防災ヘリ新安全基準 航空法の精神を無視!!



 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190924-00000033-kyodonews-soci

 少し前から公開されていた防災ヘリの安全基準を総務省が自治体に通知し、10月1日から順守義務を課すそうです。

 その主たる内容はパイロットを2人制にし、機長が体調不良になった場合に無資格の副操縦士が操縦を交代し、安全を確保するということだそうです。

 これは長野県の防災ヘリが墜落した原因を調査した航空事故調査委員会(安全運輸委員会)の調査結果によると、事故原因に迫ることが出来ず、苦し紛れにパイロットが寝ていたかもしれないなどと「トンデモ」結論を出したことに従ったようです。

 必要のない超低空飛行中にパイロットが一時的に寝てしまった場合でも、副操縦士が操縦を変われば落ちないと素晴らしい迷案が採用されたようです。

 パイロットがある機種のライセンスを持っていたとしても、他の資格が必要なヘリを操縦するにはその資格を取るための訓練のフライト以外は違法行為で、そもそもパイロットの体調急変に備えるとはいえ違法行為を前提に2パイロット制などと言うような通達を出すことに航空行政は何も言わないのでしょうか。

 航空法順守の気持ちのかけらもないようですから、何回墜落しても反省はしないのでしょう。

 そもそも、2パイロットにするには資格を取らせばよいのであって、パイロットが足りなければ税金公費で養成することをためらう必要がどこにあるのでしょうか。

 自衛隊も海保もすべて必要なライセンスを取らせて2パイロット制で飛んでいますので、なにゆえ防災ヘリは航空法を無視するのでしょうか。

 そして2パイロット制が安全運航に必要で、パイロット養成が間に合わないなら、浜松消防のように運航を見合わせればよいだけでしょう。

 機長の体調が急変した場合に誰か無資格者が操縦して着陸することは緊急避難なので違法行為の罪は問えないことになっているからよいと判断したようですが、このような状況で横乗りのパイロットがライセンスがあれば何の問題もなく、このためにライセンスを公費税金で取らせることに反対する国民がいるのでしょうか。

 不安定で安月給の民間ヘリ会社などに運航をさせるような中途半端なことをしているからおかしな通達が必要となっています。

 もはやパイロットはすべて公務員とし、手厚く処遇し、優秀な要員を広く募集して必要な教育訓練を課し、必要なパイロット数を維持してこそ安全な運航を維持できると言うものです。

 機長の体調が不調になったくらいで無資格者に操縦させることなど前提にしないで、必要な連センスは取らせて、航空法を順守する姿勢を見せるべきでしょう。総務省と言えども国の機関が国の定めた航空法を無視するような通達を出す事態に国土交通省はなぜ黙っているののでしょう。

 不思議な国家です。本当に安全を守る気があるのか疑わざるを得ないでしょう。 ライセンスを取らせばよいだけの話です。
スポンサーサイト



コメントの投稿

Secre

なさけなくて泣けてくる

管理人様のおっしゃるとおりと思います
業界も反対しなかったのは、有効な人員不足と、航空局への忖度でしょう
間違った知識かも知れませんが、エアラインのCPは事業用資格でも法的に問題ないが、当該機首の限定資格を持たないで運航はしていない(はず)
航大のちんけなバロンではないだろうが、社内訓練機の限定で、大型機で着陸できるわけがない
ヘリはなめられたものだ。たしかにヘリは限定が無くてもそれなりに飛ばせるし、それなりに着陸はできる。
業界外の方は驚くだろうが、例えは悪いが、軽自動車しか乗ったことがないお姉ちゃん(差別発言失礼)でも10トンロングは運転できる(みたいなもん)交差点で信号なぎ倒すだろうが・・・
こんなの容認するなら、局の試験官に会社総出でヘコヘコするような試験などいらないじゃないか!
なになに『総務省が決めたことで国交省は関係ない(進次郎か!)』
立法府の方に言いたい『その決め事は原則未来永劫続くもとして決めたことなのか!』
猶予期間と要員養成の補助金を出してダブル限定資格のほうがまっとうだ
合理的な有効手段がないから、なにもしないわけにはいかない小役人根性はわからないでもないが、パッチあてすぎる

安全性向上のため2パイロット制に

ドクターヘリパイロット(元)奮闘記 安全性向上のため2パイロット制に、、、、

https://bell214b1989.blog.fc2.com/blog-entry-3096.html

No title

このyahooニュースを見る限り、本題はパイロットの体調不良のために副操縦士を乗せるって書いてありますが、日本の航空業界で今まで体調不良で墜落した機体がどれくらいあったのでしょうか?そして今までの防災機の墜落原因でパイロットの体調不良が原因と思われる事故は何件あったのでしょうか?あほらしくて開いた口がふさがらないという事はこの事なんでしょうね???消防警察のヘリが事故を起こさないのは2パイだからではなく、危険な事をしないからで(長野・富山は別格)、防災機も危険な山岳救助などせず上空偵察のみにしておけば事故は起こらないでしょう。2パイが出来ないならず~~~と運休にすればいいんですよ!!そうすれば委託された航空会社も飛ばずして年間契約のお金をもらえるわけですから、、、

訓練と実戦、公的へり

ドクターヘリパイロット(元)奮闘記 訓練と実戦、公的へり、
https://bell214b1989.blog.fc2.com/blog-entry-3793.html

防災ヘリ10月から新基準

ドクターヘリパイロット(元)奮闘記 防災ヘリ10月から新基準??、、、
https://bell214b1989.blog.fc2.com/blog-entry-3812.html

9人死亡の防災ヘリ事故 死亡の機長を書類送検 隊員の遺族「しっかり監視を…」

9人死亡の防災ヘリ事故 死亡の機長を書類送検 隊員の遺族「しっかり監視を…」 長野 - FNN.jpプライムオンライン
https://www.fnn.jp/posts/2019112600000006NBS/201911261942_NBS_NBS

No title

エアラインのコメントで気になる部分が有るので補足します。
副操縦士は最低でも事業用は必要ですが、告示で決まっている型式限定の資格を要する機種に乗務する場合は、当然型式限定が必要となります。
また、型式限定に1人で飛べる機種、2名の乗務を必要とする機種があります。

AW139を例にしますと、1人で操縦できる機種(厳密には違うのですが、日本では1人運用ができます)ですが、型式限定を取得しなければなりません。
当然事業用操縦士だけでは操縦できません。

本通達は、いわゆるセーフティパイロットを乗せろという意味です。


そもそも、操縦士が足りないから、1人運用の機体を採用している訳で、
出来るかは別にして、緊急避難を言うのであれば整備士が操縦しても良いのかと…

個人的には、フライトスクールが免許取得すれば良いという考えで訓練しているのが間違いかと。
経験年数と技量は別物ですし、免許が有るから飛べるというミッションでは無いですから、別の法定訓練が必要だと思います。(社内訓練は勿論やってますが)
自衛隊の様に任務に特化した訓練ができれば良いのですが。
事業用でも、自家用の延長の技量の方が多いなと感じます。
TCASに頼ったり、局地天気が予想できなかったりと
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
05 | 2023/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
ジャンルランキング
[ジャンルランキング]
その他
11位
ジャンルランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
10位
サブジャンルランキングを見る>>
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

訪問者数
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR