ダブルパイロットと千手観音、、、
防災ヘリの事故多発に対する安全性の向上のためダブルパイロット制度が議論されています。
旅客機など大型機で採用されているのはダブルパイロット制ではなく、操縦操作に2名必要なので機長と副操縦士の2名が搭乗し、あくまでも操縦操作と判断の決定は機長が行い、全責任を負います。
一般に防災ヘリで議論されているダブルパイロット制は、そもそも法的にも機種ごとの運航規程などにも存在しない制度です。
一般にヘリパイロットの経験技量が落ちてきているので、難易度が高く、危険度も高い防災ヘリなどの飛行任務を遂行する上で、一人のパイロットが行うよりも、2人のパイロットが協力して任務に当ればより安全性が高くなるのではないかというような、素人の考えがあるようです。
つまり一人では100キロしか持ち上げられなくても、2人で協力すれば200キロと行かなくても150キロ程度は軽くは持ち上げられるのではないかと言う考え方でしょう。
経験5年の研修医上がりが2人いれば、経験10年の医師がやる仕事が出来るかどうかですが、そこまで行かなくても協力し合えば7年程度の経験の医師程度は仕事が出来るのではないかという甘い考え方でしょう。
経験が2000時間のパイロットを2名載せれば4000時間経験のパイロットの働きをするかと言えば、何人乗っても2000時間の仕事しか出来ず、下手をすれば2000時間のパイロットの内、下手な方の能力しか出せないと言うかえって悲惨な結果が出る可能性があります。
仏像に千手観音という像があり、すべての人間世界の苦悩を救うと言われるありがたい仏像ですが、ボランテイアガイドで勉強するうちに、千手観音にパイロットになって欲しいと思うようになりました。
この千手観音と言う仏像は普通、千手千眼11面観音と言われていて、千の手にはそれぞれひとつずつ、千の眼があり、頭には11の顔がある事が多いようです。
ただし千の手は普通多すぎて作りつらいので、24本や42本程度に省略されていますが、私の町の千手観音には手が500本ありしかも眼はそれぞれ玉眼と言って水晶が裏込めされています。
500の眼であらゆるところを常時見て、その手でそれぞれ多くの人の苦しみや煩悩を解決してくれるスーパーマンですから、パイロットには打ってつけでしょう。
ダブルパイロットにした場合にこの千手観音のような働きが出来るでしょうか。
眼が4つになり、手が4本になれば一人の時の2倍の働きが出来そうに思いますが、残念ながらそうは行かないのは、頭が2つあり2つの目と手は一つの頭によって制御されるので、バラバラに機能し、2倍とは行かないことになります。
千手観音には大きな本来のお顔の上に小さなお顔が10体乗っていますので、多くの手や眼を制御するのは、最終的には一つの頭と言うことになり、機長副操縦士型、兵隊指揮官型となっていて、多くの有能な兵、部下がいることになります。
ここに機長副操縦士型でない、ダブルパイロット制の無責任体制は新たなリスクが入り込む余地があり、期待していた技術的な向上や安全性の拡大は出来ない可能性が高いと言うことになります。
パイロットが二人乗れば1プラス1で2になると言う甘い考えなど成り立たないことになり、現状より悪くなるでしょう。
それより機長、副操縦士制を取り入れて、指揮系統を維持したまま運航の援助をさせながら、将来の機長に成るべく経験を積ませる事が良いでしょう。
そのためには何よりもまず、まともな機長を確保する必要があり、それが危ういから2人乗せれば何とかなるなどと言うような甘い考えは捨てるべきでしょう。
スポンサーサイト
コメントの投稿
No title
「機長、副操縦士制を取り入れて、指揮系統を維持したまま運航の援助をさせながら、将来の機長に成るべく経験を積ませる」若いパイロットの育成観点からも管理人さんに同感です!