双発機でもオートローテーション着陸は必要???

一般にヘリコプターはエンジンが止まっても飛行機の滑空のように降下してきて、軟着陸できるので安全性が高いと言われています。
ドクターヘリに使用されているヘリはすべての種類がエンジンが2基装備されていて、さらに安全性が高いと言われているのは、1台のエンジンの使用可能な最大の緊急出力は2台運転の時の90%以上出せるようになっているので、ほとんどの状態で普通に飛べることになり、出力不足を感じることはあまりないようです。
しいてどのような時が出力が足りなくて危険かと言うと、騒音低減のために、離陸時に垂直に上昇するときで、この状態で30メートル以上の高度で垂直に上昇しているときに片方のエンジンが止まれば、支えきれなくなって真下に墜落する可能性が高いでしょう。
ではヘリのタービンエンジンが故障して止まる確率はどの程度かと言うと、最近では10万時間以上使って一度も止まらない程度に安定していますので、同時に2台とも止まるのは10万×10万なので、100億時間に一回なので天文学的な数字でほぼありえないということになります。
さてでは2台のエンジンが10万時間に一回止まる確率なら、どちらか1台が止まるか確率は10万時間に2回起こるので、この確率はかなり高く、天文学的数字ではなく現実に起こる可能性はありそうです。
どちらか一台止まったら危険性があるような飛び方をわざわざするようなことはぜひとも避けることは常識でしょう。
オートローテーション着陸は両方のエンジンが止まったら、必ず必要なテクニックなので、100万時間に一回だから必要がないかと言えば、実はかなり必要なのですが、なぜかと思われるでしょう。
一つ目は何らかの事情でテールローターが壊れたばあいでローターにエンジンのパワーが入ると必ずテールロータが必要なので、回されないためにはエンジンの出力をローターから切り離してやる必要があり、そのまま軟着陸する必要があります。
2つ目にはもし片方のエンジンが故障して停止した場合に、残ったエンジンを目いっぱい使うのではなく、残ったエンジンの出力を最小にして、オートローテーションに近い状態で降下してきて、軟着陸することが安全上最善でしょう。
つまり双発エンジンのヘリであってもオートローテーション降下することが次の故障に備える最良の方法となります。
固定翼機の場合でも自衛隊機はSFO(シュミレイト、フォース、ランデイング)のパターンを経由して安全確実に着陸する手法が緊急時には使用され、安全性の確保に役立っています。
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