東京消防庁 特定操縦技能証明更新せず50時間も飛ぶ、、、「

東京消防庁

 https://news.yahoo.co.jp/articles/70e81789267790f9befe04cb1470fe24eaf5c17f

 公的ヘリの運航に関するパイロットの資格の更新について、東京消防庁所属のパイロットが期限がきたことを忘れて12月から50時間以上飛行してしまったことがばれたそうです。

 車で言えば運転免許の更新を忘れて、救急車や消防車を運転していたということと同じですが、車の場合は無免許となるようですが、空の場合は微妙なところです。

 空の場合はプロの場合の事業として飛ぶ場合と、今回のように事業ではなく、金を取らないで自家用として飛ぶ場合にルールが分かれています。

 事業として、他人から金を取って飛ぶ場合には、飛行目的が人を運ぶ場合と、テレビの取材や写真を撮る場合などは人を載せていても目的が違うので、航空機使用事業という範囲で、人を載せることが目的なら運送事業となり、より厳しい規制がかかります。

 もともと自家用運航はそもそも他人に迷惑をかける度合いが低いので、いったん免許をとったら、航空身体検査を一年に一度受けるだけで、自由に飛んでいたのですが、事故が多発し、その原因が航空ルールの変更を知らなかったり、新しい機器類が導入されても使い方を知らなかったりというような不具合が出てきて、2年に一度、特定技能審査員の審査を受けないと飛べないと制度を変えたものです。

 もちろん特定技能審査員という資格もでき、純粋自家用の人たちは、だれかその審査員に頼んで審査を受けることが義務付けられ、航空身体検査以外にそのようなことが必要となっていました。

 東京消防庁のパイロットは自家用機を飛ばしているとは言え、毎日のように、高性能のヘリを飛ばしているのですから、そのあたりのセスナの自家用機を持っているパイロットとは違って、プロ中のプロですからそのような審査そのものがいるかどうかはかなり疑問なのですが、、、

 ヘリの場合、使用事業のパイロットも運送事業のパイロットも会社の運航規定によって、一年に一度は定期訓練で飛行して緊急手順などを復習し、その後飛行試験と学科試験や口頭試験のあと、実際に飛行して行う定期審査を受けて、合格しないと飛べなくなってしまいます。

 全国の公的ヘリ、今回の消防ヘリや防災ヘリ、県警ヘリなどはすべて自家用運航ですので2年に一度はこの特定技能審査を受けることが義務付けられているのですが、パイロットの定数が3人程度以下の県警などでは最低2人が特定技能審査員の資格がないと自分たちでは審査ができず、どこか他所へ依頼する必要があります。

 私はずいぶん前から、公的ヘリのパイロットの定期訓練と審査をするべきだと思っていて、一部このブログでも取り上げたことがあるのですが、ほぼ厳正な審査など夢の夢で、東京消防庁でも2か月以上忘れて飛ぶほどですから、ほぼこの制度の重要性など自覚はなさそうです。

 ならばどうするかと言えば、警察や消防の国の中央組織の中に各地のパイロットの訓練と審査をする部門を設けて、定期的に全国各地を審査訓練してまわることを制度化するべきでしょう。

 正確に言うと、訓練する組織と審査する組織は別々にしないとなーなーになってよろしくはないそうですが、しないよりは、はるかにましでしょう。

 セスナを持って、月に3,2回、趣味で飛ぶ自家用パイロットと、アルプスで遭難者を吊り上げる、プロ中のプロの警察消防防災ヘリのパイロットが同じ審査で良いわけはないと言えるでしょう。

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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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