スキッドの後ろについているこれは何か???

このドクターヘリは着陸装置のスキッドの後ろのほうが上にそりあがって長くなっています。
これは名前を何と呼ぶのかは知らないのですが、ヒラタ学園のドクターヘリにはほぼすべて装備されているのですが、他社のヘリについているのを見たことはないので、多分ヒラタ特有の装備のようです。
これは標準装備品ではなく、オプションのようで、何らかの事情でドクターヘリにはすべて装備したようですが、ヒラタ以外のドクターヘリには一切装備されていないので、他社は必要性を感じていないと思われます。
実はこの長い部分が付いていると、軟弱な不整地から離陸するときにスキッドの後淵が土の中へもぐりこんで、その部分が地面に引っかかって、片方だと横方向へ、両方引っかかると後方へ、引っかかった部分を中心に円運動を起こして、ヘリが転覆する可能性があります。
ダイナミックロールオーバーと言う現象で、ヘリが地面から離れることなく、円運動が始まって、ある一定の限界を超えると、操縦かんをいっぱいに反対方向で操作しても回転運動を止めることができなくなり、転覆する大事故になります。
実はヒラタ学園は神戸空港の滑走路わきの軟弱な芝生の部分で機種は350でドクターへりとは違う機種なのですが、離着陸の訓練中、管制塔から定期便の着陸機があるからすぐに退避しろと言う指示で、生真面目にもあわてて離陸しようとして横転してしまった事故がありました。
このようなオプション装備品があるということは、もちろん危険性があるからで、この装置をつけておけば軟弱地盤にスキッドの後淵を突っ込む可能性はゼロになり、同じような事故は起きないことになります。
ドクターヘリは必ずしも舗装面に着陸するとは限らないので、この装備は大変有効な装備である事は間違いはないのですが、他社はこの装備の必要性を感じていないのか、いずれにしても判断は分かれています。
そして他社は同じような事故を起こしていないのかと言うと必ずしもそうではないようです。
つまり、このような装備の必要性を判断し決定する、経営者や管理者、そしてパイロットなどの意見や安全意識がヘリの装備品など決定的な安全対策の選択に違いがあるということの表れでしょう。
ヘリの運航上の安全対策は、効果が決定的で、費用がそれほど掛からない項目から優先的に取り入れていくべきなのですが、この装備品はそのような対策の見本のようなものでしょう。
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