群馬防災ヘリ、墜落前に右旋回2回、、、、





 群馬県防災ヘリの墜落事故原因を調査している安全運輸委員会が、10月23日に事故機は墜落前の数分間で、速度を落としてUターンに近い右旋回を2回行っており、安全委は視界の良いルートを探していた可能性があるとみていると公表したようです。

 搭乗していた消防隊員がヘルメットに着けている、アクションカメラの録画を見て、雲の中に入っている様子を確認したのでしょう。

 アクションカメラは普通180度近い広角を録画できるので、機体の窓を通して写るガスの様子から雲中飛行になったことがわかり、GPSを使った動態管理システムの記録から概略の飛行経路がわかりますが、姿勢がどうなっていたかは、計器盤の姿勢指示器が写っていればわかりますがそれは難しいでしょう。

 速度を落として旋回しながら視界を確保しようとしていて、木に接触したのだろうと言う事が記事に書かれていますが、そのような墜落なら全員が死亡するような事はありえないでしょう。

 全員死亡するような強い衝撃で墜落するには、長野防災ヘリのように100ノット以上の高速で突っ込むか、低速なら背面で墜落するなど、殆ど裏返しに状態で墜落しないと全員が一瞬に死ぬことなどありえないでしょう。

 今回の事故の場合は雲に突っ込んだ瞬間に、急速に減速して旋回しながら、雲から出ようとするのですが、すぐに出る事が出来ないとなるとパニック状態になって、旋回を繰り返すとバーティゴ状態になりやすく、傾きが90度を超えると真っ逆さまか、背面飛行状態となり、制御不能で悲惨な結果となります。

 奈良防災ヘリは、パイロットがセットリングウイズパワーに入ったと勘違いして、パワーを絞ったため、50ノット程度で山中に水平常態で墜落していますが、乗員はほとんど軽い怪我で済んでいます。

 今回は雲に入った状態からの脱出に完全に失敗して、パニック状態で姿勢制御が出来なくて、異常姿勢で激突と言うような様子です。

 事故調査はヘリコプターの残骸と、最初にどの位置で山の樹木に機体のどの部分がぶつかったかを明らかにしてほしいものです。

 またアクションカメラの映像と音声から分析し、最初に障害物にぶつかった時のガスの流れなどで機体の姿勢が分析できると、衝突の様子がかなり明らかになると思われます。

 事故調査の途中経過の公開としてはあまりに抽象的で、何もわからないと言っているようなもので、もう少しは専門的な分析が欲しいと思います。
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Secre

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そこで以前にコメントで書きましたGPSの誤差と言うのがポイントになって来るのかと思います。
GPSに誤差がかなり有った場合、実際にヘリが飛行したものと異なるデータがGPSに記録されます。
その誤差と言うのがいつも一定なら確かに旋回とかしたり、急加速とかしたのかも知れませんが、誤差と言うは位置や時間、雲や霧などの条件ど違って来るようなのでデータ上は旋回や急加速となってしまうケースも場合によっては有るのかも知れません。
現地の状況なら更に一部のGPS衛星からの電波が山の陰になってしまう可能性も想定できるかどうかと言う所です。
どんなGPSシステムを使っていたのかを知りたい所です。

No title

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> 業界外からの見方さん
胴体監視システムで具具って見てください。ケータイ回線と衛星回線がありますが、
誤差はあります。このバ視は管制無線も届きません。 GPSの限度に葉誤差がありますし、それを元に追求しても今回の場合は意味はさほどないように思いますよ
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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