山火事消火、、、、
https://news.yahoo.co.jp/articles/9b2047c84af9a14b59617ff71bd8dc2d72e25ee3
栃木県足利市の山火事は発生から5日間も鎮火できないで、すでに106ヘクタールも延焼して300戸以上の住宅に避難指示が出ているようです。
実は私の40年近いヘリパイロット生活ですが残念ながら防災ヘリを担当した経験がなく偉そうなことは言えませんが、山林消火フライトによく似たフライトは長く経験しましたので、山林消火のヘリパイロットはどのように飛んだらよいのかはよくわかります。
大昔、送電線工事の生コンを輸送していたパイロットが付近の山k時を発見し、作業を中止して生コンを運ぶバケットを使って、付近で水を汲んで散布し、すぐに消してしまったことがあったそうです。
生コンは比重が2,2トンあるため204B用のものは600リッターくらいしか入りませんが、ゴムのシールが着いていてほとんど漏れませんのし、散布場所では油圧でシャッターが開いて一気に投下できますので、送電線工事のパイロットにはお手の物だったようです。
山林消火はピンポイントに投下する技術が重要ですが、これと同じようなフライトは、山林緑化工事の種子と展着剤の混合物の液体を急斜面にぶつけて展着させる仕事がありました。
これは爆撃機の爆弾投下と全く同じで、性格に狙ったピンポイントに一定の高度と速度で投下するのですが、1ヘクタールに100トン 200回とか散布します。
200回散布して均一になっているかは散布する剤に緑の色がついていて、上空から見ると一目瞭然で狙ったところへ落ちているかどうかが明らかにわかります。
バケットに注入するヘリポートと散布する地域を一工程、一時間弱で何回散布できるかも腕の見せ所で、ヘリを自由自在にいかに早く安定した飛行ができるかですので、山林消火と全く同じようなフライトです。
山林消火の技は、一行く程何分で飛べるかと言う操縦に無駄のないスムースさと、投下に当たり、一定の高度、かなり低いことが必要ですが、そして一定の速度で均一に落とすのですが、投下した水がいったん地面に跳ね返るような勢いがないと効果的な消化はできないでしょう。
つまり高度ががあまりに高いと、落とした水がダウンウオッシュで霧状になって落ちていくので拡散してしまいます。
またホバリングで落とすと、消火効果がある面積が小さくなってしまいます。
一番気になっていることですが、火事の消火は地上でも山でも同じで、なにがなんでも初期消火でこれが有効だと一気に鎮火しますのですが、防災ヘリが消火バケットなどの装備をもって、日本国中で配備されている中、果たして火災発生の情報から、実際にヘリで一発目の消火水を投下するまでにどのくらいの時間がかかっているかという点です。
自衛隊の大型ヘリは消火に大変有効ですが、いかんせん本業を持ちながら、遠い基地から災害派遣を要請されて飛んできますので、残念ながら初期消火という点ではやはり後れを取ってしまいます。
日本国内で大規模な山林消火がヘリで鎮圧したという例はあまり聞いたことがなく、今後有効な活躍を期待したいものです。
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