自衛隊を悩ますパイロット流出??、、、

 

 急きょF35を100機も買ったけれども、民間へ流出するパイロットが多くて乗り手がいなくて困っているのでは、、と言うような趣旨の記事が書かれたようです。

 計画的にパイロットの養成育成をしない公的ヘリなどを含めた民間と違い、自衛隊は原則的にパイロットが足りないなどと言うことはあり得ないでしょう。

 薄給だった自衛隊に比較してパイロットの処遇がはるかに高い民間旅客機が爆発的に増えた昭和の時代ならいざ知らず、今や大手のANA,JALの機長以外はほとんど自衛隊のジェットパイロットより給料は安いくらいですから下手な民間パイロットなどになろうとするような自衛隊パイロットはほとんどいないでしょう。

 自衛隊のパイロット養成は完ぺきに計画されていて、必要数プラスアルファ 自己都合退職や身体免、管理要員などを含めて財務省予算で定数を決めていて、たとえば100人候補生として訓練を始めたら、最終的に何名をパイロットの資格を与えるかと言うところまで決まっています。

 当然年次で訓練生の優劣のばらつきがありますが、今年は優秀なものが多いからパイロットの資格を多く与えようなどと言うことはなく、情け容赦なく首にしてしまいますので、無資格のまま民間へ出てジャンボの機長になったものなど多数います。

 昔は戦闘機パイロットが40を過ぎて体力が落ちてきたので、輸送機やヘリに代わるなどと言うことは皆無でしたが、近年はF15出身のパイロットが輸送機に乗り換えて定年までパイロットを続けることが出来、基地司令より多額の給料と取ることなど普通にあるようです。

 つまり自衛隊パイロットの処遇は相当改善されていて、金が目当てで民間へ変わるものは極端に減り、技量や人間関係で転職するものがほとんどでしょうから優秀なパイロットが民間へ行くことなどありえないでしょう。

 ヘリパイロットの場合も同じで、自衛隊のベテランで優秀なヘリパイロットが薄給で休みも取れない、小型機ばかりの不安定な業界へ来ることなどありえないでしょう。

 55歳くらいで定年ですが定年まで乗っていたヘリパイロットでも、機種が変わり運航内容が変わり、新たな世界へ入って下手をすると晩節を汚してまで安月給で飛びたいとは思わないようです。

 F35のパイロットが足りないなどありえない話で、100機導入するとしても円以上かけて増えますので、新人は5年で育つことを考えるとF4からの転換と合わせて養成すれば十分間に合います。

 戦闘機パイロットはおおむね30倍程度以上の競争率ですから、少しもレベルを落とすことなく要員を集めることが出来るでしょう。



 それよりも民間パイロットの処遇の悪さと飲酒問題などでもめている状態では、志願者のレベル低下が相当顕著になってくるものと気になります。

 何しろ民間飛行学校志願者は選抜なして誰でも入ることが出来、ますますレベルが落ちていくようです。

 
 
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パイロット居眠りで通信不能、、、


 オーストラリアで昨年11月にあった事例で、メルボルンから出た小型貨物便 パイロット一名のみが搭乗していて、早朝に空港へ向かって降下する時点で寝てしまい、78キロ行き過ぎて戻って着陸したということだそうです。

 メルボルンからタスマニアへ飛んだそうですから2時間程度ですが、深夜に離陸して早朝に着陸なので、普通は一番眠い時間で間もなく着くということで安心感から寝てしまったのか、それともずっと寝ていたのか気になるところです。

 長時間飛ぶ場合や深夜から早朝にかけて飛ぶ場合、昼食後の暖かい太陽の光を浴びて飛んだり、ヘリの場合は特有の、ローターが視界を単調に切る光景でマイクロスリープと言う現象になったりとパイロットが居眠りする度合いは車の運転の比ではないほど多く発生していると想像できます。

 また日常的に自動操縦で巡行する場合も居眠りの危険性がありますが、2パイロットなら両方が同時に寝ることは防げそうです。

 ヘリパイロットの眠気との戦いは過去にも何回かこのブログで取り上げていますが、長い巡行飛行や送電線パトロールのような単調なフライトでや、1往復3分程度で生コンや木材を一日中運搬するような結構ハードなフライトでも眠気に襲われることが良くあります。

 生コンや鉄塔資材を一日中運ぶ場合でも、飛行計画で運搬先が頻繁に変わる場合は輸送計画と地形目的鉄塔を確認しながら次々と違った場所へ飛ぶので眠気を催すことは少ないのですが、一日中、生コンを同じ鉄塔へ100回以上も運ぶような場合は単調になって眠気を押さえられないことがありました。

 木材を一日中搬出する場合は、荷下ろし場が同じで、つり上げる場所も同じような山の地形だと、単調になって眠くなり、眠気覚ましの強風でも吹かないかとおかしなことを考えたりすることすらありました。

 オートパイロットで長距離を移動する機会の少ないヘリの場合、オートパイロットの操作設定を楽しんだり、途中で交代で弁当を食べたりとめったに眠くなるようなことはありませんでした。

 一日に6時間以上、特に規定ぎりぎりの8時間近く飛ぶ場合は、長い時間の間に必ず眠くなる時間があり、その時間をどのように対処するかはヘリパイロット各人各々に与えられた試練でしょうか。

 その点ドクターヘリのフライトはすべてある程度以上の緊張感のある内容であるのと、一回一回のフライトが5分10分程度の短い


場合も多く眠くなる暇はなく、眠気との戦いはありませんでした。

 ただし出動に備える待機中は退屈で単調な時間が続くので、居眠りはしても防ぐことは難しい状態でした。

 このような点では、居眠り状態の緊張が弛緩した状態から、出動要請の電話で動き出し、離陸までの3分でいかに心身を覚醒させるかが課題と言えば課題でしょう。

 

アイベックス 伊丹に着けず、、、、




  

 G20の参加首脳が専用機で伊丹、関空へ来訪と言うことで航空マニアの皆さんにとってはまたとない機会になっているようです。

 こんな中、トランプ大統領の到着が早まりその影響を受けたアイベックスエアーラインの福島大阪便が伊丹へ着けず、いったん小松空港に降りて、時間調整をして伊丹へ向かうという、大幅遅れがニュースになっています。

 トランプ大統領に影響されて遅れた便は9便で1時間以上の遅れを生じた模様です。


 ところが関空では遅れは出ないで、通常通りの運用をしたそうですから、伊丹はおかしいということになります。

 何がおかしいと言うと、旅客機の離着陸の門限が常識外れの夜9時となっているため、夕方から便が集中しすぎている中、G20 の専用機が入ったためにしっちゃかめっちゃかになったということでしょう。

 同じ便数をこなすのにあと1時間10時まで飛ばせるなら随分と余裕のある運用が出来たことでしょう。

 公共交通の一大ネットワークが夜の9時で閉店など非常識もいいところで、そのために7時から9時までは混み合い余裕のない運用となることでしょうし、定期便の運航は相手空港もあるので大いに迷惑していることでしょう。

 今回のG20の運用で欠陥をさらけ出してしまったようですから、もはや廃港にするか、門限を12時程度まで延長するかを選ぶべきでしょう。

 9便が1時間以上遅れる運用がどの程度悲惨なものであったかよく検証し、余裕のある安全な空港として再出発してほしいものです。

伊丹空港 米軍輸送機が門限破り??





 朝日新聞がトランプ大統領の専用車 ビーストことキャデラック・ワンを輸送してきたと思われる米軍輸送機C17が伊丹空港の門限を破って騒音をまき散らしたと騒いでいます。

 伊丹空港は地域住民を含めた地元との約束で関西空港が完成したら廃港するという約束だったものが、地元の経済的不利をネタにしたわがままで存続した経緯があります。

 果して夜9時を過ぎた米軍機の離着陸が地元との協定に違反しているかどうかですが、航空局と地元騒音対策協議会と結んだ協定では、夜9時から翌朝7時までは「当面、午後9時以降翌日午前7時までに発着するダイヤ設定を 認めないこととする」とあります。

 字ずら通りに解釈すると、旅客機定期便のダイヤを9時以降朝7時までは組むなと言うことになっています。

 もともとこの空港の運用時間は24時間なのですが定期便のダイヤ時間の協定を結んでいるだけで、他の航空機の離着陸には協定は及ばないと解釈することが正当でしょう。

 つまり緊急災害はもとより国家が必要とする他国の軍や政府の運航する航空機、取材ヘリや自家用機などそしてさらに、ダイヤで飛ぶ定期便でも天候等で遅れる場合なども、協定は及ばないと解釈できます。

 一部住民は門限を過ぎる時間なら関空や神戸に着陸しろと騒いでいるようですが、多分トランプ大統領のエアーフォースワンは伊丹に到着するため、ビーストは伊丹へ輸送するのは当然でしょう。

 また時差の関係で到着が夜になるという連絡があれば、空港当局がラッシュの時間帯を外して9時以降にしてくれと米側に要望した可能性もあるでしょう。

 おまけにC17は大変なSTOL機なので回りの地域に与えた騒音の影響は旅客機よりかなり静かだった可能性すらあります。

 G20なので世界中から各国専用機は最低20機以上が来阪しますので、関空と伊丹、さらには成田、中部と別れることでしょうから門限だなんだとうるさいことを言ってると世界中から非常識な航空事情と烙印を押されかねないでしょう。

 朝日新聞はじめ地元住民が米軍騒音加害が冤罪である可能性が高い中、無知な国民を欺いたフェイクニュースで洗脳するのはやめた方が良いでしょう。

 ごちゃごちゃ言うなら伊丹は約束通り廃港すると良いでしょう。そうすれば関空も神戸もより効率的で安全な運用が出来、国民の利便性が上がり、経済効果も上がることでしょう。

 

起死回生か泥沼か??MRJ、、、



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 MRJの名前をスペースジェットとわけのわからない名に変えた三菱がボンバルディアの小型ジェット部門を590億円で買収することが発表されました。

 私はこのニュースが衝撃的と受け取っています。

 2000機近い数を売ったボンバルディアが将来性がないと見切りをつけたからこそ売りに出したの部門を開発が遅れに遅れていまだに1機も納入できない三菱が買い取って人のふんどしで相撲を取れると踏んだからこそ買ったのでしょう。

 その見通しやいかにと言うところですが、なんしろ三菱は通産省を巻き込んですでに6000億円も突っ込んでしまっていますので引くに引けないのでしょう。

 つまり起死回生となるか泥沼へ付き進むかの分かれ目なのですが、要は時代を先取りする良い商品が開発できたかどうかで決まると思いますが未だに商品化できていないのは相当な問題点を抱えているのでしょう。

 ホーカーシドレー748のカーボンコピーのYS11の失敗と同じ結果にならなければ良いのですが、5回も納入を延期しているということはそのたびに大きな改修があったはずなので今後の展開が大いに気になるところです。

 マスコミが三菱の意を受けて楽観的な報道ばかりを行って批判的な事や実態を報道する姿勢が欠けていたことがここまで泥沼化した一つの大きな原因なのですが、失敗が確定したらマスコミは手のひらを反すことでしょう。

 

複雑な油圧系統、、、





 昨日夜、JALの函館発の便が油圧系統の故障のため離陸した函館空港へ緊急着陸したそうです。

 その後この機体はすぐに飛行可能となったようですが空港の運用時間が過ぎてしまって乗客は東京へ向かうことが出来なかったそうです。

 ヘリコプターも引き込み式の車輪が装備されているAS332やAS330 も油圧系統が旅客機と似たような構造の様ですが、大変複雑で故障時の手順、対処がなかなか難しいものとなる場合があります。

 AS332は各エンジン駆動の油圧系統が2系統、エンジンが両方止まった場合などは電動ポンプによる油圧系統がローターのコントロールのみ可能で、車輪の出し入れ、車輪のブレーキ、テールローターの方向コントロールが出来なくなります。

 左右のエンジンと言うかギアボックスに2つの油圧ポンプがあってその油圧系統がそれぞれどの部分の機能を担うか、コントロールできないのかなどほとんど忘れてしまいましたが、330の場合の油圧系統の故障のパターンが確か数百通りもあり、とても覚えられないものでした。

 原則的には、油圧ポンプが壊れたり、系統に穴が開いてしまった場合でも重要なローターのコントロールとテールローターのコントロールをできるだけ生かし、ギアダウンは手動で行い、ヘリの場合あまり重要でない車輪ブレーキは効かなくなることを覚悟した方がよさそうだったように思います。

 私は幸いヘリコプターでは油圧系統の故障に遭遇することはありませんでしたが、T33では2回もギアトラブルに見舞われました。

 オスプレイもAS332と同じようにギアボックス駆動が2系統、電動ポンプ系統が1系統の3系統であると思います。開発初期にベル社のテストパイロットが日本に来た時に、ローター前傾で油圧系統が壊れたらどうなるかと聞いたら最終的にはバッテリーの電源で電動油圧ポンプの圧力でローターを垂直に戻せると話していました。

 今回のJALの函館のトラブルは離陸前にギアのピンを抜くことを忘れてギアを挙げることが出来なくで戻ったのではないかと疑うのですが、誰かカンパニーを聞いていた方はいませんか、、、

福井県ドクターヘリ 21年運航を目指す、、、


 数億円以上の補助金をかけて作った屋上へリポートはただヘリが着陸できるだけで、その他の付帯設備はゼロでとてもヘリを運航できるような代物ではありませんが改善される見込みはなさそうです。



 全国で単独でドクターヘリを運航していない県のうち、福井県がドクターヘリの導入計画を決め21年度には単独の運航を始めるというニュースが入っています。

 これで確か残った未配備の県は東京都、京都府、香川県となったようです。

 東京都はドクターへリの導入を行う気がないようですから、残ったのは京都府と香川県となったようですが、いずれも今は隣の県に頼んで共同運航とお茶を濁しているようです。

 このように全国ですでに50機以上飛んでいて、運航体制の構築においての失敗に事例を多く見聞きしていますので、今後は極端な失敗は余り起きないでしょう。

 ドクターヘリが日本国内で飛び始めたころには、施設面や運航体制にいろいろと不具合を抱えたまま、見切り発車したものです。

 例えば極端な例では病院の屋上に数億円以上に費用をかけてヘリポートを作って基地としたものの、付近に格納庫や給油設備がなく、飛ぶたびに遠くへ給油に出かけて、出動できない空白の時間を作ったりして平気でした。

 また強風や台風などの荒天時は、格納庫のある遠方へ避難したり、屋上で降雪に会い、雪まみれになったりと、ヘリの運航はどうあるべきかなど自覚せず、ほとんど素人考えで発車しています。

 また長時間にわたって乗員が待機しながら天候情報や運航情報を収集する待機室が狭い倉庫で、足を延ばすこともできず、窓はなく天候を確認することもままならず、またトイレは3階も階段を上がり降りさせたりと、さんざんな運航環境で飛び始め、いまだに欠陥を改善することもできないところもあるようです。

 極端な例は枚挙に限りなくあり、数億円で屋上へリポートを作って運航を始めたものの、給油設備と格納設備、乗員の待機室が必要と分かって、病院敷地内に追加で地上へリポート格納庫などを整備する、大盤振る舞いをした県もありました。

 最後に残った数県がこのような失態をすることはないと思いますが、福井県ではどうも格納庫と給油は空港で、病院とは別になるようです。

 つまり一回の出動でフライト回数、離着陸回数が2倍となり、単純に同じ期間では出動時の2倍の無駄なフライトを繰り返して、事故率が倍になるということになります。

 乗員の待機室がどのような環境となるかは確かではありませんが、出動要請から3分で離陸するパイロットが、ゆったりとした席で、十分広い窓から、裏日本の雪模様の天候を監視しながら待機できるかどうか、気になるところです。

 また待機している乗員たちが、いつでも他人に気兼ねすることなく、自由に用を足せる気持ちの良いトイレが、待機室に隣接して整備されているかどうかも気になります。

 どうせ派遣で来ている運航会社の人間はそのような贅沢など言わずに黙って仕事をしろなどと言うことが普通に行われていましたが、飛行の安全には何が大切かなど気にも留めない関係者がひどいことをしたものでした。

 待機中のテレビは仕事に関係ないからと言う理由で長くテレビの設置など気にも留めてもらえませんでしたが、テレビから入る天気情報や、地震の情報などを常に流すことで、大いに安全運航にも役に立ちますし、被災地への出動の情報ともなると言うことを、実地に体験してテレビを付けたらいかがですかなどと言うような情けない提案をしたものです。

 東北震災の情報は自分が個人的に持ち込んで机の上に置いていた、携帯ナビゴリラからのNHKの地震情報でした。

 ほぼ全国にドクターヘリが行き渡った段階で、各地基地病院の運航設備や付帯設備の点検採点を行って公表し、ランキングを付けてみることも良いのではないでしょうか。

 福井県は最後っぺなので、先輩各県の模範となるような運航設備を整備することをぜひともお願いしたいものです。

 

静岡県ドクターヘリ 2万回出動、、、

 




 静岡県ドクターヘリが就航以来2万回出動を記録したというニュースが入っています。

 静岡県はドクターヘリ先進県で岡山県の川崎医科大学病院の導入に次いで全国で2番目、2001年に県西部浜松聖隷三方ヶ原病院に入り、続いて2004年には2号機目が県東部順天堂大病院に配備されました。

 18年間に2万回ですと年間1000回強、1機あたり年間500回強 一日2回程度ですので、ドクターヘリの時間短縮による救命効果の高い症例に活用されていることが伺えます。

 他県の例では2番目に多いのが兵庫県、3番目が北海道となっているようですので、地域的にドクターヘリを有効に活用されているかどうかの目安にもなりそうです。

 飛行回数が万単位となると気になるのがやはり事故や不安全と言うことですが、ヘリの事故の頻度は飛行10万時間に1回の大事故と言う目安が昔から言われていて、1万時間飛ぶパイロットが10人いると一人は大事故に遭遇することになります。

 現実的に自分と周りの同僚先輩後輩を見渡すと10人に一人よりはやや多いように感じます。

 このニュースに接すると一番にはドクターヘリのより有効な活用、飛行、もう一つは無事故安全と言うことになり、記録の節目でこの2つの目標をより発展させるためのさまざまな取り組みを関係者に求めたいものです。

 今何が足りないかと言うと、この二つの課題を現場にすべて押し付けて、管理部門や行政官庁があまりに知らない顔をしているのではないかと言うところが気になるところです。

 これは防災へりにも言えることで、過去の事故すべてが管理行政の責任重大と言えるでしょう。

陸自UH-1 訓練中にハードランディング、、、


 この初心を見ると、テールローターが無傷で着いているのでハードランディングでバウンドして前のめりになってローターが地面をたたいて激しく落ちたようです。
 

 立川飛行場で30代の3尉の機長昇格訓練中のUH-1がオートローテーションの着陸時にテールが地面に接触して、姿勢を制御できなくなってローターが地面をたたいて大破したようです。

 訓練中の三尉は飛行時間が650時間程度で50代の一尉が教官として横に乗っていたようですが、危険回避の修正操作を行ったかどうかわかりませんが、いずれにしても間に合わなかったようです。

 オートローテーションの訓練は陸自ではフルタッチと言って、エンジンとローターの連結を切り離したまま最終的に着陸して停止するまで、滑空して行う、着陸復行が出来ない方法で行っているようです。

 滑走路状のある程度以上に硬くて平らな草地が広くないと、この方法は危険すぎるので、条件の良い場所が取れない場合の多い民間では、パワーリカバリ-と言う、最終局面でローターにエンジンパワーを繋いで安全にコントロールできる状態に戻して、接地までしないでホバリングで終わる方法を取っています。

 接地面がある程度固くて平らであれば、最終的に沈みが止められない状態になりそうなら、前進速度を止めないで滑走するように接地させれば今回のように尾部を地面にぶつけることを止められるので最終着陸まで、接地面の状態は保証されているならフルタッチを日常的に行うことはそれほど不安全ではないという理由である程度の危険性を冒しても、フルタッチを行う理由があるということになります。

 民間のように地面の状況の良い広い場所が取れないところで、うまく沈みと行き足のコントロールが出来なくて、速度を残して接地するとスキッドが地面に潜り込んだり、引っかかったりしていきなり横転する可能性があるので、日常的に最終局面はパワーを入れて、シュミュレーションで護摩化しています。

 オートローテーションの訓練は民間方式でも結構リスクが高くて、たまに今回のような事故が起きるほどですから、フルタッチ方式はさらにリスクが高く、双発エンジンのヘリが増えた現在では、実際に緊急事態になってオートローテーションを失敗してヘリを壊す確率より、訓練中に壊す確率の方がはるかに高く、陸自では数年に一度程度は実際に壊したり、壊しそうになったりしているようです。

 そのためアメリカなどでは、オートローテンションの訓練そのものを行うこと自体に疑問を抱く向きまであります。

 つまり実際にはそれほど起きない故障を想定して訓練で事故を起こすとは何のための訓練か、本末転倒であるという意見です。

 しかし、ヘリパイロットが、機長として習得すべき、速度行足と沈みの微妙な関係とコントロールの関係、体感、修正操作を会得する最も良い科目がこのオートローテーションフルタッチなので、陸自としてリスクを冒してこの科目を続けているようです

 ヘリパイロットとして機長として飛ぶにはこの程度のレベルを必ず習得する必要があり、避けて通れない道なのでかなり難しいとこころで、陸自としてもリスクと訓練効果の兼ね合いで判断が難しいところです。

 いずれにしても訓練生の一瞬の判断操作の遅れは普通に起こるので、それを見抜いて適切な修正操作ができる、教官操縦士としての高い能力が必要であることは間違いはなく、教官の人選や教官訓練の充実と教官自身の高い意識が必要でしょう。



 ニュースでは先日のF2の事故でも同じような内容の事故調査報告があり、パイロット教育の難しい局面での失敗が問われています。

 。

テレビ朝日 355F2 不時着、、、、




 昨日夕方6時ころ神奈川県愛川町で逃走犯事件の取材で飛行していたテレビ朝日のAS355F2型機が片方のエンジンが停止し不時着したそうです。

 機体の外板をコンプレッサーの部品が突き抜けている穴が見つかったので、どうやらコンプレッサーのタービンブレードが飛散してエンジンが停止したようです。

 ヘリを運航していたのは東方航空で最近は事故続きで大変不運と言えるでしょう。

 同社は片発でも安全に飛行を継続できるけれども安全のため予防着陸を行ったと言っていますが、たしか355F2は方発であらゆる条件でも安全に飛行できると言う、TA級の性能はなく、一定条件下では安全な非行の継続ができない性能構造なので、着陸できる場所があれば早期に不時着することが安全でしょう。

 NNNのニュース動画を見ると不時着するカットが放送されていて、それを見るとスムースに着陸したとは言えない荒い着陸となっていますので、片発では十分なパワーがないことが伺えます。

 このヘリに搭載されているエンジンは、ベル206Bに搭載されているエンジンとほとんど同じもので派生型 250-C20Fと言うエンジンです。

 206Bには、パーチカルセパレータと言う、吸入する空気のごみや砂を除去する装置が付いていますので、エンジンは異物から保護されていますがAS355にはこの装置はなく、また火山ガスやスモッグでコンプレッサーのブレードが腐食することが報告されていて、このような来歴があるエンジンは要注意で今回のような故障が起きる可能性があるようです。

 TA級とN類双発機の違いは、片発故障状態のシングルエンジンで、離着陸時やホバリング時での必要なパワーが出せるか出せないかの違いなので、ニュース映像の着陸動画で荒い着陸になったのはパワーが十分でなかった可能性があります。

 東邦航空は事故続きで不運続きではありますが、何とか大事故にならないで良かったと思います。

 テレビ朝日は米軍自衛隊のヘリや、オスプレイなどの事故トラブルには遠慮会釈なく叩いていますので、ざま見やがれと言う声がネットで結構聞かれるのは身から出た錆と言うことなのでしょうか。
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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