大分県防災ヘリ 大型機へ更新か、、、、

大分県防災ヘリ

 2017年にBK117 -C2型機へ更新した大分県の防災ヘリが6年しか使っていないのに、大型機に更新するという話が出ているそうです。

 理由は総務省の指導で、22年4月からパイロット2名制度にしたため、救助した後に重量オーバーの事例があって、乗組員を一人下ろして帰投する場合があったのでということだそうです。

 あまり褒められた理由ではないと思いますが、ならばいつも乗っている整備士を載せないで飛ぶことにすればすべて解決ということになりますが、なぜかそれができないのでしょう。

 BK117は現在使用中のC-2型になって、確か数百キロ搭載可能重量が増加したと思うのですが、最近はさらにテールローターがEC135と同じフェネストロンタイプになって、さらにエンジンを強化したD-2型に変わったので、技術屋はよりいいものを欲しがるということなのでしょう。

 もともと防災ヘリの導入に際して、国はいろいろな条件を付けて、購入導入できる機種を絞り、各県が業者の売り込みで好き勝手に決めるという、自由放任体制で始まったので、業者の口車と、県の予算規模でありとあらゆる種類のヘリが導入されましたが、私が決めるなら、陸自の使っていたUH1Hをすべての県へ一律で導入させたでしょう。

 そうすればパイロット、整備士の訓練からエンジンその他の予備部品から釣り上げ装置、消火バケット、すべてが融通が利いて、維持費が格安となるほか、国内メーカーの富士重工が大いに潤ったことでしょう。

 またパイロット整備士は陸自からの転身がスムーズにいって、今のようなパイロット不足で何機も墜落することはなかったでしょう。

 もともと人を吊り上げたり、山火事で水を投下するようなヘリは5トンくらいはないと安定しないので、小型機は少々馬力を挙げても余裕がないことは永遠に続きます。

 大分県は本来なら国産のベル412を導入するべきところですが、富士重は陸自向けで手一杯のところに持ってきて、自衛隊価格に吊り上がっていますので、より大型機のAW139がより安い値段で買えるでしょうから、中途半端なBK117はD2型であっても、やめたほうがよさそうです。

 国家的なヘリ運航業務はヘリを選ぶ場合にあれもこれもとバラバラしせず、ドクターヘリはBK117D2 警察はベル427 海保はエアバスとか大きく分けて選び、より効率的で、安定した維持、運航、訓練などができるようにするべきでしょう。

 これは少し極論なのですが、あまりにひどい理由付けでの機種選定のごり押しは見苦しいとしか言えないでしょう。

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電動自動車で焼死事故 多発らしい???



 https://bunshun.jp/articles/-/56916

 電気自動車は地球温暖化防止の決め手だとのフェイクニュースを流すメディアは中国、アメリカ、韓国などで多発している衝突時の火災で多くの人が焼死しているらしい様子を報じないようです。

 衝突したときに電源が落ちてドアが開かなくなる例まであるようで、生きていても焼かれる例まであるようなのですが詳細は分かりません。

 航空機の場合はいったん事故が起きると車よりはるかに危険なので、あらゆる避難方法がとれるように設計されているようです。

 写真は国産初のジェット機、T1ですが、空自の航空機にはほぼ全部の機種に同じように、斧とカッターナイフがパイロットから手の届く位置に着いていました。

 斧は何をするかというと、激しい不時着などの直後に、火が出る前に、逃げるときに開かない風防をたたき割るためで、カッターナイフは何かというと、機内で、開くつもりがなかった救命胴衣が何かの加減で開いてしまったとき、身動きが取れなくなるので、空気を抜くために穴をあけるものです。

 実は私はT33の訓練課程の終了直前の計器飛行訓練で後席に乗っているとき、着陸後に、前車輪と左車輪が地上滑走中に引き込んで擱座したことがありました。

 前席で教官が風防を開け始めた時で、前席は隙間から出たようでしたが、自分の部分の風防は少ししか開いていなかったので、出れなくなり、火が出たら、斧を使うところでしたが、救助の隊員が外にしかついていないの手動ハンドルで、あっという間に開けてくれたので無事、斧を使うことはありませんでした。

 車も窓ガラスを割る、尖った釘抜きのような道具をホームセンターで売っているようですが、電動車には必ず積んでおく必要がありそうです。

 航空機は墜落、不時着直後の火災は非常に危険で、時間的余裕もないので、早く逃げる必要があり、ドクターヘリの各ドアーや窓ガラスはほとんどがワンアクションで外れるようになっています。

 そのため、ドアー、窓などは、強固につけていないので、下手に当たると飛行中でも落ちる可能性があるので、どこをどう操作すれば落ちるかはよく知っていて、注意が必要で、ドクターヘリでは確か例はありませんが、過去にはかなり落とした例があります。

 ほかには救助要請のための信号拳銃や非常食量などが機体のどこかに乗せてありますので、いざというときのために、月に1回くらいは、運航クルーと医療クルーが一緒に確認すると良いでしょう。

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ヘリコプターの振動、、、

8月13日 018

 https://news.yahoo.co.jp/articles/f512639f90debf5f6a4f5afd8cf0cec569d644bf

ネットニュースで鳥取県境港の海上保安庁のヘリが飛行中に重さ2グラムのアルミ製のプレートを落としたと大々的に報じていましたが、何故このようなノミの小便のような小さなことを報じるのかと言えば、当局が万一に備えて発表するからでしょう。

 マスゴミはニュースを取捨選択す能力がなく、ニュースがない日なら何でも取り上げるということでしょう。

 ヘリが部品類を落とす原因は整備不良や強い風などがありますが、ヘリは固定翼機に比較して、特有の振動があり、場合によっては一瞬で機体が破壊されるようなものから、ほとんどわからないものまで、さまざまなものが回転しているので、周波数や振幅など様々です。

 そして振動自体をゼロにすることは不可能ですが、さまざまな調整を行ってそれぞれの許容範囲内に抑えて日常的に飛行することになります。

 一番大きな回転するものと言えばローターで、大型機なら一枚が100キロを超えるのも普通で、これがエンジンの出力で毎分300回転くらいで回っていますので、振動が出れば機体はすぐに空中分解することすらあります。

 どのような調整をするかと言えばまずはブレードの重量を同じにする静的なバランスを取ります。

 通常はブレード内の重りを調整するのではなく、ブレードをハブに止めているボルトの中に鉛を調整して入れて、遠心力が等しくなるようにしてやります。

 次は回転しているときにすべてのブレードが同じ軌跡を通るようにしてやることで、回転するごとに起きる振動を低減させるのですが、前進飛行中には、ヘリの前進飛行側と、その逆に後ろへ回る時ではブレードとしての対気速度が前進速度の2倍違うことになります。

 この対気速度差はホバリングの時はゼロで同じ速さですから、速度によってローターの迎角を変えて左右の揚力を同じにするのですが、そのような変化があっても同じところを通過するように、先端に着いた小さなタブで変えるか、機種によってはピッチロッドの長さを変えてやります。

 この調整はホバリングから高速巡航速度まで、区切ってそれぞれ調整して、振動値を規定値に抑えるのですが、ホバリングで良くても速度を出すと暴れ出すなど、特に後家ブレードと言って一枚だけ変えると調整がむつかしいことがあります。

 このほかテールローターの振動や大型ヘリではエンジンの振動調整などがあって、それぞれ規定値に調整するのですが、ヘリは振動の塊で、全体が長期間の振動によって劣化すると言えるので、いきなり墜落するような事例もあるようです。

 そしてさらに、完全に調整が取れた機体でも、離着陸のホバリングから巡航に、またその逆の場合も大きな振動が起こる局面が毎回起こるので、その部分をスムーズに通過してやって無用な振動が長く続かせないようなテクニックが必要です。

 そのような飛び方がヘリを傷めない機体愛護の飛び方で、エンジンのパワーを使いすぎないことよりはるかに重要な操縦方法と言えるのですが、そのようなことは基本操縦法には何の教えもなく、過酷な重量物の輸送で自然と身に着いた裏技です。

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地上の人間が鳥になるために、、、、



 少しは水の中を泳げる人間もいるので、一応水の中では、はるかに魚に劣るものの、一応魚が泳ぐ基本というものをマスターしないとすぐにおぼれて死んでしまうように、空を飛ぶようにできていない人間がヘリか飛行機かドローンで飛ぶにはかなり基本的なことをマスターする必要があります。

 ライト兄弟以来、航空機はどんどん進化して、すべて自動化が進むと、鳥に倣って、6感を鍛えて鳥にならなくても安全に飛べるように機械は進んでも、やはり原理原則は訓練や経験を経て鳥の心と鳥の体の機能を身に着けることが優秀なパイロットになる基本です。

 速度や高度が正確に計器で表示されるので、体感は無用であると思うかもしれませんが、離着陸や低空の飛行には計器以上に体感が重要で、風がちょっと強いのでドンと着けましたという下手な言い訳をしながら、しなくても良いランデングギアーの強度試験をするパイロットもいるようです。

 ヘリパイロットにとっては着陸進入の最後の300メートルは全く速度計は正確に指さない中で、速度をコントロールしますが、それに失敗するとドクヘリ秦野の事故となります。

 ILSで着陸する旅客機の大キャプテンは機体が上下左右に微妙に外れることはありませんが、同じ御仁がヘリに乗り換えたら管制塔にぶつかると大クレームが着いたのは、まったく鳥ではなく、まっすぐに飛べないお方だったということになります。

 ヘリは最終侵入で速度コントロールができないパイロットが、微風背風で落とされて、屋上ヘリポートの下のレストランに突っ込みそうになるとか、手前の田んぼでワンバウンドするとかあるようです。

 また進入角度を一定で速度コントロールをする場合には、落ちたり上がったりしないように微妙なパワーコントロールをしたり、最終は急激にパワーを入れたりする場合、テールロータの推力が変わって、ヘリは右に左に見事に曲線を描くパイロットもいて、まさか鳥はそのような下手な飛び方はアヒルでもしないでしょう。

 渡りをする鳥が大群で飛んでいきますが、まさかぶつかる鳥がいないのは、空中での接近感覚、距離感が生まれながらに身に着いているためで、悲しいかな人間にはそのような能力は生まれながらにはなく、たまに、ぶつかって墜落して死ぬ不運な鳥になれなかった人間は多くいます。

 雲や障害物、電線などとの距離感や接近感覚、回避の仕方も知らない鳥はいないようですが、不器用な鳥になれなかった人間はぶつけてしまったり、バーテーゴとやらで墜落するようです。

 このような人間が鳥になって飛ぼうとするような無謀なパイロットやらと言う人種は、乗る空飛ぶ機械が、ジェット機、ヘリ、セスナ、ドローン、空飛ぶ自動車、なんであろうと基本的にはある程度身に着けるべき能力で、長い経験や訓練でやっと身に着けたとしても、あまりの自動化で鳥であることも忘れてしまうようです。

 まして、ドローンや空飛ぶ車で飛ぼうとするようなひよこなら、いったいどこまで身に着けるべきかむつかしいところですが、鳥はほとんど落ちなくても人間は鳥ではないという厳しい現実が空の世界でしょう。

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長野県防災ヘリ パイロット4名体制へ、、、

長野県警

 https://news.yahoo.co.jp/articles/cc7a7b5c13650fe5df85b95eba7fd78b41b021ab

 平成29年に墜落事故を起こして、9名の犠牲者が出た長野県防災ヘリは必要なパイロットが充足しないで、長く迷走飛行を続けていたものの、この四月からにパイロットを雇うことができて4名体制となるようです。

 長期間必要なパイロットがそろわなくて、運休日をもうけたり、民間会社にパイロットを派遣してもらったりしても十分の要員がそろわず、消防職員から新人を育成しようとしたりと、いずれもベテランで優秀な、山岳飛行に十分対応できるようなパイロットはそろわなかったようです。

 今回、奇跡的にベテランパイロットが採用できたのはどうやら同じ長野県内のしかも県警の操縦士が定年退職で横滑りするのではないかと思いますが、飛ばしていた機種が違うようですので、もしベル412の資格を外注で訓練する必要があるなら2500万円程度必要となりますが背に腹は代えられないでしょう。

 しかし、定年退職者なら60歳としてあと5年程度しか使えないパイロットに2500万円は民間会社ならありえないところですが、官ならなんと言うことはなさそうですから。

 経験が十分でないパイロットを雇い入れて2500万円使った直後に退職されて食い逃げされたことが複数回あったようですから、防災ヘリを飛ばそうとするとずいぶんと金がかかるものです。

 長野県は防災も県警も同じアルプスで救助任務で飛びますから日本国内では一番難度が高い危険性が高い飛行をしますので、パイロットの定着率が悪く県警も一時はパイロットの出入りが多かったようです。

 そのような運航環境に対応するのにヘリ1機、パイロット整備士数名で対応する組織を作って飛ばすことなど、ほぼ自殺行為で、普通ならヘリ数十機以上でパイロット整備士それぞれ100名以上の集団から、十分な経験と技量を持ったものを選抜し、3年交代程度で経験を経たものを順番に転勤させて対応するべきでしょう。

 航空自衛隊のブルーインパルスのパイロットが3年程度で順番に入れ替わるようにしているのはある程度そのようなことを配慮しているためです。

 もう一つ言えることは県警のパイロットが同じ飛行場内の隣の防災航空隊へ転職するくらいなら、県警航空隊と防災航空隊を合併させるくらいの荒療治が結構有効でしょう。

 パイロットが7,8名いるとある程度の新米を在籍させて、徐々に育成するということが可能なので、長期的に、良い人事配置が可能です。

 よい人材が確保でき、長期間に渡って安全確実な運航を維持できることを期待しますが、難易度は日本一で前途多難ということは言えそうです。

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笑福亭笑瓶さん、2回目の大動脈解離で亡くなる、、、、

和歌山ドクターヘリ (1499)

 https://news.yahoo.co.jp/articles/2c4bece69a18cff9cd62064e862686bec6660aa2

 落語家の笑福亭笑瓶さんが2回目の大動脈解離で66歳で亡くなったとニュースが伝えています。

 7年半前に千葉県のゴルフ場で同じ病気を発症し、ドクターヘリで搬送されて助かって、テレビで体験談を話していたようですが今回は都内の自宅で発症し、治療の甲斐なく亡くなったそうです。

 大動脈解離は発症後できるだけ早く人工血管に取り換えるのが根本的な治療で、発症後大量の出血で体力が落ちる前に手術できれば助かるのですが大変危険な病気で、実は私の親父も58歳の時に、担ぎ込まれた町医者の小さな病院で輸血しかしてもらえないまま2日ほどで急死してしまいました。

 実はこのことで その後一生ヘリに乗る道へ変針してしまうことになったのですが、、、

 この病気の病気はドクターヘリが一番有効な症例で、緊急手術で人工血管をつけると救急医が判断した場合、100キロ以内程度の大病院の中でも、一番 近くで、すぐに緊急手術ができる所へ搬送してくれます。

 救急車の場合は瞬間的にそこまで判断できないのが普通で、とりあえず大病院か、かかりつけ病院へ搬送すると思いますが、そこで結果的に緊急手術できなければ命の危険が強いでしょう。

 3次救急の大病院なら、どんな急病でもいつでも完璧に対応できるかというと、実際はなかなかそううまくいくとは限らないのですが、例えば手術室が開いているか、そして、専門の執刀医が待機してくれているか、特定サイズの人工血管が在庫であるかなどかなりの条件が合わないとすぐに緊急手術を始めることができるかは、運しだいとなります。

 しかしドクターヘリの場合は、機内に収容するころから、搬送して手術ならどこの病院が一番良いかを連絡調整しますので、30分あれば100キロ以内の一番良い病院へ到着することができ、しかも病院では緊急手術の用意をして待っていてくれます。

 切断された手足指の接合手術でも相当な専門性があるらしく、ドクターヘリはそのような病院へ飛ぶことがあります。

 笑瓶さんは千葉のゴルフ場で発症した7年前はこのような条件で緊急手術で助かったかどうかはわかりませんが、東京都内の病院が多数あるところなら安心かと言うと逆に、十分に処置できないことろへいったん運ばれたら災難ということになります。

 重症の急病 大けがでドクターヘリに乗れば、その県内で一番の救急医療が保証されたようなものですから、それで助からなかったらあきらめるしかないでしょう。

 大都会のど真ん中では救急搬送の時間はかかるし、病院が多いため最善の病院へ運ばれるとは限らないということなので、普段からかかりつけ病院で診療を受け、最悪の時にはどこへ搬送してもらうかはあらかじめ決めておくほうがよさそうです。

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深刻なパイロット不足、、、

T34 (13)

 https://news.yahoo.co.jp/articles/9adef8b4bea2b5441e4a5410f36bdf85fab3bcfe

 https://www.dailyshincho.jp/article/2022/06200559/?photo=2

 日本は定期旅客機のパイロットも戦闘機パイロットも大変な人手不足だということだそうです。

 そして民間旅客機のパイロットが大変に不足しているのは訓練期間が長すぎるので、監督官庁の国土交通省ともども訓練期間をアメリカ並みに短縮しようという、動きがあるようです。

 戦闘機のパイロットが足りないのは日米同じで、仕事の割には給料が年収1000万円以下と民間の半分以下なので、脂の乗り切った30代40代が止めてしまうからだと、元空将が言っているようです。

 どちらも一応理由が当たっているようですが、そうではないという考え方もあるようです。

 民間のパイロットが足りない現象は過去から景気の変動でパイロット余りが生じて首にしたり定年でやめさしたりした後で回復時には足りないのは当然で、先の読みが悪いか、変化に対応できないからでしょう。

 養成に2年かかるなら、2年先を見て訓練生を雇うか、景気の変動で足りなくなることが見込まれるのが嫌なら、少々無駄でも普段から余裕を見て多めに雇用して不足に備えるかです。

 いま コロナが急に収束するような事態が見込まれるので、いきなり足りなくなるから養成期間を短縮するということなら全く間に合わず、泥縄というものでしょう。

 訓練期間を半分にすると経費が半分になるということにはならず、30%減くらいであまり経費面での効果はすくないですが、期間を短縮して促成栽培すると、要領の良い覚えが速いものが残り、大器晩成型がへたをすると首になり、全体的にはレベルが下がる危険性があります。

 パイロットの技量や人間性でのパイロットへの向き不向きは10年後にどの程度の機長になれるかが目標なので、一時の迷いでダメ機長を量産するような制度には十分配慮が必要でしょう。

 期間短縮はパイロットの質の低下にどのように対処できるかが課題でしょう。

 元空将が、戦闘機パイロットが給料が安いので、脂の乗り切った時期に退職してしまって足りないと発言しているのは、防衛予算急拡大で、一挙に戦闘機パイロットの数を増やす必要が出てきて、極端な質の低下を心配して、待遇改善を訴えているのだと思います。

 つまり、戦闘機パイロットとして使えるのが40歳が限度で、その後の転身がうまくいけば輸送機かヘリという道があっても、だれでも転身できるわけでもなく、また、指揮官にはごく少数しか上がれないという不遇のパイロット人生が待っているので、せめて給料でもあげないと良い人材が来ないということを心配しているのでしょう。

 パイロットの需給は民間は景気変動に、自衛隊は防衛予算の変化に伴う運用航空機数の変化に大きく左右されるので、相当部分、犠牲になるパイロットが出ることは避けられず、また逆に、能力が欠けていても運よくパイロットになってしまうというようなことが起きるということになります。

 航空需要の急回復の時期を控えて、急激なパイロット不足で訓練期間を短縮し、しかも粗製乱造されたパイロットの操縦する飛行機に乗るのは控えたほうが良いかもしれません。

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海保 操縦訓練性 耳抜きできず引き返し、、、

航空生理訓練

 https://news.yahoo.co.jp/articles/492bfda48540fb94e0a2ba191f057e1312667549

 ネットニュースに海保の操縦訓練性が降下中、耳抜きができなくなって、出発地の北九州空港へ引き返し、徐々に降下して着陸したというニュースが入っています。

 インターネットのニュースにはこのような取るに足らない、何らニュース性がないつまらないニュースも多く出ていて、あきれる日が多いのですが変更ニュースや素人専門家のおかしな意見など色とりどりです。

 とわ言えこのつまらないニュースを題材にブログを書こうとする筆者も同類項で文句も言えませんが、、、、

 急降下するときに、内耳の空気が耳管を通して口腔のほうへ抜けないと鼓膜の外側の気圧が高くなって、激痛になり、へたをすると鼓膜が破れるそうです。

 完全に抜けないと3000フィート 1000メートルでも破れるそうですから、破れたら重症となります。

 旅客機で着陸前に飴を配るのは唾液を多く出して耳管の通りをよくするためだそうです。 

 写真は航空自衛隊の航空生理訓練の様子で、この急降下の状態はこの一連の訓練の最後にあって、確か1分間に3000フィートの降下に相当する気圧の上昇を体験します。

 途中で耳抜きができなくなったら、加圧を止めて鼓膜が破れないようにしますほか再上昇してゆっくり降下し、無事に終われば訓練用のチャンバから出れますが、抜けなければ出れないことになります、、、、そんなことはありませんが。

 飴を配ってくれませんので、米軍で内緒でガムを口に入れていたパイロットが、誤って気管に飲み込んで死亡した例があるそうです。

 旅客機は普通、毎分500フイート以下の降下しかしないような着陸をしますので、ほぼ普通の人は耳抜きができないことは稀ですが、戦闘機は毎分3000フィートの降下はあり得ますので、飛行訓練に入る前には、耳管の詰まりを防ぐ意味で自分を含めて相当数が鼻中隔湾曲の矯正手術を受けた記憶があります。

 海保の訓練機はセスナ172の軽飛行機のようですから、普通 毎分1000フィートていど以下の降下しかしないので、花粉症や風邪で相当調子が悪かったのでしょうか。

 気圧の変化量は低高度ほど大きく、同じ3000フィート差でも20000フィート付近のと地上付近のそれでは半分以下の変化なので、地上付近の着陸降下では急降下が耳にこたえることになるほか、8000フィート以下は与圧を利かしていないので、もろに圧力差が出ます。

 ドクターヘリの着陸も原則、降下率毎分500フィート以下なのですが、3000フィートを巡行すれば6分も前から降下する必要があり、どうしても急になるときには、階段状に降下する手を使います。

 パイロットは空気圧や空気密度、外気温度などにも気を遣う状況があって、いろいろな知識が必要となっています。

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愛知県 藤田医科大 ドクターヘリ導入へ、、、

愛知県DH

 https://news.yahoo.co.jp/articles/aa4c1e7aa17da6b0378f314c4f2c828fd7d23c7d

 コロナで一年遅れですが愛知県の藤田医科大で創立50周年記念行事が行われ、次年度にドクターヘリを導入して救急医療体制の充実を図るということが表明されたそうです。

 来年度に運航開始するようですから今年度の準備予算はすでに着いたということでしょうから、県と厚生労働省の事業として決定したということのようです。

 一つの県で複数のヘリを導入している県は北海道、青森、千葉、静岡、兵庫など多数ありますが、いずれもヘリ基地病院は遠く離れた地区にあり、それぞれ担当区域を分けて運行しています。

 もちろん多数傷病者の場合や重複要請でお互いに相手地域に入って活動する場合はありますが、原則的には出動要請の入ってくる地域は決まっているようです。

 愛知県の2機は双方の病院が10キロ程度しか離れていないので、担当区域を分ける方法も、年間の出動回数がほぼ同じになるか、担当区域の人口が同じ程度に分ける必要はありそうですがやや分け方がむつかしそうです。

 重複要請や大災害、大事故などの場合は隣の県への出動要請も受けると知事は言っていますので、その場合は残ったヘリが全県をカバーするなど、運航にやや複雑さが出るでしょう。

 運行するパイロットからの視点では、やはり担当する地域がしっかり決まっていて、地形や気象、多数あるランデブーポイントに早くなれることが重要となりますので、日常的に不慣れな場所への出動はなるべくなら控えてほしいところでしょう。

 もう一つ気になる点は近くで飛ぶ2機のドクターヘリには運行上の指揮統制関係がまったくなく、無線周波数なども同じものを使わない可能性もあり、異常接近や衝突の可能性もゼロではありません。

 お互いの基地病院が10キロ程度しか離れていないとは言え、広い空中でそのようなことは起こりえないと思うのは普通ですが、大阪伊丹空港から飛び立った、格納庫事務所が隣合わせでも、指揮系統が完全に別々の朝日新聞のヘリと、毎日新聞のヘリが空中衝突する事故が起きています。

 また、八尾から飛び立った朝日放送のヘリと伊丹からの毎日新聞のヘリもぶつかって墜落しています。

 愛知県を2つの担当地域に分けた場合、どちらかのヘリは相手の空域に日常的に入ることになりますし、重複時の応援や隣県への応援の場合も空域が重なります。

 そう簡単に空中衝突は起きないのですが、運航情報の交友や無線交信、そして日常的な交流が大変重要で、ライバル大学同士のいがみ合いはぜひとも抑えて仲良く飛ぶ姿勢が安全上一番大切でしょう。

 運航会社を同じにして、パイロット整備士運航係を共通化し、定期的に両方を担当するような体制が一番望ましいと思いますが、事業は競争入札なのでなかなかそうもいかないでしょう。

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H3ロケット 打ち上げ失敗(2)

H3失敗

 https://news.yahoo.co.jp/articles/807c65f8ee03b7fe90e5d4cf0a9c4306806c9195

 H3ロケット打ち上げ失敗のニュースが気に入らないと、発信元の共同通信以外の全メディアが三菱をかばい、自らロケット事業を行っている堀江隆文氏も共同の記者を評してどれだけひねくれているのだとこき下ろしています。

 MRJに開発に際して全メディアが提灯記事で持ち上げ挙げて三菱をかばい続けた結果が1兆円をどぶに捨てさせたということを全く反省していないようです。

 メディアが三菱の言いなりの提灯記事ばかりでなく、正しく批判する記事を流していたら、ずるずると1兆円もつっこむ前に正しく軌道修正して、早めに撤退するか、本腰を入れるか正しい判断ができたかもしれません。

 国費が投入されている新規開発事業には是々非々で正確に報道するべきで、調子のよい記事ばかりを垂れ流して国民が誤った判断をするような記事は現に慎むべきでしょう。

 今回の発射の中止は昨日の記事にも書いたように、何らかのトラブルがあって、ブースターへ送る点火指令が出なかったことが発射が中止された原因なので、すでに分かっているならそのトラブルが何かを公表するべきで、わからないならわからないと言うべきでしょう。

 私が最初に取り上げた、メインエンジンの回転数と排気温度はエンジンの出力を表す数字なので、推力が異常ということなら必要な出力が出ていないということになり、ブースターに点火して飛べば予定の軌道に乗らないということで失敗となります。

 私は取り上げたように推力以外のパラメータの異常も点火指令を止める条件であるのかと思っていたのですがどうも推力だけのようです。

 メインエンジンの点火始動と同時に白い煙が海面方向へ誘導されて吹き出す様子がテレビ中継で放送していましたが、一舜煙の勢いが弱いと思ったのですが、もちろんそれはブースターに点火していないからか、それともエンジンの出力が十分出ていなかった可能性もあるのでしょうか。

 三菱とJAXAはメインエンジンの出力が十分上がらなかったことを知っていて隠しているような様子が見て取れるのですが、ほかの軽微な問題で打ち上げを中止したのかどうか程度は発表するべきでしょう。

 ほかのネット情報でもメインエンジンの出力が十分でなかったのではないかということを書き込みしている方がいましたが、もしそれが真実なら、相当重大なトラブルで、当事者としては隠したい気持ちがわからないではありませんが、公費を使っている以上を少しくらい不利でも正確に公開するべきでしょう。

 MRJは新素材を使った主翼と胴体の結合部分に強度不足の致命的な設計ミスがあって、初期のテストフライトで異常振動が出て、大きな設計変更で費用と時間がかかり、しかも重量が大幅に超過し、結果的に開発に失敗したといううわさがあったようですが真実はよくわからないようです。

 今回のメインエンジンの出力不足はそれに匹敵するような重大な故障で、下手をすると開発自体が吹っ飛ぶような致命的な失敗になるかどうか、素人ながら心配してしまうのですが、三菱JAXAはぜひともそうではないという情報を開示してほしいものですがいかがでしょうか。

 何が原因でブースターへの点火指令が出なかったのかくらいは公表するべきだと思うのですが、何らかのトラブルがあったのでブースターへの点火を止める指令が出たので失敗ではないなどとマスコミに言わせるような姑息なことはやめるべきでしょう。

 最近のマスコミ、メディアはろくなものではないようです。

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プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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