ヘリコプターと飛行機の気象情報、、、




 広島でアシアナ航空機が着陸に失敗したとき、最新の航空機にとっても気象情報が大変重要であると認識した方は相当な航空知識の有る方でしょう。

 航空機は高い高度を巡航するときは普通、回りにぶつかるものがありませんので、雲の中を飛ぶことに危険性はありませんが、こと離着陸に関しては、最終的に高度ゼロまで下がりますのでどうしても障害物が見える必要があります。

 その時の航空機の速度などによって、どの程度見えないと安全に着陸出来ないか決まるで、気象観測してパイロット等に事前に伝えることが大変重要となります。

 着陸進入してきたときは1800メートル見えていた視程が、着陸寸前に300メートルにたった5分でいきなり変ることは殆どありませんが、10分ならありえるかもしれません。 それはやはりある程度は徐々に変わるのが普通で、正確に言うと毎時00分の発表されるデータは00分の10分前毎時50分に観測したデータが00分の通報されるデータです。

 事故後1分たった06分に視程が300メートルと通報されたのですが、16分の間に徐々に視程が落ちて、結果的に06分に300メートルになったなら、少なくとも進入しているパイロットにはこのような変化状態は通報するべきでしょう。

 少なくとも300メートルに落ちる前 1600メートルのRNAVアプローチの制限値を切った段階にでは通知することが当たり前で、巨額の金と多数の気象要員を配置しているのはこのようなことをすることが目的なのです。

 定時観測だけしていればよいと言うようなことはありえません。

 日本各地の殆どの空港にはこのように気象要員を配置し、定時観測値を通知するほか、一定以上天候が悪化すれば必ず臨時の情報を発することになっていて、そのことが航空機の悪天候に対する安全の要になっています。

 さてヘリコプターはどうなっているのでしょうか。

 ドクターヘリは1基地あたり数百の着陸地点を設定していることが普通ですが、気象観測をしたり、通報してれる所は殆どゼロと言うことになっています。

 他のヘリコプターの運航においても同様で、多くのヘリ運航者は気象情報の入手でずいぶん苦労して来ました。

 親切なJRの駅の駅員さんはずいぶんとヘリのパイロットの気象情報収集にお付き合いしていただいて本当に感謝あるのみで、その他、役場や峠のドライブイン、地方測候所などにお世話になったものでした。

 アメダスのデータが一般化することになって、1時間おきのデータが手に入ることになってからはずいぶんと正確なデータが手に入ることとなったのですが、残念なことにリアルタイムのデータでないことが少し残念です。

 飛行機や空港の気象情報がデジタルデータと言うことになり、ほぼすべて数字で表しますが、ヘリのパイロットが各地の協力者から得るデータは、山が見えますか、とか、雲は山のどの辺りに掛かっていますかなどというようなアナログデータをパイロットが頭の中で判断する大変あやふやなものでした。

 このようなことは今になっても基本的には変わっていませんので、ヘリのパイロットがそれぞれの熟練性や経験の差で気性判断が大きく違い、新人パイロットが大変苦労する要因となっています。

 このようなことを理解するとドクターヘリを夜間に飛行させようなどという、向こう見ずはずいぶんと見かけなくなったようですが、気象要員が最新の観測機器を駆使して、常時勤務しながら、着陸機が滑走路に激突してから視程は300メートルですと言うようなレベルでは、ドクターヘリが夜間に飛ぶにはそれこそ1000年早いと言うことになるのでしょうか。


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ヘリ飛行の為に多くの方々からの気象情報提供と言う協力があるのですね。これは勉強になりました。

官公庁のヘリは夜間飛行をすることがありますが、大変な飛行なのですね。
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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