ヘリコプター まっすぐに飛ぶために、、、

ヘリコプターは真横へ飛んだり、極端な場合は真後ろへも飛んだりできるのですが、あまりに自由に飛べるためにまっすぐ前に飛ぶことが結構、難しくて、これができないパイロットは相当なベテランでもいるようです。
水平直線でまっすぐ前に飛ぶ巡行時や、離着時に直線のコースを飛ぶことはなかなかむつかしく、普段は少しくらいずれてもわからないのですが、これができないパイロットはモノや人を吊り下げたらいっぺんにばれてしまい、つり荷をゆらし、揺れを止めることができません。
シングルローターでしっぽにテールローターがあるヘリが一番多く、この型式のヘリがまっすぐ飛ぶのが大変むつかしい、構造が特別な空力的な特性が発生します。
機体が大きなローターの回転方向と逆に回ろうとすることを止めるのがテールローターの役割で、横方向への推力で回転を止めたり、方向コントロールをしているのですが、実はその推力は回転を止めるだけではなく、機体全体を横へ移動させてしまいます。
写真の姿勢指示器はほんの少し傾いて取り付けてありますが、これは取り付けミスではなく、巡行中、この傾いた姿勢指示器を合わせて飛べば、機体は少し傾きますが横方向へずれないような角度で付けてあります。
この写真はEC135でローターがリジットタイプという、機体とローターの軸の角度が直角で変化しない構造なので、水平直線飛行で横にずれないためには機体を傾けてやる必要があり、その角度に水平指示器ははじめから傾けて付けることになっています。
ベルのヘリなどシーソータイプのローターの場合は軸につながるローターの角度はローターがぶら下がって角度が変わるようになっているため、水平直線飛行の場合は機体は水平で、ローターが傾くように、ローターの傾きを調整するスワッシュプレートという皿のようなものが初めから傾けて取り付いています。
つまりベルヘリは機体を水平にして飛び、主にヨーロッパのヘリは機体を傾けて飛ぶと水平直線飛行ができるようになっていて、その違いをぴたりとコントロールできないとまっすぐに飛べないことになります。
まっすぐかずれているかなどすぐにわかると思うことでしょうけれども、上空では参考にでき目印が近くに何もなく、体感の判断もむつかしいので、まっすぐに飛べないパイロットなド、ごまんといるようです。
もしかすると、ヘリパイロットでこの原理を知らないものも多数いるようです。
1万時間ちかくも飛んだ経験豊富な、私にドクターヘリ機長のヘリ審査をした、もぐりのベテランは知らなかったようです。
まあ、このようなことを知らないようでは、まともに物を吊って飛べないでしょう。
今日の記事 良ければ 「拍手」 クリックよろしくお願いします。
スポンサーサイト