D-CALLnetにスバル、日産、マツダも参加
3月末に、自動車の大事故の場合に連絡できなくてもドクターヘリが飛んでくるという、「D-CALLnet」に、新たにスバル、日産、マツダも参加し、機器が搭載できるようになったと言うニュースがありました。
この「D-CALLnet」というシステムは画期的なもので、交通事故の場合に過去の事故の分析により、衝突時のGやシートベルトの着用など多くのデータに、照合して死亡や重大事故にあたる場合に、運転手などが通報できなくても自動的にデータを送信して、ドクターヘリが飛んできますよという売込みです。
自動車製造会社はダイハツとスズキくらいが参加していませんが、高級車向けの装備なのでほぼ主要な車には搭載できるようになったようです。
ほぼ全国の消防本部やドクターヘリ基地病院が協力するようになっていますが、一部ドクターヘリ関係者は「ちょっと待ってよ」という感じを持っていることも確かです。
このシステムは事故を起こした車に乗っている人たちが重傷で自ら通報できない状態になった場合に有効なシステムですが、単独事故の場合でも目撃者や対向車、後続車がいれば、このシステムは無用ということになります。
日本国内で普通に考えれば、夜中に山岳地帯の道路を通行中、谷底へ転落した場合などが有効と考えられますが、残念ながらドクターヘリは夜間飛ばないということになっています。
このシステムが実用化されて3年ほど過ぎていますが、残念ながらこのシステムで助かったと言う話は聞いたことがありません。
3月に3社が加わり、ほぼどのメーカーの車にも装備可能となったようですが、ゴールデンウイークなど車の動きが集中するこの時期にこのシステムで助かったというニュースが流れると一気に普及が加速されると思いますがどうもダメなようです。
全国のドクターヘリ基地病院の運行管理室にはこのシステムのタブレット端末が置かれているのですが、ほぼほこりをかぶった状態のようです。
ドクターヘリは消防に入った救急要請のうち、担当に司令が判断してドクターヘリを要請して飛ばすということになっていて、原則ランデブーポイントへ向かいますので、、このシステムのデータを直接ヘリ運航指令室に送ることはあまり意味がありません。
つまりシステムを売り込む、事業者がドクターヘリが来ますという、ある意味、誇大広告に乗せられているようなものです。
誇大広告でないなら、この連休中に少なくとも数件程度はこのシステムからドクターヘリが飛んだというニュースがあってしかるべきでしょう。
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