予防着陸、緊急着陸、不時着、墜落、、、、

オスプレイが山形空港へ臨時に着陸した事例を報道するにあたり、予防着陸という言葉を使っているのであまり危険性はなかったというイメージでとらえていることがわかります。
私がヘリに乗り出した頃はこのような用語の使い分けなどほとんど誰もしなかったので、ヘリが予定外の場所に着陸してしまっても、誰も知らない顔か、墜落でもしたような不時着という言い方をされたりバラバラでした。
今もあまり変わらないのはいつも目の敵にされている米軍ヘリはどこへ降りても不時着と言われていたようです。
このような用語の使い分けに厳密な決まりがないので、一般に運航する方は緊急着陸より予防着陸と言いたがり、米軍を目の敵にする報道する方は予防着陸というより不時着と言う言い方を好みます。
今回の予防着陸はギアボックスのオイル内の小さな金屑を検出した警報等の点灯だと予想しましたが、その後の報道の写真を見ているとどうも間違いのようで、プロペラの異常振動ではないかと思い直しています。
機体を壊さないで着陸することが出来たら、実際は墜落寸前のトラブルでぎりぎり着陸できても予防着陸だと言い張ることができるので、米軍は余計なことは発表しないでしょう。
ただし、ごく近くの広っぱに着陸を強行しないで最寄りの空港へ管制塔と通信を維持しながら着陸したようですから予防着陸という言い方はほぼ正しい表現で、米軍三沢基地まで30分飛ぶよりは、やや騒がれる恐れがあって、民間空港であっても山形空港を選んだということはまだ余裕があったということでしょう。
パイロットがあと考えるのは、着陸した後の修理作業の利便性ということになり、ここまで考えることが出来て着陸するのは、いきなり畑に降りた沖縄のUH1の例に比較するとかなり危険性が少なくて安全だったということは確実でしょう。
着陸した後、修理にかかったら意外と故障が重症であったということもあ良くあり、また逆に着陸後の点検で故障が再現できない場合もあるので普及修理作業をどこで打ち切って飛行するかも重要な意思決定の要素となります。
オススプレイもヘリコプターも性能的には垂直に着陸できるので、墜落することが確実になったと判断したら、どんな狭い所にでも着陸を強行する必要がありますので、とっさの判断が命を守る可能性もあり空中給油でプロペラを損傷したオスプレイが海上に不時着して全員助かった例もあります。
エンジンやギアボックスなどの故障は警報等や油圧計等で確認できますので対処はマニュアルに従って飛行を継続するか着陸するかを決めることが出来ますが、難しいのはローターなどの振動の異常で、佐賀目達原のAH64の墜落事故の場合、振動の異常発生から墜落まで1分程度しかなかったようですから対処はほぼ不可能であったことでしょう。
ドクターヘリの場合は全国50機以上、毎日数多く飛行していますので、予防着陸などはかなり発生していると思われますので、報告を集計して分析すると安全性向上に大変役立ちそうに思いますが、民間運用の悲しさ、公開性にやや難点があるでしょう。
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