ヘリコプターの着陸、、、

広島時代の写真 4×3 (37)

 ヘリコプターの着陸操作や進入は飛行機とは相当違っていて、どちらが難しいかは着陸時の事故がどちらが多いかで判定できるでしょうか。

 ヘリと飛行機(固定翼機)の事故の確率は新聞テレビなどのメディアでニュースになる回数は圧倒的にヘリの方が高いように思いますのでやはりヘリが難しいのでしょう。

 飛行機もヘリも着陸進入は決められた一定のコースを守って安定して入ってくることが重要なのは同じで、奄美大島の事故のようなときは、強風、息付き、横風、垂直成分などが影響して、まっすぐに安定して入ってきていないときはやはり、滑走路からはずれたり、ドスンと着いたりする可能性が高くなります。

 飛行機の場合は3度のパス角で最終進入速度で入ってくるときはエンジンのパワーが80%くらいで安定しますが、強風横風乱気流の場合にはあげられたり落とされたりすると、エンジンパワーをあげたり落としたりしますが、基本的には一定のパワーで入ってきて、着陸寸前の30メートルとか決められた高度で、アイドルまで絞り、頭をあげて沈下率を調整しながら接地させることになります。

 ヘリの場合は進入角度が12度、エンジンパワーは通常、30%から40%程度で角度を守り入ってきますが、飛行機と違うのは、50メートル程度の高度から速度を落としはじめ、滑走路上5メートル程度で速度をゼロとなるような操作をします。

 ここで飛行機と大きく違う特性が出るのですが、速度ゼロでは重量にもよりますが、おおむね85%パワーとなるので50%もエンジンを加速してやる操作が必要となります。

 この必要なパワーの加速具合に大きな特徴があり、速度が10ノット20キロ付近で急に大きなパワーが必要となる点があり、このタイミングを失すると大きく落とされたり、持ち上げられたりしてしまいます。

 だいたい着陸時に落とされるような事故、台湾のブラックホークの事故、秦野のドクターヘリの事故などがこれに該当する可能性が高いのですが、あげられるのは良いのですが、あげられた後は角度が急になり大きく落とされる可能性が高くなります。

 速度が20キロ程度のある点で急に必要なパワーが変化するのですが、対気速度計はほとんど効かず、風の強さで体感速度も大きく変わり、特に追い風5メートル程度の時がかなり危険となります。

 もう一つ大きな要因はシングルローターのヘリの場合、40%から80%へのかなり急なパワーの変化はロータートルクが大きく変化し、機種をまっすぐにするには、おおむねエンジントルクで5%がテールローターに入り、横方向へのプロペラ効果が出ますので、ヘリを水平のままにほおっておくと、横方向へ大きく流されてしまいます。

 ANAのジャンボの大キャプテンがベル206Bで滑走路へ進入中、最終段階で管制塔にぶつかりそうになったのはこの特性を知らなかったからでしょう。

 このような操縦操作とエンジンコントロールで進入角度や横方向がずれることを目視で見極めて、修正操作が必要なのですが、滑走路でなく、地上遥か上空の屋上ヘリポートへ進入するときなどは、変位を見分けにくく、気が付いたら修正不可能なほどずれてしまって墜落しそうになる場合も少なくありません。

 いずれにしても、飛行機もヘリも自分が決めたコース、パス角、速度を安定的によく守ることが安全な着陸の大原則で、下手なパイロットは少し風が吹くとコースからはずれて、大きく修正しながら着陸するとえらい目にあうことになります。

 
 
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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