アメリカでEMSヘリ墜落3名死亡,,,

 



 ファイスブックを見ているとアメリカオハイオでベル407のEMSヘリが墜落し3名が死亡したというニュースを見かけました。

 その後根っとを検索しましたがその元ニュースが出てこないので詳細はよくわかりません。

 死亡したのはパイロット1名と2名の救命士か看護師のようで、患者は乗っていなかったので、現場へ向かうところか、任務を終了して基地へ戻る途中のどちらかのようです。

 アメリカの医療ヘリは日本のドクターヘリとは様々な点で大きく違っていて、一番の違いは公的な費用補助は原則なくて、自由競争のようです。

 ヘリにかかった費用は本人か本人が加入してる医療保険で支払われるので、高額のヘリ費用は結構取りっぱぐれがあるようです。

 日本人が現地で医療ヘリに世話になって数百万円請求されたというような話も伝わっています。

 飛んでいるヘリの数は日本の10倍以上あり、事故も多くて年間10機以上墜落するような時期もありましたが最近はかなり落ち着いていました。

 使うヘリの機種も自由で単発小型のベル206Lから双発高級機のS76まであり、また計器飛行や夜間飛行も自由自在でやはりそれなりに事故のリスクも高いようです。

 さて、今回の事故の情報が少ないので原因については全く分かりませんが、不時着ならほぼ生存者がいることが多いので、機体のトラブルや急な悪天候で不時着しようとしたのではないと思われます。

 アメリカに比較して、日本のドクターヘリは公的資金の導入で過当競争になることもなく、ヘリ運用の多くのことが一定基準によって守らている点は安全上有利に作用しているようです。

 アメリカの医療ヘリの事故は日本のドクターヘリ運航の安全には大変重要な情報となりますので、注目し、そして検討して情報を共有する必要があるでしょう。



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ヘリコプターの中心はどこ?。。。


 ヘリコプターの中心はどこ?と言うのが今日のテーマです。

 物を吊り上げたり、救助で人を吊ったりするとき、パイロットは荷持つや吊った人をコントロールしますので、その吊り上げた中心がヘリコプターの中心と言うことになります。

 あるいは定点に着陸する場合も操縦席の自分の位置をが中心に着陸するのではなく、ヘリコプターの中心 つまりローターの付け根、マストがヘリポートマークなどの中心に着陸することになります。

 飛行機の場合も滑走路への着陸やエプロンの定位置へ停めるときも飛行機の中心線が来るようにするには、着座位置から50センチか1メートルずれたところが中心線となります。

 戦闘機やヘリでも昔のKH4などはパイロットが中心線に座りますので、サイドバイサイドの機種に乗った場合は少し違和感があります。

 ヘリが荷持を吊ってアプローチする場合、普通に着陸のアプローチをする場合、遠くの方では自分が中心としてアプローチをし、どこかで中心をヘリの中心に切り替えてやる事が必要となります。

 それもいつ切り替えたかわからないようにする事が重要で、特に長い荷持を吊ったときには重要となります。

 なぜなら、この程度の小さな修正でも、長く吊っていると吊り荷が振れてしまうからです。

 この修正操作が横に乗った整備士などが気が着かないほどスムースにできるようになると、熟練度も高いのですが、これを気にするパイロットは少ないようです。

 つまり 自分が中心で最後までアプローチしてから、吊り荷を降ろしたり、ヘリポートの中心に着陸する時に修正する癖が着いてしまっているパイロットも多いようです。

 ヘリコプターはホバリングと言って空中で一点停止をしながら、ターンをするホバリングターンと言う操作が出来、試験でも科目にあるのですが、このホバリングターンの中心も微妙な差があります。

 特に小型機なら殆ど違和感は無いのですが、操縦するパイロットを中心にホバリングターンをするのが普通ですが、あるいは自然とそのような操作となってしまうのですが、ヘリが大きくなるほど、マスト、つまりロータの中心を軸としてターンしてやる必要があります。

 そのような癖が身に着いていないと、長い荷持つを吊った場合にホバリングターンで大きく荷持つが振れる可能性があります。

 ホバリングターンはヘリの任意の部分たとえば、テールロータの位置を中心として旋回することも出来、障害物に囲まれてテールローターを動かせないときなどの旋回に応用する事が出来ます。

 ヘリをあらゆる状態で動かす時、操縦席の自分が中心ばかりでなく、ヘリのある位置を中心に動かすと操縦席の自分はどのような動きをするのかなど、日ごろからの着眼が必要で、自由自在とはどうあるべきかと言うことにもなります。

ヘリコプター、最大パワーはどのくらい使えるか、、、、



 車でもヘリコプターでもメーカーカタログには最大馬力が記入されていて、普通は使用可能な最大馬力であったり、エンジンの最大馬力であったりします。

 ヘリコプターの場合はいわゆる最大馬力と言われるものが何通りもあり、エンジンの定格最大であったり、ヘリコプターのメインギアボックスに入れる事が出来る最大馬力であったりします。

 またメインローターとテールローターに入れる事が出来る最大馬力であったり、また緊急時にはローターのピッチ角度が通常の最大値より大きく上げる事が出来ます。

 そこにエンジンの最大馬力まで入ると、通常の制限値の1,5倍もの馬力が入る可能性がありますので、ホバリング状態だと当然トルクを打ち消すテールロータの性能限界を超えてしまいますので、振り回されてしまいます。

 ホバリング状態で落とされて止まらない時など、緊急パワーとして定格の100%を超えてしまうと、超えた数値によってギアボックス取り降ろし点検など、ダメージがないかの分解点検などが必要となります。

 つまり車のようにアクセルが一杯でそれ以上踏み込めないのではなく、通常馬力の1.5倍程度までは踏み込めるようになっていますし、ピッチレバーのちょうど通常の100%のところには何の仕掛けもないどころか、高度や飛行速度によっても100%位置がかなりの量変わってきます。

 高度が高くなると空気が薄くなって抵抗が低下し、たとえば最大1000馬力でローターを回す力はより大きな角度となりますので、ピッチレバーの角度は大きくなります。

 もともと1000馬力などと決まっているギアボックスの制限馬力に対するエンジンの出力馬力は1.5倍程度になっていて、上空に上がって空気が薄くなって、出せる馬力がどんどん落ちてきますのである高度になるとエンジンの出せる馬力とギアボックスで使える馬力が一致する高度があり、その高度まではヘリコプターとしては100%の馬力が使えることを表してフラットレートエンジンと呼ばれています。

 それ以上の高度になってピッチレバーをさらに上げて馬力を出そうとしてもエンジンが限界なのでローターの回転数が落ちてきます。

 このような状態が起きて、使える馬力が制限される前には、すでに空気が薄くなってローターの発生する揚力が落ちてきますので、通常シングルエンジンのヘリでは6000フィートくらいから、双発エンジンのヘリでは8000フィートくらいから、明らかに性能が落ちてきてアルプスなどの救助飛行などでは、燃料を減らしたり、乗員の数を減らしたりして、へリコプターの重量を落とす必要が出てきます。

 また双発タービンエンジンの場合、離陸時に片方が止まると、残ったエンジンが通常より大きい緊急パワーが使用できるようになっていて、30秒以内と2分30秒以内の2段階などと大きく制限以上使えることになっています。

 最近のヘリは燃料コントロールがデジタルとなっていて、最大パワー以上を使用した場合は記録が残るようになっていて、無理な使用はすぐにばれてしまいます。

 このように色々と制限事項がありパイロットは大変だと思われるかも知れませんが、ではどうするかと言うと常に必要最小限のパワーで飛べるようなテクニックを身につける事が大原則で、これが機体を愛護に自分の命を守る大原則となります。

 つまり 必要のないのにTA級離陸が安全だなどと称して、目一杯のパワーを使うような癖をつけていると、いざと言うときには大変な目に会うことになります。

テレビは終わったか?






 「嵐」と言う男性5人の芸能グループが2年後にグループとしての活動を休止すると発表したそうです。

 そのグループが一体何者なのか、興味もありませんでしたし、知らなかったのですが、なんとニュースのトップで延々と流していました。

 臨時のテロップも出たそうです。

 NHKはじめテレビは終わったなと言う実感でした。

 最近はニュースもネットでしか見ませんし、テレビはわけのわからないバラエテイやトーク番組、そしてあちこちの田舎へ行って素人を出させる旅ものバラエテイばかり、おなじような番組ばかりです。

 最近までは「そこまで言って委員会」やたけしの「テレビアタック」などを見ていましたが、今は定期的に見る番組は無くなってしまいました。

 新聞もおなじような状態で毎日来る粗大ごみを一回も開かないで終わる日が多くなりました。

 昨日からテレビはテニスの大阪なおみを追いかけているようですが、短期的に視聴率を取れれば何でも良いのであって、すぐに熱がさめるでしょう。

 フジテレビはドクターヘリを追いかけて小銭を稼いだようですが、小さなアドバルーンで終わりそうですし、お世話になった現場のドクターヘリに寄付でもするかと思って見ていましたがそれもなさそうです。

 テレビのニュースの枠は最後まで有望な分野なのですが、超大地震、巨大台風、局地的な戦争など、ビッグマターが無ければあまりに地味な仕事で、偏向報道しか脳がないようです。

 嵐報道でテレビは自殺をしたのでしょうか。


イタリアでヘリと小型機が衝突7名死亡、、、、





 イタリア北部のアルプスで3人乗りの遊覧飛行の軽飛行機と、ヘリスキーの350らしき6人乗りのヘリが空中衝突し、ヘリが全員6名死亡、軽飛行機は1名が死亡2名は助かったようです。

 空中衝突の場合、ヘリ同士でも軽飛行機との場合でも殆ど助からない事が多いのですが、今回軽飛行機の方で3名の内2名が助かったのは奇跡的で、雪がクッションになったのでしょうか。

 日本でも過去にはヘリ同士の衝突事故が複数回起きていますし、ヘリと軽飛行機の衝突も起きていて、これは同じ中日本航空同士がぶつかる悲惨な事故でした。

 今回の事故の場合、ヘリが離陸直後であったとか、軽飛行機も着陸寸前であったと言うような情報があるようです。

 航空機のパイロットは、離着陸中はどうしても離着陸操作に集中しますので、外部の見張りがおろそかになり勝ちで、特にヘリの場合は四方八方へ離陸するのと離着陸時直前直後の旋回をする場合も良くあり、ある程度まっすぐに離着陸する軽飛行機のすぐ直前直後を横切る可能性があります。

 雪山での離着陸する場合、軽飛行機はある程度決まった平坦地での離着陸になるのでほぼ決まったところになりますが、ヘリの場合はスキー客の求めに応じて平らであればどこにでも着陸する可能性があり、斜面の影からいきなり上がってくる場合などが考えられ、離着陸中の軽飛行機と共にお互い避け切れなかった可能性があります。

 これとおなじような事故は大昔、熊本県で農薬散布中のヘリ同士が、小さな山を挟んだ別の場所へ離着陸していて、両機がいきなり出くわして衝突した例がありました。

 広い雪山の山間部で遊覧飛行中の軽飛行機とヘリスキーのヘリがぶつかったそうですので、やはりヘリや軽飛行機が離着陸する場所が限られていて、狭い空域の中で、相当難しい雪山離着陸の操作に集中するあまり、外の見張りがおろそかになったのでしょうか。

 農薬撒布中のヘリが、それぞれ接している自分の担当区域の境界付近でぶつかった事がありましたが、これも難度の高い農薬散布飛行に集中するあまり、お互いに外界の見張りがおろそかになった例です。

 広い雪山でも離着陸する空域地域は限られているので他機が飛んでいればぶつかる可能性があり、農薬散布でも自分の担当する地域には他機は飛んでいませんが、境界付近では大きい姿勢変化の切り返しのターンをする関係上他機の担当空域をかすめるため、ぶつかる可能性があった言うことでした。

 事故には原因と結果があり、原因を後で知っても天国かも知れませんが、危険見積もりは過去の事例を学べばおのずから傾向と対策がわかるものです。

この冬 最強の寒気団、、、










  暖冬の傾向で推移してきた今年の冬ですが、一級の寒気団が降りてくるようです。

 日曜日までは北陸と西日本の日本海側でも大雪の恐れがあり、太平洋側でも積雪の予報が出ています。

 真冬にヘリコプターを飛ばす事はなかなか大変で、普通でも苦労しますが特にヘリポートや飛行場以外の現場へ離着陸する運航内容のヘリは大変です。

 その中でも山間部の積雪の多いところへの離着陸は相当なリスクがあり、過去には事故が多く起こっています。

 私は個人的には20代半ばからはじめた送電線の仕事で山間部への離着陸をはじめ、引退した60代には豊岡の山間部へドクターヘリで離着陸する仕事で無事無事故で終わる事が出来ました。

 シベリアからの強い寒気団の時には積雪、降雪、強風、ホワイトアウト、ハーレーションなどがヘリの運航の障害となりますが、安全マージンを多く取って飛ばなければ安全ですが、飛行任務を少しでもやろうとなるとリスクが極端に上がることになります。

 今日明日は全国のドクターヘリがほぼ運休常態となりそうですが、強風や降雪に負けず、チャンスを見て飛ぼうとするとずいぶんと緊張した待期状態となります。

 特に降雪中の空域を抜けて飛ぶには送電線や高い構築物、山岳地形などの習熟していて、常に退路を確保しながら飛ぶ、相当な熟練が必要となります。

 そんな時にはドクターヘリ基地に併設してドクターカーがいてくれるとパイロットに取っては大変心強い思いがします。

 ヘリのダウンウオッシュによる雪の舞い上がりでホワイトアウトになる危険性は朝の新雪が一番危険で、これを訓練などで必ず一度は経験しておく必要があり、いきなり入るとパニックになりかねません。

 寒気団中の冬の気象変化は大変早く、視程10キロが降雪によって5分で100メートルに落ちる事は普通にあり、これもヘリパイロットに取っては大きなリスクです。

 ここ2,3日 全国のドクターヘリパイロットは自分の給料が安いことを思い知る時期となります。

民間ヘリ会社、弱い立場のパイロット集団、、、






  群馬県防災ヘリの有識者委員会の提言を見ているうちに、民間ヘリ会社のパイロットたちの立場があまりにも弱いということに思いが行き着きました。

 民間のヘリ運航会社はパイロットだけで構成されているわけではなく、どちらかと言えば少数派と言うことになります。

 日本は基本的に民主主義の国家で会社運営でもいわゆる組織上の強権力のほかは一見民主的な多数決のような方法もある程度は取られるようでした。

 つまり会社運営に於いてはパイロットは全社員の3分の一以下の一番の少数派で普通は整備グループが一番多く、次には経理や庶務、営業、資材、人事総務など事務職グループとパイロットグループはほぼ同数と言うところでしょうか。

 その各グループも経営陣、管理職、一般職と分かれますが、パイロットは特殊技能で訓練に多額の費用がかかっているため、一般職、管理職は言うに及ばず下手をすると役員までが一パイロットとして一機のヘリを持って飛び回る仕事をしながら、片手間に管理職と言う形態が多くなります。

 つまりは他の職種の管理職がいわゆる管理業務を専門にするのに、片手間管理職のパイロットは管理業務や、会社の重要事項の決定において軽視される傾向が強いように思いました。

 と言うことでヘリの導入機種決定にはほぼ関わる事はないほか、下手をするとパイロットの採用や乗務機種の決定などにも主導権を取る事が出来ないようでしたので、パイロットの技術的な将来性なども見通せない状態といえるようでした。

 極端ことを言えば次の防災へりにどのパイロットを昇格訓練して当てるかと言う純粋技術的なことすら、パイロット集団が主導権を取る事が出来ないで、いわゆる民主的多数決や経営者のトップダウンで決まるような傾向があって、極端な例では墜落事故が起こったら「そりゃ落ちるよ」などを陰口を叩いたようなこともありました。

 群馬県の防災ヘリの事故は純粋なパイロットの技術的な原因で起きているにもかかわらず、有識者にパイロットが3分の一もいないと言う事がこのような傾向の現われとなっているのに何の疑問も持たないようです。

 もちろんこのような事は、民間会社なら経営が最優先するから仕方がないと言う一面もあるのですが、経営トップが官庁や親会社からの天下りの時には3.4年の自分の在任期間だけの業績に極端にこだわって利益最優先になったり、自分の周りにお友達ゴマすりグループを作ったりと、運航会社の本分を無視したりするような傾向があります。

 パイロットは一機を持って飛びますから、そのようなグループでごますり飲み会には出ることも出来ず、運航上の重要な決定が素人が決めると言う可能性があります。

 会社の存続には十分な技量経験がないパイロットでも従事させると言う事がないとは言えないでしょう。

 JALの飲酒問題でも前任のパイロット社長なら対応が変わったかもしれません。

 運航上の重要な決定にパイロット集団が上手く関われない、今の運航会社や防災ヘリ集団などが運航上の事故トラブルを起こして、パイロットが殉職したり責任を追及される構図が隠れていて、事故防止の根本的な解決策がそこにあるかもしれません。

 どんなベテラン経験豊富なパイロットでも審査で首にしたり、身体検査で落としたり、宴席で社長に食ってかかって飛行停止にするなどお茶のこサイサイです。

 パイロットの仲間内でも軋轢があり、試験官に転出したパイロットが元上司の訓練部長の限定試験で不合格としましたし、私が大手を止めて転職した直後、135ドクターヘリの機長審査で40年間のパイロット暦の中で唯一審査試験で落ちたのですが、はるか経験技量の下の審査パイロットが度胸のある判定を下してくれました。

 またどんな下手なパイロットでも332を試験を受けさせて合格させたり、防災ヘリに乗せたりすることをパイロット集団の決定ではなく、経営陣や他職種の上層管理者が決めることなど簡単なことなのですが、天網カイカイ疎にしてもらさずです。

群馬防災ヘ、有識者委員会が報告書提出、、、




 群馬県防災ヘリの悲惨な墜落事故を受けて、群馬県が設置した有識者委員会が報告者を県知事へ提出したことがニュースとなっています。

 内容は毎月安全会議をしろということと、ダブルパイロット制を検討しなさい、悪天候での中止の基準を明確化すること、中止の判断は機長や防災航空隊長の判断に任せないで、搭乗員も天気が悪いから飛びたくないと意思表示できるということのようです。

 この報告内容を忠実に実施しても、おなじような事故はどうも防ぐ事が出来ないのではないかと思ってしまいます。

 今回の事故は山岳部で霧に巻かれて山に激突した事が原因で、山岳部などでの局地的な気象状況に対応できずに、安全範囲を超えて山頂部のガスに近かづきすぎて、雲中飛行になってしまったようです。

 普通このような気象判断は情報が少なすぎて現場に行って見ないとわからないことなどいくらでも発生します。

 このような状況に遭遇した場合、防災航空隊の所長や隊長に意見を聞いたり、ダブルパイロットのサブの意見を聞いたり、まして後席にいる隊員に聞いて多数決で決めよとでも言いたいような結論です。

 このような安全対策はほぼありえないほど低レベルの結論で、機長がすべての責任を負って決心するべき内容で、それが出来ないレベルのパイロットに機長をさせるしかないほど熟練者がいないと言うことなのでしょう。

 十分なレベルの機長を如何に育成するか、初期からの養成は如何ににあるべきなのかなど、根本的な対策は県レベルでは取れそうもないので、全員野球で全員監督、全員選手でやりましょうということのようですが、このチームはかなり弱いチームのまま試合をするようです。

 つまり県としてはお手上げ、万歳ですので誰か何とかしてくださいという内容なのでしょうか、だれか何とかして上げてくださいと言うしかなさそうです。

 

茨城県防災ヘリ ドクターヘリ2号機目としての訓練実施、、





 ドクターヘリの出動要請がだぶって対応できない場合、防災ヘリをドクターヘリ2号機として7月から運航することを決めている茨城県で実際に防災へりを飛ばして訓練したそうです。

 もともとドクターヘリが有効に機能するのは一般的には今でも、重症の救急患者が出た場合に手遅れで死亡することを防ぐと言う機能です。

 救急患者に対してヘリコプターを使用する目的は重症患者に対して医療介入までの時間を如何に短縮するかと言うことになっています。

 しかし、マスコミなどでもいまだに出動要請から病院収容までの時間を短縮すると言う事が重要であると考えられているようです。

 この点でドクターヘリと防災ヘリが根本的に違うのは、出動要請からヘリにドクターを乗せて離陸するまでの時間には、改善しがたい差が歴然としてあると言うことになります。

 つまり訓練するべき事は医者を乗せて離陸するまでの時間を短縮するための訓錬と、防災ヘリが出動待機する場所、出動に当って装備品をどう積み変えるか、そしてどの病院の医師を迎えに飛ぶかという事が重要となります。

 具体的には出動要請が確定し、防災ヘリがドクターヘリ用の装備に積み替えて離陸し、あらかじめ決められた病院の医師を迎えに行って離陸するまでどの程度の時間がかかるか、そしてその時間をどのように短縮出来るかが、防災ヘリをドクターヘリ2番機として飛ばす意味があるかが決まってしまいます。

 この時間が30分以上かかるなら防災へりを2号機として使う事はやめたほうが良いでしょう。

 たとえばこの運航を10年前から実施している和歌山県では、防災ヘリの待機場所から、搭乗する医師の勤務する病院までは飛行時間で5分以内で、しかも医師はすべてドクターヘリ経験者となっています。

 ドクターヘリは重症救急患者の搬送用ヘリではなく、ドクターデリバリーのツールのひとつでしかなく、医師が走っていくか、車で行くか、ヘリで行くかは問題ではなくどれで行くのが早いかという事が一番重要となります。

 一旦救急医が患者に接触すると、救命延命処置は比較的容易で、如何に早く医師を現場へ連れて行くかが一番重要で、離陸に30分以上もかかるようでは年間を通じてほぼ出番はごく限られてしまい、ヘリ運航要員や医療クルーの熟練度はますます上がらず、悪循環となりいずれ飛ばなくなってしまうでしょう。

 このような観点からの制度構築、出動訓練、評価改善を積み重ね、有効なら実施する、有効性がごく低いならやめると言う決断が必要なのですが、全国的に実施されていないのは有効性に疑問があるからでしょう。

ノルウエー空軍のEH101 横転事故、、、





 アメリカのヘリ雑誌 VERTICAL に掲載されたノルウエー空軍のEH101型機の地上横転事故の写真が衝撃的なので転載します。

 この事故は地上運転中にピッチレバーがやや上がった状態で両エンジンを加速したため、揚力が発生して傾いた状態で浮き上がりそうになって、主車輪の片方を支点にダイナミックロールオーバーに入って、傾きを制御できなくなって横転したようです。

 ほぼ同じ内容の事故は熱海で新日本ヘリの332が整備作業中の試運転で横転し、外にいた整備士が巻き込まれて死亡しています。

 日本の航空事故調査委員会はこの事故が整備中の事故なので、事故調査の対象が運航中または運航の準備中の事故に限ると言う理由で事故調査をしませんでしたが、私は事故内容がヘリコプター特有の事故でしかも重要な安全情報を含むのなので航空事故調査委員会が調査しないことを強く批判しました。

 まったく同じ内容の事故が20年近く過ぎて起こったと言う事は、ヘリのパイロットに取っては大変な教訓で、すべてのヘリパイロットがこのような事故を理解している事が大変重要であると思います。

 ヘリコプターが起こす事故で過去に例がないものは無いと言えるほど、同じ事が繰り返されていて、ベテラン新米を問わず、ヘリパイロットが事故を起こさないためには多くの事故例を研究して、自分のものとして日々の運航に当る事が大変重要であると言うひとつの証明になるような今回の事故でした。
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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