気象予報士とヘリコプター運航、、




 気象予報士に関する質問を書き込んでいただきましたので今日はその話題です。

 気象予報士という資格ができたのは、あまり正確でないかも知れませんが、私がヘリに乗り出して20年ほど過ぎたころでしょうか。

 気象業務の規制緩和ということで、一般には禁止されていた気象予報を一定の資格を設けて自由化しようということだったそうですが、その後テレビ新聞で発表する気象予報が気象庁が発表するものと違うものが出ているようにはまったく見えません。同じことを言っています。

 面白いことに気象予報士という資格が結構難関で、中学生が通るのに、テレビのベテランお天気キャスターの福井さんや森田さんが通らないことには笑えました。

 ヘリの世界で気象予報士の資格を持ったパイロットや運航管理者は結構いるようです。

 私の部下にも2.3人はいたようですが、彼らがなぜその資格を取ったかというと、パイロットとして事業用操縦士の資格を持って入社したのですが、数年間は訓練に入れない、あるいは運航管理者としての採用であったことが多くあり、向上心の強いものの中で、新しく始った気象予報士の試験に挑戦して合格したということが実情です。

 パイロットや運航管理者は気象予報士の資格そのものは要りませんが、気象の基本や予報などについては結構共通する内容が多く、気象予報士であればパイロットの事業用操縦士資格や、運航管理者の資格試験には十分でしょう。

 公的なパイロット養成機関でパイロット教育を受けたものは、履修科目として気象も教育を受け、試験に合格していますが、民間飛行学校などの卒業生は資格を取ったとしても、試験対策として気象を学んでいますので、どの程度のレベルにあるかは確かであるとはいえない恐れがあります。

 このようなパイロットが事業用操縦士になった後に気象予報士の資格を取ることは無駄とは言えませんが、気象予報士の必要とする気象学とパイロット、運航管理者が必要とする気象は必ずしも同じでないということは間違いないでしょう。

 また 定期便のパイロットが必要とする気象、戦闘機パイロットが必要とする気象、ヘリパイロットが必要とする気象ではやはり内容が微妙に違うということが言えるでしょう。

 定期便のパイロットが必要な気象は簡単に言えばデータとそのデータにもとずく現状の差についての判断でしょうが、ヘリの場合はこのようなデータそのものがない場合が多く、気象知識と局地的な変化条件などを自ら判断し予想するというかなり難しい場面が多くありえるでしょう。

 天候条件が悪いということであらかじめ大きな安全マージンを取って飛んでいれば安全かと言えば必ず急変と言う事態が、ある一定の確率で起こりますので、正確に予測する能力と、制限値以下の条件でも安全確実に飛べる能力と言うものが求められるようです。

 このような能力は気象予報士の資格があれば有利であるなら、資格を取ることは大変有効であるのですが、残念ながら実際のヘリの飛行に関する経験と気象知識があいまってこそ、悪天候を見極め飛ばない、悪天候であっても一定の判断で飛ぶ、このような判断が出来るには相当な経験と修練が必要でしょう。

 と言うことで、気象予報士レベルの気象学の習得はパイロット、運航管理者には必要ですが、資格は要らないということで、自己研鑽のために取ったその努力は大いに買いますが、それを生かしてレベルの高いパイロット、運航管理者になれるかというとそれはまったくの別物であると言うのが私の意見です。
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Secre

No title

こんばんは。
質問です。
海上保安庁や新聞社などには固定翼と回転翼両方のライセンスを持ったパイロットがいるみたいですがやはりヘリと飛行機の両方を運用している組織はこのようなパイロットが普通にいるのでしょうか??
ど素人の想像ですが、両方持っていればこれから日本にも配備されるオスプレイを操縦する際、違和感なく操縦できたりするのでしょうか。

No title

話題で回答ありがとうございます。
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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