コービーブライアン事故2



 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200129-00010005-afpbbnewsv-int

 NBAのレジェンド コービーブライアンの墜落事故の続報が入っていて、結構詳しくわかってきたようです。

 そのニュースよりも新型コロナウイルスのパンデミックのほうがより重要で、奈良県で感染者が出ていますので、ドクターヘリと感染症患者の搬送などについても取り上げたいところですが、基本的にドクターヘリは重症で瀕死の状態の救急患者さんへの対応が第一任務なので、一義的には搬送をする場面はあまりないのではないかと思います。

 ロスのS76墜落事故はどうやら霧の中を意識的に飛行していて、最悪の悪天候になって視界を失い、突然に有視界飛行ができなくなって計器飛行で上昇したようです。

 、レーダー誘導を受けてリカバリ-しようとして、上昇したものの、姿勢制御ができなくて異常姿勢に入ってしまって、急降下から回復できないうちに地面に激突したようです。

 このような事故で最近日本で起きた例では三沢のF35が夜間、不意に墜落した例や、浜松のS60救難ヘリが離陸後に遠州灘へ出た直後に海面に激突した例があります。

 このような事例は、いずれも有視界飛行中に昼間ではいきなり霧や雲の中へ入ってしまうか、、夜間の暗闇で姿勢判断の目標物を失うかした場合に、目視による有視界飛行から計器飛行に切り替えるときに、旋回や上昇降下の体感による姿勢判定と、計器の指示による姿勢判定が異なった場合に姿勢制御ができなくなる現象、バーティゴとも言えます に入ってしまった可能性があります。

 空自の訓練ではアクロバット昼間夜間飛行で突然このようなことになるのを想定し、異常姿勢からの回復という訓練科目があります。

 民間でも同じような科目がありますが、たしか90度バンク以上ではやらないようですが、空自は背面ダイブという厳しい状況までやります。

 しかし5000フート以下の高度では異常姿勢に入れてしまったらほぼ助からないで地面に激突してしまうでしょう。

 もう一つ地面や山に激突してしまう例がSFITと呼ばれるもので、、これは異常姿勢ではなく、正常の上昇降下水平飛行をしながら障害物の高度や自分の位置を誤ってしまい、安定した飛行姿勢のまま障害物に激突してしまう事故です。

 今回の場合は速度がVNE(最大制限速度)で地面に突っ込んでいますので、異常姿勢に入って最大速度を超えてしまうような、背面ダイブのような激しい姿勢で激突したようです。

 このような事故を回避するためには、やはり最悪の状態まで入らないで引き返すことや、もし視界を失っても急激な操作で離脱しようとしないこと、またできるだけ安全に回復離脱する腹案を確実に確保して、入っていくなどが必要でしょう。

この事故例はパイロットが地域の地形や天候などに大変に慣れているようですが、それがゆえに最悪の天候条件にに突っ込んで、回復操作に失敗したようです。

  ドクターヘリの運航においてはこの事故と同じような状況に入る可能性があり、パイロットは悪天候状況に入る場合には相当確実な回復操作の腹案を常に持って飛ぶことが大変重要となります。
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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