イタリアでヘリと小型機が衝突7名死亡、、、、





 イタリア北部のアルプスで3人乗りの遊覧飛行の軽飛行機と、ヘリスキーの350らしき6人乗りのヘリが空中衝突し、ヘリが全員6名死亡、軽飛行機は1名が死亡2名は助かったようです。

 空中衝突の場合、ヘリ同士でも軽飛行機との場合でも殆ど助からない事が多いのですが、今回軽飛行機の方で3名の内2名が助かったのは奇跡的で、雪がクッションになったのでしょうか。

 日本でも過去にはヘリ同士の衝突事故が複数回起きていますし、ヘリと軽飛行機の衝突も起きていて、これは同じ中日本航空同士がぶつかる悲惨な事故でした。

 今回の事故の場合、ヘリが離陸直後であったとか、軽飛行機も着陸寸前であったと言うような情報があるようです。

 航空機のパイロットは、離着陸中はどうしても離着陸操作に集中しますので、外部の見張りがおろそかになり勝ちで、特にヘリの場合は四方八方へ離陸するのと離着陸時直前直後の旋回をする場合も良くあり、ある程度まっすぐに離着陸する軽飛行機のすぐ直前直後を横切る可能性があります。

 雪山での離着陸する場合、軽飛行機はある程度決まった平坦地での離着陸になるのでほぼ決まったところになりますが、ヘリの場合はスキー客の求めに応じて平らであればどこにでも着陸する可能性があり、斜面の影からいきなり上がってくる場合などが考えられ、離着陸中の軽飛行機と共にお互い避け切れなかった可能性があります。

 これとおなじような事故は大昔、熊本県で農薬散布中のヘリ同士が、小さな山を挟んだ別の場所へ離着陸していて、両機がいきなり出くわして衝突した例がありました。

 広い雪山の山間部で遊覧飛行中の軽飛行機とヘリスキーのヘリがぶつかったそうですので、やはりヘリや軽飛行機が離着陸する場所が限られていて、狭い空域の中で、相当難しい雪山離着陸の操作に集中するあまり、外の見張りがおろそかになったのでしょうか。

 農薬撒布中のヘリが、それぞれ接している自分の担当区域の境界付近でぶつかった事がありましたが、これも難度の高い農薬散布飛行に集中するあまり、お互いに外界の見張りがおろそかになった例です。

 広い雪山でも離着陸する空域地域は限られているので他機が飛んでいればぶつかる可能性があり、農薬散布でも自分の担当する地域には他機は飛んでいませんが、境界付近では大きい姿勢変化の切り返しのターンをする関係上他機の担当空域をかすめるため、ぶつかる可能性があった言うことでした。

 事故には原因と結果があり、原因を後で知っても天国かも知れませんが、危険見積もりは過去の事例を学べばおのずから傾向と対策がわかるものです。

スポンサーサイト



プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
12 | 2019/01 | 02
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ジャンルランキング
[ジャンルランキング]
その他
9位
ジャンルランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
9位
サブジャンルランキングを見る>>
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

訪問者数
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR