オートローテーションってローターは逆に回る、、??

和歌山ドクターヘリ (163)

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3#cite_note-5

 陸上自衛隊のUH60が原因不明の墜落事故を起こして、あまりに原因がわからないので、いわゆる航空評論家はほとんどまともに評論できない中、政治評論家などが適当なことを評論しているのを聞くと無理もないとはいうものの、相当いい加減なこともまぜこぜで言っているようです。

 ヘリコプターはエンジンが止まっても安全にオートローテーションという方法で着陸できるので、最悪、エンジンが2基積んでいる双発機でも安全に着陸できるらしい、、、オートローテーションという方法らしいがローターは逆転するらしいと、、、、

 政治評論家でも専門外のことを言うときには少しは一夜漬けでもしてくれば話に信用度が上がるのですが、、逆転すると言ったらすべて主張がぶち壊しです。

 メディアでローターが逆転するという発言は何回かは聞いたことがあり、素人なら無理もないとはいうものの、まったく知らない人に短時間で理解してもらえるように説明するのは至難の業で自分自身でもあまり知らないのではないかと思うほどです。

 このネットの記事でも、エンジンの馬力が入っているときには気流がローターの上から下へ通過し、オートローテーションの時には下から上に流れることによって飛行すると図面が出ていますが、正確にはそうでもないようです。

 回転するロータが切る空気の流れはヘリの前進速度と、ローターの回転による各部分の対空気速度の合成された速度がある範囲内の一定数ならその部分がグライダーの主翼と同じ働きをし、それ以外の部分、先端部と付け根の部分は抵抗となるだけなので、翼として働く有効な部分の効果から、抵抗になる部分の値を引いただけの揚力が有効となるようです。

 機種やローター回転数にもよりますがおおむね前進速度70ノットから80ノットくらいが一番効率が良い速度なので、動力がなければその速度で降下していくのが降下速度が小さくゆっくりと降りていけることになります。

 降下してきて最後の着陸時は減速して行き足を降下を止める効果として使い、最後の軟着陸にはローターの角度を一挙に返して、ローターの惰性力を上昇力に変えて接地しますが、これで一挙に回転数が落ちますので、一発勝負です。

 オートローテーションの状態で垂直に降下したり、高速で降下すると、ローターの領域の抵抗部分が増えて急降下になったり、回転数が落ちたりします。

 エンジンの力がない状態ではローターの回転数の制御はピッチレバーでローター角度を変えて、適切な回転数を維持するのですが、いったん過回転したり急低下させてしまうと、正常値に戻すことが大変むつかしく、その間にもヘリは急降下しますので、接地までに間に合わなければ激突となります。

 このように理論を説明しても、素人の方にはちんぷんかんぷんかもしれず、簡単に逆転しますとでも言いたくもなるのでしょう、、、、

 飛行機の場合のエンジンオフは速度を維持するだけなのですが、ヘリの場合は速度とローター回転を維持することが必要で、低高度を飛行する場合が多いのでいったん外すと修正する前に激突しますので、一発勝負という面が強いでしょう。

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エールフランス機 鳥と衝突か、、、、

エールフランス

https://news.yahoo.co.jp/articles/7e822f75d80da75d95d42ca5470ae84239268131

 28日関西空港からパリへ向かったエールフランス機が何かと衝突したらしく、機種がへこんで気象レーダーと速度計は不調になり、引き返して無事に着陸したそうです。

 レーダードームは普通樹脂製などでできている場合もありあまり強度的には強くなく、雷が当たって吹っ飛んでしまうことがあっても即墜落することはないようですし、、速度計は2系統あって両方が壊れると着陸に支障が出て、編隊飛行で着陸する場合が多いようです。

 気象レーダーのアンテナが先端ドームの中にあって、上下左右に振れるようになっていますが、へこんだ部分が当たってアンテナの動きを拘束すると使えなくなります。

 離陸時の低空飛行中に鳥が当たってへこみ、上昇して速度を出したらさらにへこんで速度計の指示が狂ったのでしょうか。

 つまりパイロットは鳥と衝突したことを認識していたものの、異常がなさそうなので飛びつ続け、速度を出したら、衝突の傷でさらにベコンとへこんで速度計に異常が出たので引き返したということでしょうか。

 航空機が鳥と衝突する事例は、広い飛行場が鳥の住処に最適なので良く起こるのですが、日常的に比較的低空を飛ぶドクターヘリの場合も結構起きやすいのですが、比較的低速なので発見が遅くならなければ、回避できることが多いようです。

 ただし春から夏の時期には鳥が営巣して子育てをする場合には、敵と思って向かってくることがあり要注意です。

 またヘリは構造上、パイロットの正面の風防は比較的強度があり、ぶつかってもそう簡単に割れることはありませんが、下方の視界を確保する、チンバブルはアクリルの弱い材質が多く、パイロットの両足の間からトンビがこんにちわをしたことはドクターヘリにもあったようです。

 ローターに当たった場合には血しぶきが風防に広がった経験がありますが、先端は強度があって壊れることは少ないのですが、中央より後方はファイバーなどが多くて、弱く、鳥のくちばしの固い部分で穴があいて交換となった例がありました。

相手は航空機なら 航空法の優先順位で決まった方向へ避ける決まりなのですが、鳥は航空法を知らないので、同じ方向へ回避することがあって、至近距離に入ったらこちらから避けるしかないようです。

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いよいよ梅雨の走りか、、、、

和歌山ドクターヘリ (361)

 https://weather.yahoo.co.jp/weather/jp/29/6410/29425.html#week

 地元 奈良の週間予報は月曜の今日から土曜日まで雨か曇りとなっていて、いよいよ梅雨の走りかと思わせる予報ですが、例年の西日本での実際の梅雨はほぼ6月の後半から7月の中旬くらいではないかと思います。

 5月の末から6月の初めに少し長雨が続くと気象庁の担当者はメディアを意識して、梅雨入り宣言の発出に悩み、6月初旬に宣言してしまうことが多く、その時機以降に晴れが続くと、梅雨の中休みと言い逃れをすることが多いようです。

 今年は季節外れの台風に影響を受け、週末くらいに入梅を宣言するかもしれません。

 ヘリコプターの仕事は撮影をしたり、山岳地帯へ物資を輸送することが中心だったころ、天気予報を調べて、今日は中止と決めて、することがなくなると現地でクルー全員で遊びに行くようなことは普通でした。

 視程が悪くなったり雨が降ったり、山岳部でガスがかかったりすると、まともに飛び続けることがむつかしくなったり、まともな絵が取れなかったりする可能性が高いと朝7時の電話連絡でその日は失業となりました。

 ところが、テレビ報道や、ドクターヘリの場合はそのようなことはできず、どんなにお天気が悪くても一日中待機し、出動要請が入ったㇼ、事件事故が起きるとその都度飛行の可否を判断する必要があり、飛べる可能性があるなら悪天を突いて離陸しなければなりません。

 もちろん 即座に飛べませんなどといつも言っていると、パイロットの腕を疑われることはもちろん、他社が飛ぶなどすれば信用が地に落ちてしまします。

 空港間を計器飛行方式で飛べる旅客機などは、公式の観測データがあり、規定の数値がはっきりとわかりますので飛行の可否の判断はかなり簡単なのですが、飛行場以外の場所を離着陸するヘリの場合は公式なデータ数値は全くないので、観天望気で見て、ルート全域を予想するしかなく、これにはパイロットがどれだけ経験しているかが決め手となります。

 パイロットは人間なので、イケイケどんどんもいれば、怖がりもいますので、判断は大きく分かれることがあるのですが、別れた判断で命を失うことや、行くも引くもできなくなって、不時着したりといろいろなことが起きることになります。

 悪天地域へ向かって飛ぶときに、そろそろ無理かなと判断した場合に、わざと雲をかすめて飛んで、同乗者にこれ以上は無理ですねと語りかけて、引き返すなど、命を守るテクニックも必要となるようです。

 ちょっとした悪天候でも先はわからない場合もあり、昼間でさえ危険が伴いますので、これが前がよく見えない夜間ならさらにむつかしいことになります。

 梅雨時期には限りませんが、一般的に悪天候 雨降り、低い雲の多い時期は特に要注意です。

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ローター回転数が最終的に最重要、、、

和歌山ドクターヘリ (185)

 https://news.yahoo.co.jp/articles/c0ade86221cdbb9386baa546ffdbb1843eeab494

 今日も陸自UH60墜落事故の読売ニュースの数少ない情報から事故の様子を推理してみます。

 まずはエンジンが異常な音を立てて出力が急低下していたとありますが、通常エンジンの出力が急低下する場合には異常な音が発するという場合はすくなくて、爆発音の後に出力が急に低下するか、あるいはいきなりエンジンが止まれば急に静かになることが普通です。

 2台のエンジンが同時にそのようなことになることは普通ありえないので、異常な音はローターの過回転か異常な回転数の低下の可能性が高いでしょう。

 警報音が鳴るのは普通はローター回転の過回転か低下の可能性が高く、過回転の場合は最悪ローターが飛んでしまって、石のように落下するということになります。

 ローター回転の低下の場合、一定の値以下のなると姿勢制御の操縦ができなくなって、これも石のように落下するので、事故機の海面激突の姿勢が重い頭から突っ込んだことと合致します。

 ヘリが大音響の異常音を出すのは過回転の場合が多く、この場合はローターはハブの部分から脱落するので、事故機のように中間部分から先で折れているのは、最後までローターは残っていて海面をたたいて壊れたと想像できます。

 双発機の場合エンジン故障で警報音があることはない設定が多いのは、エンジンは同時の2基故障することはほぼありえないうえ、1基だけでも十分に飛行可能だからです。

 エンジンが正常に回っていようと、重大な危険の状態はローターの回転数を低下と過回転で、この場合初動で修正操作をしないと制御が利かなくなって即墜落するので、警報音でパイロットに警告します。

 初期のピストンエンジンのヘリで育ったパイロットは、常にローターの回転数をバイクのアクセルのようなグリップで手動でコントロールしていたので、ローターの回転計を常時チェックする癖がついているのですが、タービンエンジンになってからは自動でローター回転数は制御されるようになっているので、ローター回転数をチェックする習性がなく、音による回転数の感知能力も低いので、気が付くのが遅れる可能性が高くなります。

 高回転側はローターが飛ばなければ生還できる可能性が高いのですが、高度500フィート以下で低回転側になると操縦不能で墜落し、ほぼ助からないでしょう。

 いったん高回転側に振れ、発見が遅くて急激な修正操作をすると、大きな異常音とともに低回転側に短時間に振れるので、操作のタイミングがむつかしく、通常では全くすることのない操作で、異常の発見が遅れると操作が過大で遅れがちとなって、事態を悪くしてしまいます。

 フライトレコーダにどのようなデータが残っているかですが、ほぼ事故原因の内容は特定できそうに思います。

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元日航機長評論家氏 ボロカス!!

ゼレンスキー

 https://news.yahoo.co.jp/articles/73765075b90d213595cdf81c8396ea3269cb3fc4?page=1

 ウクライナのゼレンスキー大統領がフランスの機体に乗って飛び立って広島に着くまでの間、フライトレーダー24というネットのサイトでだれでも一部始終追跡ができたようです。

 そのことがニュースでも取り上げられて、中国の領空を通過したとか話題になっていましたが、元日航の機長で航空評論家のS氏が暗殺対象世界一二の重要人物ウクライナの大統領の乗機のセキュリテイ上問題が大きいと記事を書いていたそうです。

 もちろん米大統領のエアーフォース1はフライトレーダー24には映らない方式だとか日本の政府専用機はどうだとか、知ったかぶりを書いていることが、ネットのコメント欄でマニアにボロカスに集中攻撃されていました。

 よく知らないことは偉そうに高説を垂れないことだなと自戒を込めて読ませていただきました。

 元日航の評論家にはK氏というこれも、私が評価するにはトンデモ評論家がメディアには一番よく出ていて、次によく出るのがこのS氏で、K氏よりはかなりましな評論家だと評価していましたが、知らないことは偉そうに言うべきではないと、自分も反省しています。

 このフライトレーダーというサイトは和歌山でドクターヘリに乗っている当時ですからすでに15年以上前に自家用ヘリを所有している友人から教えてもらって、見ることを勧められたのですが、他人がどこを飛ぼうと興味がなかったので全く見たことはありません。

 一応軍用機に乗っていた経験があるので、民間のトランスポンダーとは一味違うSIFを積んでいたので、その後の発展のステレスとか衛星とか入っているのでよくわからないのですが、S氏も基本的な知識がないのに、大統領などの乗機のセキュリテーについて余計なことを言うべきではなかったようです。

 ゼレンスキーのフランス機が丸裸で飛んできたのは、戦争を100回以上経験している野蛮国家ですから、隠そうと思えば完璧に隠密で飛べたことでしょうからそれなりに合理的な理由で、裸で飛んできたということでしょう。

 またロシアが撃墜すればただでは済まない危機で、相応の反撃はあるでしょうし、核攻撃で、一瞬にロシアを消し去るか、下手をすれば第3次世界大戦勃発の可能性すらあるでしょう。

 最近大評論家、k氏はあまりテレビで見なくなりましたが、これでS氏の出番もガタ減りとなるのでしょうか、それともテレビ新聞は超権威主義なので、日航の大キャプテンならだれでも騙せると、畑違いのヘリの事故の時でもトンデモ評論をしていましたので、コリャだめだというようなことを見受けました。

 ヘリの事故ならこの自分に聞いてくれば良いのにと、たまには自惚れるのですが過去にどこかの新聞から電話がたった一回だけ聞いてきたことがありました。 調子の乗って墓穴を掘らなくてよかったのですが、、、、

 それより、某県警の捜査一課の刑事が航空事故刑事責任の捜査で意見を聞きに来たことがあり、これはマスコミより100倍まともでした。

 今回の記事 書き放題のブログに警鐘と受け止め自戒することとします。

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緊急事態 処置を間違ったら命取り、、、

明野航空祭 (211)

 https://news.1242.com/article/430818

 昨日の記事の続きになります。

 昨日の記事は陸自や読売が意図的に流す、陸自のヘリの墜落事故の情報が怪しいという意見を書いたのですが、その読売の記事に関して、元読売テレビのアナウンサー辛坊治郎がラジオ番組で取り上げていたというネットニュースがありました。

 元海自の軍事評論家、ヘリパイロット小原氏と共演していたようですがこれといった目新しい推測はなかったようです。

 この辛抱元アナは父親が自衛官だそうですが、日ごろの言論にはやや軽い間違いがあり勝ちで、あまり信用していないのですが、今回もこれといった情報はなかったようです。

 つまり防衛省筋から読売新聞に流れた情報にはほとんど、見るべき価値はないということになるのですが、現実にはヘリが墜落し、多くの自衛官が亡くなっているので、致命的なトラブルが起きたという予測、推測をしています。

 もし中共の攻撃でないとすれば、別の原因がありはずで、それは必ず致命的なトラブルかというと、実はそうではないストーリーも考えられるということがあるのですが、そのあたりがボイスレコーダーから読み取れる可能性があります。

 エンジンが2基搭載されていて、1機が止まっても残ったもう1基で十分安全に飛行でき、しかも普通に着陸できる性能を持っているから、もっと重大な故障が起きているはずだ、そうでなければ中共の極秘攻撃だということになるのですが、実は故障が起きたときはパイロットが必ず正しい処置、手順を間髪を入れずにできるかというと、過去には間違って墜落させてしまった例などいくらでもあるようです。

 例えば エンジンが急に止まった場合、普通なら残ったエンジンで飛び続けるのですが、実は更なる故障の被害を最小限にするために、止まったエンジンを燃料をカットし、発電機の回路を遮断する手順があります。

 この時に間違って正常なエンジンの燃料を遮断してしまえばどうなるか、、、ヘリはいきなり全出力を失って、ローターの回転が急減速し、それを予測していないパイロットは一瞬ピッチレバーを下げることが遅れると、回復できなくなって海面に激突します。

 このような間違いはかなりドジなパイロットでなければ犯さないので可能性は低いのですが、もっと微妙な故障でAS332が冬の北海でローターがぶっ飛んで、全員死亡した事例がありました。

 実は同じ故障を経験しローターがぶっ飛ぶところでしたが、ヘリは地上にあって、ジャンプシートの優秀な整備士が正しいほうのスロットルを引いてくれたので間一髪助かりました。

 ホバリングしていたところ、左右のエンジンの出力に明らかに差が表示され、着陸して点検するべく、何の気なしに低いほうのスロットルを引いたところ、残ったエンジンがいきなり最大パワーまで暴走し、ローターがうなって制限回転数を一挙に飛び越えそうになって、後ろから整備士の手が伸びて残ったスロットルを引いてくれて助かりました。

 北海では飛行中同じことが起きてローターが飛んでしまって全員死亡という大惨事が起きていたようでした。

 つまり、ちょっとしたとトラブルで処置を間違うと一瞬でローターが飛んでしまうということも起きる可能性があり、パイロットはマニュアルにない緊急手順も、機体の構造を理解して原理原則を知って正しく対処すれば命があり、ちょっとした遅れやミスで命を落とすことがある厳しい職業と言えるでしょう。

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陸自ヘリ事故 不自然な報道、、



 https://www.yomiuri.co.jp/national/20230524-OYT1T50021/

 すでにひと月以上過ぎた陸自ヘリの下地島付近での墜落事故の原因らしきものが初めて読売新聞で報道されたそうです。

 この報道は情報の入手方法、事故原因らしき発表内容まで、かなり怪しげない内容がほとんどで、誤った情報で世論を一定の方向へ誘導しようとする意図が強いようなにおいがプンプンします。

 読売新聞と言えば一応保守派の政府ご用達のプロパガンダも自由自在というスタンスも取りそうな新聞社ですが、防衛庁筋がそのような読売と組ん特ダネ情報を漏らしたようなそぶりで利用したのでしょうか。

 つまり防衛庁には記者クラブがあって、各社の記者がいつもうろうろして特ダネ情報をあさっている中で、なぜ読売だけがこのような情報をつかんで特ダネのように記事にしたのかがあまりに不自然で、しかも情報が中途半端です。

 読売にだけ流したのなら他社は大いに反発して抗議するでしょうし、流した内容が正確無比なら貨車会見を開いて公表するべきでしょう。

 記事の内容を見ると、エンジンの出力が低下した、警報音が鳴った、パイロットは立て直そうとした、後席に対処すると伝えた、機長がコパイに高度を維持しようと問いかけてコパイはハイと答えたというのが情報のすべてのようですが、まるでヘリが急に墜落するような故障が起きたとでも誘導しているような内容です。

 へりの壊れ方や墜落するまでの時間などから、完全に操縦不能になっていたとしか考えられず、エンジンの出力低下や警報音程度ではこのようなことはほぼ起こりえないほど重大なトラブルが起きていたように思えます。

 つまり、事故原因に迫るような情報があるなら、記者会見で公表するべきで、中途半端な情報をいかにも、ごもっともらしく、一新聞社に流すなどはもってのほかで、世論やマスコミを誤った方向へ導くことになり、真相解明にとっては邪魔なことになるでしょう。

 国民が知っては困るような情報を意図的に隠していると疑われても仕方がないような、読売の記事で、もちろん防衛省もグルになっているような印象です。

 急激なエンジン出力低下程度で全員死亡するような事故にはならないでしょう。

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ドクターヘリの無線機、、

取り込み画像 002

 ヘリのパイロットが管制上のトラブルに巻き込まれやすいのは、無線機の使い方や性能などが影響して、聞き取りにくい、送信がうまく伝わらないということが相当に影響します。

 私はいろいろな航空機に乗った経験がありますが、ヘリの無線機が一番、職場環境が劣悪で、頭の上から騒音が発生するエンジンとロータを回すギアボックスからの轟音は半端なく大きくて、ヘリパイロットを長くやると難聴になるものも多いようです。

 ヘリの操縦はほぼ手を離せない局面が多く、周波数を変えたり、送信する無線機を選んで切り替えてマイクを通して送信する場合に、固定翼機のようにいつでも片手が開いているということがないので、切り替えるタイミングに苦労します。

 特にホバリングで地上滑走している場合にはほとんど両手ともを離せないので、離着陸前後の地上管制と飛行場管制の周波数の切り替えはある意味命がけで、強い追い風や乱気流で墜落しかけたパイロットは多いと思います。

 ドクターヘリの場合は航空管制用と社内無線用の2台の無線機のほか、パイロットが扱うのは現地ヘリポートの消防と通話する消防無線、そしてドクターが患者情報のやり取りに使う、医療無線があり、通常パイロットは送信はしない場合でも、受信音の情報はヘルメットのヘッドセットから流れてきます。

 2つ以上の無線機から同時に受信音が流れると、ほぼ両方とも理解できないことは多いようです。

 もう一つ問題なのは、ダブルトランスミッションと言って、通信する相手と自分が同時に送信してしまうと相手が何と言っているのがわからないだけでなく、相手が受信していなので相手もわからないことになり、両方が再確認しないと言いっぱなしで、相手が了解していると思っていると昨日の記事のようなことになります。

 管制等の見学に行ったことが何回もあるのですが、管制塔の無線機はダブルトランスミッションでも相手の送信がダブってもなんとか聞こえるようになっていたと思います。

 さらに管制塔の中は鉛筆を置いただけでもコトンと聞こえるほど静かで、ヘリの中で通信する困難さに比較にならないほどよく聞こえます。

 車輪タイプのヘリの地上の場合や、オートパイロットが装備されているヘリなら、手を放すことは自由にできますので、無線に専念できますが、操縦かんやピッチレバーを持っている両手は、ただ掴んでいるだけではなく絶えず修正操作をしますので、無線に専念できないという場面が多々あり、固定翼機に比較するとむつかしいようです。

 航空局の操縦試験官や陸自で2名パイロットで飛んでいたパイロットが会社で訓練を請け負って、最初に離陸してすぐに、無線機の周波数を社ない波に切り替えるときに、片手を離して操作したところ、ヘリは背面飛行になりかけたと同僚の教官が大笑いしていましたが、ジェット機でもトリムオフしていれば、離陸直後に両手をはなしてもしばらくまっすぐ飛んでくれます。

 シングルパイロットで無線機を3台も4台も駆使して、何回も周波数を変え、マイク切り替えをしながら、管制塔とやり取りし、会社と交信し、消防と交信することはある意味相当な技術です。

 そのような場面で管制塔の新米がわけのわからないことを言い出したら、ブチ切れそうになります。

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朝日航洋へり、セントレアでインシデント、、、

セントレア

 https://news.yahoo.co.jp/articles/cf2dfc012841b9488b4eaac3c7c685bbc384ef6f

 22日八尾空港から出た朝日航洋のヘリがセントレアに着陸する際、指示された滑走路に着陸せず、他の場所へ着陸し、危険があったと重大インシデントとみて事故調査委員会が調査するそうです。

 こんな話は記事にするだけでも気分が悪いのですが、相手がそう出るならパイロットの方を持つのもいいかと取り上げてみます。

 大前提として、民主国家では、公務員が召使で国民は王様と決まっているはずですが、なぜか日本の航空界では、特に国際空港ではなぜか空港ちっぽけなヘリは国民どころか乞食同然で、管制官は、昨日チェックアウトされた新米でも、王様の態度を取ることが許されているようです。

 ということで管制通信を記録したテープを聞けば即座にどちらが悪いか5秒でわかるのでわざわざ事故調査なるものを、多額の税金を使って出張してきて調べるようなものではないと思います。

 同じようなトラブルがあった時、管制官が生意気にも無線でののしるようなことを言ったので、そっちへ行くから降りてこいと返して、先任同席でテープを持ってこいと怒鳴って、転勤の処分にさせたことがありました。

 飛行場は管制官のものかパイロットのものかと言えば、国土交通省の管制官は自分のものだと言い、自衛隊管制官やアメリカの管制官はパイロットのものだというでしょう。

 通常は航空交通の安全に影響がなければ、ルール内であればパイロットが希望した飛び方をさせるのが普通で、ヘリコプターがはるか4キロも離れた滑走路へ着陸して、とことこホバリングで移動しなければならないなら、すぐ近くのヘリパッドに着陸して20秒でパーキングしたいと思うのは当たり前で、召使いの管制官なら当然自主的にそのようにさせることでしょう。

 もし安全上の理由でそのようなことができないなら、管制官はそのできない理由をパイロットに通知して、申し訳ないけど滑走路に着陸して4キロホバリング滑走して移動してくださいと言うべきでしょう。

 自分が王様でちっぽけなヘリのパイロットが召使なら、理由も言わずに不便をさせるのが、日本の国土交通省の管制官で、自分がたまたま大型のヘリで行ったり、小型のヘリでも国会議員や大臣を載せていたら、いきなり召使の態度に豹変するのが常であるようです。

 管制官の訓練の内容やその空港特有の管制方法の設定の中でヘリコプターはどのように扱うのかは、ヘリコプターの性能や飛行方法について十分に勉強して理解し、小型ヘリを乞食のように扱わないようにしたほうが世界の航空界で笑われないと思いますが、いかがでしょうか。

 岡山空港でNHKのヘリが強風中の着陸滑走中、ハードランディングしたばかりなのに、ヘリは地上滑走でうろうろするのは危険だということを知らないのでしょう。 

 ヘリを危険な目に合わせても平気な王様管制官、、そしてバカげた調査をする低能調査官、日本は航空後進国で、 日本でヘリは乞食扱いのようです。

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過去の50年と未来の50年、、パイロット、、、

和歌山ドクターヘリ (142)

 世間の話を聞いたり、ネットを見ていると、ドクターヘリのパイロットになりたいという若者がたまにいるようであったり、民間の飛行学校にパイロットの資格を取る希望者が結構いるようです。

 自分はたまたま50年前にパイロットを希望して、航空自衛隊に入り、その後事情があってヘリに乗って、最後の5年間はドクターヘリでパイロット人生を10年前に終わった幸せ者です。

 自分がパイロットを志した時代と今現在の航空機やパイロットの状況はそれほど変わっていないようなので、目指した世界がまるで変ってしまったということはなさそうです。

 ところが今から空を飛ぶパイロットを目指す若者が描く世界と、20年後30年後、そして引退するころには航空という世界が大きく変わりそうな予感がします。

 まずはパイロットは航空機を操縦するかという最も基本的な面では、自動化と無人化という流れは止められないようで、海保や海自の無人機のオペレーターはパイロットと言えるかどうかは意見が分かれるところです。

 そして旅客機などのように決められたところしか飛ばない航空機は自動化がどんどん進んでいて、パイロットは実際に操縦かんを握って操縦しなければならない場面がどんどん少なくなってきていて、2名パイロットから1名になりそして無人化へと進むことはほぼ確実なので、今からパイロットになる若者が70歳程度で引退することには、パイロットという職業は半減している可能性があります。

 自動化が進みにくい航空機はどこへでも着陸するヘリコプターや、最終的に敵と対峙する必要が高い戦闘機パイロットなど一部のパイロットの果たす場面はかなり自動化が進まない可能性がありそうです。

 パイロットが特別な技術とある程度の危険性を帯びる任務のパイロットの給料はある程度は高いレベルで維持される可能性がありますが、ゲーム感覚で危険性なく、そして自動化が進んだ無人機のオペレーターが特別高い給料が舗装される可能性は低いでしょう。

 ドクターヘリや戦闘機はパイロットの固有の操縦技術が任務を果たす上で重要な要素となるので、処遇は維持されそうですが、飛べる飛行時間は概して少ないので、引退まで5000時間も飛べれば良いほうでしょう。

 飛ぶこと自体を楽しむグライダーや自家用機、パラグライダーなどのスポーツ航空は自分で操縦を楽しんで、操縦技術を高める楽しさがありますが、これは職業として飛ぶのではないので、さらに飛ぶ機会が少なくて飛行時間は多くはならないでしょう。

 このようなことを考えるとき、自分たちがたどった50年の航空の変化が今後の50年ではかなり創造のつかない進歩や変化がありそうなので、今職業としてパイロットを目指す若者たちにはよく考えて挑戦するべきだと思えますがいかがでしょうか。

 航空の世界が進歩することは必ずしもパイロットが職業として飛ぶ上で、充実感や楽しさが増す可能性は比例しないので、難しいところです。

 私たちの時代には、10機種以上の航空機を乗り継いで、操縦技術を高め、より大型機に乗り、難しいと言われる技術が必要な飛行作業に対応しながら成長し続けて引退を迎えることができたように思います。

 処遇も定期便パイロットには及ばないものの、最終10年ころから低下するまでは、同僚を含めて、皆1000万円程度は保証された良い時代でほとんど1万時間くらいは飛べた良い時代でした。

 さて今後50年、いろいろな航空機を飛ばすパイロットはどうなるのでしょう、、、、半分は無人機になるのでしょうか、、、

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プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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