航空自衛隊UH60 予防着陸、、、



 https://news.yahoo.co.jp/articles/2d9c8ee1fbb02040d00c781594a21cd4d55d7152

 昨日のニュースによると航空自衛隊松島基地に所属するUH60救難用ヘリが松島基地から15キロほど東の石巻市の高校のグランドに不時着したというニュースが入っています。

 ヘリも壊れず地上の人や物にも被害がなく、無事だったということでまずは良かったということになります。

 各テレビ局や新聞などの報道内容には微妙な違いがあり、各社のレベルや情報の集め方、処理の仕方に優劣があったり、ニュースの切り口に政治的偏向などがみられるようです。

 まず航空自衛隊はこの着陸を不時着と言ったのか緊急着陸と言ったのか予防着陸と言ったのかは真実は一つですが、報道する会社によってこの3種類の言葉が使われています。

 この並べた順に危険性が高く、航空機が不時着と言うなら死人の一人や二人が出てもおかしくないような事故をイメージしますし、緊急着陸ならより安全な着陸場所を選べる余裕がないような状態で飛行場など着陸して良い場所に着陸を強行したようなイメージです。

 最後の予防着陸と言う言葉は朝日航洋などが何回も事故を起こし報道されるたびに悪いイメージが定着してしまい、軽微なトラブルなどで安全に着陸場所を選んで事故防止のために余裕をもって着陸した場合などには危険性はないですよと言うような意味で使った言葉です。

 今回のトラブルも学校のグランドとはいえ、無人状態を十分に確認して、一定の安全性を維持したまま安全に着陸していますので、のこの予防着陸と言う言葉を使ったはずですが、緊急着陸や不時着と言うイメージはないでしょう。

 ですから自衛隊に良いイメージを持たない左翼メディアが自衛隊をより貶めるような緊急着陸とか不時着とかいう言葉を好んで使ったのでしょう。

 ところが記者やデスクが素人なので言葉で貶めているようですが、トラブルの内容については全く理解だ出来ていないようでその点についての突っ込みは全くできていないようです。

 エンジントラブルと言う内容はたぶん航空自衛隊の発表の言葉だと思いますが、普通の最近のヘリは高い信頼性で強力なエンジンが2機装備されていて、片方が最悪停止しても飛行の継続にはほとんど影響がない構造なので、たった15キロ、5分しか離れていないところでエンジントラブルなどで予防着くすることはほぼ100%あり得ないということがわかっていないようです。

 一部報道によると隊員がローターの付近を点検している様子があったとのことですから、このヘリは何らかの重大な故障の予兆が出たために、5分で飛んで帰れる基地への飛行を断念して、近くの学校のグランドに着陸した様子がうかがえます。

 着陸は安全な予防着陸で被害が出なかったようですが故障の内容は重大で、墜落の危険性を恐れてすぐ近くの学校へ着陸したということが真相でしょう。

 報道各社は、それではそれがどんな状態であったのかを予想して、自衛隊当局に真相を聞いて報道するべきでしょう。

 それではどのような故障の兆候があったのかと言うと、もちろん短時間に墜落に至る危険性が高い故障の兆候なら飛行中のローターの異常振動であるということはほぼ間違いなく、これはとりもなおさず、陸上自衛隊の目達原基地所属のSH64が墜落した事故の故障の兆候と同じ状態であったと考えることが普通でしょう。

 それでも予防着陸が成功し、被害が出なかったことは幸いと言えるでしょう。
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ドクターヘリ 機内でAED使用、、、

和歌山ドクターヘリ1 (1317)

 ドクターヘリが出動した場合、患者さんが重症であっても普通は救急車内などヘリの外で必要な処置をし、病院への飛行中は普通モニターで患者さんの状況を見守ることになります。

 ところが現場に着いた時にすでに心肺停止になっていたりすると、現場で挿管して強制的に呼吸を助け、強心剤などを打ってAEDで心拍の再開を試みるようです。

 うまく心拍が再開すると、急いで病院へ搬送して早く設備のそろった病院の処置へ繋げることになります。

 このような厳しい状態の患者さんはごくたまに出るのですが、出動依頼の入電で心肺停止と言う状況なら離陸前から日理の中は大変な緊張状態になり、現場でうまく心拍再開して病院へ着くまでは運航クルーも大変な緊張状態となります。

 5年間で約1500回出動した経験の中、AEDを使って心拍再開を試みた回数は30回ぐらいでしょうか、その中で再開した心拍が飛行中に再停止し、ヘリの狭いキャビンの中でのAEDを使った回数は確か2,3回程度しかありません。

 ヘリのエンジンの燃料コントロールがコンピューターによるデジタルコントロールになっていて、一応強い電磁波などから保護するシールド構造になっているのですが、1メートル程度の直近での作動には大変不安があり、突然エンジン停止と言う可能性も言われていました。

飛行中は主にナースがモニターを注視していて機内に生の声が聞こえるほどの声で、「止まるー」と叫んだので心拍が再停止したことがわかりました。

 そこで機内でのAEDの使用にはドクターがパイロットに予告して使うタイミングを教えてもらってエンジン不調に備える体制で飛行継続していました。

 またAEDで心拍再開できなかったことがあって、ドクターが心臓マッサージしますのでベルトを外しますと言い、中腰に立ち上がって行ったことがありました。

 その後、別の基地病院ではこのような症状に備えて、オートパルスと言う最新型のAEDと心臓マッサージを一つの機器でできる装置を積んで、心肺停止の患者に一度だけ装着して飛んだことがありました。

 このような緊迫する患者を乗せたドクターヘリの狭い機内は相当な緊張状態で、年寄りパイロットでも相当な緊張状態を強いられるものです。

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ヘリパイロットは多種多様、、、

優人秀人八尾空港 (7)

 一生、ヘリパイロットで人生を送ると経験や技量の向上とともに、乗るヘリが大型化したり、難しいと言われる仕事をするように階段を登っていくことが技術者としては幸福なことでもあり、理想と言えるでしょう。

 私は幸運にも最大手の会社で富士山頂の先輩パイロットを目標として飛んで来ましたし、階段を上がっていくことを実践することが出来ましたが、ヘリ1機パイロット1,2名の小さな組織で一生を終えるパイロットは日常から技術向上への刺激がなく、フライト内容も機種も長期間変化がなければ成長することも困難でしょう。

 成長はいつまでも続くことはなく自分は50歳前から、自分の技術が落ちていることを自覚しましたので、成長はあきらめ安全に徹して最終的には5年間のドクターヘリでヘリパイロット人生を生きて終えることが出来ました。

 パイロットが100人も抱える大きな組織では100%公明正大でないとはいえ、それなりの切磋琢磨や昇進や、また逆のこともあり5年前の自分ではないことが明らかにわかります。

 ヘリコプターのパイロットが全員このような中で成長していけるなら、今の常連と言われるパイロットが足りないという状態は幾分緩和されると思いますが、防災ヘリなどの公的ヘリの組織体制が細切れ小所帯ならば、いずれほとんどの所帯の運航能力は衰退していくように思います。

 20年前の公的ヘリに従事するパイロットの能力と現在のそれを具体的に比較することは困難でしょうけれども、30%や20%能力が低下してると思ったとしてもそれに反論できる人は少ないでしょう。

 小さな所帯のパイロットが定年や自己都合で退職したら、あるいは不幸にも事故で殉職した場合な度で、新しいパイロットをどこからか探してきて採用するなどと言うことはほぼ無謀と言うしかないのですが、ほかに手段がなければ仕方がない所です。

 うまく能力の高いパイロットを採用できたか、あるいはかすを掴んだかなど評価すらできず、飛ばすしかないでしょう。

 大手のヘリ会社でも同様で、だんだんと衰退していく可能性が大きいでしょう。

 20億円のヘリを3か月前に採用したパイロットに任せるなどあり得ない愚策で、普通は10年以上苦楽を共にしてすべてを理解しあったものに任せるでしょう。

 自分も332や214に乗るまで20年程度は同じ釜の飯を食った仲間に認められて初めて任されたように思います。

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長野防災ヘリその後、、、

豊岡ドクターヘリ (1190)

 https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200926/KT200925ATI090029000.php

 昨日の記事に2件の書き込みをいただいたのは長野県防災ヘリの件と山小屋物輸の件でどちらも日本の軍用ヘリ以外の、国土交通省の所管する航空法に従って、安全確実かつ需要に応じて発展するべき民間ヘリコプターの運航がうまく行かないという状況を表しているようです。

 航空法は安全確実秩序正しく需要に応じて発展することを目的としていますが、実情のヘリ業界は全く逆の動きをしているということの責任の一端はやはり、法に基づく行政機能がまともではないと言えるでしょう。

 山小屋の運営にヘリコプターは欠かせないもので、日本の文化スポーツの一部分を担っている山岳登山の文化が危険にさらされているということになります。

 山小屋へヘリで物資を運ぶということは、山岳地で遭難者を救助するヘリコプターの機能とほとんど同じような運航技術なのですが、救助は公的機関、物資輸送は民間ともともと小さいマーケットに高度な技術とそれなりのヘリコプターが必要なので、ヘリの仕事が減っている今の状態では民間が出来ない範疇となってしまったようです。

 埼玉県の防災ヘリは山岳救助に料金を取っているようですから、山岳救助の訓練として日常的に山小屋物輸を行うことはヘリを運航する組織としては願ったりかなったりの訓練場ですが、日本の航空法や行政規則などでは許されないことになるのでしょう。

 さて、長野県の防災ヘリに海自から新潟県警に転身し、さらに中途退職したパイロットが採用され、新潟での経験が長野県防災ヘリのパイロットとして十分であると判断されたようです。

 実力のほどは外部には判断できませんが、海上自衛隊、新潟県警では十分に把握しているのは確実です。ただし長野県から新潟県警に問い合わせをしてもまず答えることはないでしょう。

 辞めたやつのことなど知ったことか、、、と言うのが普通の態度でしょうし、山岳救助はちょっと無理でしょうなどと言うことは絶対にありえません。 どうぞご自由にでしょう。

 さてリースしていた東北地方での防災ヘリを引退した中古のベル412は国の検査で飛行可能と言う判断が出ていたのを長野県が整備状況に疑問があると言い出して飛ばない状態が続いていて、双方が折り合わなくて契約解除したそうです。

 国土交通省の耐空検査でOKのヘリがメーカーでもない他の関係者が耐空検査を否定するのは、航空行政がおかしいのか長野県がおかしいのかどちらかですが、いずれにしても行政は褒められたものではないことは確かでしょう。

 裁判で争えば長野県が負けることになりますが、長野県が勝てば航空行政は首にするべきでしょう。ですから税金で色を付けて、平和に双方の顔をつぶさない方法での和解することでしょう。

 さらに、パイロットなどを派遣している会社と長野県が会社の人員不足で契約解除したそうですから、人繰りは綱渡りであることは確かで安全運航には危機状態が続いていたということになります。

 このような状態の中、新しいベル412EPが10月にスバルから25億円で購入した分が納入されるそうですが、このヘリに乗れと言われて飛びたいという消防隊員はいないと思いますが拒否は出来ないのでしょうか。

 つらい所です。 根本的には公的ヘリを含めて、航空法で飛ぶ民間ヘリコプターを管轄する行政機関、国土交通省航空局が間抜けだということになります。 お得意の行政指導はどうしたんだと言いたくもなります。

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東京消防庁ヘリ 落下事故調査報告、、、

東京消防庁ヘリ

 https://www.asahi.com/articles/DA3S14635552.html

 昨年10月に福島県いわき市の洪水時、ヘリコプターで救助作業中、要救助者を落下させて死亡させた東京消防庁が自分で事故調査報告を出したという報道が出ています。

 この事故では警察検察が当事者を不起訴にし、航空事故調査委員会も事故と認定せず、唯一事故の原因や再発防止策を当事者が出すという結果になったそうです。

 2013年には富士山で静岡消防のヘリが同じように要救助者を落とし、翌日死亡して発見回収した事故の場合と全く同じような事故でその時も不起訴、航空事故調査は行われないと全く同じような措置となり、お役所の前例主義がよく見て取れます。

 民間ヘリの場合、死亡に至らないただ単にヘリが吊り荷をおとりたり、吊り荷で作業員がけがをしただけの場合でも航空事故調査の対象になっていて、毎回決まりきった報告を出していて、同じようなトラブルは何回も起きています。

 警察検察の業務上過失致死、過失傷害は結果の重大性、そして当然守るべき安全上の規則や手順など基本的なことを守らなかった場合などが起訴されることになります。
 人が死ぬ以上の結果の重大性はないはずですが、富士山も福島も不起訴となっています。

 航空事故調査の場合は航空機の運航が原因して人の死亡けが、航空機や物件の損壊など安全上の不適切な結果に対して調査を行い、その目的は原因を正しく明らかにして、同じような事故トラブルが再発しないように調査するとこで、当事者の責任は追及しないということになります。

 そして航空会社など航空機を運航する責任組織は自らの事故の原因を正しく明らかにして、再発防止策を決めて実行するほか、当事者に規則違反や過大な過失、故意、重大な不注意などがあれば組織内の規則に元ずいて、査問委員会を開くなどして処分懲罰を決めることになります。

 もちろん、当事者が矯正不能な大きな能力不足や重大な不注意があると首にするなり、 配置転換する成り、無罪放免にするのは自由ですが、その内容によっては、大きく社会的な指弾を受けるほか、被害者に裁判を起こされたり損害賠償を要求される可能性があります。

 このような、各組織が事故対応の様々な処置をする中でなにが一番重要なのか、何のためにめんどくさい多くの処置をするのかと言うと、とりもなおさず同じような失敗をして被害者を出さないようにするためであることはだれにでもわかりそうなものです。

 ではそのようなことが十分になされてきたかと言うと事実は全くダメで責任逃れのいい加減な処置で済ましたため、何が起きたかと言うと富士山で落とし、7年後に福島で落とすという最悪の結果となっています。

 富士山で落として次は福島だから別の組織だから、それほど間抜けではないだろうという意見もありそうですが、他の部署で同じような失敗をしないように国家機関の国土交通省安全運輸委員会が調査し、国家組織の警察検察が法的処置をするということになっています。

 つまりまともに調べないでいい加減な処置をするから、同じことが何回も起こすということになり、またどこかで同じことが起きるでしょう。

 それでなくても航空関係の事故は再発防止策が大変むつかしく、同じことが何回も起きていますので、まともに調べないならさらに危険と言うことになります。

 当事者を牢屋にぶち込むためにするわけではないのですが、、、、雫石事故の同期生はその日から留置所へぶち込まれましたが、、、

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ヘリの安全運航に航空行政は意味があるか??

和歌山ドクターヘリ1 (1902)

 ヘリコプターの運航の安全性にかかわる航空行政の制度運用がヘリコプターの安全運航に対して有効に機能しているかどうかを公正な機関が正しい見直しを常に行うような制度がないものかと思っていました。

 例えば群馬県防災ヘリが墜落した時に運航管理係が正確なフライトプランを通報しなかったことが各方面から厳しく指摘されていましたが、一方的に運航業者が悪いことにされてしまって、不必要で意味のないヘリコプターのフライトプランに関する改善は全く顧みられることが無かったようです。

 違う切り口ではヘリコプターのパイロットの機種限定にかかわる航空行政の試験官による試験制度は意味があるのかと言うような点でも議論があってしかるべきでしょう。

 航空局の従事者試験官と言えども能力的にまた本人の意識や業務従事態度によると、ほとんど素人が試験をする程度のことがままあり、本当に意味があるのかと言えるでしょう。

 笑ってしまったのは4人ほどで大型ヘリの限定試験を受けたときに仲間内では一番出来が悪いパイロットだという評価のものが試験官によると一番優秀だという評価があったので、どこを見とるんだ、素人がと笑ったものです。

 ところが官憲による試験は通らないと話にならないので、受験生は奴隷、試験官は王様ですからいびつな試験が改善されなくてもだれも表立っては文句も言えない状態となる恐れがあります。

 航空事故調査におけるヘリコプター事故の調査報告に関する行政評価制度なども全くなく、群盲象をなでるような調査を素人たちが寄ってたかって長時間をかけて、忘れたころに意味のない報告書を出していないか気になるところです。

 航空管制とヘリコプターの問題も長く深い溝が続いていて、このブログでも何回も取り上げていますがヘリの運航の減少とともに昔の官が強く民が虐げられる状態に戻っている恐れがあります。

 毎日緊急出動しているドクターヘリの運航に、行政の制度に付き合うフライトプランの制度は害ばかりで運航側には何のメリットもなく、1秒を惜しむ情報伝達管理で離陸していくドクターヘリに行政のフライトプランは余計な仕事だという意見は運航管理従事者は100%同意することでしょう。

 残念ながら航空行政がヘリコプターの運航を支援したことはほとんど聞いたことが無く、人命救助特例の無許可着陸を法制度化したのは快挙だという思い込みが行政側にあるようですが、ヘリパイロットに100%安全性の責任を丸投げして、負担をかけて、なおかつ訓練すら認めない、キチガイのような法制度を強行し自らの責任を放棄しています。

 これで夜間飛行だ、計器飛行だ、屋上へリポートの爆発的増加だということになると、ヘリパイロットはサーカスの芸人よりはるかな危険な職業となり果てるようですが、味方はどこにもいないのがつらい所です。

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ドクターヘリ 安全に離着陸できるか??、、、

養父山奥現場 (2)

 昨日はアメリカで起きた医療用のヘリが空港内の土留め用のゴム板を巻き上げて落ちるという事故を取り上げました。

 空港内でヘリコプターが離陸に際して巻き上げたものにぶつかって落ちるというということは、常識的に考えて飛行場以外のあらゆるところで離着陸する機能を持ったヘリコプターの操縦は一筋縄ではいかない難しい、また危険性をはらんでいるということを表しています。

 と言うことでヘリコプターが離着陸する場所は一定の安全性が確保されている場所で許可制となっていますが、空港内でさえ思わぬ危険性があるのですから、事前調査をして許可を取ったところでもどんな危険性がはらんでいるかわからないということになります。

 そうなるとヘリのパイロットはある程度自由自在にヘリを操縦できるという能力に加えて、潜んでいる危険性を察知して、危険から一定の安全性を確保できるという能力が必要と言うことになります。

 この能力は知識や机上の学習だけで得ることは相当難しく、経験が物を言う世界で、しかも実際に相当程度危険な目に合わないと身に付かない能力と言うことになり、素人の文系の経営陣が決めたとは言えドクターヘリのパイロットは2000時間程度の経験が必要であり、防災ヘリは5000時間くらいは欲しい所となるのが常識でした。

 農薬散布で電線に引っかかって墜落することを称して麻疹のようなものだと言われた時代がありました。一度かかったら二度とかからないという意味だそうですが、一回電線に引っかかって死ぬ思いをしたパイロットは2度とかからない操縦をするということらしいのですが2回目どころか3回かかったパイロットもいるようですが、それも生きていればと言うことになります。

 ところがこれを値切ってドクターヘリ1000時間にしたり、防災ヘリに山岳で物を吊って飛んだ経験のないパイロットを指名したり、強風でテールブームを切るような操作しかできないパイロットが大型ヘリの機長を務めたりして墜落しています。

 熟練パイロットがいないから仕方がないと言えばそうなのですが、一緒に飛ぶ医療関係者や救助される人はたまったものではないでしょう。

 鉄塔建設で深い山間部を縫って送電線の下で飛んだ経験のあるパイロットは、自分が今着陸しようとする場所が何とかとか安全に離着陸できるか、どのように飛んでもローターが線や立木に当たりそうだとか、砂塵や障害物が飛びそうだというようなことは事前に判断することが出来るようになります。

 そのような能力は1000時間程度ではとても無理で、1000時間ならよちよち歩ける程度と言うことになります。

 日本の航空上の法制度ではパイロットがそのような限界の判断をする必要がないように、離着陸は事前許可制度になっているほか、ドクターヘリが緊急で許可なく着陸する場合でも、地上の消防の支援隊などが判断支援するというように建前上はなっています。

 だからよちよち1000時間でもドクターヘリを飛ばしても大丈夫と言うように制度上はなってはいますが、さて「地上の支援隊がそのような判断支援を常にできるかというと、3000メートルのアルプスでは無理でしょうし、救急車が1時間かかる場所でも無理と言うことになり、パイロットはやはり自分で判断できることが必要と言うことになります。

 消防支援隊が安全だと判断しても強風が息をついていて、風向きも急変安定しないなら、あるいは飛散物が隠れていたり、見えない電線が渡っていたりすると、やはりパイロットは自分で危険性を察知する必要があります。

 空港のエプロンに接してゴムの土留めを敷くなんて、しかもノータムで知らせないなんてと後で激怒しても7億円のヘリは帰ってくることはありません。死ななかっただけラッキーだったと思って慰めるしかありません。

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アメリカの医療用ヘリの事故、、、



 https://www.youtube.com/watch?v=H18oRtL8nw4&feature=youtu.be


 アメリカのオハイオ州で今年の7月4日 医療用ヘリが空港から離陸する際、空港内工事に設定されていた、地面を抑えるような帯状のゴムを巻き上げて、ローターにヒットし破片がテールーターを直撃して不時着したようです。

 ヘリコプターがダウンウオッシュで物を巻き上げて事故を起こす例は空港やヘリポートではあまりありませんが、いわゆる業界用語で場外、一般には臨時ヘリポートでは起きていますが、今回のようなほとんどヘリが全損するような被害を受けることはあまりありません。

 空港内で航空機の運航に影響ある工事などはノータムと言う運航者向けの航空情報が発行され、パイロットなどに周知されることになっていますが、今回の工事の情報は通知されていなかったと報じられています。

 しかしこのヘリは離陸する際、ドーリーと呼ばれる車輪付きの台の上から離陸していますので、これはヘリを格納庫から出し入れす場合に一人の作業員で動かすことができるようなもので、ここが基地であると思われますのでパイロットはこの空港を熟知していた可能性が高いでしょう。

 パイロットはこのような工事用の帯状のゴムがまさかヘリのダウンウオッシュで舞い上がるとは思っていなかったようで、少しも避けるような操作はしていないようです。

 しかもホバリングから離陸前進に移行するためヘリが動き出してパワーを加えたところで舞い上がっていますので、パイロットから見ると真横か後ろの方で舞い上がったようですので、気が付いて逃げる操作はしていないようです。

 このようなものが舞い上がるかどうかは、前方に見える位置で中止するべきで、いきなり舞いががることは少なく、地面とゴムの間に少しずつダウンウオッシュが入り込んで小さく上下していて、限度を超えると一挙に舞い上がります。

 その位置が後方だったので逃げられなかったようです。

 ローターでたたくと相当なものでもブチ切れて、ローターのへこみとギアボックス系統の突然停止(急停止)の点検項目で免れますが運の悪いことにテールロータをテールロータを直撃しましたので、テールローターギアボックス、テールブーム、テールブーム取り付け部ともほとんど修理不能の全損状態でしょう。

 またこの事故が135や902ならテールローターに直撃することはなく壊れ方がこのように激しくはなりにくく、不運と言うしかありません。

 垂直に離陸するとの動きを見るとかなり重い状態のように低いホバリングで90度旋回し、滑走路と進入機のないことを確認していますので、低い高度とホバリングでの時間の長さがゴムの舞い上がりを招いたようです。

 ホバリングの高度があと2メートル高ければ、舞い上がったゴムがローターに届かずに済んだかもしれません。

 事故が起きるときには様々な要因が重なり、後知恵は何とでもい言えるのでつらい所ですが同じことを起こさないために何をするかを考えることは無駄ではないと思います。

 今日のブログ内容はいまいちですがいいね!よろしくお願いします

 

 

重複要請にどうのように答えるか?、、、、

7月5hi 049

 https://twitter.com/TECCMC/status/1306203203860443138

 地球温暖化論に真っ向から反対されている武田教授によると、毎日何かしらブログを書くということは大変なことで、ややもするとマンネリになったり、記事の質が落ちたり、また書かなければと思うとかなりの強迫観念に陥ると言っています。

 自分のある時から毎日何かしら書くと言うことを決めてほぼ10年近く続けていますがその気持ちはよくわかります。

 日々のヘリコプターに関するニュースが好いテーマとなって助けてくれてはいますが、そうもいかない日が結構多く苦労して書いています。

 日付けが変わった真夜中に書くのは、万一その時間にかけなくても、20時間の猶予があるからで、何とか自分で決めたノルマをこなしています。

 さて今日のテーマは重複要請に対応する豊岡ドクターヘリの様子をツイッターで読んで何か書こうと思っていたのですがよくまとまらなかったので今日になってしまいました。

 ドクターヘリの任務の一番重要なことは、重症の救急患者さんに救急車などでの既存の方法で対応すると手遅れになって死んでしまう可能性の高い患者さんの命を助けることにあります。

 各地消防本部から入るドクターヘリの出動要請に即座に対応できない事態は、待機時間外の夜間などの場合、天候などで飛べない場合、そしてすでに要請があって重複要請になり、別のところへ飛んでいるときと言うことになります。

 天候不良と待機時間外はどのようにも対応の仕方がありませんが、すでに出動してしまっているときはどうするかと言う大きな課題があり、豊岡ドクターヘリはドクタードロップと言う方法と、ドクターカーの運用と言う方法の2重の対応策を持っています。

 そもそも出動要請が重なる重複要請と言う事態はどの程度起きるかと言う根本的な事柄があり、豊岡は年間出動が約2000件として、一日平均6件程度と日本一多い状態が続いています。

 ドクターヘリが一回出動すると一回の出動が完結するまで、おおむね45分から1時間かかりますので、10時間の待機時間とすると6時間は次の要請には即時対応ができないことになります。

 つまり平均の出動回数でも一日のうち半分はヘリがいないので、ドクターカーで対応するか、ドクタードロップに備えてフライトドクターが2名乗って、一番目の現場でドクターが対応中に2番目のドクターが直接ヘリで現場へ向かうと言う方法を取ることになります。

 この方法の欠点は離陸から第一の現場へ着くまでしか対応できないということで、ヘリに患者を乗せて帰投中は2番目の現場へ普通行くことが出来ないということになります。

 ヘリに搭載している救急対応の医療資器材には限度があり、2か所で分けて使うには情報が十分でない恐れがあることと、救急処置の補助をする看護師が片方の現場ではいないということになります。

 一日の出動回数が平均値の6回程度でも半分は重複する可能性があるのですから10回以上出動すると1日に2回も3回も要請が重なるのが普通で、どうしても対応が遅そくなると言えます。

 これを解決するには1基地2機運用とすることが一番確実な方法で、基地設備や病院設備がほとんどそのままで対応可能ですので検討課題としては重要でしょう。

 もちろん今の厚労省のドクターヘリ基準にはこのような事態は全く想定していませんが、地域の需要に応じて医療資源とヘリコプターの集中運用は各地1機のバラバラ運用と比較して有効な地域も多くなってきそうです。

 ヘリコプター2機とドクターカー一台を合わせて試行運用が期待されます。

本日は連投の中、記事の質を落とさない内容で頑張ってみました、良かったらいいねボタンよろしく!

屋上へリポートの付帯設備、、、、



 ドクターヘリが各地に設置された屋上へリポートに着陸する機会が大変増えています。

 屋上へリポートにしても地上のヘリポートにしても常時着陸するところにはある程度の設備が必要と思いますが、着陸場所がいわゆる正式な航空法上のヘリポートと臨時に使用するという建前で場外離着陸場扱いになっている所があってその付帯設備の状況は大きく違っています。

 地上の臨時ヘリポートはほとんどの場合、設備は何もなく、ただの空き地やグランドなどなので付帯設備は全くなく、着陸事故が起きた秦野の場合は企業の工場の敷地内の空き地でした。

 着陸帯の表示がなく、目標物がなくて、進入時の降下角度の判定がやや困難で、かつ着陸場所の選定が必要となります。

 着陸に難易度が高い場合や風が乱気流含みで安定していない場合の進入には風向風速を明確に示す吹き流しがあるとより安全ですし、それに加えて無線による気象データの確実な連絡は必要となります。

 工場敷地や学校のグランドを借用する場合は付帯設備は設置できないので難しいのですが、数千万円以上かけて作られている多くの屋上設置の場外離着陸場の場合には、プラス数百万円かけて、簡易の気象観測装置とそのデータをパイロットに通知する無線設備を設置してほしいものです。

 屋上の正式ヘリポートには気象観測装置と無線設備、緊急消火設備などが義務化されていますが、同じ機能を持ちながら規制の厳しさ逃れや、周辺地域の公聴会や同意が必要、その他の理由で場外離着陸場として建設する場合にはその設備設置の自由がなく、安全性のためにヘリポートに求めているものが免除されてしまっています。

 義務化までは難しいとは思いますが、秦野の事故調査ではパイロットがへたくそと言う結論で終わっていて、場外へリポートや救助適用の場合の安全性に資するようなことは議論されていないようです。

 つまり、安全性のためにヘリポートには一定の設備を要求しながら、より危険性の高い場外離着陸場や救助適用の場合の離着陸にはパイロットの超能力だけを期待するような本末転倒のことが行われています。

 つまりヘリコプターの規制行政は建前優先の規制で、真に必要な安全規制については議論もしない、事故調査の結果もパイロットがへたくそで終わりと言うことが多いようです。
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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