操舵の原則 いろいろ、、、

ヘリコプターなど航空機、車、船、その他機械類など人が操縦操作するものには共通する大原則があり、これをよく理解していないと、パイロットはじめ操縦操作する人は上達しないという共通性があります。
例えば車、舟、航空機が旋回を始める場合、旋回を終わって所望のコースへ乗る場合、いずれの乗り物も見越しの舵を使うという操作をします。
もちろん車は地面に接しているので見越しの量が一番小さく、次に舟は水という液体に接しているので、空気の中を飛ぶ航空機よりも大きく車より小さくなります。
ということで航空機の操舵上どの程度の見越しの量を取るかが一番むつかしいと言えるでしょう。
次にある大原則はあて舵というものです。見越しの量を取って舵を使って所望のところへロールアウトしたら必ず、あて舵をしてやらないと行き過ぎることになり、あて舵が大きいと手前に戻ろうとします。
いずれも航空機なら三舵プラスパワーコントロールの4舵に見越しの舵、あて舵という考え方が必要で、車と船は2次元ですからハンドルとアクセルとブレーキとなり、航空機はスピードブレーキがない機種は速度コントロールにブレーキがない分ややむつかしくなります。
航空機の場合、見越しの舵とあて舵の量がうまく合わせら入れないと、常に探りの舵を使うという下手な操縦が身についてしまい、常に安定しない状態となり、このような操縦をするパイロットがいきなり雲の中へ入るとバーティゴに入りやすいと言えるでしょう。
またヘリのパイロットが探りの舵を使う習性が身についていしまうと、ホイストや吊り下げでの精密ホバリングする場合に、他に視点を取られた瞬間、大きく動いてしまうという危険性があります。
着陸のファイナルアプローチやホイストや吊り下げ時の進入などで、航空機をコース上を正確にトラックさせて飛ぶ場合、横風でながされてコースを外れることがありますが、その場合どちらかと言えば、必ず風上側へずれる方がよく、間違っても流されて風下へずれてしまうと、修正に時間がかかり、大きな修正が必要となります。
風上へずれている場合には少し翼を水平にするか、機種を滑走路方向へ合わせるだけで自然とコースへ戻ってくれますので安定したアプローチとなります。
上昇降下時の速度コントロールも同じような傾向があり、上昇中は速度が減少しようとし、降下中は速度がオーバーしようとする傾向が強く、間違うなら上昇中は速度を多めに、降下中は少なめに間違うと修正がすぐにできます。
車でも上り坂は速度が減ろう、減ろうとしますし、下り坂は速度がオーバーしようとするので、スピード違反の取り締まりの絶好の入れ食いの場所となります。
ヘリの速度コントロールは屋上へリポートや行き止まりの着陸帯、障害物超えの着陸などいずれも本能的に速度を落とそう落とそうとしますので、通常のアプローチの速度を大きく切らないように心掛ける必要があります。
あらゆる操舵を行う場合、大きな原則と、ヘリコプター特有の原則をよく理解し、自らの思い込みや小さなことにとらわれることなく、安全確実な操作操縦とはどうあるべきかよく考えながら飛ぶことが重要でしょう。
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コービーブライアン事故2

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200129-00010005-afpbbnewsv-int
NBAのレジェンド コービーブライアンの墜落事故の続報が入っていて、結構詳しくわかってきたようです。
そのニュースよりも新型コロナウイルスのパンデミックのほうがより重要で、奈良県で感染者が出ていますので、ドクターヘリと感染症患者の搬送などについても取り上げたいところですが、基本的にドクターヘリは重症で瀕死の状態の救急患者さんへの対応が第一任務なので、一義的には搬送をする場面はあまりないのではないかと思います。
ロスのS76墜落事故はどうやら霧の中を意識的に飛行していて、最悪の悪天候になって視界を失い、突然に有視界飛行ができなくなって計器飛行で上昇したようです。
、レーダー誘導を受けてリカバリ-しようとして、上昇したものの、姿勢制御ができなくて異常姿勢に入ってしまって、急降下から回復できないうちに地面に激突したようです。
このような事故で最近日本で起きた例では三沢のF35が夜間、不意に墜落した例や、浜松のS60救難ヘリが離陸後に遠州灘へ出た直後に海面に激突した例があります。
このような事例は、いずれも有視界飛行中に昼間ではいきなり霧や雲の中へ入ってしまうか、、夜間の暗闇で姿勢判断の目標物を失うかした場合に、目視による有視界飛行から計器飛行に切り替えるときに、旋回や上昇降下の体感による姿勢判定と、計器の指示による姿勢判定が異なった場合に姿勢制御ができなくなる現象、バーティゴとも言えます に入ってしまった可能性があります。
空自の訓練ではアクロバット昼間夜間飛行で突然このようなことになるのを想定し、異常姿勢からの回復という訓練科目があります。
民間でも同じような科目がありますが、たしか90度バンク以上ではやらないようですが、空自は背面ダイブという厳しい状況までやります。
しかし5000フート以下の高度では異常姿勢に入れてしまったらほぼ助からないで地面に激突してしまうでしょう。
もう一つ地面や山に激突してしまう例がSFITと呼ばれるもので、、これは異常姿勢ではなく、正常の上昇降下水平飛行をしながら障害物の高度や自分の位置を誤ってしまい、安定した飛行姿勢のまま障害物に激突してしまう事故です。
今回の場合は速度がVNE(最大制限速度)で地面に突っ込んでいますので、異常姿勢に入って最大速度を超えてしまうような、背面ダイブのような激しい姿勢で激突したようです。
このような事故を回避するためには、やはり最悪の状態まで入らないで引き返すことや、もし視界を失っても急激な操作で離脱しようとしないこと、またできるだけ安全に回復離脱する腹案を確実に確保して、入っていくなどが必要でしょう。
この事故例はパイロットが地域の地形や天候などに大変に慣れているようですが、それがゆえに最悪の天候条件にに突っ込んで、回復操作に失敗したようです。
ドクターヘリの運航においてはこの事故と同じような状況に入る可能性があり、パイロットは悪天候状況に入る場合には相当確実な回復操作の腹案を常に持って飛ぶことが大変重要となります。
ドクターヘリ 感染症患者の搬送や放射能被ばく、、、

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200128-00010005-huffpost-soci
ついにと言うかまさかと言うか、奈良県在住のバスの運転手さんがコロナウイルスに感染したというニュースが入っています。
幸い症状は小康状態らしくこのまま治ってほしいものです。
なにしろ自分が住んでいる地域から30キロ程度のところに住んでいるらしく、病院も大きなものは私たちの家族も通うところかもしれず、大変なことです。
先ほどはANAのチャーター機が武漢へ向けて邦人の帰国のために飛んだらしいのですが、過去にドクターヘリで重症の感染症患者さんを搬送したり、少量ですが東北震災では機体が被ばくした形跡があったりと、いろいろと気になることがあります。
航空機は大変狭い空間で、感染症患者さんを運ぶと手順に従って消毒作業の作業をしないと、次のフライトはできないでしょうし、飛行中機内に感染者がいた場合など、同乗している乗客、乗務員は大変危険な状態にあると言えるでしょう。
私たちも感染症の患者さんを運ぶときにはかなり緊張しましたが、これといった感染防止策はとれず、事後の消毒も看護師さんが機内をアルコール消毒のため拭きまわっていましたが、空調機器内や細かいところ裏の部分などなどうなるのか、大丈夫なのかと思ったものでした。
震災時、豊岡機は3日間で東北を離れましたが、長く滞在した県のドクターヘリ防災ヘリは帰着ご線量計で計測すると反応があり、機体外部は水洗い、その他はできるだけふき取る作業をしたそうなのですが、本来なら拭いた布や水洗いした水は孫ママ捨てることはできず低線量廃棄物として処理しなければならないようでしたが、実態はどうしたかよくわかりません。
武漢へ飛んだANAの機体をいずれ一般の路線へ投入することでしょうけれども、そのような機体に乗りたいとはだれも思わないことでしょう。
感染症と放射能はいろいろとわからない面が多々あり、単なる救急とはかなり違うようですが、医療関係者の意向に従って飛ぶしかなく、不安は残ります。
コービーブライアン S76で墜落死、、、

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200127-00000208-spnannex-spo
現地時間 26日の午前中、 NBAプロバスケットのレジェンド コービーブライアン氏が乗ったS76がロサンゼルスの近郊で墜落し、本人を含めて9名全員が死亡したそうです。
現地は霧で天候が悪かったらしく、他のヘリが離陸しない中、飛んだらしく、悪天候に遭遇して、いきなり遠く離れた空港の管制官にレーダー誘導を要求したようですが、すぐに墜落したそうですので、霧の中で姿勢がわからなくなるバーテイゴ 空間識失調になったのではないかと言われています。
低高度で霧に包まれて危険な状態になり、レーダーで誘導してほしいと管制官に要求したところ、低空でレーダーに映らなかったため、上昇するように指示したところ機影を確認するまでに墜落してしまったようです。
霧の中の飛行は雲の中を飛ぶのと同じで、突っ切って行こうとするときは、視界が効かなくなるほど、どんどん高度を下げていき、いよいよ地上の障害物も見えなくなるにつれて、どんどん速度も落としていって、最終的にはホバリング前進のようになります。
そうなる前に180度旋回して元来た方向へ引き返すか、標高の低い方へゆっくりと旋回して、あとは機体を水平にして上昇し、霧の上に出るか、出られなければレーダーで誘導してもらって空港か天候の良い方へ飛んで、危険を回避することになります。
障害物の関係や空港への方向などでいきなり激しい旋回をするとバーテイゴに入る可能性が高くなり、今回のような結果になりやすいようで、群馬県防災へリの墜落事故と同じような墜落の仕方です。
このような危険回避の飛行方法は計器飛行の資格を持っているから出来るというような生易しいものではなく、大変な危険を伴い、一歩間違えば障害物に激突、姿勢制御に失敗すればバーテイゴという地獄が待っています。
日本では西武の自家用のS76が箱根で同じような墜落事故を起こしています。
S76は計器飛行も可能でオートパイロットも装備していて、旅客機と全くそん色ない装備で、空港間の計器飛行方式の飛行なら天候が悪くても旅客機と同じように飛行可能ですが、航法援助施設や着陸誘導設備、レーダーなどがない自家用のヘリポートで悪天候の飛行はパイロットの能力がその安全性大きに大きく依存していますので、オーナーのご機嫌や飛行要求とパイロットの腕がうまくマッチングしないと大変リスクが高くなります。
その点ドクターヘリの運航とやや似ていると言えますので、今回の事故は、リスク管理、安全運航管理上の参考になると思います。
速度をコントロールできるかヘリパイロット、、、

昨日のヘリパイロットが高度判定ができるかという記事は進入時の降下角度、つまり正確なパス角を設定して維持できるかという話でした。
障害物からの離隔や騒音被害の低減のために高ければ安全でかつ周りの民家の方たちにとって良いということで済むならいいのですが、最終的にホバリングに入る場所での高度が高く、かつ降下角度が急になったら下手をすれば墜落するという物騒な話でした。
今日は進入からホバリングへ移行するときの速度コントロールがまずいとこれも同じように最悪、墜落するという話です。
旅客機や戦闘機などのジェット機はおおむね230ノットから150ノット程度で進入し、接地の時にはその速度より2,30ノット減速して着陸します。
パス角はILSで正確に維持でき、速度は対気速度計で正確に指示が出ますし、滑走路に入ると電波高度計が正確に教えてくれます。
ヘリ場合は着陸ホバリングが対地速度ゼロ、つまり追い風や横風の場合には対気速度がマイナスになる可能性があります。
電波高度計を装備しているヘリ場合でも、着陸帯がほぼ水平な場合が普通で、進入中の対地高度は地形の影響を受けますのでパス角の参考にはなりえないことになります。
つまり飛行機なら速度も高度もパス角もほぼ正確に計器で示しますが、ヘリの場合は着陸時の一番大事な速度が30ノット以下ではほとんど示さないのと、高度の判定、パス角の判定も目視や体感に頼るしかなく、新米パイロットが苦労するところです。
しかも、それほど正確につかまなくても、普通の着陸程度ならよほど失敗をしない限り、いい加減な速度いい加減なパス角、いい加減な進入コースでも着陸できるという安易な認識があるようです。
しかしこれが原因で着陸時に墜落しそうになったことのないパイロットはほぼいないと言えますし、現実に墜落したパイロットもかなりいることでしょう。
着陸時の速度コントロールが何故重要かというと、速度コントロール=パワーコントロールというように、ヘリは10ノット付近で必要馬力が大きく変化する点があり、この10ノットというのは対気速度なのですが、追い風10ノットなら田七速度体感速度は20ノットですし、向かい風10ノットなら必要パワーの急激な変化をする点はホバリングまでないということになります。
ですからヘリパイロットが計器で示さない対気速度を正確に認識するということは、急激な変化に伴うパワーコントロールを適切にできるということになります。
それができないパイロットはどうなるかというと、正確なパス角を維持できないということで、新米が訓練を終えて仕事の現場に入ると、どうなるかというと、低いほうへ失敗すると障害物に当たりそうで危険だということを認識して、いつもいつも、高くなりがちで、しかも修正が遅れてパワーが遅れて落とされるという現象がありがちです。
普通の離着陸ならそれほど困難さはないのですが、自分の速度コントロール、パス角コントロール、パワーコントロールの下手さ加減、いい加減さ加減を思い知るのは物資輸送の訓練に入った場合です。
いかに下手で正確性に欠くかは、自分が釣った荷物がいつもあさって方へ飛んでいくのを目の当たりにした場合で、実は荷物が明後日へ飛んでいくのではなく、荷物は慣性惰性でまっすぐに飛んでいて、自分がヘリをうまくコントロールできなくて、ヘリのほうがあさってのほうへずれるということに気が付くのに相当時間がかかります。
幸運にも物を長く吊り下げて飛ぶ機会を得たパイロットは普通そのようなことに気が付きますが、一生物資輸送をする機会がないパイロットは全く物差しのない空中で自分の操縦でヘリがずれるということを認識できない場合も多いようです。
ヘリは多少ぶれても自在に修正が効くので、ずれることの重要さを認識できず、一生まっすぐに飛べないパイロットは数多くいます。
ヘリパイロット 高さの判定は、、、、

ヘリパイロットが一人前かどうか、操縦が熟練しているか新米か、上手か下手かを判定するには高度判定と速度判定がどの程度できるかということが重要です。
今日はその2点のうち、高度判定について少し書いてみます。
高度判定とは、主に着陸時や物資輸送やホイストで人物を吊り下げているときに大変重要な操作で、高ければ障害物から離れているからよいというものではありません。
飛行機と3度のパス角に乗って進入するのと同じで、いつも同じ角度で決められた速度で入ってくると滑走路上での接地させる操作が毎回同じようにできるので大変安全確実であると言えます。
つまり高く入ってくるとより高い高度から引き起こししないとぶつかりますし、その加減が毎回違うと、いきなりガシャーーンか高おこしをしてフワフワ いきなり失速ガシャーンとなります。
ヘリの場合は高い角度で入ってくると高度が高い位置で速度を落とす必要があり、地面効果の効かない高さで速度を切ると秦野の事故のようになります。
またヘリは速度を自由にコントロールできるので、速度があるままガシャーンというのはよほどの新米しか起こしませんが、高くて速度を切るのは相当なベテランでも起こす可能性があり、パワーが遅れて一度早い降下率に入れてしまうと、ガシャーンと地面まで行くか、それを止めようとして無理やりパワーを制限以上使って、特別点検に入るか、入れたパワーにテールローターの性能が不足して回されるかになります。
おおむねヘリは障害物のある所へ進入着陸する場合が多いので、パイロットはどうしても必要以上に高いパス角で入ろうとしますので風の影響も受けて、50メートル程度の高度から着陸するまではかなりの危険領域となり、単発機やTA級以外の双発機でいうデッドマンカーブという人聞きの悪い曲線グラフの死人の曲線の中へ入って着陸しています。
ヘリは操縦操作を適切に行えばどんな角度でも進入できますが、危険性はやはり標準の8度、最大深くても20度以内程度がよく、どのような見え方が8度であるかは確実に身に着ける必要があります。
8度や20度以内の角度をキープする必要性が高い安全な着陸には遠くのほうでは何度でもよく、おおむね着陸地点から200メートル以内は正確に角度をキープする必要があるのですが、新米パイロットは遠くは規定された角度を守り、着陸寸前の200メートル以内を障害物に影響されて危険な20度以上にしてしまう傾向があります。
それはなぜかというと障害物からの高度を正確に判定する目がなく、高ければ安全であると間違った認識を持っている可能性があるようです。
同乗している医療関係者でもある程度、簡単に進入角度を判定できる方法があります。
それは20メートル四角のヘリポートマーキングにとき、縦方向の長さと横方向の長さが同じ長さに見えれば、45度の角度で降りて行っていることになります。
10度の角度で進入すると概算ではヘリポートの横方向の長さの10分の一の長さに見えれば10度で縦方向が見えなければ角度ゼロ水平に進入していることになります。
屋上へリポート着陸で騒音公害防止のため急角度で着陸してくださいなどと簡単に要望が出ているところがあるようですが、ほとんど自殺行為を強要しているようなもので、屋上面が地表面から高いので、高度も速度も判定が困難でしかもビル風があり、新米パイロットなら一度や二度は死に損なったことがあることでしょう。
公明党山口委員長 ドクターヘリを自画自賛、、、、、

https://twitter.com/yamaguchinatsuo/status/122066704962766848
公明党の山口委員長が参議院本会議の総理への質問でドクターヘリ導入を自画自賛したようです。
相次ぐ災害や懸念される地震への対応で、ドクターヘリがより重要視されている中、県をまたいだ運航に安倍総理が財政的な支援をすると言ったそうです。
ドクターヘリの導入成果を災害や地震に求めて自画自賛するようですからほとんど何もわかっていないことを自白したようなものです。
ドクターヘリは残念ながら大災害や大地震の時にはほとんど無力で、いないよりいたほうがましという程度です。
防災ヘリも似たようなもので、飛んで行っても寝るところもなく食事もなく、携帯電話の充電すらままならない状態であちこちへの救助救急飛行はほぼ無理ですが、何回かの大災害で何とか少しは飛べるようになってきているようです。
燃料食事ベッド着陸支援何でも自己完結組織の自衛隊に任すのが極めて有効で、もし飛ぶなら自衛隊の指揮下に入ってすべての支援を受けて初めて飛べると思います。
自画自賛なので、一番の課題のパイロットの養成をどうするか、総理に聞いてほしいものでしたが、その話をすると5年後には飛べない状況が予想されるのでできないでしょう。
何しろ公明党がドクターヘリを推進した時からパイロットの補充ができないことが予想されていて、何の対策も取らずに導入を促進し、パイロットがいなくなったら、公明党の国土交通大臣がパイロットの必要な経験を2000時間から1000時間に半分に値切って安全性を無視しましたので、パイロットの問題は言いだせないでしょう。
最近話題になったNHKのサラメシに出てきたドクターヘリのパイロットが65歳、CSが61歳だったことを心配する書き込みがどこかにあったそうですが、ヘリで飛ぶ医療関係者も65歳のパイロットや1000時間のパイロットはできるならご遠慮してほしいと思うでしょう。
今後10年ほどの間にドクターヘリ墜落続出で犠牲者が多く出るようになったら、もちろん公明党には大きな責任があると言えるでしょう。
ドクターヘリ関係ニュース3件

ドクターヘリ関係のニュースが3件入っています、
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20200123/6040006422.html ドクターヘリを隣の県へも飛ばそうという取り組み
https://newstsukuba.jp/?p=13394 重複要請時、 防災ヘリをドクターヘリの代わりに飛ばそうという取り組み
、https://news.ibc.co.jp/item_38434.html 洋上の船舶から急患を直接病院へ搬送、
このような取り組みはすでに各地で行われていると思いますが、縦割り行政の弊害で必ずしも患者優先の運航が行われていなかったところや、また今でも行われていないところではこのような動きが加速することでしょう。
要は死にそうな患者さんをどうすれば助かるかと純粋に考えれば、一番早い方法で、また医師看護師や医療資材機材をいかに早く患者さんの元へ届けるかということに重点を置けばどうするのがベストかということはかなり簡単にわかります。
ところが行政の縄張りや縦割りが邪魔をして、ごく近い隣の県の現場絵飛ぶのに、いろいろな障害があったりしてすぐに飛べなかったり、全然飛ばない防災ヘリが眠っていたりと誰かがあげないと大きな声をあげないと動き出さないということがあったりしました。
もともとドクターヘリは厚労省が予算取りをして、県単位にばらまいたため、必ずしも県の中央部の病院に配置できなくて、隣の県まで5分で到着するのにカバーする地域に入っていなかったり、隣の県へ飛ぶときは一回当たり60万もの高額な金額を請求して、わざと飛ばないような縛りを掛けたりとずいぶんと不合理なことをしていましたが、良い方向へ向かいそうです。
また逆に防災ヘリに乗るドクターナースにホイストで降下させるなど無謀なことを要求したりとずいぶんとボタンの掛け違いがあったようです。
実績と経験と常識がヘリの運航を正常かつ安全に発展させることになるように各方面意見を出し合って、一人でも多くの命を救ってほしいものです。
今度は搭載用航空日誌で運休、、、、

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200122-00000003-awire-soci
ニュースによるとJ-AIRの伊丹大分便が搭載用航空日誌を他の機体のものを間違って搭載して飛んでしまい、折り返し便が飛べなくなって運休したというニュースが入っています。
さすがに大阪発なので、最近あまり面白くない吉本新喜劇よりも面白い喜劇を演じたようです。
と言っても当事者は喜劇で済まない問題で、アルコール検出で懲戒免職になるくらいですから今回は間違いなく懲戒免職以下の処分はないでしょう。(冗談ですが、、、)
機長の出発前の確認事項で当該航空機の整備状況などを航空日誌で確認することになっていて、不運なのは他の同型機のものを間違って積んでしまったということですから、整備状況の確認はできていなかったか、いつも形式的に機体に搭載するだけで、確認はしていないということなのでしょうか。
いずれにしても日常の飛行前のブリーフィングや確認行為が形式的になっているということの現れでしょうか。
航空機の搭載書類不備や免許不携帯などでは現行の法規定では飛べないとしか言いようがありませんが、何事も電子化した進んだ現代において、現物がそこになければと飛べないと言って知らぬ半兵衛を決め込むのはあまりに乗客無視でいい加減にしろと言いたくもなるしょう。
もしどうしても書類の不備を追求するなら、機長の出発前の確認事項の不履行を追求するべきで、書類の不備は直接安全性には影響ありませんが、確認事項の不履行は直接不安全につながります。
つまり多くの点検事項はチェックシートなどで行うことで十分であり、そのチェック事項で不十分な点があれば、直接現物の搭載用航空日誌や審査記録、身体検査証明期限などで見ればよく、いつもすべての書類関係を全部チェックしていたら離陸まで2時間くらいかかってしまいそうです。
もう一つ言えることは飛行する機体が故障やトラブルでいきなり対応の利かない危険性がないように、多くのシステムや計器類などが一つが壊れても何らかの代替システムなどがあるのが普通であるのに、ちょっとした書類の不備だけで全く飛べないという制度はあまりにも硬直したお役所仕事の典型であり、電子化でいくらでも確認の方法があるのにそれを取り入れない態度はあまりに前近代的と言えるでしょう。
法を改正するなり、運用で含みを持たせるなど、いくらでも方法がありそうなものですが石頭で利権死守の連中にそれを期待するのは無理なようです。
毎週、毎月、アルコールや書類不備で運休遅延を連発して、世間の笑いものになって、吉本新喜劇に勝るようにするとよいでしょう。
修羅場に遭遇、ドクターヘリパイロット、、、

ドクターヘリは瀕死の重症の患者さんにドクターナースの医療従事者と医療資材機材をできるだけ早く送り込んで、できるだけ早く救命処置をし、生命を維持したまま大病院へ運ぶのが主要な任務です。
瀕死の重症には脳梗塞や心臓疾患の症状などの内因性の症状と、労災事故や交通事故などの場合の外傷性のものの大きく二つに分かれます。
その中で外傷性の症例では大変な修羅場に遭遇することがあり、医療関係者ならずとも、運航要員も大変な緊張を強いられるような事態に遭遇することがあります。
特に労災事故の転落事例や機械に巻きこまれて怒る事例、そして結構多いのが耕運機などの農業機械の事故などの例があります。
日本でドクターヘリが始まった当時、同年齢で従事し始めた仲間の整備士が、飲み会で飛行中にヘリの中で、ドクターからのこぎりで患者さんの足を切断するから抑えてくれと頼まれて度肝を抜かれたと話したのを、半信半疑で聞いていました。
それから10年後に自分がドクターヘリに乗るようになって、現実にそのような修羅場がたまに起こるとにずいぶんと緊張したものです。
一番の修羅場は、山間部の工事現場でウインチに両腕を巻き込まれて、片方が肩から轢断、残ったもう一方も激しく損傷して何とかつながってるというとんでもない修羅場がありました。
氷で冷やした片腕をコパイ席の整備士に持たせて飛ぼうとしましたが、さすがに後席にお願いしますと断ったことがありました。
組み立て中の鉄筋に転落して、2本がお腹と太ももを貫通して、中釣りになった例や、耕運機とともに転落して顔に太い刃が刺さったままの直近に着陸して救助したこともありました。
またよくあるのが草刈り機やチェーンソーとともに転落して手足を切断したり、出血でヘリの床が真っ赤に染まったりと、ドラマのような場面を結構体験したものです。
修羅場でも冷静に飛ぶのは、なかなか大変でしたが、ドクターナースの苦労に比べたらそうも言えないことでした。