ヘリコプターの航空無線、、、

関空

 訓練生として飛び始めたとき、あまりに多くのことを覚えるというかマスターするというか、一挙に重くのしかかってくることに航空無線のことがあります。

 航空学生の場合は2年近くも準備教育があって、それなりに準備できていると思ったのですが、航空無線のことがなかなかむつかしかったように思います。

 航空英語の問題と航空無線機のノイズや聞き取りにくさの問題、そして相手が何を言ってくるかわからない場合のむつかしさなどがあります。

 固定翼機の場合は管制官とやり取りする言い回しは離着陸時の地点地点でほとんど決まったことばかりなので、ノイズが多かったり、管制官の個癖の問題などがあってもある程度はわかりやすと言えるでしょう。

 これは外国へ行くと必ずしも日本と同じような言い回しとは限らず、基本通りの言い方でない場合もあり、あるいは私が飛んだインドネシアでは特有の訛りの強い英語など聞き取りにくいことも多々あったようです。

 さらに日本でも海外でも、ヘリコプターは固定翼機のようにいつも同じパターン経路で離着陸するとは限rず、航空管制用語以上に一般的な英会話能力が必要なようでした。

 このようなやり取りがノイズの多い航空無線にの波に乗って、飛び交いますので自分が呼ばれているのか違うのか、あるいは管制指示が出たのか他機へのものなのかなど難しい面がありました。

 日本国内でも無線機が2台同時運用になってからは、2波が同時にかぶることや、相手が自機の状況にお構いなく呼び込んでくるなど難しいものがあります。

 2波同時に受信したら聖徳太子の10人どころか2波ですら聞き取れないのが普通です。

 空港の管制塔へ見学研修に何回か出かけて実際の運用を見せてもらったことや旅客機のコクピットの無線の状況を見せてもらったこともありますが、ヘリコプターの騒音の大きさに比較して大変静かで、無線の聞き取りがしやすい環境であることに驚いたものです。

 ヘリはジェット戦闘機並みの騒音で大変聞き取りにくく、初めて飛んで無線を聞いた時には何を言って言うのかほとんどわからないと思ったものですが慣れれば聞き取れるようになってくるものでした。

 自機からの送信内容に対して、帰ってくる内容はほとんどが予想できますので聞き取れますがいきなり想像していないことをしゃべられるとうまく聞き取れないもので、ベテランになるにつれて、あるいは管制官の癖や声まで覚えるようになるということを聞かなくても内容が理解できるようになるものです。

 定期便や固定翼機が管制塔とかわす通信内容はほとんどが定型通りで聞き取りやすいのですが、ヘリの通信はイレギュラーばかりでなかなかむつかしく誤解も多く発生するようです。

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コロナ後のパイロットの需給は、、、

和歌やm

 コロナで世界的な航空需要が激減し、多くの航空会社が減便に次ぐ減便で歴史上最大規模の減収で倒産の危機に瀕しているようで、日本のJAL、ANAも先が見通せなくなっているようです。

 このような事態になるとパイロットを目指す若人たちは自分の希望を叶えてパイロットになれるかどうか大変気を揉んでいるいることでしょう。

 コロナの感染騒ぎは1年程度すれば収まると思いますが、壊滅的に減ってしまった航空需要がもとに戻るか、あるいは低空飛行が長く続くかで世界的なパイロットの需給がどのようになるかが決まるので航空会社はどのように対応するか大変むつかしい局面となります。

 とりあえずANAは300機程度の運航機数のうち30機程度はすぐに減らすと決めたようですから、もちろん必要なパイロット数も最低1割 300人程度は失業すると思いますが、実際は機数減より便数減の方が大きいでしょうから、その倍程度が余剰人員となることでしょう。

 となるとまずは定年延長で飛んでいる高齢パイロットや外人パイロットなどはたぶん1年契約なので契約延長をやめて自然減を図るでしょう。

 それでも余剰が出るようなら、新人の採用を減らす可能性が高く、数年程度は航空大卒組のみの採用になる可能性が高いでしょう。

 JALも同じような状況ですが、国際線の多い分だけ影響が大きく、売却機数や人員削減はさらに大きくなる恐れがあります。

 このような状態で失職したパイロットのうち、特に高齢パイロットで飛び続けたい者は小さな運航会社へ移籍する可能性があり、この点でも新人パイロットの入り口は狭まり10年程度はパイロット志望学生には冬の時代が来そうです。

 このような状態は世界中で起こりますので、飛べないパイロット続出となる可能性が高く、余剰な機体の売却処分も集中して起こり、たぶん投げ売り続出で値段が付かない機体も続出することでしょう。

 新規の導入する機体の契約は延期やキャンセルも多く発生し、特に大型機からその傾向が強く値段の安い小型機は延期キャンセルは少ないでしょう。

 定期便のパイロットの需給の激変はヘリパイロットの希望者の増減にも影響したり、自衛隊など公務員パイロットの希望者が増えて競争率が高くなることが予想されます。

 このような事態は過去にも何回か起きていて、需給関係が合格者のレベルにも大きく影響し、競争が激しくなると優秀な訓練生を採用できるチャンスとなり、ヘリコプターのパイロットのレベルが上がる可能性もあります。

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ドクターヘリの塗装、、、

1ドクターヘリ

 ヘリコプターにオリジナルの塗装を施すことは相当な期間と経費が掛かり、マンアワーを入れると100万円単位の費用が掛かり、貧乏なヘリ会社はとても経費的に無理で会社のロゴを入れる程度が関の山でした。

 そんな時代に朝日ヘリコプターの社長に就任した高橋さんという方がいきなり会社所有のヘリはすべてデザインを統一すると言言えだして、当時ANAのデザインをしたデザイナーに数百万円のデザイン料を払って決めたのがANAと色違いのもので、白地に赤とオレンジの二重のラインが入ったものでした。

 当時インドネシアに出向していた私の現地人の同僚パイロットはその写真を見てガルーダインドネシアのパクリだといったものでした。

 まずどの機体から始めるかと社員注目の中、新ピンで購入してまだ一時間も飛んでいない最新鋭のベル206Lの純正塗装をいきなり全部はがして1号機目になりました。

 そのデザインが50年近くも今も続いていて会社の良い宣伝となっていますので、今思えば大英断でした。

 その後ドクターヘリが導入されるにあたり、ドクターヘリには予備機を含めて専用の塗装を施して、目立つように、また資金力の弱い弱小会社がダンピングで参入しないように決めたようです。

 それから20年全国に50機も導入されると、普通のヘリのように、やはり、急な故障が起きたり、長期間の点検整備などどうしても専用機を使うことが出来なくなったりで、できれば同じ機種、できればドクターヘリ塗装のヘリを使いたいところ、そうもいかにところが出てきているようです。

 また予備機としてドクターヘリ塗装にしているヘリであっても、専用機の故障などに備えて遊ばしておくことが出来ずに、遊覧飛行や場合によっては送電線工事などに投入して運用しているようです。

 このような情報は全国におられるヘリマニアが逐一追跡して、ネットで発信してくれますのでヘリ会社は大変です。

 これはドクターヘリを飛ばすにあたって、大手で独占できるようにと塗装まで統一したようですがそれが裏目に出て、機体の運用の自由度が制限され、また無理に専用機以外のヘリを投入したらすぐに世間にさらされることになっています。

 また機体に企業ロゴのデカールを張って広告料を取ることも、このような専用機以外のヘリが配置される場合に不具合となっていることでしょう。

 この状態を別の面からみると、ドクターヘリで飛ぶ医療関係者や管理者は、急な故障などで専用機を別のヘリに入れ替える場合、まず急な故障ということに不安を持つ可能性があり、さらに投入される予備機が予定されているヘリでなく、塗装まで違うどこでどのような飛び方をしていたのかも不安でしょう。

 それに、同じ機種なら運航時の変化はありませんが、機種が違うヘリを持ち込まれたら使い勝手が微妙に変わり、この点も不安がありそうです。

 予備機は当然当初から予定されている機体があるべきで、どこから持ってきたのかわからないようなヘリは使うべきではないでしょう。

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ANA大赤字で構造改革 次に来るものは、、、

神戸空港管制塔 5月19日  (26)

 https://news.yahoo.co.jp/articles/b18a479d26f8f8a504f0c511d807a8a2dc11bc99

 新型コロナの影響で国際線を中心にぱたりと乗客が来なくなったANAが過去最大の赤字で21年度3月末5000億円の赤字を見込んでいるそうです。

 普通の会社なら完全に倒産という事態ですが、公共的な業種で様々な助太刀が入って生き延びるらしいようですが、大胆な構造改革は避けられず、従業員はもとより、乗客として乗る一般国民にも影響が避けられないようです。

 構造改革は客が減っただけ手持ちの航空機を売却処分し、あとは人件費やその他の経費をカットすることしかないでしょうから、人員整理と給料カットが既に実行されているようです。

 あとはコストのカットということですから、パイロットや整備士の訓練費用や航空機の整備費用も見直されることでしょう。

 このような経費はある意味安全に掛ける費用ということが言え、この経費のカットを間違うと最悪、飛行機が墜落するということにつながりかねない重要な意味を持ってきます。

 そしてこのような費用のカットの経済的な効果はすぐに出て収益に貢献しますが、安全性に対する影響はカットしてすぐに出ることはまれで、危険性は徐々に増すことが多く企業の風土や社員全体の意識に社員浸透していって数年後に気が付いたら大変なことになっていたという例が多いようです。

 つまりカットでいい目する経営者がすべて引退して、あとの関係者に代わってから気が付いたら大変なことになっていたということになりかねず、安全性維持のために費用のカットは思いとどまってほしいものです。

 整備費用のカットは安い外国への外注や補給部品の数を減らしたり安いものを手に入れたり、今まで以上に血眼になって費用をへらすことでしょう。

 パイロットの分野の場合は、世界中でパイロットがだぶついてくることは確実で、高い日本人は減らしてどこの馬の骨かわからないような外人パイロットを雇い入れ、十分な訓練をしないで飛ぶことが予想され、どの程度技量安全性を維持できるか経営者の意識にかかっています。

 ヘリでも同じような安全性の崩壊があり、その例は防災ヘリのパイロットが足りなくなった時に、防衛庁退職者を相場のほぼ3分の1の年収300万円で雇い入れて、こんな安いパイロットがいるんだと組合にけんかを売っていい調子だった経営者が2年後に墜落させて信用を無くしたことがありました。

 文系経営者は状況に流されたら対面を維持するにはとんでもないことをしでかす可能性があり注意が必要でしょう。

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F15一機でドクターヘリ何機買える、、、、、

明野航空祭 (195)

 共産党がF15 一機でドクターヘリを何機買えるかとか、イージス艦1隻で漁船が何隻 買えるかなどとあおっているようですので少し意見を取り上げておきます。

 要は軍事予算を減らして民生方面に国家予算を使うべきだという主張のようですが、生活しか目のない主婦層やあまり世間のことに興味がない子供などには受けそうです。

 まずF15は1機100億円では買えないようですから、1機年間2億円程度で運航契約ができるドクターヘリは50機程度飛ばせるということになります。

 F15を増やすか減らすかは仮想敵国が侵略の意思をもって攻撃してきたときに十分に対処して侵略を防げるかどうか、中国に侵略されて属国になって虐殺されたり、強姦されたり去勢されても良いということならF15など軍事は一切いらないですが。

 侵略する意志の強い仮想敵国があるならその国の軍事力にある程度は対応できるだけの軍事力を持つべきで、どの程度持つかは相手の勢力によりますから、ドクターヘリ50機飛ばせるから減らせという議論は成り立たないでしょう。

 そこでもう一つの検討事項は共産党が思うように日本に配備されたドクターヘリは救急医療に素晴らしい働きをしているように見えるので、さらに増やす必要があるかどうかを無視して、F15 1機分を止めて50機のドクターヘリを増やすことが必要かつ可能か、あるいは物理的に増やせるのかという問題があります。

 今全国で50機程度配置されているドクターヘリは、必要な救急に対処するにはほぼ十分で、多ければよいということはあり得ません。

 今のドクターヘリの救急件数は需要と供給がほぼ均衡していて、さらに増やすとして全国的にカバーが薄いところへあと10機も増やせば十分だと思います。

 もし需要を無視して、50機も増やすにしても、意味のないドクターヘリの基地病院を増やし、仕事のない医療関係者を配置する必要があり、ただでさえ足りないパイロットを育成、配置する必要があります。

 このようなことを考慮すると、F15を1機減らしてドクターヘリを50機も増やせなどというのは、まったく何も考えていないバカ、アホの暴論で少しでも事情を知ったものなら、アホかで済むのですが、深い事情を知らない主婦子供には受けいれられそうなのが困ったところです。

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熊被害にドクターヘリ出動、、、

47(12)

 https://news.yahoo.co.jp/articles/6655b0a8e85eebf3ba3b4425839597b8539da578

 このところ日本海側の石川県や新潟県などで熊に襲われる被害でけがをした方がドクターヘリで運ばれる事件が続けて起きています。

 急に季節が進んで空きが深まると島民に備える動物の活動が活発になって人間と遭遇してけがをさせるという、クマにとっては迷惑なことでしょう。

 クマと言えば北海道ですので、ヘリに乗り出したころに9月末から11月終わりまで、ベル47で殺鼠剤の散布の仕事で北海道中を飛び回ったころ山の関係者の方たちから熊被害の話をよく聞かされたものです。

 今日が71歳の誕生日なので24歳くらいから北海道での仕事に従事しましたので50年も前の話です。

 営林署の職員の方で顔に大きな熊の爪の跡が生々しく残っている人がいたり、散布飛行中にキツネや鹿などは普通に見ましたが一度だけクマザサの中にヒグマを見たことがありました。

 珍しいことなので高度を下げて近づいていくと、映画で見るライオンか豹が全速で書けるような体制で、ものすごいスピードで逃げ出しました。

 面白がってヘリで急旋回をしながら追いかけましたが、墜落したら絶対に食われるように思って恐怖心がわいてきて、今度はこちらが逃げたように思います。

 北海道中を旅芸人のように転々と移動して、植林地に殺鼠剤を散布する仕事なので、山の関係者と夕食を共にすると必ず、クマとの武勇伝や恐怖のどん底の話を聞かせてもらってずいぶんと物知りになったものです。

 私は今大阪と奈良の県境付近の住宅地に住んでいますが、周りに山林がありイノシシは一部住宅地内に入ってきて道路のわきの土を掘り起こしてミミズを探す跡が普通にあり、増えすぎて昨年は業者に駆除してもらったそうです。

 深夜に車で走行中にイノシシの親子連れに遭遇したことも何回かありますし、タヌキの子供が車にはねられて死んでいたりと、野生動物と人間の距離が開発とともに近くなりすぎて彼らも安心して生きていけないようです。

 熊被害にドクターヘリが出動するのはやはり、事故の場所が大病院から離れた山間地域の周辺地域であることが理由としてあげられるでしょう。

 野生動物と人間の共存がうまくいかないとこのような動物被害がどうしても起きるようですので、毎年出動することになるのでしょうか。

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ドクターヘリ 暖気運転と冷機運転、、、

日高 雪 (18)

 11月の声が聞こえてくると、近畿地方でも平野部では10度以下、山間部ではいよいよ氷点下の気温が来るようになります。

 さて、大昔は安い給料の中で大枚をはたいて車を買って、長く大切に故障なく乗るには暖機運転ということがよく言われました。

 各部分の加工精度が今のように精密に作ることが出来なかったので、オイルの温度が十分に上がって、あたりが良くならないうちに高出力をかけるような運転を続けていると、各部分の摩耗が進んで壊れてしまうということだったようです。

 同じように新車のうちは慣らし運転を行って、いきなり高出力をかけることがないようにと言われたものでした。

 今のヘリコプターは車と同じように工作制度が上がったことや、低温でも十分に潤滑できる性能を持つオイルを使用したりして、暖機運転という考え方はなくなったようです。

 もちろんそのような運航を強いる環境が多いので、ヘリコプターはすべて開発運用試験の段階で、マイナス30度程度の地方に持ち込んで寒冷状態での運航試験を行ってその性能が確認されています。

 北海道などではマイナス10度程度の状態で待機しているドクターヘリがあると思いますし、近畿地方でも2月など、マイナスの気温の中で待機していますが、出動要請がかかると3分で離陸しますので、暖機運転の時間はほとんどないと言えますが十分に性能が出るようになっているようです。

 もともと タービンエンジンはほとんど始動と同時に最大出力が無理なく出せるようになっているようで、大昔の戦中の満州のピストンエンジンの戦闘機が3時間おきに暖機運転をして急な出撃に備えたということが夢のような出来事でした。

 固定翼機はオイルの潤滑が必要なのはエンジンだけなのですが、ヘリの場合はエンジンに駆動されているメインギアボックスとテールローターギアボックスの潤滑が重要なのですが使用しているオイルの低温性能のため、3分での出動が可能となっているようです。

 エンジンの暖機運転はほとんど必要がないほどなのですが、今度はエンジンを停止する場合の冷機運転の重要性が言われていました。

 なぜ冷機運転が必要かというと、タービンとその周りのカバーの間隔が大変精密にできていて、高温高出力から一気に停止すると外気に接しているカバーが先に収縮して径が縮み、高温のタービンが高熱のために縮まず、当たってしまうという不具合がありました。

 旅客機戦闘機は着陸後低出力で地上滑走するため比較的冷機運転が自然に行いますがヘリの場合、高出力のホバリングからいきなり着陸となるので一定時間の冷機運転が必要な機種が多かったようです。

 最近は冷機運転は30秒、1分と短くすることが出来るようになり、着陸して2分でローターを止めることが出来て、救急処置に向かうことが出来るようになって非常に運航がスピーディになっています。

 このように現在のヘリコプターは暖機運転、冷機運転がほとんどいらなくなって、迅速な運航ができるのですが、寒冷地での運用で必要なことは機械類の部分ではなく、本当に必要なのはパイロットや医療従事者、つまり人間の暖機運転冷機運転に当たる、身体精神の準備運動であると思います。

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ORC機 五島福江空港で強め(??)の着陸、、、、

朝日時代 (17)

 https://news.yahoo.co.jp/articles/dbc0eb36b11130785e67e46b46f8eb22081816bf

 23日午前 長崎県の離島の五島福江空港でオリエンタルエアーブリッジのDHC-8-Q200が着陸の際 機体後部を滑走路にぶつけて強めの着陸をしたというニュースが入っています。

 折り返しの便は機体の破損状況を調べるために運休となったそうです。

 この会社は2019年度に機体の整備点検に不具合があって、航空局の立ち入り検査を受けたり業務改善勧告を受けるなどあまり良くない情報が過去に聞こえてきています。

 今回の強めの着陸とは何か奥歯にものが挟まったような言い回しですが、会社の担当者がメディアに話したことがそのまま報道されているのでしょうか。

 このハードランディングを起こした福江空港は写真の上五島空港とともに風向きによっては着陸が難しく、パイロット泣かせの空港なのですが、それは山がある小さな島に空港を作ると、山から空港へ吹く風が下降気流となり、着陸機が接地寸前にそのその中に突っ込むといきなり落とされて、滑走路に激突しそうになり、慌てて頭を上げると機体が過剰な頭上げ姿勢になって、しっぽが滑走路に当たるということになります。

 普段 まっ平らな平野の中にある空港ばかりに着陸している、固定翼機のパイロットにとっては着陸寸前の降下気流は難敵で下手をすると今回のようなことが起こります。

 写真の上五島空港では滑走路が空母のような状態で、滑走路の端には強い下降気流が常にあり、パイロットは野球の広島球団の山本耕史氏の実弟がいたそうですが、皆さん、蟹の横這いのような経路を飛んで下降気流域を避けて、まるでヘリのような着陸をしていました。

今回の トラブル時の風速は11メートル程度と報道していましたが、10メートル程度の風でこのようなことを起こすようではこれから真冬に向かうとどうなることやら心配になります。

 強めの着陸でしっぽのテールスキッドから付かないように気を付けないといけないようです。

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スペースジェット(MRJ)ついに凍結、、、



 https://news.yahoo.co.jp/articles/5007320467f7f42091d9faaef14749bc78fb1e90

 三菱航空機がついにスペースジェット、元MRJの開発をあきらめ、30日に正式に発表するのではないかというニュースが入っています。

 正確にはわかりませんが、私が想像するに官民合わせて約1兆円近い膨大な金額と2006年ころから15年近い期間を経て、ついにものにならなかったようです。

 非常に残念な結果になったとしか言いようがありませんが、その原因は技術力がなかったというしかありません。

 過去の三菱や日本全体の航空工業力と実績から、通産省や三菱が小型旅客機程度くらいは、、と甘く見ていたように思いますがいかがでしょうか。

 その表れに実用化に至らなかったのは新型コロナの影響による航空需要の落ち込みが激しくて、新たな旅客機の販売が見込めないから開発をあきらめるというような姿勢がみられることです。

 当初の計画ではすでに5年も7年も前には量産化しているはずで、今では50機も70機も飛んでいるという見込みだったのですがそれが出来なかったのはTC 型式認定が取れなかったためで、商品化できなかったということに尽きます。

 ならばいつになったらTCが取れて商品化できるかというと、現時点でも見通しがつかないのでしょう。

 旅客機程度のものを作って型式認定を取る程度のことがそれほど技術的に困難かというと、カナダやブラジルがすでにこなしていますし、インドネシアやスペイン、中国でさえ飛ばしていますので基本的にはそれほど難しいものではないでしょう。
 
 しかし、新しく売るためには今までにない性能、つまり低燃費性能売り物にするためには、エンジンの低燃費化と機体重量の軽量化ですが、エンジンはアメリカ製ですでに完成しています。

 機体重量の軽量化は新素材を使って軽量化する技術ですが、新素材のカーボンファイバーは日本製、そしてその加工技術はボーイングの下請けで取得済、ただし設計は小型機用に新しくするのですが、これに失敗して強度不足の異常振動が出て再設計に数年かかったようです。

 同じような失敗は民間用ヘリとして開発したMH2000というヘリのテールファンの取り付け部分の強度不足で試験飛行中に破断し、墜落、死者が出ています。

 つまり技術的なものにかなりの欠陥がありそうで、それを修正しながら型式認定へ繋げたかったようですが見通せないであきらめるという結果のようです。

 ヘリと言い旅客機と言い、基本的なところに設計不備があって、これを克服できないようでは見かけが格好いい飛行機を作っても飛べないということになります。

 下請けやライセンス生産はどれだけ多く実績があってもオリジナルのものはそう簡単には作れないということでしょうか、どれだけ言い訳を重ねて失敗を取りつくろっても失った信用は取り返せないでしょう。

 日本の技術力の低下を象徴するような結果になってしまいました。

 なぜ日本がこのようになってしまったかというと、大企業、役所の管理部門の有名大文科系出身者が組織の中枢にいて、理系技術系の要員を管理監督して、良いものを作ろうとか、優秀な製品で業績を上げようなどということはできないということでしょう。

 MRJの設計者たちが文系出身の管理者に使われているようでは技術は伸びないということが証明されたのではないでしょうか。

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飛べない 雪丸ドローン、、、

雪丸ドローン

 https://search.yahoo.co.jp/video/search?p=%E3%82%86%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%82%8B&fr=top_ga1_sa&ei=UTF-8

 日本の航空の世界は小は200グラム以下のドローンから大はANAのA380まで、そして鳥人間から防衛用の航空機や民間のヘリコプター、旅客機と大変幅広いものがあって、それぞれある程度は発展する様子がありましたが、ついに新型コロナという主にメディアが作り出した亡霊によってとどめを刺されてしまったようです。

 わが町、奈良県王寺町の聖徳太子の愛犬、雪丸がドローンになって飛んでいましたが、岐阜県でのイベントに飛んだドローンが墜落してけが人が出た事例がもとで飛ばなくなってしまって、今日役場へ所用で出かけると埃を被っていました。

 もちろん大きくダメージを受けたのは航空の世界だけではありませんが、インフルエンザに毛が生えた程度のウイルスで、世界中が狂ったように何もかもが急降下していく様子は、人間がいかにひ弱な精神力だけで生きているかの証です。

 コロナによる世界の減速は20年程度以上も後戻りしたように思えて、その分を取り戻すことには同じ年月がかかることでしょう。

 私はどうもマスクを着けることが習慣にならなくて、外出するたびにつけ忘れて他人からの刺すような視線で気が付くのですが、このような世の中の異常なマスク警察社会がある程度は緩和しないと、コロナ禍から抜け出せないのではないかと思います。

 雪丸が飛べないのも、マスク社会が止まらないのも、物事の危険性と、その対策のリスク管理が正しく行われないためで、飛行機が落ちるから絶対乗らないというような感覚と同じではないかと思います。

 血圧を下げすぎて、癌と認知症を増やしたり、肺がんに影響の少ない禁煙を異常に強制したり、体内の塩分を調整できる正常人に見境なく減塩を勧めたり、コレステロールの数値を異常に脅したりするのはすべて同じようなことで、メディアを中心に狂う社会の象徴でしょうか。

 人間は恐怖で脅せば大きくぶれやすく、中世の魔女狩りから一歩も進んでいないような情けなさで、わが町の雪丸ドローンは泣いてるように思えます。

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プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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