福井県嶺南地方 ドクターヘリ共同運航 半年で9件、、





  福井県嶺南地方が関西連合の京滋ドクターヘリの応援を受けて出動する、共同運航を始めて半年が過ぎ、実際に飛んだ回数はたったの9回であったとの報道がありました。

 福井県嶺南地域は大雪の北陸地方と言いながらも、関西の経済圏に属する割合も多く、関西電力の原発が多くあるほか、大昔から塩さば街道で京の都と直結していたりでした。

 また大阪近辺からの夏の行楽は若狭湾へ海水浴が人気で関西圏そのもので、私のヘリの運航も関西電力の関係で滋賀、福井県境の雪深い山を長期に亘って飛んだことが良い経験となりました。

 半年に9回の出動は多いか少ないかということになると、大変少ないと私は思いますが、その理由は一番には要請する消防が慣れていない、あるいは躊躇があることなどが思い当たります。

 協定を結んで初の出動を要請する消防は大変勇気が必要で、ドクターヘリ要請の効果を全県的に厳しく判定されるほか、ドクターヘリの医療クルーと運航クルーにも評価されます。

 費用の負担が現在どのようになっているか詳しい報道はありませんが、有料なら数十万円でこれも効果が問われるひとつのポイントとなります。

 各地消防本部にとって、一度呼びさえすれば2回目からは比較的緊張なしに呼べるようですので、今後は回数が増えることでしょう。

 もうひとつの回数が少ない原因には、冬期間の嶺北と琵琶湖北部の山間部の豪雪による悪天候が影響していることでしょう。

 この地域は日本国内でも有数の豪雪地帯で山間部では10メートルを超える積雪も珍しくなく、60メートルの送電線鉄塔が倒壊したほか、複数回の被害が出ています。

 また敦賀市内でも1メートルに近い積雪記録もあって、ヘリの着陸には相当な困難が伴うことがあります。

 しかしこの少ない出動回数の中でもヘリが極めて有効であった事例を報道していて、今後の早期導入、有効活用につながりそうです。

 この事例は小浜市で右上腕部を切断した事例で、ドクターヘリによる早期医療介入で無事に繋がったことが大変評価されています。

 手足の切断に際して、接合する専門医師は大変少なく、このような患者さんを出来るだけ短時間に、直接専門医がいる病院へ搬送して、緊急手術をすることが有効であるといわれています。

 若干、出動回数は少なかったものの、今後の発展に繋がる共同運航でした。

 

 
 
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パイロットの休養時間など規制強化、、、、





 国土交通省はパイロットが長時間勤務や次の勤務までの休養時間が十分取れない状態での、不安全や事故を防ぐために、規制を強化すると決めたようです。

 今の規定では12時間を越える運航には交代のパイロットが乗務する必要があったのですが、新しい規制では日中、深夜夜間の違いがあるものの8時間から10時間以上は交代のパイロットが乗る必要があるようです。

 また次の乗務までは10時間以上の休養をとらせることや、夜間早朝に及ぶ勤務の場合は更に2時間から4時間の休養時間を追加して与えることとなるようです。

 さてこれは定期便のパイロットの場合であって、ドクターヘリや防災ヘリ、事業会社のヘリの場合はどうなるのかということが気になります。

 法律的な区分では、国土交通省の規制は、不特定多数の客を乗せるかどうかで分かれていて、客が乗らなければ、パイロットの勤務時間や疲労などはどうでも良いという事になっています。

 具体的には客を乗せる運航形態は運送事業、客は乗せるけれども不特定の客ではなく、カメラマンなどの場合の航空機使用事業、そしてもう一つは、あくまでも好きなように飛べという自家用運航となります。

 ドクターヘリは運送事業なので、パイロットの勤務時間などは定期便と同じような規制がかかり、夏場の12時間超えの勤務がこれに抵触しそうですが、待機時間は乗務ではないと言い切れば規制には触れないということになります。

 またもっとも、基本的な労働法では一定時間ごとに休憩時間を与えることになっていますので、12時間ぶっ通しの待機は法に触れそうですが待機中は勤務ではないと言い張れば適法と言えます。

 要は長時間連続勤務の緊張や疲労がパイロットの運航の安全に影響があるかどうかの問題ですので、このあたりの法の適用は規制側官庁とと規制を受ける運航会社側のご相談となりそうです。

 ただし、規制官庁が規制を受ける側からまともに相談されたら、返事に困るので、知らない顔をするからいいようにしなさいという姿勢が今までのヘリの運航では常識的な態度でした。

 そんなことより、毎日12時間以上の長時間勤務させると、時間外手当が莫大な金額になり、常識ある遵法精神のある経営者なら、交代勤務で適正な時間管理をするのですが、もともと時間外勤務手当てを支払う意思がないなら、長時間勤務の安全性など頭のどこにも見当たらないのでしょうか。

岐阜のドローン事故 航空法違反で略式起訴、、




 2017年の11月 岐阜県大垣市で上空から飴をまくイベント中にドローンが落下し、観客3名が負傷した事故で、岐阜地検大垣支部が業務上過失傷害の容疑は不起訴としたとあります。

 そして大垣区検は容疑者が大阪航空局へ許可申請していたものとは別のドローンを使ったとして航空法違反で略式起訴したとのことです。

 この事例は少し前から世間をにぎわしていた夢のドローンによる、初の運航上の法違反として、捜査対象になった事故で今後のドローンの普及発展や規制に大きな影響を与えることが予想されます。

 法律によって罪を問われた初の運航上の事例で、判決が出る以前に、実は許認可の段階でドローンの運航には大きな規制がすでにかかっています。

 実はわが町 奈良県王寺町は世界初の犬型ドローンをイベントのたびに飛ばして人気を得ていましたが、この事故の後はほとんど出番がなくなってしまいました。

 確か重量が200グラム以上のドローンは人または人家などの上空を一切飛べなくなり、規制値は知りませんが一定以上の距離を取るなどの規制が厳しくなって、一般大衆の前で飛ばすことがほとんど出来なくなったようで、町役場の担当者は大変嘆いています。

 実際に飛ばせる場面はテレビ局のスタジオ内など、不特定多数の人が入れない場所に限られるようですので、ほとんどPR効果がなくなってしまい、高額のドローンの出番はないようです。

 さて検察の処分ですが、怪我をしたということで業務上過失傷害容疑で警察が捜査し書類送検をしたようですが、実際にはほとんど怪我らしい怪我はなく、医者の診断書が5日以内で処分できなかったのでしょう。

 申請したものと違う機体を飛ばしたということは、言い逃れが出来ない罪状ですがこれとても実際には罪に問えるほどの悪行であったかどうか、怪しいものですが振り上げた手の卸しどころに困った官憲お役所の面子の犠牲になったのでしょうか。

 この申請内容と違う機体を飛ばしたり、申請と違う場所であったり、日にちが違ったりすることは、実機のヘリでも長い間、普通にごまかしていたことで、航空局の許認可はめくら判ばかりで、数が多すぎて手が回らず、実際に見に来ることなどほとんどなく、事故ならなければばれることなどありえない状態でした。

 ヘリ関係者が馬鹿正直に基準を守っていたら仕事にならず、安全規制をはるかに超える状態で運航していたことは万人の常識で、大阪航空局長が阪神大震災の折、いきなり、地図も見取り図もなく、地震で停電している市民グランドへ、夜間に平気で飛べと命じるほどですからいったい安全規制とは何なんでしょう。

 この事例で法的な責任を過剰に追及したことが今後のドローンの発展に大きくブレーキとなったことは間違いなく、離島などへの宅配ドローンの普及に大きなブレーキとなることでしょう。

 

毎日新聞 共同通信と共同運航 新型機導入、、






 共同通信と共同でヘリを運航している毎日新聞が新型ヘリ、エアバス135H135T3Hを3月から導入したようです。

 日本の新聞航空の歴史は古く、はるか戦前、軍に航空機が導入されるのと同じ程度に導入され、日本の航空事業や航空思想の普及に大きく貢献しましたが、事故も多く、歴史始まって以来なら50機程度の新聞航空の事故があったのではないでしょうか。

 新聞は最近のネット時代の潮流に押されて衰退が激しいようで、発行部数の低下に歯止めがかからず内情は大変苦しいのではないかと想像しますが、航空部門は何とか維持しているようです。

 新聞社の持つ航空機は自家用運航として飛んでいますので、他社などの取材にヘリなどを提供して報酬を取ることが出来ないのですが、系列のテレビ局のニュース素材の撮影や、他の通信社の取材などに使用して、自社の運航経費をなるべく他から収入で補いたいという動きが常にあるようです。

 ということで大昔、毎日新聞自体が経営危機となって、航空部門を切り離して別会社とし、運航事業として収入を得ようと試みたことがありました。

 現在は別会社の共同通信と自家用機を共同で運航するということで、自家用機としての運航を維持しながら運航にかかる費用を節約しているようです。

 しかし内情は運航要員や使用機材は毎日新聞が主導しながら、一部の経費を共同通信が負担して、実情は事業機、書類上は共同運航自家用機としているのでしょう。

 新聞社のヘリや飛行機を運航するパイロットや整備士の多数は運航事業会社からの転職者がほとんどで、一部が自衛隊OBが従事しているようで、私の知り合いも多数新聞社へ移籍していきました。

 新聞社やテレビ局の航空機の事故が多いのは、防災ヘリとの共通性があると私は見ています。

 また新聞社の業績の低落傾向が新聞航空の未来にどのような影響を及ぼすか、かなりの不安要素があり、いずれは事業会社が運航機とパイロット整備士を派遣する形態へと収束していくように思います。

B3MAX 事故 実は自分自身も大馬鹿パイロットだった、、、






 1昨日はボーイング737MAXの事故でパイロットや設計者を大ばか者呼ばわりしてしまいましたが、実は自分自身も同じような大馬鹿パイロットの経験があって、大いに反省というのが今日の記事です。

 その前に12月でこのヤフーが終わってしまうそうなのですが、最近は読者の皆さんのおかげ様で月の半分程度、ランキング100位以内に入る最後っぺの絶好調となっています。

 拙ブログに毎日訪問していただく読者の皆さんには大変感謝しているところですが、更にコメント、ナイスをいただけるとより励みになりますのでよろしくお願いします。

 B3の事故原因はストール警報の誤った信号がオートパイロットのコンピュータに入って、いきなりダイブし、パイロットが原因に気がつかないで、操縦かんで大喧嘩しているうちに海に突っ込んでというのが真相のようです。

 これとまったく同じような事例をヘリで経験し、何とか事なきを得て生きていますが、考えてみると自分も大馬鹿者パイロットの仲間でした。

 この事例はAS330型機で、すでにかなり以前にこのブログで取り上げていて、読まれたヘリパイロットの方には結構参考になったと思います。くどいようですがB3の事故例を参考に再度取り上げてみます。

 飛行機の最大の危機は失速ですが、あまり一般的には認識されていませんが、ヘリの場合の最大の危機は異常振動であると言えます。

 最近起きた、その一番の例は、佐賀でローターが吹っ飛んでパイロット2名が殉職されたS64の事故がそれに該当します。

 この場合、たぶんヘリが地面に激突する3分前くらいに異常振動が発生したと言うことはほぼ間違いないでしょう。

 異常振動かパイロットに感知されてから2分以内にはローターがぶっ飛んでいますので、ほぼ何の対応も取れなかった大変厳しい事故例ですが、私の場合には、非常に優秀な整備士が2分程度で原因に気がついて正しい対応をしてくれたので、飛行を継続して、仕事に影響もありませんでした。

 状況はS64やB3と同じように離陸して5分もしないうちに発生したトラブルで、機軸が激しく左右に振られる振動が、小さく始まって1分もしないうちに計器類が読めないほどに触れだしました。

 振動がピークになって、すぐに速度を落として不時着に備えて旋回に入ったとき、整備士がオーパイと叫びました。

 その整備士は都立航空短大出のかなり優秀な若手で204Bでは新人としてOJTをやったり結構、一緒に仕事をしていました。

 彼は優秀なので先に330へ移行し、自分が330に移行したときには、構造マニュアルなどを先生として講義してくれました。

 その強烈な振動の原因はオートパイロットで今回のB3の事故と同じで、330の自動安定装置は姿勢指示器とJ2コンパスからの信号を得て、操縦系統へ細かい操舵指示を出し、パイロットが操作しない限りはその姿勢を正確に保つようにできています。

 ですから操縦かんを動かさなくて、ローターの軌跡は常に細かく移動しています。

 離陸して5分ほどして強い振動が出たのは、J2コンパスの電動ジャイロが何らかの原因で回転が落ち、コンパスの指示が不安定になって、身に見えないほどの不安定な小さな指示をオートパイロットが追いかけて共振するように強く機軸を変動させたのでした。

 オーパイの叫び声で操縦かんのスイッチを切るとぴたりと振動は消えて、うそのように静かになり、続いてコンパスの電源のサーキットブレーカーを引き抜いて電気を遮断し、そしてオーパイを入れると姿勢指示器だけの信号で安定して飛び続けて、目的地まで着くことができました。

 コンパスと姿勢指示器は電源が切れたときだけオフフラッグが出るような構造で、回転が落ちて指示が不安定になっただけではオフフラッグは出ないので振動の原因の特定までは相当時間がかかるのですが、すばらしい知識と判断で最高のアドバイスでした。

 ヘリコプターの異常振動は何から来るかわかりませんし、5分後にはローターが飛んでしまうことすらありますので、飛行機の失速に匹敵するほどの危機なのですが、対処を誤れば事態を更に悪くすることすらあるでしょう。

 数回あった他のなんでもない原因の振動ですが、シートベルトの端末がドアに挟まれ5センチほど外に出ていた例では、速度を上げると微妙は振動と音が出て、原因を特定するまでは冷や汗もので、着陸して点検したりしました。

 このような情報は経験者しかわからず、つまらないことですが、次世代への引継ぎはぜひとも必要でしょう。
 
 

パイロットの特権 操縦室からの壮大な眺め、、、





 オランダ人のパイロットが操縦室からの壮大な景色を写真に撮って公開しているとCNNが報じています。

 日本でも過去には雲博士と呼ばれたANAのパイロットの方や、国際線で撮った写真を公開していたJALのパイロットがおられました。

 私も大したことはありませんがいつも小さなカメラを持って飛んでいましたので、よく撮ったものですが、ヘリはなかなか操縦かんから手を離せないので、自分ではあまり撮れませんので、横の整備士に頼むか、地上の絵が中心でした。

 今はデジタルになってフイルム代がいらないうえ加工が自由にでき良い時代になったものです。

 ところが日本は変な時代になっていて、強い監視社会、他人の行動には100%ケチを付けるずいぶんと住みづらい世の中になったものです。

 操縦席から写真を撮るには正当な理由がなければならず、ちょっとでも公開しようものなら、四方八方から批判の嵐にさらされることになり、下手をすれば職を失いかねません。

 また肖像権や個人情報に関するクレームも多く、このブログで公開した写真に看護師の姿が写っていると抗議があったりしたこともあります。

 このオランダ人のパイロットが素晴らしい写真の数々を公開して評価されていますが、日本なら職務に専念する義務違反で処罰しろと言う声が必ず出てくることでしょう。

 人間の体の構造は素晴らしいもので、私が1万6000時飛んで、無限の映像を自分の網膜を通して頭に取り込んだのですが、その100万分の一程度しか写真として残っていませんの、妻や子や孫親しい友人などにぜひとも伝えたいと思っても再現できないことは非常に残念です。

 名カメラマンを乗せて一緒に撮った映像がテレビなどで公開されたときには本当にうれしいものですし、このブログでも古い写真を公開できることはなかなか有意義なことと思っています。

 それにしても、他人の行動ならなんでもケチを付けるゆがんだ日本社会は何とかならないものでしょうか。

 

ボーイング B3MAXのソフト更新、、、







 ボーイングはB3の墜落を受けて、コンピューターのソフトを更新し、パイロットの訓練内容も変更すると発表したようです。

 事故は主翼の先端付近に取り付けてある失速警報装置から誤信号を自動操縦装置のコンピュータが正しく判断できないで、失速からの回復操作であるダイブにダイブに入れてしまったことにあるようです。

 失速していないのにダイブに入った航空機を立て直すためパイロットは引き起こしをしたのですが、どこまでもバカの自動操縦と正気のパイロットが戦い続けたのですが、地獄まで引き込まれたようです。

 航空機に失速警報は大昔から付いていて、に主翼の先端にある小さなプレートが失速による気流の剥離で吸い出されて、スイッチが入り、警報音を出したり警告灯を点灯させたり、もう少しましなものになるとシェイカーと言って操縦かんをぶるぶる振るわして。パイロットに危険を警告します。

 B3の設計者はパイロットが信用できないので、自動操縦でダイブに入れて失速からの回復まで機械任せとしましたが、失速でない誤報の場合の処置までは組み込まなかったようです。

 ということで犠牲になった2機のパイロットは大馬鹿者のコンピューターと下がれば引く引けば下げると大げんかのまま地獄へ連れていかれたようです。

 ボーイングの処置はソフトお変更とパイロットの訓練内容の見直しということらしいのですが、警報センサーからの失速信号を警報灯と警報音とシェイカーにだけ従来通りにし、オートパイロットへの入力だけ止めれば明日からでも飛べそうに思いますがいかがでしょう。

 自動回復操作は目新しい装置なのでそう簡単に引っ込められないのでしょうが、そうなると、高度変化センサーや速度センサー、パイロットの操作信号などかなり情報の追加が必要なので、飛行復帰まで相当かかるでしょう。

 オートパイロットの誤信号による失速回復操作に気が付かなかったパイロットもかなり大馬鹿ですが、それ以上に大馬鹿者のコンピューターシステム」を作った技術者もかなり大馬鹿なようです。

ノルウェー沖で豪華客船から1300人ヘリで救助、、







 ノルウェー沖で豪華客船から1300人ヘリで救助という興味深い記事が出ていました。

 写真を見ると結構海が荒れて、風が強いような様子ですが、何万トンもある豪華客船がエンジントラブルのようでただ動けなくなっようたが、今にも転覆沈没という危機でもなさそうです。

 しかし1300人もの乗客をうまく救出したことは驚きですが、この地域は北海油田に近いエリアで、たぶんAS332や225が10機以上は駐在しているのではないかと思います。

 豪華客船にはふつう重病急病患者を搬送するためにヘリパッドが装備されていて、少し無理をすれば332程度のヘリは着陸出来ますので、一便20名10機でかかれば、一機当たり7便飛べば1400人救出できますので、場所がよかったということでしょうか。

 日本で同じようなことが起きた場合、CH47チヌークは40人乗れますが、車輪の幅が大きいので無理があり、SH60なら10人程度なので10機で14便程度になり、距離にもよりますが、一日では無理でしょう。

 日本で過去の災害などで1000人以上移動させたと言う例はと言うあまり聞いたことがありませんが、このようなことは図上想定訓練がいつでも可能なのでぜひとも検討しておくと良いでしょう。

 今回のような救出劇を石油開発飛行に従事しているパイロットが担当したとしたら、この地域、海域の、雪や強風の悪天候に慣れている上、石油リグの狭いヘリパッドの離着陸にも習熟していて救助にはうってつけだったことも幸いしたことでしょう。

 ちょっとどうかなと心配したことは、豪華客船から避難する乗客たちが、乗船に際して持ち込んだ手荷物をどの程度持ちだせたのか、あるいは豪華な品を残してきたのか気になるところです。

次世代ヘリコプター  SB>1 ディファイアントが初飛行





 ニュースに拠るとシコルスキーとボーイングが共同で開発しているSB>1 ディファイアントが初飛行したと伝えています。

 これで500キロを超える速度で飛べる次世代機がベルのV280バローとユーロのRACER  3機種が出揃いました。

 3機種とも原理がまったく違っていますので実際に飛ばしてみてデータを取ればどの機種が一番優れているかはっきりしますので、メーカーの技術の見せ所です。

 オスプレイは最初の実用機ですが、どうやら翼端に装備した両方のロータをエンジンごと方向を変えるという装置は機構的にあまりにも無理があるほか、ローターの直径を長く出来ないためホバリング性能が十分でないと言う致命傷があるようです。

 ユーロは双発機のような推進用プロペラをつけてピッチ角の変更でロータのトルク打消しと、高速時推進用に上手く考えましたが、高速時のロータの抵抗を上手く処理しないと速度が出ないように思います。

 私は今回飛んだシコルスキーボーイングのディファイアントが一番空力的にも優れていて、しかも機構的にも大型化にも耐えるように思います。

 後5年ほどしたらこの3機とも実用機が飛びまわる時代が来るかも知れませんが、そうなると今日本に導入が始まったオスプレイや今だ実用化していないAW609はごく短命に終わる可能性があります。

 夢のようですがドクターヘリはこのディファイアントの小型版が一番向いているようですので死ぬまでには見る事が出来るかも知れません。

 しかし、この3つの開発に日本が待ったく噛んでいないのは大変残念な気がします。



航空機 速度コントロール(処理)、、、、



 


 航空機は固定翼機であってもヘリコプターであっても、巡航飛行状態から着陸する場合は、速度を適切にコントロール(処理)する必要があります。

 固定翼機はジェットなら300ノット程度の巡航から最終侵入で滑走路端を通過する120ノット程度まで、ヘリの場合は巡航速度120ノット程度からヘリポート上に速度ゼロとなるような速度処理を行います。

 普通ならトラフィックパターンという四角形に飛んで、最終進入速度に合わせるのですが、実用で飛ぶ場合は、長い直線進入と言って遠くからまっすぐに降りてくる場合も多いようです。

 この直線進入という飛び方が曲者で、遠くから速度を落とすと速度コントロールは比較的簡単ですが、だらだらと着陸に時間がかかり、減速率をぴったりとなるように速度をコントロールして、最短時間で着陸することは大変むつかしいテクニックとなります。

 へりだと行きすぎますし、固定翼の場合は着陸時の引き起こしがむつかしくなりますので、パイロットはどうしても早めに速度を落とそうとします。

 固定翼機の場合は滑走路端で120ノットというような設定となり、その速度は速度計が1ノットの狂いもなく指示してくれますので、規定された速度に合わせるか狂わすかはパイロットの腕次第で、下手か上手か一目瞭然となります。

 ただしピタリ安定120ノットで進入していれば120ですが、修正しながら来る場合は、加速中の120と減速中の120では機体の惰性慣性がありますので、次の操作には違った反応が出ます。

 ヘリの場合は減速してきて20ノット程度までは固定翼と変わりませんが、20ノットを切る程度からは速度計が指示しなくなり、パワーの必要度と地面の流れ、沈みなどがパイロットが読むべき速度感となり、これが正しく読めないと、秦野の事故となります。

 戦闘機が編隊を組んで帰投して着陸する場合や、ドクターヘリや防災ヘリが迅速に、確実に、安全に着陸する場合は、直線進入は時間がかかりすぎて、かつ着陸場所の安全が確認しにくいなどの理由で、着陸地点上空まで高速で進入して、旋回しながら急減速、高度と速度を処理して着陸します。

 戦闘機などは300ノット程度で飛行場直上まで進入し、60度バンクで、急旋回してダウンウインドへ入るときには150ノットになっていますし、滑走路を確認しながら、短いファイナルへターンすると130ノットになっています。

 ヘリの場合は360度オーバーヘッドアプローチをするまでもなく、180度でも90度でも十分速度高度を処理できますので、旋回進入すれば安全に素早い着陸ができます。

 私が現役中。ドクターヘリで着陸する場合、直線進入する方向のヘリポートなら100メートルほど、左を狙ってから90度右旋回か、行きすぎて180度旋回でへリポートを右真下に確認しながら着陸することが多く、時間短縮と安全確保に配慮していました。

 遠くからの直線進入では、あらかじめ遠くから速度を殺さないと、高度速度処理がむつかしく、またヘリポート敷地の端を通過する高度はぎりぎり低くする計画をしないと、高高度低速の危険領域に入りやすく大変危険な着陸となります。
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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