パイロット 飛行中に居眠り、、、、
台湾で飛行中の旅客機で機長が居眠りをし、問題となっているようです。
一年間に渡って副操縦士に撮影をさせ、報告しなかった副操縦士も停職処分にしたそうですから、台湾はすごいことをするものです。
飛行中にパイロットが居眠りをしないということはありえない話で、プロのパイロットなら、ヘリコプターを含めてほとんど全員有罪ではないかと想像します。
自動操縦が完備し、正副2名パイロット制の旅客機ならほとんど全員が経験していると思いますし、交代で寝ていたら何の問題もないと思う私は異状かもしれませんが、、、
ヘリコプターの操縦士はほとんど一人操縦で、しかも自動操縦は完備していない機種が多く、また長時間、水平直線飛行で巡航するフライトもそう多くないので、ヘリパイロットは居眠りしないと言うと実はそうではないと思います。
ヘリコプターのパイロットが居眠りする現象はアメリカなどでも問題になっていて、それはマイクロスリープと言われる現象で一瞬意識が飛ぶような居眠りに陥ることが良くあるそうです。
その原因はヘリ特有の単調な騒音と一定の振動が続くことが居眠りを誘うそうですが、実はそれ以上に大きな理由は、風防を通して見る視界の上の部分をローターが回転しながら光をチラつかせることだそうです。
私は若いころから、一日中、飛行し続けるような、送電線パトロールや、物資輸送、そして木材搬出などの仕事を長くやっていましたので、ヘリ人生の半分は眠気との戦いであったと言っても過言ではないでしょう。
一日8時間勤務で6時間7時間飛ぶためには、昼ごはんとトイレ以外はほとんど飛んでいるという状態ですから、人間だったら、眠気は模様しますし、背中がかゆくなったりおならをしたりします。
旅客機のように自動操縦で計器を見ていれば済むようなフライトはほとんどなく、極端な場合 (これも長く続けましたが)、1時間に30往復して30メートルの間伐する植林地から、木材を引き抜いて来て、土場へ集積するようなフライトが普通にありました。
吊りあげ、吊り卸しの時間を含めて、片道1分ですがそれでもよくい眠りしながら飛んだものでした。
往路復路の途中、ほとんど操縦かんを動かさない一瞬の安定飛行の隙を見て5秒ほどの居眠りを楽しんだものでした。
特に木材を吊りに入る往路はカラ荷でヘリが軽々と飛びますので、つい5秒の楽しく気持ちよい居眠りがふと10秒になってしまうと、山の作業員から無線で 「機長どこへ行くんですか」 起こされたものです。
一日に7時間も飛ぶ場合、どのように気持ちをコントロールしても全飛行時間に渡って眠気は防ぐことは出来ませんし、緊張状態の維持など絶対に不可能ですので、あらかじめ緊張する場面とそうでない場面をうまく切り分けて、全体としてうまく操縦していくしか不可能でしょう。
自分自身のコントロールはある程度のやり方を身につけるほか、横に乗る整備士と色々な話をしながら飛ぶ方法や、飴玉を舐めたり、ガムをかんだり、給油中はタバコを吸ったりと、ヘリパイロットはいろいろな眠気防止方法を実行していました。
誘導の整備士ももちろん眠くなりますから、相棒のH君は眠くなりだすといつもアンパンをかじりだしますので、自分はバイザーを降ろして顔を隠し、居眠りを悟られないようにしたものです。
最高記録は3日間で21時間以上飛んだことが何回もありますが、寝るなとう言うほうが無理でしょう。
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