ヘリコプターの振動、、、、



 ヘリコプターは大きなローターが回転していて、さらにしっぽではテールローターやフェネストロンと言う小型のローターが回っているほか、エンジンはタービンやコンプレッサーが高速で回転するほか、機体の各部が空気の流れが乱れて発生する振動もあります。

 つまりヘリコプターとは振動の塊の様な乗り物で、機内で注射などの医療行為がうまくできないような状態が発生することがあります。

 そこでオスプレイなどは大きなローターが2つも回っていて振動で医療行為が出来ない、MD900はテールロータがないからその点有利だとかいろいろと印象操作を誘導するような説明がなされるようなことがあります。

 ロータやテールローターなどは静的なバランスは各翼の中に入れる調整用の重りの重さで加減したり、空気中を回るときのバランスは小さなタブやピッチ変更などで回転する軌跡を調整し同じところを通過するようにします。

 一般的には全速度域で振動を最小とすることは難しい場合が多く、巡航速度付近と、ホバリング時の振動が最小となるような調整することになります。

 さらに運用中での振動の変化が大きくあるのは、前進飛行からホバリングに減速する場合、また逆にホバリングから巡航への加速の場合の低速時に大きな振動は常に発生します。

 特に吊り荷のワイヤーの小さな伸び縮みなどに共振してヘリ全体が巨大な振動に包まれてしまう場合もあり、いずれにしてもパイロットは振動の大きい速度領域をいかにスムースに振動を少なく通過するかが腕の見せ所となります。

 ヘリコプターの機体構造の各部が経年変化とともに痛むのは、振動と荷重と言うことになりますので機体愛護の精神からも振動のない飛び方をするのがヘリパイロットの経験と腕と言うことになります。

 ヘリの振動に異常があるか、あるいは各領域での振動の値が強いか、あるいは少ない方だとかの判断は難しい面があるのですが、それは人間の間隔がすぐに慣れてしまうからで、ヘリを乗り換えたり久しぶりに飛ぶ場合は、最初の5分程度が結構適切な感覚での判断ができるのですが、10分も飛ぶと慣れてわからなくなります。

 回転するローター関係の振動の他、エンジンの振動や、機体ので空力的な振動の発生もあり、振動の異常を確実に判断して墜落の危機を不時着で防いだり、見逃してテールローターがふっ飛んで墜落してしまったりと運命的なことも起こります。

 離陸して加速して50ノットを超えると異常な振動が起き、巡航速度に加速に従って大きくなり、原因がわからず、減速すると消えたことがありました。

 患者さんを乗せていたのですが、安全を期して予防着陸して救急車を呼んだことがありました。

 ローターなど各部を目視点検したのですが原因がわからず、いろいろと考えたところ、シートベルトの端末がドアに挟まれて少し機外へ出ていたのが高速でバタついて機体を叩いていたのではないかと結論で無事復旧しました。

 しかし原因がわかってよかったのですが、同じように振動して5分後に墜落する可能性もあり、ヘリコプターにとっての異常振動は下手をすれば命取りになります。

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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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