ドローンに夢は幼稚で無謀か、、、、
ドローンの急な発展普及、様々な取り組みがなされているなか、空撮やラジコンヘリの農薬散布などはほぼ実用化がなされています。
このような状況の中で宅配便を住宅地へ配達したり、さらには人が乗れるものまで開発し、あたかもごく近い将来において実用化するのではないかというような、甘い考え方まであたかも普通であるような錯覚を持つ人までいるようです。
航空機が150年の間に多くの犠牲の上に、曲がりなりにもほぼ一定の安全性を維持して、人間社会に認められている歴史を考えれば、人が乗るドローンの一般普及が数年程度で普及することなどとても考えられませんし、宅配便を運ぶ、総重量10キロ程度のものも、実用化には10年程度では無理だと思います。
宅配便運搬ドローンの機体総重量を総10キロ程度とすると、今の航空機の技術では荷物が3キロ、機体3キロ、燃料に相当する電池が3キロ程度となるでしょう。
ドローンもヘリもホバリング時に一番パワーが必要で、その時のパワーが実用ヘリの場合は人がその現場で操縦する関係上、必要馬力の1.2倍程度の余裕なのですが、気流や空力的に無人で何の状況監視がないドローンはたぶん2倍程度以上の馬力がなけれは墜落続出となるでしょう。
また実機の機体重量のうち、30%以上は機体の状況を監視したりする計器類や不時着や故障に備える機構が組み込まれていますが、現在のドローンにはそのようなものは一切なく、少しでも故障すれば所かまわず墜落します。
このような不具合は機械類ですから、ところかまわず無限に起きる可能性があり、200グラムのドローンなら許容できますが、10キロの宅配ドローン、人が乗る500キロのドローンがこのような不具合があっても安全性を維持できる保証が必要となるでしょう。
次に重要なことは障害物や他の飛行物体との衝突防止の機能ですが、パイロットが最終的に目視で回避できることと、同程度の回避能力が必要となるでしょう。
この機能と飛行コースの設定維持能力が保証される必要がありますが、世界中が寄ってたかって開発中で、時間の問題と言われていた車の自動運転の技術がいまだ確立される見込みがない中、空中を移動するドローンのや実機のこの分野の研究開発において目立った実績がいまだないことがドローンのむつかしさの実態でしょう。
10キロのドローンがあなたの頭をめがけていつ落ちてきても良いなら、また実機の航空機と何度でもぶつかったり、ニアミスしても良いなら、多くの実用ドローンはすぐにでも飛び始めることでしょうけれども、そうは問屋が卸さないでしょう。
150年の実用航空機の発展に於ける犠牲者の多さがドローンの開発の前途を暗示しています。
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ANA 飲酒副操縦士を懲戒解雇、、、
今月19日 神戸空港を朝7時台に出発予定の便を担当する副操縦士が乗務前の検査でアルコールが検出された問題で全日空は当該パイロットを懲戒解雇すると発表したようです。
私は懲戒解雇は人権蹂躙でマスゴミが煽る、悪乗り時代の犠牲者だと思うのですが、このようなことを書くとブログが炎上しかねない恐れがあります。
どこか外国でしたか、地球温暖化防止か、ごみの問題での地球環境の保護でしたか、ストローをプラスチックから麦わらに変えろというヒステリックな大騒ぎを思い出します。
世界中で車はじめ数知れないものに無限に使われているプラスチック類が廃棄の段階で地球環境を汚染していることは程度の差はあれ間違いはないと思いますが、その中でもごくごく小さな量であるストローを麦わらに変えて何の意味があるのか、馬鹿どもはひた隠しにしています。
コンビニ袋しかりで狂ったような騒ぎの末、専用ごみ袋を大量生産、投棄している地方行政の馬鹿どもにはあきれます。
このANAの飲酒パイロット懲戒免職で、ヒステリックで、人権蹂躙の処分がで、ほぼ日本の航空界で定着することはほぼ間違いありません。
いずれパイロット集団や乗員組合からパイロットのみに対する不平等な処分に抗議が集中し、航空会社では全社員の出勤時のアルコール検査が定着し、毎月数十人の懲戒免職者が出て会社は近い将来崩壊することでしょう。
そしてこのような不平等で不安定な職種を選択する希望者は減り始め、だんだんとレベルの低い集団が希望従事する職業となり、引いては処遇が下がり、そして結果的にはアルコール検査で引っかかるものが増えるという悪循環になるでしょう。
普通に考えれば初犯は1月程度の飛行停止処分とアルコール関係の教育受講とし,再犯はより重い処置とし,常習者は職種転換か依願退職程度が妥当な処分でしょう。
ANAの社員は全員平等に出勤時、全員アルコール検査をし、少しでも検出したら即懲戒免職を実行できるなら、パイロットも首にすればよいでしょう。
ヘリパイロット 着陸パス角の判定(2)
今日もヘリの着陸時のパス角の判定について書いてみます。 まったく専門的な内容なので実際に飛んでいない方にはやや実感のない難しい話かも知れませんがお付き合い願います。
飛行機の場合は飛行場の進入経路には障害物がないので、進入角度を深くしたり浅くしたりする必要はありませんが、ヘリコプターの場合はある程度の障害物なら着陸時の進入角度を深くして着陸する事が出来ます。
ヘリコプターだから垂直に降下する事が出来そうなので、そうすれば進入角度などと言うようなうっとうしい事は言わず、まっすぐ下に降りてくれば良いというようなものですが、そうは問屋がおろさない事情があります。
簡単に言えばヘリコプターはローターで強い吹き降ろし流を起こし、垂直方向への降下率が一定値を超えると、自分の吹き降ろしの中にローターが入ってしまうような現象で、真っ逆さまに落とされると同時に、ローターの角度を変えて行う前後左右上下の操縦も出来なくなってしまいます。
と言うことで通常の進入のときの角度が深いほど、先ほど説明した現象、つまりセットリングウイズパワーに入りやすくなり、進入角度が浅いほど入りにくくなります。
通常進入中、一定の角度、たとえば6度のパスに乗って降下してきてヘリポート上で速度ゼロ、沈下速度、つまり降下率とも言いますが、同時にゼロとするわけですが、ある点から速度を減らす操作をすると同時に適切に降下率も減らしていかないと、パス角のラインの上になったり下になったりしてしまいます。つまり高くなったり低くなったりしてしまうと言う事が起こります。
ここで降下率や速度の減速率変化が正しいか、あるいは適当でないかの判定は地面の流れと浮き上がり方で判断し、結果はパス角に乗っているかどうかと一定の減速率で進入しているか判断します。
このように説明すると、理解の良い方はピンと来るかと思いますが、進入角が深いほど、目視情報が遠くなり、判定が難しいと言うことになります。
また屋上ヘリポートなどは角度が浅くても地面が遠いために判定が難しく、海上を進入するときも下の景色の変化が読みにくく同じ事が起きます。
角度が深いときには特に降下速度、つまり沈下速度の変化を正確迅速に読む事が難しいと言えますし、さらに屋上へリポートへ深い角度で進入する場合は速度効果率友に掴みにくく、最悪の条件となるでしょう。
取材ヘリのパイロットは飛行場と言う障害物がまったくないところへのアプローチを常に行っていますので、わざわざ難しくて時間がかかる深い進入などするわけも無く、地上すれすれで近づいてくるようなアプローチが自然と身についてしまっています。
狭いところへの深いアプローチが出来ないと成り立たない、農薬散布飛行の経験のない、取材ばかりやっていたパイロットがドクターヘリや防災へりに乗るのは、秘めた危険性があるということで、しかも屋上ヘリポートへ深いアプローチをする場合などは最悪となります。
逆に木材を運搬していたパイロットはヘリの腹の下に吊り下げた50メートル下の木材を、定点に前進速度ゼロ、沈下速度ゼロで設置させる操作を、50メートル上空からの目視で、しかも周りの障害物をクリアする深い進入を繰り返し、1日100回以上最短時間での往復を強いられていますのでずいぶんと鍛えられたものです。
つまり50メートル上空のコクピットで沈下率ゼロ前進速度ゼロを周りの目標で判定し、荷物を地上にそっと接地させる技はそれなりに難しいものです。
このような視点はヘリのパイロットの基本中の基本なのですが、実は誰も教えてくれませんでしたし、また部下、後輩、訓練生などから教えを請うともありませんでした。
つまり、つまらない誰も評価する事もない、ただの隠れた職人技だったようです。
ヘリパイロット着陸パス角の判定、、、、
昨日の記事ではヘリの着陸テクニックでパス角(進入角度)を最終200メートルからは絶対に変えない事が大切だと書きました。
私は自分が長く飛んでマスターして来た事が他のパイロットも普通に出来る物として、昨日は書いてしまっていましたが、2,3件の書き込みを読ませてもらって、昨日の記事が不親切であったと思い直しました。
さて航空機が飛行場やヘリポートに進入していくときは常に一定の角度である事が望ましく、一回一回違っていたら、滑走路やヘリポートに激突したり、高すぎてしまうとまた落とされると言う悲惨な結果が待っています。
ヘリや飛行機が進入角度の高低を判定する場合、目視によるだけでは判定が大変難しく、普通、飛行機の場合はILS(計器進入方式)のグライドパス計器が高いか低いかを常に指示してくれますし、有視界飛行でも少し気の効いた飛行場ならPAPIと言う光の閃光によって、低いか高いかをどんな馬鹿なパイロットでも常時知る事ができます。
ヘリの場合は普通進入の角度は6度とか8度、ステープアプローチ(深くて遅いアプローチ)12度とか決めて、基本的な訓練で何回も訓練し見え方をマスターすることになっています。
しかし、今進入している角度が正しいかどうかを示す計器は無く、定見目視のみによって判定しますので、そのために基本的なパターンを地図上で決め、800メートルの位置で最終旋回で直線上に乗せたときの高度が300フィートなら6度、同じ位置で400フィートなら8度 600フィートなら12度と基本的な角度をマスターします。
この800メートルの地点上空での高度によって決めたら、一直線状に進入すれば正しいパス角に乗っていますが、途中で上に行ったり下に行けば当然角度が変わるのですが、新米や下手なパイロットは角度が変わってしまってもわからない事があり、しかも最終的な場所へ近ずくに従って小さな高度のずれは角度とすれば大きなずれとなります。
もうひとつ判定を困難にする要素には、ヘリポート面と進入して来る経路が同じ標高で同じように水平になっているかと言う事があり、たとへな屋上へリポートで着陸面が50メートルなどと、地表から大きく離れていると進入角度の判定はさらに難しくなります。
つまり下手なパイロット、未熟なパイロットは自分が飛ぶべき進入角を決めるにさいして、判定する能力がない、あるいは足りないとなれば、修正が出来ない、高いか低いかわからないと言う大変危険な飛行をすることになりかねません。
高いか低いかによって、速度のコントロールとパワーのコントロールを適切に行わないと秦野の墜落が待っています。
さらにヘリのパオロットはヘリポートの進入に際して最終進入の距離を任意に設定できますので、最終旋回に高度を何フィートにするか、そしてその高度では進入角度を6度にするか12度か、障害物が高いので20度にするか自分で決めて、それが自分の決めたコースより低いか高いかを修正するか、パワーコントロールや速度コントロールを加減するかを調整する必要があります。
定期便のパイロットや小型機のパイロットはILSやPAPIが正しいコースを指示してくれますので同じ親友が出来ますし、飛行場が空母や断崖絶壁になっている事は非常にまれにしかありません。
このようにヘリの安全確実な着陸にはパイロットの熟練度が大変影響し、特に屋上ヘリポートや障害物に囲まれたヘリポートの場合は進入方法そのものがかなり高度なテクニックが必要で、1000時間の経験ならいつ墜落しても不思議ではありません。
定期便のパイロットがまれに旋回進入などでILSを使わないで有視界で目視で着陸する場合がありますが、通常ILSで数多く着陸しているので角度を体感で覚えていることと、PAPIだけは殆どの飛行場に整備されていて、高すぎたり低すぎたりならないようになっています。
と言うことでヘリパイロットは飛行機のパイロットよりは少し難しいことを求められている実態があり、この事は一般には殆ど理解されていないようです。
少しでもこのようなことを理解するなら、日本国中に屋上へリポートをあれほどめったやたらに作れないはずですし、簡易のPAPIを着けようか程度の頭は働くと思うのですが、殆ど裸同然の無防備のようですので、危険が一杯と言うところでしょうか。
ヘリパイロットは飛行場なら誰でも着陸できますが、着陸する場所は千差万別危険が一杯です。
とここまで書いて、棒大手のジャンボの教官操縦士OBがジェットレンジャーで飛行場に着陸しようとして管制とにぶつかりかけた例をふと思い出し、彼は一体どんなパイロットだったのか謎と言うことになります。
ドクターヘリの着陸テクニック、、、
ヘリコプターの基本操縦教程には着陸方法として、ノーマルアプローチ、そして基本の進入角度より浅いアプローチ、深いアプローチと3種類の進入方法を訓練し、マスターすることになっています。
それは着陸するヘリポートの地形や障害物に合わせて安全確実にそしてして出来ればスムースに早くと言うことになります。
と言うのは廻りに障害物が無ければ低い確度、浅い角度で進入できれば速度の速い進入が可能となり、障害物で囲まれていれば、ゆっくりとしかアプローチできないことになります。
さらに言えば一定以上の深い角度で進入する場合、簡単に言えば自分の吹き降ろす下向きの気流の中へ入ってしまって、急降下になってしまい、神奈川ドクターヘリの秦野事故のような事が起こりかねません。
逆に低く入ってくると周りの障害物に引っ掛かって墜落と言うことになりかねませんから、ある程度の障害物との離隔を確保した上で成るべく低い進入が拠り効率的で安全と言うことになります。
低い進入をすると、周りの住民の方に騒音の被害を与える恐れがありますので、進入角度の設定は最終200メートル程度とし、高い高度からの進入は2段階に設定してやり、遠方では深い角度でも安全な速度を維持し、最終200メートルくらいは障害物をクリアできる成るべく低い角度とします。
ここで問題なのは自分が決めた進入角度で入ってきても、最終的の障害物との離隔で最終付近で高くなる事が大変危険で肝心な危険領域が深くなるなったりするのは経験技量が浅いパイロットに起こりがちです。
最終50メートル付近からは速度が大変遅くなるので、深くなると落とさせる可能性が高くなるのですが、障害物に対する離隔と進入角度の設定の見込みが狂うと落とされて秦野のようになります。
いずれにして深い角度でも浅い角度でも、進入末期のホバリングに移行する付近の進入角度維持が安全性と迅速性には欠かせないアプローチとなりますが、殆どのパイロットはこの付近で高くなる傾向があります。
特にドクターヘリのように障害物に囲まれた場所への離着陸が多いとどうしても高くなりがちなパイロットが多いようです。
意識的に高くする場合は最終の沈下率をごく小さくし、パワー入れてゆっくりと降りていく操作が重要なのですが、それでも横風や背風、過重量の序ぷ権では慎重な操作が必要となります。
基本的には最終200メートルはパス角を変えない操作が重要で、これでホバリングに移行すれば落とされる事はありえない安全な着陸となります。
一番このようなリスクがあるのは屋上へリポートへの着陸で、最終時に高く入ってくるのは大変危険な操作なのですが、ほぼ10人中8人は危険なアプローチをしているのが実態で、いずれ大変な事故が起こる可能性があります。
まだまだ起きるパイロット飲酒摘発、、、、
実刑や懲戒解雇、諭旨免職などが連続して起こったパイロットの飲酒問題ですが、これだけ騒がれても根が深くて収束する様子はないようです。
ここまで来ると捕まるのはほぼ確信犯ばかりで、検査で引っ掛からなければ飛ぶ気満々のようなようですので、検査によって必ず摘発するように願うしかなさそうです。
定期運航会社はパイロット不足の中、飲酒摘発や急な体調不良などに備えて、待期要員を今まで以上に配置するしか手は無く、更なるパイロット不足になりそうです。
発着便数の格段に多い羽田や伊丹には待期要員を配置する事は比較的簡単で効率もよさそうですが、神戸空港など便数の少ないところは待期要員は配置できないでしょう。
今回も1時間以上遅れたそうですが、伊丹で待機しているパイロットがタクシーなどで神戸に移動する時間がかかるからですが、地方空港などではかなり困難なようです。
検査に引っ掛かって飛ばなければ単なる社内規定違反で、調子に乗って見せしめで解雇を繰り返すとパイロット不足に輪をかける事になりそうですので、処分はほどほどにする必要がありそうです。
ただし競合会社間であっても、酒で他社を首になったパイロットをお互いに採用するような闇協定でも結べば良いかもしれませんが、変に正義感の強い日本の社会やマスコミは許さないかも知れません。
さてパイロットの飲酒問題はこれで実態が良くわかり、解決方法がなかなかうまく行かない事がわかりましたが、実は問題は定期便以外のパイロットの間でも同じような問題がある事は確実で、検査医体制や予備要員、さらには組織内の馴れ合いなど難しい問題が隠れていそうです。
と言うのはその社会に35年いたので良くわかりますが、たまには深酒したり、寝不足になったり、過程的な悩みを抱えていたり、会社内のゴタゴタで悩んだりとパイロットも人の子色々ある事は確かです。
ドクターヘリをはじめ警察消防など公的ヘリ、民間運航のヘリなどおなじような問題を抱えている事は間違いありませんが、定期便のように表に出てくる事はあまりなく、上手く解決しながら飛ばすことにはより困難であると言えるかも知れません。
ドローンと実機の衝突防止は、、、、
読者の方から書き込みいただいたドローンと実機の衝突防止についての件について今日は少し書いてみます。
航空機が他の飛行物件や地上の障害物などとの衝突を避けるために様々な規則を決めて規制をして来ましたが、無人機やドローンについては新しいカテゴリーで一挙に膨大な数が飛ぶ時代となりそうなので、規制当局は頭を悩ましていることでしょう。
航空機の他の物件との衝突を自動的に避けるシステムはまだ実用化されていなくて、接近を知られる装置があるのみで、それもお互いにトランスポンダーを積んでいる航空機同士に限られています。
ドローンの膨大な数の運航を見込んで自動的に衝突を回避する装置を開発する事はすぐにでも可能でしょうけれども、人が乗る航空機は急激な回避運動は出来ませんし、決められた飛行ルートを右に左に回避しながら飛ぶ事はあまり実用的ではないでしょう。
と言うことでかなりの時期の間は飛行空域を分けるということしか対策はなさそうで、大量のドローンが宅配をする事は難しいのではないかと思います。
一般の航空機が最低安全高度以下を飛行するには、あらかじめ低空飛行をする空域を地上などから調査し、飛行が安全であることを証明する文書を航空当局へ提出して許可を取ることになっています。
普通は150メートル以下を飛行する場合なので、一般に無人航空機が150メートル以下での飛行をほぼ無条件で認めていたようです。
マイクロライトなど人が乗る簡易の航空機の場合は有視界飛行方式に限っていて、通常の航空機との間で、お互いに目視で回避できると言うことですので150メートル以上を認めています。
ただし日本の殆どの地域を占める管制区という、航空機が計器飛行方式で飛行する可能性のある空域の最低高度が200メートルとなっていて、200メートルが上限となり、それ以上は安全性を確保できれば許可するとなっているようです。
ドクターヘリなど救助の航空機は最低安全高度以下の飛行をパイロットの判断で常時認められていて、自ら他機との衝突防止をしない、出来ない無人航空機の150メートルまでの空域と完全に競合しています。
と言うことで、もともと有視界飛行方式で自らお互いに回避操作が出来る航空機間の場合は競合を認め、回避操作が出来ない恐れがある航空機間の衝突防止は空域を分ける、高度を変えるなどを原則としてきました。
空港付近などは離着陸操作などのため十分に回避操作が出来ない空域は無人航空機や軽量航空機の運航は認めていませんが、その他の空域で200メートル以下あるいは150メートル以下を自らの判断で常時低空飛行を認められている救助の航空機と、ドローンなどとの衝突事故は必ず発生する事が予想されますので、その点の安全性確保がどうなるのかは多いに注目しています。
すでにドローンやラジコン機とニアミスしたドクターヘリの例はかなりありそうですが、ほとんど調査や注意喚起は行われていないようです。
産業用ドローンの飛行空域とドクターヘリの飛行空域はかなり重なりそうですので、今後の動向に注意する必要がありそうです。
豊岡ドクターヘリ 放映 記事、、
先日朝日放送で放映されたものが記事として取上げられていました。
ドクターヘリで対応した患者の様子や、育休中の女性医師のことなどを上手く取り上げているようです。
そして私が在職中は40歳少しであった小林センター長は50歳と取上げていましたので、月日の経つのは早いようです。
いまだに先頭になって現場に集中しているところは当時と少しも変わらないようであまりの多忙に体のことを心配してしまいます。
私たちヘリのクルーは日中だけですが、彼らはいつ寝ているのかと言うほど昼夜にかかわらず働いていました。
10年前から医師看護師の数は2倍以上になっているので花以下と思うほどですが同じようにヘリの出動回数も2倍になっています。
救急医療の需要はそれほどあるということのようで、豊岡のドクターヘリがカバーする地域に住む人たちは良い救急医療体制の中にいるということでそれだけでも住民福祉の良い環境にいるということのようです。
このような事は自分自身が救急患者になってみれば、どれほどありがたいことかが身に染みてわかりますし、自分自身が救急患者になった経験が無くても、周りの知人や家族が世話になる可能性が高いということになります。
定年自衛隊パイロット民間で活用へ
国土交通省は定期便パイロット不足に根を上げて自衛隊定年パイロットの資格取得を改善して活用することを発表したようです。
私が自衛隊を退職した1972年当時から、自衛隊員が防衛庁のパイロット資格を取ると同時に民間の事業用操縦士の資格を付与する準備が始まりすぐに実行されました。
しかし当時からすでに50年も過ぎていますが、常に計器飛行で飛ぶ自衛隊のパイロットが持つ部内の計器飛行証明や教官資格である操縦教育証明は自動的に付与される制度が無く、必要に応じて取得させる事が成されていたようです。
定期便のパイロットが飛ぶには計器飛行証明と、実際に飛ばす航空機の型式限定が必要で、割愛で中途で退職したパイロットは就職した社内で訓練を受けこの資格を取得していました。
ところが現在の新人パイロット採用の最低資格は事業用操縦士資格と計器飛行証明が必要で、定年退職者はこの計器飛行証明がネックとなり殆ど就職できないで、優秀なパイロットが自動車保険の事故査定やの仕事やガードマンなどに雇われていました。
一部訓練部隊の教官などの経験者は操縦教育証明を持っていましたので、飛行学校の教官として余生をパイロット育成で有意義に過ごしていたようです。
航空会社が計器飛行証明を最低要件として求めるのは、事業用操縦士資格だけでは資質が十分でないと診ているためで、それは訓練の殆どをアメリカでやるため、パイロットとしての適性能力が十分でないものが紛れ込んでいる可能性が高いからでしょう。
一発試験では資質をなかなか十分に見抜けなくて、不適格者がまぐれで試験に合格する可能性が高いということでしょう。
その点自衛隊での長い飛行経験のあるパイロットは、試験の対策は下手でも飛行技術は十分あるので、簡単な試験で計器証明と型式限定を合格させますよと言っているようなものです。
実情はその通りですが、出身によって試験に不平等をすると言っているようなものですからあまり公正とは言えませんが、自分たちが困ればなんでもありと言うことでしょうか。
この反対の事が大昔、自衛隊が政府専用機を導入する時のパイロットの資格試験に嫌がらせをした実績があります。
政府専用機の運航を民間登録機でやることになり、ジャンボは定期運送操縦士資格、ヘリの332は限定変更試験が必要で、当時の該当者は事業用操縦士資格すらなく、年配になってから、学科試験から実地試験と、硬くなった頭で相当苦戦し、不合格にされていじられ、運航開始があわや延期と言うギリギリで恩着せがましく合格させたと言う噂が蔓延しました。
実力のあるパイロットなら多いに活用は結構なことですが、やることに一貫性が無く、泥縄ばかりだと行政の基本的な姿勢が疑われかねません。
55歳のパイロットはやはり相当くたびれていて、新しいことを十分こなせるかどうかは本人しだいと言う面も強く、適性な選抜と訓練が必要でしょう。
JALのジャンボの機長が子会社の小型機へ転向するに際して、何人も首になったり、ANAの同じくジャンボの教官機長が定年後ヘリに乗り換えて、管制塔にぶつかりそうになったりと情けない武勇伝が数多くあるようです。
年寄りになると、ヘリヘリパイロットは、、、、
ヘリコプターのパイロットに限らず、高齢化によって今まで普通に出来ていた様々な事が出来なくなる状態が起きてきます。
19歳で飛びはじめて、年齢を重ねるにしたがって経験と知識が増え、だんだんと技量が上がって来ますが、人間悲しいことにいつかはピークを打ち、下がり始めます。
そしていずれ限界を迎える前には現役引退となるのですが、行政がチャンと制限年齢を決めてくれていますので、できればその年齢までは長持ちさせたいものです。
30代40代とがむしゃらに飛んで来ましたが、肉体的な低下を厳然と確認させられたのは、朝から100回以上も木材を運び、少し日没過ぎては入るもののまだ明るい中を飛んで、基地のある空港へ着陸しようとして、計器類を確認した時、焦点が合わずに小さい計器の指針がぼやけて見えたときです。
ただ単に加齢による老眼を自覚しただけですが、その後は身体検査に条件がつき、近距離用めがねと予備携帯となりました。
ずっと後から当時を振り返ると、すでに40代に入ったっころから技量的には低下傾向になっていて、ヘリが自分の思ったように動かなくなっていたのかも知れません。
運動機能と知覚の能力の低下で長吊りのフックを自在にコントロールできなくなったり、時間当たりの運搬回数が減ってきていたかも知れません。
50歳近くなると明らかに低下してきて、何時も一緒に仕事をする地上の作業員からのうわさも聞くようになり、いよいよ終わりかと思ったものです。
それでついに物資輸送の仕事は潔く下りて、地方の管理職として電話番とテレビ取材のフライトをするようになり、最後はドクターヘリに従事して引退となりました。
あのまま物資輸送を続けていれば、地上の人に怪我をさせたり、下手をすれば墜落したかも知れませんし、それでなくても自分の技量低下を口でごまかして、飛び続けるような生き様はあまり好きではありませんでした。
自分の技量が明らかに低下していく事は寂しいものですが、そのことによって、一緒に働く整備士など多くの仲間に迷惑をかける事は確実でしょう。
高齢者には高齢者向きのフライトがあり、上手く配置転換が図れるような体制が望ましいのですが、パイロット不足、仕事不足ではなかなか理想どおりには行かないようです。