LCC ピーチ 2000便運休へ、、、、
ヘリコプターの機長が足りなくて、防災ヘリが運休すると言う話題があったばかりですが、LCCとはいえ定期航空が機長不足で2000便も運休せざるを得ないというニュースが突然報じられ、大変驚きました。
病欠などに備えて3名の予備パイロットを持っていたところ8名が病気怪我などで乗れなくなったそうで、10月までこの運休は続く可能性があるそうです。
定期航空会社ほどパイロットの育成が容易な仕組みを持つ航空関係部署はなく、副操縦士としてどんどん計画的に飛行経験を重ねて行け、法的には1200時間の経験があれば、試験を経て機長として乗務できますので、3年もあれば機長試験の受験資格が出来ますので、育成に失敗したと言うことでしょうか。
ヘリコプターの場合は一人操縦なので、訓練を終えたとたんに機長として飛行する必要があり、そのような駆け出しを機長として使ってくれる場面は民間ヘリ業界にはなく、ドクターヘリ乗務条件2000時間の飛行経験はとてつもなく高いハードルになっています。
私がインドネシアでヘリを飛ばしていたころ、35年前 30歳くらいでしたが、国内線の中型のジェット旅客機を飛ばす国営航空ガルーダの機長は25歳くらいの若者がごろごろいましたので、少し離着陸に心配になるほどでした。
国営航空で現地の航空大学校を経て、2000時間程度で機長に昇進しているようでしたが、日本もそのような時代が来るようになるかもしれません。
何しろ飛行経験1200時間でOKですので、副操縦士昇格後3年で十分到達可能で、25歳の機長が誕生してもなんら不思議ではありません。
そこへ行くとドクターヘリの機長はどう見ても30歳ではとても不可能で、普通35歳から40歳くらいが今の現状だと思いますが、これが早くなる可能性はほぼないでしょう。
このヘリと定期便の現状を見るとき、わざわざ厳しい飛行環境、安い給料、休日や福利厚生、運航企業の信頼性、将来の希望などどれを取ってみても、優秀な航空従事者希望の学生は定期便のほうへ行ってしまいそうです。
さらに自衛隊からパイロットの割愛制度で民間会社へ出すと言うことが今年から復活し、ドクターヘリにもという話が出ていましたが、これでまたヘリへ来るパイロットがいなくなってしまいそうです。
自衛隊から民間へ転出出来そうなパイロットは普通ヘリと固定翼の両方を乗っていることが多く、そのようなものたちはわざわざ条件の悪いヘリ業界へ来る必要などなく、今回の運休騒ぎでまたしてもパイロットの奪い合いになる定期航空会社へと行くことでしょう。
前にも書いたように、運輸省が航空大学校をある程度は維持して、パイロットソースのコアーを最小限保っていはいますが、そのためにヘリパイロットを含めて、未来永劫、必要数のパイロット数は確保できず、自費訓練の候補者を採用せざるを得ないことが続きます。
自費訓練出身のパイロットは訓練の初期に選抜、淘汰されない可能性が高くて、能力的には玉石混交の可能性があり、定期便に採用された者は一生副操縦士という配置が可能ですが、ヘリははじめから一人操縦、機長として飛行する関係上、ある程度のリスクは防ぎ得ないという恐れがあります。
そのようなリスクを克服するには、運航の組織の役割が大きく作用し、それを統括する経営者の資質や経営方針、会社自体の永続性など、パイロットを取り巻く環境が大変重要で、このあたりの重要性は言うに及ばないのですが、そこまでとてもどうこう言える状態ではないのが大変気になるところです。
今回のピーチの運休の大英断は安全運航上、大いに評価に値しますが、実態を見たときに、今年の夏、ピーチの機長連中に夏休みはないと言うことならそれもかなり疑問と言うことになります。
やはり 夏休みはないでしょうね、それが企業と言うものでしょうか日本は、、、
、
スポンサーサイト