エアーアジア 行方不明(2)、、


 
 
 
 行方不明からすでに24時間以上過ぎましたが、何の手がかりもつかめない、エアーアジア 8501便の遭難事件です。
 
 昨日までの情報で取り上げてみましたが、今日も続いて取り上げてみます。
 
 この便のA320が消息を絶ったのは、ボルネオのポンチアナックという町とスマトラで日本の落下傘部隊が2次大戦中に降下急襲したパレンバンという石油産出都市のちょうど中間のジャワ海の真ん中くらいの位置で両方の都市から200キロ程度離れた位置です。
 
 シンガポールからは300キロ程度はあり、固定翼機の捜索は出来てもヘリは少し難しいというような位置です。
 
 30年も前 パレンバンの近くで石油探査で数ヶ月は飛んでいて、そのあたりの天候や地域状況は少しだけわかりますがすでに遠い昔です。
 
 パレンバンは戦前からの石油産出地で、私がいたころも、空港には隣接して海軍の航空基地があって、インドネシア防衛の拠点となっていましたので、今回の事故に際しては捜索救難のベースとなっていることでしょう。
 
 A320は就航直後のデモフライトでの空港の直近の森に突っ込んで、炎上する衝撃的な事故の動画で有名な航空機です。
 
 いわゆるサイドステックの操縦かんのはしりの機体で、アメリカと考え方、設定の違った自動操縦装置がこの事故の原因であるとの強い主張がある中、その後、名古屋空港で着陸復航時に失速して墜落して100人以上の方がなくなる事故が起きています。
 
 名古屋のこの悲惨な事故も、設定した自動進入を解除しないまま、パイロットが無理やり操縦入力を続けたので人力と自動装置が喧嘩状態となって最終的に破綻して失速墜落したようです。
 
 その後、多くの改善はなされたことでしょうけれども、今回のように、いきなり乱気流に突っ込んで姿勢制御が大きく乱れたときにどのように自動操縦とパイロットの修正操作が影響しあったか大変興味のあるところです。
 
 トランスポンダーのコードが7001とセットされていたことは昨日も取り上げましたが、いきなり大変な異常姿勢に入って、姿勢修正の操作に翻弄されながら、トランスポンダーのコードを8501から7700に変える途中で7001であきらめ、操縦に戻ったのでしょうか。
 
 もうひとつ気になることは、複数搭載されていたと思われる、ELT(緊急位置通報装置)が通常は海水に触れるか、規定以上のG(重力加速度)がかかれば自動的にスイッチが入って、衛星が受信するはずなのですが、どうしたことでしょう。
 
 墜落途中でGによって一瞬電波は発射されたけれども、海底深く沈んでしまって十分の出力の電波が空中まで出てこないということでしょうか。
 
 今回の事故はブラジルの旅客機が夜間 墜落して長く行方がわからなかった事故と同じように、限界を超える乱気流のある積乱雲の中へ突っ込んで、操縦不能になって墜落、深く海中に沈んだというストーリーが一番原因に近いようです。
 
 ただ ブラジルの場合、完全な夜間飛行で積乱雲が十分目視できなかったことが想像できるのですが、今回は早朝とは言え、雲の状態は十分目視できたと思われますので、すでに手前から雲中になっていて、いきなり積乱雲のコアーに突っ込んででしまったのでしょうか。
 
 原因を完全に特定することは大変困難な事例ですが、オートパイロットの件といい、熱帯の積乱雲の件と言い、ぜひとも真相を究明して欲しいものです。
 
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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