操縦桿 方向舵を作動範囲ぎりぎりまで動かすことがあるか、、、、

昨日の記事はソカタ機の事故原因発表に関することを取り上げましたが、今日はそもそも航空機を操縦するに際して、操縦桿や方向舵を作動範囲ぎりぎりまで動かすことがあるかと言うお話です。
ソカタ機の事故はこの航空機が大馬力のエンジンで強力なプロペラをブン回していることに事故の発端がありました。
ちょっとした固定翼機や安定装置の付いたヘリは軽い力で安定した操縦がしやすいように、操縦桿や方向舵の中立位置を移動させる、あるいは移動するようになっています。
つまり中立位置が変わるということです。
ソカタが離陸するときには強力なプロペラが巻き起こす、渦巻き状のプロペラ後流が垂直尾翼をたたくので、機種が大きくとられ、まっすぐに進まないので、方向舵のバランスタブ、ラダートリムを大きく曲げてやり離陸します。
これを忘れると離陸直後、機体は浮揚した瞬間から大きくそれはじめ、強い力で方向舵を強く踏み込まないと明後日へ飛んで行ってしまいます。
離陸後の速度が着くに従って、プロペラ後流は航法へ流れて垂直尾翼をたたく割合が減り、今度は逆の方向の方向舵を使わないと反対の方向へずれて行ってしまうことになります。
事故機はラダートリムを離陸位置にしたまま、巡行に入って、自動操縦をヘッディングモードに入れたため機種がトリムの影響でずれようとするのを自動的にエルロンで修正しようとし、作動範囲の限界を超えたため、螺旋降下に入ってしまったようです。
これを回復しようとして、急激に引き起こしたために、荷重制限を超えて主翼の一部が吹っ飛んでしまったそうです。
自動操縦装置の設計の基準で操縦装置の作動限界に来た時に警報が鳴って自動的に自動操縦を解除するようになっていればこのような事故はなかったかもしれませんが、知識として操縦装置の作動範囲の限界に来ても、航空機が異常姿勢に入っても解除されないということは知っておくべきであったとでしょう。
名古屋で墜落した中華航空機のパイロットも同じ現象で墜落しましたが、このような知識はなかったようです。
固定翼機の場合、普段から操縦装置が作動限界まで来るような飛び方、あるかはそのような場合の操縦装置の動きや機体の挙動など、あまり経験する機会がないので、対処が遅れるのでしょうか。
ヘリの場合、操縦装置の作動範囲の限界で飛行する場合が固定翼機よりはるかに多く、傾斜地の離着陸、横風ホバリング、最大荷重ホバリングなど方向舵や操縦桿が作動限界に当たる経験が数多くあります。
固定翼でもヘリでも操縦装置の限界まで使って、作動限界に当たってそれ以上の舵が使えない場合、その状態を維持することは即危険な状態に入るので、直ちに回避する操作をする必要があります。
ソカタの事故の場合、エルロンがいっぱいになったということが分かれば、ラダーを踏む,パワーを絞る、速度を落とすなど自動操縦を解除しながらすぐに行うことでした。
ヘリの場合操縦装置が限界に来た場合の回避方法を熟知しながら限界で維持するなどの方法で、重量物を吊ってホバリングしたりすることが良くありましたので、らーだーがいっぱい、操縦桿が逆方向へいっぱい、パワーいっぱいと言うような体験がかなりありました。
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