フロリダ救急ヘリ事故、同じような事故を防ぐには、、、

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 https://news.yahoo.co.jp/articles/4a393797b8b06919e81827eb7d34a000ad0fc7e3

 ドクターヘリなど緊急性の高い出動で離陸前に十分な時間が取れない場合に、今回のフロリダの事故のような事例をどのようにして防ぐか、あるいはもし同じようなトラブルが起きた場合でどのようにすれば生還できるかというと大変むつかしいことになります。

 今回のような事例では死亡者が出たことは仕方がないとあきらめるという意見もごもっともですが、いや自分はどのような事態でも、どうすれば生き抜くことができるかと普段から自問自答して努力することも一つの生き方と言えるでしょう。

 今回の場合でも、飛行経路図から見ると、あと30秒テールブームに火が回らなければ生還できた可能性があります。

 また事故の起きた空港を検索してみると、トラブルが起きたとき、左旋回でなく、パイロットから見えやすい右旋回していたら、ゴルフ場や多くの水面があって、犠牲者がより少なく済んだ可能性があると言ってみても後の祭りですが、、、、

 さらに、トラブルの初動でこわれたエンジンを停止することと、消火装置を使ったかどうかはよくわかりませんが、初動で手順を実施していたら、結果が違った可能性はあるでしょう。

 緊急出動では離陸前に各装置類の点検に十分時間をかけられないのが常なのですが、ヘリの操縦上の大原則は必要最小限の馬力で最大性能を出すということで、特に離陸時のパワーは必要最小限とするべきで、100%まで使えるからと、いつも最大馬力で必要のない垂直上昇離陸をしていると、今回のようなことが起きるとほぼ全員死亡することでしょう。

 もう一つ重要なことはパイロットが重大な故障が起きて、まずすることは、正確な事態の把握と正しい緊急手順なのですが、今回の事故の場合はパイロットとの管制が母国語なので、日本の場合と少し状況は違っていますが、最小限の応答のようです。

 つまり、命を守る操作手順が再優先で、余裕ができたら行う管制通信連絡は2の次3の次にするべきで、無線を送ってもパイロット本人しか命は守れないと心得るべきでしょう。

 また、離陸直後のパイロットの習性は、離陸場所へ戻ろうとする強い本能があり、戻る途中で事故死した例があまりにも多く、ヘリの場合のでもどこにでも着陸できるという特性を、非常時には最大限に使って生還する選択肢も常に頭に入れて飛ぶ必要がありそうです。

 パイロットに与えられた最大の命題、自分ならどうするで命を守るべきでしょう。

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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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