設定が微妙な 離陸重量、、ドクターヘリ、、

和歌山ドクターヘリ (167)

 航空機を出発させるとき、パイロットは気象や機体の装備や重量、航空関係の空域の規制などの情報、などなど多くのことを確認する義務があります。

 最後に確認するのが実際の航空機の状態の確認を目で見てするのですが、ドクターヘリの場合は、出動要請が入って、3分程度で離陸するので、エンジンスタートして、各計器類を確認し、無線でどこへ着陸するか、離陸のための風の情報を聞くだけで精いっぱいとなります。

 ヘリコプターにはそれぞれ性能限界があって、離陸の最大重量が決まっているのですが、許される最大重量なら3メーターか5メーター程度の高度でギリギリホバリングできる程度でほとんど余裕がない状態です。

 ある程度の馬力の余裕をとるためには、パイロット、整備士、そして、ドクターナースが乗って、100キロ程度の医療機器類を搭載しすると、詰める燃料の量が決まってきます。

 燃料の量は出動範囲の一番遠いところまで飛んで、往復して20分程度の余裕が欲しいところです。

 出動の要請がかかってから燃料を入れたり、排出したりする時間的な余裕はありませんので、自分が担当した県ではほぼ1時間30分飛べる燃料、300リッターくらいをいつも決まった量入れて、待機していました。

 現場で患者さんを収容するとほぼ70キロ程度搭載量が増えるので、20分くらいのところへ飛ぶ場合には、帰りの離陸と出発時の離陸の重量はほぼ同じになるのですが、5分しか飛ばないで目的地へ着いて患者さんを乗せると、出発時より50キロ重くなるので、狭いところからの離陸は苦しくなります。

 より大きなヘリを使うと燃料の搭載量には余裕が出るのですが、より大きなヘリに変えるとコストが高くなるほか、大きいヘリにはより多くの医療機材を積むことが普通で、鼬ごっこになるのが普通です。

 大型のヘリなら一人一人の体重はほとんど気にすることはないのですが、ヘリが小さくなるほど、一人一人の体重まで気になるところですが、ドクターヘリには離陸前の時間がないので、その分で燃料を増やしたり減らしたりする時間的余裕はありません。

 20分ほど飛んで患者さんを収容するとき、体重120キロ以上、付き添いのお母さん120キロ、おまけにドクター120キロには参ったことがありましたが、何とか離陸することができました。

 さらに、出動後に2番目の要請が他の場所から入ったときに、3角飛行をする場合や。2往復する場合には残燃料を即座に計算して、非行の可否を決断する必要があります。

 より大型のヘリで余裕をもって飛びたいところですが、より多くの医療機器の搭載希望もあり、どこで折り合うかは中々むつかしいところです。

 せっかくの双発エンジンのヘリなのに、重量があまりにぎりぎりで飛ぶと、離着陸時のエンジン片発故障で墜落する可能性があり、現実にアメリカでは墜落した事例があるようです。

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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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