どこまで見えるか、視程と視力、、、、

この写真は明神山と言う標高274メートルの大阪奈良県境のごく低い山から京都比叡山方向を見た写真です。
比叡山までたぶん直線で50キロ以上ありそうですが、少し視程の良い日には十分見えるようです。
普通 有視界飛行条件は視程が5キロ以上ですから、その10倍も見えるということで、普通のヘリで飛べば15分程度も飛ばないとつかない遠方が見えるということです。
有視界飛行条件ぎりぎりだと5キロですからヘリで2分しかかからないところがやっと見える程度で有視界飛行で飛行可能です。
これにパイロット個人の視力が影響するのですが、私が飛び出した40年前には空がスモッグなどで汚染されていて遠くが良く見えなかったような気がしますがどうなのでしょう。
今の時代はGPSがどこへでも正確に連れて行ってくれますから、外を見て地形や山の形などで目標を取らなくても良いのでほとんど外を見なくても飛べるということになり、視程の良い最近の気象を有効に使うこともなさそうです。
50キロ100キロ見通しが効いても、衝突や接近防止に相手が見えるかと言うとそうは行かないのが残念なところで、同じ大きさの航空機同士なら相手を見るのと同じようにしか、相手から見えないことになり、小さな点で見つける視力とスキャンのテクニックが衝突や異常接近から自分を守ることになります。
相手機の見え方で風防の一点で止まっているように見える場合は、まっすぐ自分に接近しているか遠ざかる線状にいるということになり、発見が難しいようです。
風防の面を移動するように見える相手機は衝突線上にはないのですがこのような見え方は発見がしやすいということになります。
この写真のような好天の中ばかりを飛行できれば気持ちが良いのですが昨日のように積乱雲が多発し、強風が吹き、強い降雨ばかりでなく雹まで降るような条件もあり、毎日、いつ飛ぶかわからないドクターヘリは大変気苦労があるものです。
スポンサーサイト