米陸軍 UH60後継にV280選択、、、、



 https://grandfleet.info/us-related/u-s-army-selects-tiltrotor-v-280-as-successor-to-uh-60/

 ヘリコプターの老舗 シコルスキーとベルが開発を競っていた多用途ヘリUH60 の後継にベル社のV280バーローが選択されたというビッグニュースが入っていました。

 シコルスキーは2重反転ローターでベル社はオスプレイの改良型、ローターのみが方向変換する新しいチルトローターで陸軍の性能要求を満たせる垂直離着陸、巡航速度500キロのオスプレイの小型版の競争試作でベル社が勝ったようです。

 やはりオスプレイを実用化した実績は大きかったようです。

 UH60 の代替機数は3000機とも言われているので、安く見積もっても1機50億円もしかすると100億円以上、合計すると15兆円以上30年にわたって生産するとしても年間5000億円とたいへんな金額です。

 この選択はいずれ民間用のヘリにも影響してきそうですが、イタリア、アグスタ社のB609(AW609 )の実用化が遅れていて、良いニュースが聞こえないことが気になります。

 オスプレイから改良した点はエンジンとプロペラを一体で角度を変える方式から、エンジンを固定して、プロペラのみ偏向する方式としたことで、可動部分をはねに取り付ける部分の強度を落とすことができ、エンジンは正立でオイル系統が通常のエンジンを使用でき、軽く作れるようになったと予想します。

 欠点はオスプレイと全く同じで、プロペラを通常のヘリの半分程度の直径にしかできないので、ヘリコプターとしてのホバリング性能がガタ落ちし、同程度の馬力のヘリの半分くらいしか積めない、ホバリング時の性能低下が果たしてUH60の代替となるかどうかです。

 この性能の低下を補って、搭載量を減らさないためには燃料をからっぽでしかも、プロペラを前30度傾けて、ヘリでいう滑走離陸をしたのち、すぐに空中給油することで、遠距離高速の運用ができることになっているようです。

 この性能のため空中給油後、重い状態ですぐにヘリモードで着陸をしないといけなくなった場合に対応できるように、通常のヘリにはない燃料を投棄する機構が装備されているようです。

 このようなことを考慮すると、やはり高速は必要ないが重量を積んでホバリングできる性能も必要なので、もう1機種、新型ヘリが必要となる可能性が高いでしょう。

 航空機の設計、性能向上はあちらを立てればこちらが立たずが普通なので、速度を取るか、積載重量を取るかというような相反することが普通に起こり、電気エネルギーが十分に出ない電動ソラ飛ぶ自動車が成り立たないのと同じことが起こります。

 自衛隊のSH60が同じようにいつかはV280 に代わることが今回の決定で確実になったといえますが、それまで果たして生きていて、この目で見ることができるでしょうか。

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35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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