福島県警 AW139 墜落、、、、

無題

 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200201-00050217-yom-soci

 昨日朝8時過ぎ会津若松から福島空港へ移植用の心臓を輸送していた福島県警のAW139が水田に墜落し、乗っていいた7人が負傷したようです。

 幸い死者はなく済んだのですが、移植用の心臓が損傷している可能性があり、東大病院で予定されていた移植手術は中止されたもようです。

 事故を報じるメディアの情報によると、風が強い中を飛行中突然バリバリという大きな音がし、その後機体はくるくると回りながら落ちていき、ほぼ水平の状態で強く着地し、横転してローターが吹っ飛んだ様子です。

 このような状況からだけでも、かなり正確に事故原因を推定することが出来ます。

 まず風が強い中を、高速で飛行中、パイロットは風にあおられたと証言していて、そのことは当然事故の引き金になったとパイロット自身が認識していると言えます。

 高速で巡行中、強風の中で乱気流に突っ込んだらパイロットは普通、ピッチレバーを下げ、操縦かんを引いて機首を上げながら速度を落として、はげしい揺れをやり過ごそうとする操作をします。

 この操作をすると初動でローターのみが前上がり後ろ下がりになり、急激な操作をするとローターのトラックいっぱいに後ろが下がって、テールブームに大変近くなります。

 最近ローターの材質は金属製からファイバー製に代わっていて、釣り竿のようにしなるようなものが多く、またしなることによって乱気流などを吸収するようになっています。

 ということで乱気流の影響と激しい操作が加わると、ローターのトラックのデッドストップを50センチも超えて、へたをすると自分のテールブームをローターでたたくことがあり、さらにまずいと自分のテールブーをちょん切ってしまうことすらあります。

 この時に大変大きな音がしますので、地上でも大きな異音に気が付き、異常事態だとわかることになります。

 墜落した現場の写真ではテールロータがほとんど無傷で残っていますので、今回の事故の場合はテールブームの中にある、テールローターのドライブシャフトまで損傷し、後半部分がなくなっていますので、テールロータは回転が止まり、ヘリはくるくる回されて方向操縦ができなくなり、また普通高速で回転しているテールロータは、地面に当たると跡形もなく吹っ飛ぶところを無傷で残っているという状態でした。

 このような事故が起きやすい条件は、ローターが細くてファイバー製でしなりやすいこと、ロータのついているマストが短くて、可動範囲自体がテールブームに近いこと、などがあげられます。

 この事故と同じような事故は結構起きていて、その中で一番多い原因は低空飛行で前方の障害物に気が付くのが遅れて、避けようとして、死に物狂いで操縦かんを目いっぱい急激に後ろへリいた場合などに起こっています。

 今回の事故調査でのキーポイントになるのは、事故機から脱落した、テールローターシャフトの後ろ半分とドライブシャフトカバーがどこに落ちているかによって、事故のきっかけがどこで始まったかがわかります。

 またこの事故の様子からわかる重要な点は、ヘリコプターはエンジンやその他多くの系統が双発、多発、二重三重になっていても、故障する部分によっては代替のない部分もあり、必ずしも双発だから安全だとは言えない点があるということです。

 その点ドクターヘリの医療関係者などはヘリ運航の安全管理をすべて運航業者に丸投げすることなく、意志疎通を欠かさないことが必要でしょう。
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Secre

風で

もしこれが本当で、操縦士の能力で対処できなくなるのであれば、それは機体として少なくとも、この種の任務にあたるヘリとしては適切でないことになる
警察ヘリに限らず防災ヘリに採用が広がっているAW139であるが、いかに風に強くないと言われている機種といえども、この機種はこの種の業務に就くヘリとして不適切ということになる
事実とすれば大変影響のあることで、運航可能な気象条件に制限をしなければ、少なくても公的ヘリに信頼をおけないでしょう

またヘリ全般に、急激な回避操作は不可避であり、そのために構造上、機体を自傷する可能性があり、それを防ぐための操縦桿の動作制限や、運用限界が数値的になど客観的にに定められていない状況では社会的に信頼されないものになってしまうのではと考えてしまいます

今までも急激な操作は、マストバンピングやテイルの自傷を引き起こすことは知られており、避けるべき操作ではあったが、このような操作は危機を回避するために、余裕のない状態で行うもので、正常な状態で故意に行われるものではない
単に急激な操作はいけませんという制限で良いのかと、いまさらながら考えてしまいます
それも含めて操縦士の資格要件だというのであれば、とても危うい要件と思ってしまいます
固定翼でも風による着陸失敗はよくあり、そのための横風制限があり、制限以上は着陸禁止であるとともに、以下であれば着陸できることが要件であるので、人為的ミスか、自然要因かは判断できますが、今回の件は判断できません

今後、少なくとも福島県警はどのように運用していくつもりでしょうか
『急激な操作は禁止』『気おつけましょう 注意しましょう』でしょうか
また、今後ヘリ業界はどうすべきでしょうか
一般の方からすれば、報道による風にあおられて墜落したとの話では、信頼できない乗り物とおもわれてしまうのではないでしょうか

No title

あのさ、台風とか竜巻の中を飛んでた訳じゃあるまいし、こんなデカいヘリが風にあおられて落ちる訳ないよね。
もしホントなら、欠陥品だよ。
今まで、そよ風の中でしか飛んだこと無かったのかも知れないけどね。

No title

http://www.news24.jp/articles/2020/02/01/07588304.html
故障していたわけでは無いとして
リカバリーが難しいものなんでしょうか?

No title

何時もながらに的確な分析と思います。操縦者が一刻も早く臓器を届けようと張り切っての事なのでしょうか?人のために良かれと思ってやった事が事故に繋がる構図は様々な業種で見受けられますね。いずれにしても固定翼操縦者には想像も付かない回転翼の難しさです。マニュアルには、ブレードの剛性に関する注意は掲載されているのでしょうか?

No title

punpun0461さんのコメントにある映像見ると緩い右転回してるのでテールの何処かにフェイルが起きた可能性もありますね

降下のレートみても完全に直ちに着陸のエマーでしょうし

No title

画像を見るとテールドライブシャフトが一部無いけど、やはり上空でヒットさせたんでしょうかね。 AW139ってオーパイ装備しているのとちゃうの?  オーパイONなら オーバーコントロールは防げて、テールヒットのリスクは下がりませんか それとも ローターヘッドの構造やローターの素材からして欠陥があるならオーパイにも限界があるからダメですかね。
風が強くて乱気流や Gust 20kt程度であおられて 12億のヘリが落ちるんじゃ、山岳救助だったら危なくて使えないな。
冬は、上層風が強いんだからCPの使い方とフラッピングの限界を超えるとこうなるんですね~~これって想定外でしょうか? AW139はEC130と同じセミリジット型でしょうか? 全関節よりもテールヒットしやすいのでしょうか? 。

そもそもテールヒットする前に、機速が早くて風が強いんじゃ減速しなきゃダメってことでしょ? パイロットの技量とは、関係ないレベルの事故でしょうか? 怪我人はでましたが、オートローテーション着陸は、ほぼ成功では、ないでしょうか

3年待ちの貴重な臓器移植が無駄になってしまったことは、残念ですが緊急車両で輸送した方が確実だって思われても仕方がない。当面空輸の依頼はないでしょう。Dr.へりを除いては。、



No title

Main Rotor BladeがTail Boomを叩く事故は412でも135でも起きているので、突発的な乱気流とか、極端な状況だと、避けがたいものがあるのかもしれませんね。

No title

午前8時の上空2000mは風速約40ノット、山岳波が発生していたと思われる。
当日関東のグライダーが高度4000mで付近を飛行している。
山岳波乱気流(ローター)に遭遇したいと思います。

No title

最新のAW139が突風でテール叩くとは考えられない…信じたくない…
古いヘリコプター には乗れないな。

No title

ローターヘッドからブレードが全部キレイに取れている アパッチと比べものにならないくらいフニャフニャでもろいんだ~怖。

No title

news24の映像を視ていて、2007年の静岡ヘリポートへアプローチ中のNHKヘリ(EC135)の事故と共通するものがあると思います。 両方ともテールローターがらみで、静岡は固着 今回はドライブシャフト切断?
映像からバーチカルフィンの風見鶏効果が得られる速度以下に飛行速度を低下させて機体が旋転してしまったのか、もう一度速度を得て方向安定を取り戻そうと機種を下げて増速しようとしています しかし対地高度が低く 旋転は止まらなかったと思われます。 ヘリパイさん達、もしLTEが疑われたら、慎重に高度を取って 徐々に減速操作を行い機体の方向安定が保たれる速度を見極め(Vyかそれ以上?)その速度以上でアプローチし滑走着陸を試みるしか助かる方法がないのかもしれません。

No title

動画を見ると旋回しながら落ちているけど、エンジン音がするからパワーオンの状態のままラダーの制御不能なら
瞬時に両エンジンカットしてオートローテーション着陸って度胸がいるよなあ~多分、誰もやらないだろうし、せいぜいアイドルに絞って訓練する程度だろうし、単発の様な簡単な操作でもないだろうし、緊急操作って30代機長と50代ベテランコパイの役割ってこんな時ってどうなのかなあ~どっちが操縦したのか気になる。ダブルパイロットだから何とか最悪の事態を回避できた事例になるか? 

No title

機長が38歳警部で副操縦士が50歳警部補とどこかの記事にありました。

副操縦士の方が年上なのに階級は下。経歴や技量もどうか分かりませんね。
上の方が言われているように機内の雰囲気が気になります。

No title

推測ですが、オーパイ入れずにマニュアルで飛んでたのでは?
だとすれば機長の自己満足の結果かもと

移植が叶わなかった患者様が気の毒ですが、なんにせよ怪我で済ませた技量は素晴らしいと思います
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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