ドクターヘリ EC135 緊急整備指示で運休するか、、、、




 先日のブログで取り上げたドクターヘリに一番多く使用されているEC135のローターの角度を変える油圧シリンダーの不具合による緊急整備指示について取り上げます。

 読者の方からいろいろと情報をいただいて、今回の緊急整備になった原因はやはり事故が絡んでいて、2013年に起きたイギリスでの墜落事故の原因になった内容だそうです。

 緊急整備指示まで6年もかかっていますが、これにはたぶん墜落しなかったが同じような不具合が多数あったことでしょう。

 緊急整備指示とは言えこれほど長くかかるのはやはり、交換する部品が余りに多いので準備する時間がかかることや、出来ればヘリが飛べなくなることを最小限に抑えたいメーカーと安全を優先する航空行政との激しいやり取りあったことでしょう。

 また交換する部品類が1基あたり定価で500万かかるなら、運航者はその全額を負担するか、半額とするかなどの駆け引きもありそうです。

 何よりこの緊急整備指令を発動するには、部品類の準備が出来てからでないと、多くが飛べなくなるのでいつこの指令を有効とするかも大きな論点となります。

 ドクターヘリに多く使用されていると言う条件があると、原則予備機を持って、整備点検中は予備機を使うとことですから、うまく機体繰りが出来るかどうかも重要で、どうやら一部はドクターヘリが運休すると言う情報もあるそうです。

 このような重要な整備指令をニュースとした産経新聞はなかなかたいしたものですが、普通はニュースになることも無く、航空行政と業界内だけで処理されることが普通にあり、EC135だけが特に欠陥機であるとは断言できません。

 さて、この整備指令の期限内にすべての135は部品交換をしますので、どの程度の運休が出るか、また他の機種を臨時に代替機として使う県がどの程度出るか注目に値します。

 パイロット不足による運休、機体の不具合による運休、天候不良による運休、パイロットの飲酒による運休と災難続きのヘリ業界ですが、見栄と営業トークで無理やり通年運航して墜落するより、適正に運休するほうがはるかに安全と言えるでしょう。
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消防防災ヘリ ダブルパイロット制へ勧告、、




 ニュースによると総務省消防庁は、各県の防災へりと政令指定都市の消防ヘリの運航基準を今夏までに新たに定めることにするそうです。

 内容は安全運航を強化するため、ダブルパイロット制とすることと、ヘリ運航中、地上から常に監視できるようにすることだそうです。

 運航基準は現在は助言と言う位置づけだったものを今後は指導、勧告というより強い位置付けとするそうです。

 このニュースに接する元ヘリパイロットとしては、ほとんど評価に値しないただの言い訳文書だとしか思えません。

 では今まではなんだったのかと言うことになりますが、最近のヘリパイロット不足の状況の中で、ダブルパイロットにすることが出来るかどうか、出来るならどのようにパイロットを確保するのかと言う、具体的な施策があると思うのですがそれは何でしょうか。

 普通に考えれば金と時間が必要であると思うのが常識で、国家、地域の行政機関の組織体制の施策とするなら、予算をどの程度取るかが一番重要で、ヘリパイロットの養成育成方法をどのように具体的に行い、その費用はどの程度の予算を組んで、そして最低10年程度は見通した制度を構築するべきでしょう。

 飛行中の運航監視体制と機器類の整備はパイロット問題に比較するとかなり簡単な問題で費用さえ確保すればほぼ達成は可能でしょう。

 勧告と言うとより強い制度にしたとのことですが、中身はとにかく32機の防災へりのダブルパイロット制をまさかこの夏からは実現は不可能でしょうから、達成出来ないヘリを浜松消防ヘリのように運休とするなら日本の防災ヘリは半分しか飛べなくなります。

 画期的な対策を見つけて実行するとして、それに必要な膨大な予算金額を金額を今直ちに確保できたとしても、10年程度は飛ばないヘリ続出となります。

 ほとんど実効性のない、迷作文だと思いますが本当に今まで一体何をしてきたのでしょうか。

 総務省に消防防災航空庁でも作って、運航要員、機体、養成、予算などすべてを一元管理し、全国へ派遣する体制でも作らないと、片手間地方行政と、無責任民間会社に任せていたら犠牲者が止まらない恐れがあります。

 迷作文に酔ってないで実効性ある大胆な改革が必要でしょう。

ドクターヘリパイロットとアルコール検査、、、




 今日の記事は昨日に続いてパイロットのアルコール検査についてです。

 私はヘリを降りたのが東北震災の年で、それまで35年くらいパイロットとして飛んできましたが、アルコール検査を受けた経験は一回もありませんでした。

 確か、50歳を過ぎてからある時期に、定期航空のアルコール問題からとばっちりを受けて、運航管理に検査機を置いて検査をしろという航空局からのお達しがあったようですが、誰も検査をするような様子はありませんでした。

 やはり、誰も検査の必要性を感じなかったためでしょう。

 たしか、60歳近くなって航空局から前日の飲酒の制限時間を12時間前から8時間前までに規則を強化するようにとの打診が会社にあったようですが、ヘリ業界は規則の強化は実施しなかったと思います。

 これも業界全体として、飲酒に対する危機感が無く、誰も必要性を感じなかったからでしょう。

 定期航空の世界では現実に飲酒による原因の事故が起きていますし、日ごろのパイロットの就業の様子から規則の強化や検査をする必要性を多くの周りが感じていたのでしょう。

 ヘリの場合は不特定多数の乗客を乗せることはほとんどなく、多くのフライトは社員のみ、一部取材や送電線パトロールなどにしても、よく知った仲間で飛ぶと言う感じで、わざわざ検査などしなくても、飛行前の打ち合わせやの様子や、態度、挙動である程度は正確に身体的な異常がわかると言うことがあります。

 ですから安全運航に対して相当厳しい態度を取っていた、某電力会社でも、健康状態のチェックは要求しても、アルコール検査をしろなどと言う要求は一度も無かったと思います。

 特にドクターヘリの運航では毎朝、定時に当日の気象状況や注意事項など30分近く詳細な打ち合わせをしますので、お互いの体調やご機嫌の具合までも良くわかります。

 つまりアルコール検査などまったく必要は無く、それでも、今回の不祥事のようにわざわざ機器を使って検査値を測って運航停止にするなどというようではお互いの信頼関係はすでに破綻していると言っても過言ではないでしょう。

 歓送迎会や時期時期の酒席はお互いの懇親や信頼関係醸成のためにも必要な行事ですので、次の朝の運航打ち合わせなどでは、お互いの体調は自然と確認することになります。

 少し残っていて、体調が万全でないこともあるので、乗り物酔いになりやすいことや注意散漫になるので注意しましょう程度のブリーフイングをして運航に備えるようなことはしていました。

 ドクターヘリのパイロットがアルコール検査で引っかかり、飛べないなどというような状況は、運航会社と医療チームや病院との信頼関係がすでに破綻していて、お互いが重要な仲間同士であると言う考えがないとしか考えられませんので、次ぎの運航契約は他社になるでしょう。

 ただし、新たな運航契約を取るほど要員に余裕のある会社があればの話ですが、一度ヒビが入った関係はなかなか元には戻らないので、関係の悪い状態が他のトラブルに繋がらなければ良いのですが、、、、
 

ドクターヘリパイロットアルコール検出で運休、、、




 25日朝 朝日航洋が運航するドクターヘリ基地で始業前のアルコール検査をしたところ、基準値以上の.0.22ミリグラム/リットルが検出され、交代nのパイロットが到着する10時15分まで運休したそうです。

 いち早く読者の方から書き込みをいただいて知りましたが、あまりテレビなどでは取り上げられていないのは、報道規制を敷いたのでしょうか。

 年中無休、365日一日も休みなしで、日本中で50機も飛んでいますのでいずれ起きると思っていましたがついにと言う感じです。

 アルコールの検出濃度は個人差があり、どの程度残るかは自分自身で管理し、飲酒制限時間、乗務の前8時間か12時間に限り、検査で基準以上が検出されない限度を自分で知っておく必要がありそうです。

 定期便パイロットのあまりに情けない、何回も続けて起こっている、アルコール検出のニュースを見ていると、ドクターヘリも時間の問題であるとは思っていました、意外と早く表面化したようです。

 このような不祥事を起こす企業はいずれ業界か退場になる流れかもしれませんが、実は業界内の競争原理が機能しないほどのパイロット不足の状態にあり、このパイロット個人への処分を含めて、処罰は不透明になりそうです。

 このニュースを知ったときには、かって私の部下であって、現在ドクターヘリに乗っている面々の顔が浮かびましたがその中では、今回のようなことを起こすメンバーはいなかったように思います。

 今回の不祥事で朝日航洋のドクターヘリや防災へりのパイロットはすべて前日はアルコール禁止となるでしょうけれども、禁止すればこのような事例を皆無に出来ない無いことは定期各社の例が良く物語っています。

 私たち団塊の世代はこの点では大変恵まれていて、ほとんど自由に飲んで、検査も無く、ずいぶんと無茶をしたものです。

山形空港 脱輪事故(2)、、、




  23日に山形空港でFDA富士ドリームエアーラインのエンブラエル170機が離陸中に滑走路からはずれ、脱輪した事故はその後の調査で機体には目立ったトラブルは無かったように報じています。

 機体に故障らしい故障が無いとすれば、どうなったら滑走路から外れるようなことが起こるか、一般的には誰も思いつかないと思います。

 飛行機を生まれて初めて操縦して離陸する場合、車の免許を持たない者でも100%あの広い滑走路から外れることなどありえないと言えるでしょう。

 成田で着陸直後の機体がタクシーウエーへ入るときに膨らんで脱輪しましたが、この場合は凍結またはそれに近い状態でスリップしたと言われています。

 私はこのありえない滑走路逸脱の原因をラダートリムが誤って操作範囲いっぱいにセットされていたため、速度が上がるにしたがってラダーを取られて対処が遅れたと言う想像をしたのですが、これも普通のパイロットなら、少しは蛇行しても滑走路内で納めるでしょう。

 エンジンが片方止まって、方向コントロールをとられたとか、片方の車輪のブレーキが拘束したのではないかとか、いろいろと原因をあげる向きがありますが、このような状態なら必ず明瞭な証拠が残るものです。

 このような原因をいくつも挙げて検討してみても、どうもわからないと言うことになると、実際に長く飛んでいたパイロットなら、誰でも皆、疑う状況があり、このことは皆、出来れば言いたくないと思うでしょう。

 答えは 「機長何をするんですか、、、」です。

 あるいは 「馬鹿やろー何やってんだー」

 これ以上は情けなくて書けませんが、2人操縦の航空機の操縦室には、暗くて深い闇の溝がある場合があり、実際にこれが原因で墜落して犠牲者が出ています。

 今回の場合、このようなことが無ければよいのですが、離陸中に滑走路からはずれた事故が起きているのに、3日もして、原因らしい原因が出てこないなら、、、、、、、

 飛行機には乗れない、、、、、、、、

 実は自分がパイロットとして志して、1年もすると将来的には一人操縦の機体をずっと飛ばしたいと思ったものです。

 そのとおりに一生を終えることが出来て幸運でした。

EC135に不具合、部品交換を実施、、、





 国内のドクターヘリの半数以上、その他報道取材などに多数使用されている、エアバスEC135型機のロータの油圧系統の部品に不具合が発見されて点検や交換をすることになったようです。

 エアバスから発行された文書を探しましたが見つからなくて、詳しい情報はわかりません、メーンローターをコントロールする油圧サーボに錆か腐食が発見されたのではないかと想像しています。

 ローターの角度を変えるための強い力を出す強力なサーボアクチュエーターが3基着いていて、これが錆や腐食で拘束されると操縦できなくなり、墜落の可能性があるので、6年以上14年以内のものは点検を実施、14年以上のものは即交換という処置が取られるようです。

 この処置は相当大きなトラブルで、サーボの使用時間ごとのオーバーホールで見つかったか、飛行中の同型機がこのトラブルで不時着したか、墜落した可能性があります。

 つまり内容的にはマスコミで大騒ぎになったボーイング737MAXのトラブルと同じ程度の重要な内容であるかもしれません。

 14年以内の場合はたぶん次の定期点検まで詳細な点検を指示にしたがって行なうこと、14年以上は直ちに交換という処置である可能性が高く、ドクターヘリで運行中の機体は飛べなくなるなっているのでしょうか。

 日本で飛んでいるEC135で14年を超えている機体はたぶん数機程度ではないかと思いますので、飛べなくなるドクターヘリはほとんどないと思います。

 このトラブルのような事例は長期間にわたる運航で錆や腐食が起きると言うような内容で、私が常々このブログで取り上げていたように、1年中昼夜、荒天、風雨を通して野外に放置しているような、機体の愛護に欠ける様な使い方をしていると起きやすいトラブルです。

 格納庫が必要であると大きな声であちこちで主張しましたが、大手はじめほとんどの運航会社は当初聞く耳を持ちませんでしたが、最近はよく普及したものです。

 日本のEC135がこのトラブルで墜落することなく、点検交換をするだけで安全運航が継続できることは幸運であったと言えるでしょう。

FDAが山形空港でオフランウエー、、





  昨日23日午後山形空港で離陸滑走中のFDA フジドリームエアラインのエンブラエル175型機が滑走路から外れて草地に突っ込んだそうです。

 18日にはANAが熊本空港へ着陸直後前輪付近から油圧系統から作動油がもれ立ち往生しています。

 日本の定期航空は最近インシデントが多いように思いますが気のせいでしょうか。

 インシデントが多く発生するのは大事故の危険が迫っていると言う現われでもあり、要注意でしょう。

 さてFDA機のインシデントはほぼ危機一髪という大変危険性の高い事態で、大事故全員死亡という事態の一歩手前です。

 事後の点検では期待には異常が無いことが確認されているそうですから、パイロットの操作操縦上のミスの疑いが濃厚ですが、通常ではありえないことが起きたようです。

 飛行機が離陸する場合、速度ゼロから増してきて、一番先に効きだすのがラダー方向舵でほぼ50ノットくらいからで、100ノットくらいになるとすべての舵が効きだします。

 50ノットくらいまでは前車輪のステアリングで方向を維持しますが、それ以降は尾翼の方向舵テでコントロールします。

 今回の事故の場合離陸滑走の初期にはまっすぐに進んでいたところ、速度が増すにつれて右のほうへ変針したようですから、ラダーの中立をセットするトリムと言う微調整の舵が間違って限度いっぱいまでになっていたら今回のようなことが起こりえるでしょう。

 また横風が運用制限いっぱいの場合なども風上に頭を取られる状況がありえますが、今回は可能性は低いでしょう。

 このようなトラブルの場合、当事者のパイロットなどは事故直後に正しい原因を把握しているにもかかわらず、原因は調査中ということで運航を再開する場合が多いようです。

 事故直後にパイロットミスと断定すればパイロットは首、一般の乗客はその会社の便を敬遠しますが、事故調査が入って1年後にパイロットの単純ミスだと言う調査結果を発表しても、世間はほとんど忘れていて、会社や個人へのダメージが小さくてすむことになります。

 1年後に仮に機体のトラブルが原因であることが判明しても、その間飛び続けるわけですから、事故調査が安全運航に貢献することはすでに遅いということになります。

 正しい事故原因が確定できるなら出来るだけ早く公表し、安全運航に役立ててほしいものです。

池袋、三宮暴走事故その後、、、、、




 池袋や三宮の暴走事故をはさまざまな問題点を炙り出していて、正確な調査によって有効な対策を採ることは大変重要な事となります。

 私がドクターヘリに乗務した5年間の間には、意識喪失ではないかと疑われる交通事故で5回程度出動しました。

 人間の意識状態は刻々変化し、急激な脳疾患などで気を失う最悪のものから、ただ単にぼんやりしている程度のものまで、事故に繋がる可能性があって相当深い調査をしないと深層はわからないものです。

 またその意識喪失やぼんやりが高齢化の影響によるものか、心臓や脳の疾患によるものか、癲癇や痙攣などによるものかは調査をしないと正しい原因はわからないでしょう。

 またその原因によって、事故の法的な責任や容疑者として追及されるかなどはよく調査の上で判定するべきもので、三宮のようにいきなり逮捕と言うのはある意味警察の横暴と言えるかも知れません。

 高齢化の影響と言うことで十羽一からげで運転免許を取り上げることもあまり科学的でないといえるでしょう。

 このような切り口は事故が起きてしまってからのことですが、事故が起きる以前に免許を持って運転、操縦する人間として、本人には重い責任があることを自覚してきたかは、事故後の当人の態度行動がを見ると良くわかります。

 事故直後に自ら救護に当たった、逮捕拘束されている三宮の市バスの運転手の方は、事故後に息子に電話した池袋の元高官に比較するとはるかに立派な方とお見受けしますが、法的な取り扱いはまったく逆転しています。

 このような世の中を見るとき、本当にまともな調査が出来るかどうかはかなり疑わしいと思わざるを得ないようです。

改良 改善は改悪か、、、、




                                                  

 先日読者の方からいただいたB737MAXの開発の状況が伝えれていて、それによると、燃費の良いエアバスが使っているエンジンと同じものを積む改修をするには、機体の高さが足りず、エンジンを前に出して搭載したそうです。

 そうすると上昇中に過度の頭上げが起きることがわかって、今回墜落の原因になった失速警報と自動操縦が連携するシステムを導入したことが墜落のきっかけを作ってしまったようです。

 このような例はパッチあての改良を繰り返して、どんどん性能を向上させる方法は、あらゆる航空機の設計に取り入れられている手法で、改良することによる不具合が必ず出て来るので、その不具合を何らかの手法で抑えるようにするのですがうまく抑えられずに大事故に至るということが良く起きています。

 ヘリコプターの設計、発展にもまったく同じ手法が取り入れられていて、アメリカもヨーロッパもまったく同じです。

 アメリカのベルヘリコプターはこのような手法の本家と言えるほどのメーカーで、204Bと言う基本設計のヘリから、エンジンをどんどん強化する改善を進め、204が205になり、2000馬力の214となり、双発の212から4枚羽の412と進みました。

 そのたびにさまざまな不具合が出て改修に追われていて、214Bはテールローターに瞬間的には400馬力も出力が入り、テールブームが何回も根元から吹っ飛ぶような亀裂が入っています。

 エンジンを強化すると当然テールロータも強化する必要があるのですが、どうしても後手後手となり、事故が起きているようです。

 どうしても小手先の改良でより高性能を求めるため、どこかしら他のところにしわ寄せが来て、それを押さえ込もうとして無理が生じて失敗すると言うパターンです。

 発展型ではなく、基本設計を位置からやるとなると、費用と時間がかかりすぎ、万一大変良いものが出来たとしても、結果的にはライバルとの競争に負けてしまった後と言うことになりかねないので、どうしても改良でと言うことになるのでしょう。

 MRJの場合は複合材を使った軽量で強い主翼取り付け部分の構造設計に失敗し、従来と同じ金属製に変えると重量増加で燃費が落ちると言う逆戻りの線形異変工に時間を取られているうちにライバル機は完成してしまったと言う致命的な失敗を演じてしまったようです。

 良いものでも時期を失すれば競争に負け、手抜きの改良で乗り切ろうとすれば落とし穴に嵌ると言うジレンマに翻弄される厳しい技術の世界と言うことになります。

 つまり航空機開発は資金や管理体制、営業力ではなくあくまでも技術だと言うことになります。

 ゴーン社長が10人もいて、資金は無尽蔵に使えても技術が無ければ売れる飛行機は作れないと言うことなのでしょう。

 

池袋暴走事故と高齢者免許、、、、


            若く見えても歳は歳!!



 87歳の元高級官僚による2名死亡の暴走事故についてはさまざまな切り口で報道されています。

 ひとつにはこのような暴走による死亡事故を起こせば普通は業務上過失致死などの容疑で逮捕拘束され、報道は容疑者として実名で行なわれて、罪人扱いとなるのですが、元高級官僚なので、警察や報道が忖度したのではないかと言われています。

 さらには容疑者の供述ではアクセルが戻らなかったと言う点があり、これを何の確認も出来ないまま取り上げていますが、運転の過失誤りが濃厚であることはあまり強調されていないようです。

 2年前の免許更新時の認知機能検査でも異常が無く、どちらかと言えば容疑者の言い分をほほ100%忖度する報道内容になっています。

 事故内容は普通に考えればブレーキペダルとアクセルペダルの踏み間違いを疑われる普通の暴走で、これには年齢の影響はあまり無い、若者でも普通に起こしているような事故例のようにも取れます。

 交通事故を起こす確率は女性が男性の2倍、年齢別では20代の男性の事故率が高く、高齢者とそうでないものとの確率の差はあまり無く、高齢者が多く事故を起こすと言うデータは無いのに、報道は恣意的なミスリードを意図して行なっている様子があるそうです。

 今回の事故の原因が高齢化が原因の運動機能や認知機能の低下によるものか、それともただ単なる単純な踏み間違いかはよく調べて検討する必要があるでしょう。

 近所の人たちの情報ではこの老人が日ごろからかなりヨタヨタの運転状態であったと一部証言していますが、これも高齢化による影響か、もともとそのような下手な運転技術だったのかは正しく調べる必要があります。

 なぜなら今回の事故を高齢化による影響が大きいと結論付けて、今後の高齢者の運転規制強化に繋げる格好の理由とされる可能性があるからです。

 いろいろと書き連ねましたが、パイロットに制限される年齢制限は、運送事業の操縦士としては満68歳までという規定がありますが、20年くらいの間に、満60歳からどんどん延長されて来ています。

 車と飛行機を一緒には出来ませんが、車はもともと制限が無かったものを機能検査で制限を強くする方向へ進む中、パイロットは逆に高齢化を認める方向へ進んでいます。

 この逆行する傾向はなぜ起きているかと言うと、ひとえにパイロットが足りないと言う事情があるためで、特にヘリのパイロットが極端に足りないと言う情報もあります。

 ただしパイロットの年齢制限は運送事業と言う不特定多数の乗客を運ぶ分野のみなので、これに該当するのはドクターヘリなど一部分だけでであり、防災ヘリを含む自家用運航や事業運航でも写真撮影など不特定多数の乗客が乗らない分野には年齢制限は無く、航空身体検査をクリアーできれば100歳でも自由と言うことになっています。

 パイロットの加齢による能力低下は老眼が出始める45歳程度をピークに下がり始めることは確かで、難しい操縦を口でごまかして飛ぶようになってきますので、仲間に迷惑を掛けないためにも、いつかは飛ぶことを止めて地上に戻って、天から与えられた寿命を無駄に失わないようにしたいものです。
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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