"コードブルー”のフェイク、、、

フジテレビのドラマ、コードブルーが当たったので、映画にまでなり、一般の事情を知らない人たちがドラマとは言えあれが本当のことだど誤解するということもある程度は仕方がありませんが、事情をよく知った当事者としては、やはり真実はどうなのかと言うことも書き留めておきたいと思います。
まず私が経験した4か所の病院でコードブルーと言う言葉が実際の運航の現場で出たことは一回もありません。
ドクターによっては聞いたことがないという方もいたようですし、その言葉が使われていたことはありませんでしたが、ドクターホワイトとか治療の甲斐なく死亡された患者さんが霊安車で自宅などへ帰られるときに担当医などが見送る際の集合の合図の言葉などは聞いたことがありました。
ドクターヘリエンジンスタートと言う言葉も一回も聞いたことがありませんでした。
ドラマでは出動要請の緊急連絡が入った時、担当ドクターがまず電話に出て、症状などを聞いて、ドクターが出動の決定をするようになっているようで、ドクターヘリエンジンスタートと言う全館放送か一斉PHSで指令が飛ぶようで、パイロットはその指令を聞いてエンジンスタートするようになっているようでした。
私が経験したところでは出動要請の電話を取るのはCS(運航管理者)で患者の症状に関係なく、ヘリは自動的に飛ぶことになっていて、飛ぶか飛ばないかはパイロットが気象判断気象のみで決めることになっていました。
ドクターが症例を聞いて飛ぶかどうかを決めるということは一切なく、症例を聞いて出動を決める病院では救急医の専門性で当日勤務のだれが飛ぶか、症例にヘリが必要かどうかを決めてからパイロットにエンジンスタートを指示するようでしたが、天候が悪い場合で飛ばないとき、消防にその情報が伝わるのに時間がかかり、さらにヘリが離陸するまでにも時間がかかりすぎ、連絡方法としてはかなりまずいでしょう。
ドクターヘリを要請する消防は、キーワード方式によってヘリ要請をするため、要請して症状によって断られることは一切なく、断られるのは天候で飛べないとき、重複要請ですぐに行けないときで、ドクターの出動に関する決定権は無いのが普通で、どのような症例でも対応できないとフライトドクターの資格はないということになります。
フライトドクターが新米で症例によって処置が十分できないかどうかなど、出動要請時のやり取りで判断することなどはあり得ず、症例はヘリが離陸して、現地へ向かう時に十分に時間があるのでその時に処置のプランニングをし、医療機器薬剤の準備をするとともに、収容病院をどこにするかなども考えますので、離陸前の電話でそのようなことをしていたらヘリはいつまでたっても現地へ向かうことが出来ないでしょう。
つまり出動要請のホットラインが鳴ったらパイロットは天候さえよければ自動的にエンジンスタートすることになっていて、エンジンスタートの全館放送もなければ、パイロットにドクターが指示することもあり得ないことになっています。
出動要請はキーワード方式で入り、CSが場所、症例を聞いている間に整備士がPHSで一斉連絡し、パイロットは場所だけ聞いてヘリに向かって走り、整備士ドクターナースは離陸準備を最優先し、整備士、、ドクターナースはパイロットを追いかけてくる格好になり、3分くらいで離陸となります。
症例など聞いていたらそれだけで2分程度はかかり、それからエンジンスタートなどと悠長なことを言っていたら5分くらいはすぐに過ぎてしまいます。
コードブルーのパイロットの描かれ方はひどいもので、寺島進さんは犠牲者ですし、若手の頼りないパイロットの登場もあり得ないほどのレベルでした。
3分で離陸しても、悠長にエンジンを最大限酷使して垂直に高々と上がり、おっとり刀で現地の方へ向ける操作もテールローターもエンジンも悲鳴を上げる方向へホバリングターンをして必要のない性能チェックしている様子は見るに堪えない操作でした。
MD900はホバリングの安定が悪いヘリなのですが、その不安定な接地操作を余すところなく見せてくれル操作も、線に合わせて着陸しない操作も余分で、見るに堪えないもので、パイロットとしてプロ意識の欠けると言われても仕方がないようなことは全力で防ぐ気持ちが必要でしょう。
ドクターヘリは運航クルーと医療クルーの力の総合力で患者さんの生命を守るべく飛ぶのが使命ですので、コードブルーが医療ドラマで終始したことが、D-CALL-NETの強行、夜間飛行の強行へとつながる一連の理由となっているようです。
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