命を繋ぐドクターヘリ、、、、



 私の元部下でパイロットとして会社の後輩のT君は屋久島の遊歩道の資材をAS332に輸送中、霧の中で荷下ろし中に吊り荷が立木に引っかかり墜落しました。

 当時私は豊岡ドクターヘリの勤務で待機室でそのニュースに接して状況の推移を見守っていましたが、当時鹿児島にはドクターヘリがなく、防災ヘリが救助に向かうとのことでした。

 のちに状況を聞くとT君はコクピットで右足がほぼ切断状態でとじこめられていて、医師が医療介入が入るまで3時間以上かかり、結局は出血多量で死亡したとのことでした。

 鹿児島から屋久島までは30分程度で着きますので、ドクターヘリがあって医療介入が早ければ死ぬことがなかったそうです、

 ドクターヘリを4機も5機も飛ばしている会社のパイロットがドクターヘリの恩恵を受けることがっ出来なくて死ぬとは不運と言うしかありません。

 ドクターヘリの存在は一にも二にも早く手当てをすれば死ぬことのない症状の患者さんが手遅れで死ぬことがないようにという目的で飛んでいますので、出動要請が入ったら、パイロットは何をさておいても、ヘリのエンジンを始動し、一秒でも早く離陸準備を終えて要請にこたえることです。

 ですから出動要請が入ったら自動的にエンジンスタートし、離陸する体制を取りますので、どう考えても「ドクターヘリエンジンスタート」などと言う言葉が出てくる余地はないと言えるでしょう。

 いや 状況で飛ばないこととなったらどうするのだという意見もあるでしょうが、その時は出動キャンセルと放送し、エンジンを止めれば良いだけの話で、症状を確認してからエンジンスタートなどとやっていたら、毎回出動が遅くなるだけでしょう。

 ドクターヘリが早く着いたので救命された事例は数多くあり、また不幸にも逆に手遅れで無くなった事例もありますがわざわざ遅く離陸するようなは手順はあり得ないでしょう。
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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