大統領選をにらみ、原油価格の急落で採算が悪化している支持基盤の米エネルギー会社を支「とても手頃な価格で戦略備蓄用の原油を大量に購入するよう、エネルギー長官に指示した」と言うているので、日本も喜入など十数カ所の原油備蓄基地を満杯にするするくらいの政策をとれないものだろうか。

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ヘリの「限定機長」制度導入へ 消防庁、操縦士不足に対応
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200322-00000093-kyodonews-soci

No title

限定機長制度は操縦させるが機長時間は稼がせないといった様子で転職対策の一環に見えます。
人材育成費を国が補助するそうですが、これで改善するのやら…。
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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