トラップに架かったエアーカナダ機、、、
昨日 午後3自45分ころ成田空港のB滑走路へ着陸した、モントリオールからのエアーカナダ機。B787が工事中の誘導路へ誤って進入し、行き止まりで止まり、5時間も身動きできなかったそうです。
もちろんこれはパイロットのポカミスでまったく恥ずかしいトラブルなのですが、航空機が着陸してしまって地上にあるとだだぴろいの飛行場のどこにいるかわからないほど見通しが効きません。
そのため滑走路の出入り口や誘導路の出入り口には、間違わないように看板を掲げてあります。当然使用できない建設工事中の誘導路などには看板はないので間違って入る可能性があります。
さらに行き止まりになっていて、Uターンできない出来ないような構造なら、間違って入らないように×印を着けるなり、ガードフェンスを着けるのが親切というものです。
もうひとつ工事の順序ですが、滑走路に繋がるところは最後にして、逆方向から工事していれば、入ろうとしても物理的に入れませんので、間違ったパイロットにしてみればトラップに架かったものだと言うでしょう。
パイロットは離陸前に航空情報をチェックする義務があり、空港の工事の情報などを事前に確認し、間違わないようすするべきだ、バカヤローといわれれば返す言葉がないのですが、運行を始めて間もない時期だったという不運や、初めてそのタクシーウエーを使うなどどのような状況があるかわかりませんので、空港管理者には外国航空会社に対してだけでなく、誰にでも親切でわかりやすい空港運営をするべきでしょう。
過去に羽田の建設中の滑走路に着陸した例や、フェンスを突き破った例など地上のトラブルが数多く起きています。
パイロットが悪いと言うことで処置すればこのようなトラブルは何回でも起きる事は確実で、パイロットが間違いを起こそうとしても起きないような方法を取るべきで、言葉の壁や慣習や常識のずれなど、日本の航空会社パイロットたちも外国では数多く迷惑を掛けているのは間違いないので、お客様には親切に接するように心がけてほしいものです。
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コードブルー 映画版が終われば、、、
ドクターヘリが飛び出して18年ほど過ぎて、全国ほぼくまなく50機ほど配備されて活躍しています。
ヘリコプターは不思議と各省庁が独自に保有したり、主体的に飛ばしたりと、ほとんどバラバラでやるという不思議なことになっています。
歴史的には農薬散布の農水省、警視庁各県警、建設省、消防、防災ヘリの総務省、文部省のJAXA、通産省の電力会社、もちろん防衛省と多くの省庁がヘリコプターの運航に関わって来ましたが、最後に出てきたのがドクターヘリの厚生労働省でした。
各省庁が飛ばすヘリコプターの内一番に注目を集めたのがドクターヘリではないかと思うほど、メデイアに露出することになりました。
それはフジテレビがいち早くドラマにしてしまい、結構注目を集める中、他のテレビ局が手を出せない状況を作ってしまったのは、大成功と言えるでしょう。
各局がドクターヘリ関連のニュース特版などを企画し、取材に各地の基地病院に結構長期間、張り込んで番組つくりをしましたが、ドラマが流れている期間はドラマの番組宣伝になり、映画が上映されるとその宣伝をしてやっているようなものなので、どうしても他局の放映はドラマや映画の時期を外すということになっていたようです。
もうひとつ、テレビなどメディアの長期間に渡る取材はローカルでない場合は北総病院と豊岡病院が殆どで、他の県はまれであったと思います。
つまりドクターヘリのメディアの取上げは、ほぼフジが主導し、他局が追従またはおこぼれ的にやるという体制が固まってしまいました。
しかも、フジはドラマと映画の関係で北総病院と特別の友好関係が中心になり、他局は豊岡病院や他の主力病院となってしまったのですが、はたしてこれが良かったかどうかは今後評価されることでしょう。
ドクターヘリの運航は公的であり、公共性が強いものですから、取材や放映は出来るだけ全般に公平に、偏ることなくやる事が現状開示や問題点提示などに置いては大変重要であると思いますが、現時点までのメディアへの露出はあまりにもフジテレビに偏りすぎていた嫌いがありそうです。
このため、他のドクターヘリ基地ではほとんど使うことのないフレーズ、「ドクターヘリエンジンスタート」や「コードブルー」が一人歩きして、流行語にまでなったのがひとつの現象としておこりました。
そして冒頭のURLですが厚労省が医療関係のキャンペーンにひとつの私企業の映画をコラボの相手に使い、宣伝に一役買うなどとはあまり常識的ではないような気がしますが、ドクターヘリに予算だけ着けて、まったく何の仕事もしない役所らしい、悪乗りではないかと思ったりします。
さてドクターヘリでうまく荒稼ぎしたフジテレビも今回の映画でいよいよ終わるか、さらに悪乗りしてドラマの4回目のシリーズへぶっこむかの判断のしどころですが、脚本的にはもはやすでに終わっているように思います。
見てきました コードブルードクターヘリ、、、
公開日から1日遅れでしたが、昨日見る事が出来ました。
最近の映画ではかなりの人気のようで、午後3時でしたがほぼ9割以上の入りで、フジテレビが100億円の興行収入と入れ込むのも納得しました。
さて映画の出来の批評ですが、やはり映画のテーマは医療人情ドラマであって、ドクターヘリは殆どテーマの展開には何の影響も与えない、ただ良い絵図らを提供しているようなものだったのは相変わらずで、ヘリ関係者としては大変残念だったと思います。
ということでヘリ運航関係者はドラマの展開にはまったく関わっていませんのでおのずから、パイロット役も後ろにチラッと写るだけでせりふも一切ないと言うさみしい状態でした。
ヘリの飛行の絵が大変良い場面として取り入れられている中で、前回までのテレビドラマで使われていた絵と状況が大きく変わっていることに気が着かれた方は相当な航空マニアです。
MDの操縦特性で、ノーターの効きが大変ダルで、ヘリポートでの垂直離着陸時などにオーバーコントロールになりやすく、それが影響して左右に揺れながら離着陸する事が多いようです。
テレビ版の場合は殆どの離着陸で大きく揺れながら行っていましたので、私がこのブログで批判しましたが、今回は見事にぴったりと水平を保ったままうまく離着陸しています。
タダ離陸時地面を切るところと、着陸時に接地する瞬間はドリフトに対抗するだけのローターの傾きがあるので、必ず一回は揺れが来ます。
この映画ではうまくこの部分をカットして編集し、ぴたりと水平を保ったまま離着陸する様子が本当にうまく描かれています。
私の批判を受け入れて改善しくてれたとしたら大変うれしく思います。
映画の最後に出てくるテロップで飛んだパイロットの名前が5名ほど出てきていましたが、皆後輩で、彼らが良い絵を提供してくれたと思えば最高でした。
さてで、は最後に苦情をひとつあげて起きます。
ヘリポートの真ん中にヘリを据えて地上のカットを何回か撮っていましたが、ヘリの位置が完全にど真ん中のカットと、前に50セントほどずれているカットがありました。方向はすべて見事に1度の狂いもなくまっすぐで、左右もぴたりでしたが、前後が50センチ前過ぎる位置に着陸していて、これはどう見ても、ど真ん中へ据えるべきでしょう。
それから昼間のカットでヘリの前で俳優が演技する場面でヘリのローターを固定するのタイダウンと言うロープで縛ってありましたが、これはドクターヘリの待期ではありえない状態で、タダ単に撮影に協力するクルーが手抜きをしているという状態が現れています。
離着陸のパターンですが、緊急で急いでいるという感じが離陸の時は出ていましたが、着陸のときはなんと高いところ悠長に降りてくるのかというような飛び方も見受けられました。
実物のドクターヘリが危険を犯して悠長に垂直に離陸上昇し、高いアプローチでセットリングに入るくらいに降りてくることを思えば、結構緊迫感のあるカットで、なかなか良くなっていた思いました。
いろいろつまらないことに目が行くものです。ウザイ元パイロットですから、、、
実録 ドクターヘリ救急救命を見て、、、
昨日は映画コードブルードクターヘリを見に行く予定をしていましたが、野暮用が入って今日行くことにしましたので感想は明日になります。
その代わりと言っては何ですがテレビのドキュメンタリー実録ドクターヘリ救急救命をビデオで見ながら感想を書いています。
この手の番組はいつもそうなのですが、ドクターヘリ、、、、と名打っていますが、内容は殆どドクターヘリが出てこない、ただの救急活動となっているような、いつもの番組のような気がします。
ドクターヘリと名を打つならドクターヘリの機能が患者を救ったというようなストーリーとなるはずですが、ヘリはタダ、画面を引き立てる添え物のようなので、ある意味看板に偽りありと言う感じです。
4ヶ月も現場で取材しながら、何故こうなるかと言うと、ヘリの機能で救命される症例がほとんどないのか、あるいは取材するためにはカメラマンが常にヘリに同乗して、飛ぶ事が必要なのですが、搭載能力の劣るMD902では同乗できないという実態があります。
特に心肺停止の患者さんが組成して救命されるような例は、ヘリならではなのですが、番組では救急車搬入でしかも死亡例でした。
日本医科大北総病院の救急医が大学初任給程度の給料で多数働いているという状況があるとの場面がありましたが、緊急手術やヘリ搬入の補助などに多数の若手医師が取り巻いていて、この若手医師たちははたして個々で、十分な経験を積む事が出来るのかと多いに疑問を感じました。
救急医の育成は卒後5年程度のある程度の実務経験がある医師を2,3年でヘリドクターとして飛ばすというような実務経験訓練がぜひとも必要でしょう。
あの大卒初任給程度の医師たちは順調に経験を深めることなく、2,3年で見切りをつけてやめてしまうのではないかと心配します。
ノーベル賞の山中教授が外科研修医のころ、手術質では邪魔中君と呼ばれていたと言っていましたが、何か重なるものを感じました。
ここでドクターヘリとフジテレビの関係ですが、昨日の映画公開に際してフジテレビの役員が奇しくも、映画興行収入が100億円も可能だと言ったそうです。
ドクターヘリがテレビドラマとして始まったいきさつはやはり、ドラマの低迷で苦しむフジテレビが、報道用のMD900が能力不足で一挙に引退して何とかドクターヘリに転用した朝日航洋が余剰のMD900、ドクターヘリ予備機を使って企画したドラマが当たったというところでしょう。
そのドラマは3シリーズまで打つ事が出来、いよいよマンネリで終わらして最後に映画で稼ごうと言う企画のようですが、さて映画は当たるかどうか、結果はすぐに出ることでしょう。
ドクターヘリと名を打ちながら、ストーリードクターヘリが噛んでこないのが関係者としてはかなり不満が残ります。
長野県防災ヘリ パイロット退職!!、、、
この春から再建をめざして、民間からヘリとパイロットをリースして運航を始めた長野県の防災航空隊で職員パイロット2名の内1名が退職したと言う衝撃的なニュースが入っています。
長野県防災航空隊は悲惨な事故のあと、あくまでも自前のヘリとパイロットで運航することを目標に、一時的に民間会社からヘリとパイロットを借り入れて運航を再開していました。
退職したパイロットは40代で2年ほど前に採用され、ベル412に限定資格を県費で取ったようですから、ほぼ2500万円掛かった訓練費用はパアと言うことになるのでしょうか、それとも本人が県に返還するのでしょうか。
あるいは本人は他の県の防災ヘリへ就職するそうですから、その県が肩代わりして支払ってもよさそうなものです。いずれにしても2500万円の県税が無駄になったという可能性が高く、行政不服裁判の可能性が出て来ます。
本人は約800時間の飛行経験を持っていたそうですが、長野防災では機長としての資格は付与されていなかったそうです。
と言う事は長野県はヘリのパイロットを審査して、機長として発令する権限を有していて、それを実行していたことになりますが、誰がその審査をし、またその審査の規定や基準があったということになりますが、自家用運航に当たってはそのような規定は必要ないことになっています。
もしそのような審査規定があるなら一度読んでみたいような気がしますし、審査規定があるならその審査に向けての訓練規定と言うものがあり、一定の訓練をしてから審査するのが通常の手順なので、これらはすべて運送事業など有償事業向けの規定です。
もちろん訓練規定を定めて訓練し、そして審査を行って機長発令しますので、800時間のパイロットが今後どのような経過を経て、訓練を受けることの出来る飛行経験まで副操縦士業務を行い、その後続けて訓練をするかと言う計画がなければ、本人は将来に確信が持てず、やめてしまっても仕方がないでしょう。
次に採用する県ではそのような計画について、確定したものを提示すれば喜んで転職してくることでしょう。
とにかく絵に描いた餅がどんどん腐って行くような状態のように見受けられて、まだまだ軌道に乗るのは先のことになりそうです。
ドクターヘリが始まって以来同じような事が何回起こったかはわかりませんが、県税2500万円をその転職するパイロットが持ち逃げしたと取られても仕方がないような状況でなければ良いのですが、、、、
東京医科大裏口入学とヘリパイロット養成、、、
文部官僚の息子が東京医科大へ裏口入学していた事がばれて、芋つる式に多くの裏口入学がばれそうになっています。
問題は監督行政の立場の役人がズルをして、身内を不正に大学へ入れさせたということで、贈収賄が成り立つ犯罪として追及されていますが、もうひとつの問題は例年ズルをして裏口入学をさせていて、医師として能力のない人間が間違って、診察器を使っていい加減な診療をしていないかどうかと言う切実な問題があります。
すこし東京医科大のことをネットで調べたところ、医科大としての評価はかなり高く、入試の倍率も偏差値も高く、医師国家試験の成績も良いようですので、長期間に渡って裏口で入学させていた学生は、学長など幹部が相談して10点や20点の下駄を履かせていた程度なので、他の難易度の低い医科大なら通りそうな成績のようです。
つまり医科大入学者としての最低限の学力はどうもありそうですし、医師国家試験でふるいに掛けていますので、医師として一生涯勤めるにはあまり支障はないように思います。
となると不正入学は強く非難されたとしても、卒業を取り消したり、医師資格を取り消したりする事は困難かもしれません。
医科大の入試はどこでも普通10倍程度以上あり、国家試験やその後の研修などでも相当な関門があり、あまりに酷い医者は殆どいないように思いますが、内部の意見ではやはり不適格者がどうしてもいるような話を聞いた事があります。
医者が患者の命に直接関わるような大変な職業ですが、ヘリのパイロットも人の命を預かる厳しい職業なので、相当な選抜をする必要があります。
正確に言うと選抜は必ずしも必要ではないのですが、それは結果としてヘリパイロットの仕事を長く一生に渡って、できれば無事故で他人を殺めることなく、要求される運航技術や知識、冷静沈着で穏やかな性格、新しい技術や知識の吸収に積極的な全人格的なものを要求される職業です。
選抜が厳しいほど要求に合った享保者が残る可能性が高く、またやりがいがあれば希望者も多くいて選抜がしやすくなります。 ただし今のように民間ヘリの世界では公的な要請制度がまったくなく、訓練費用の数千万円を用意できさえすれば、選抜試験も適性検査もなく、誰でも飛行学校の門を叩ける様になっている事は、希望者も業界も大変不幸な状態となっています。
たとえば航空大学校なり、自衛隊の航空学生制度なりにしても、公的な養成制度があるだけで、受験者のレベルが相当程度統一され、良い人材が集まりますが、民間のヘリ学校のように金されあれば誰でもウエルカムでは、業界が自殺行為をしているようなもので、まともな希望者はいずれいなくなりそうです。
日本医科大の不正入学程度では医師の選抜制度にはびくともしないほどの人材が、多く集まっているようですので、ヘリの世界と違い、少々の不正ではびくともしないという事が証明されたようで、うらやましい限りです。
異業種とのコラボばかり ヘリ運航、、、
日本でヘリコプターの運航が始まったのは昭和30年代ですので、70年以上にもなりそのうち私は昭和40年末から参戦しました。
定期便の旅客機は航空機と飛ばすことでほぼ目的が達成され、客が乗れば採算が合うということになっていますが、民間のヘリコプターの場合は飛ばす事業は殆どすべて異業種とのコラボと言うことになります。
ヘリコプターを飛ばすことによってそれぞれ違った異業種の特別な目的を達成することでしか、会社は成り立たないということです。
一番新しい異業種は医療業界でこれとのコラボで、ドクターヘリの機能が成り立ち、ヘリコプター会社が成り立つということですが、これにはヘリが規制されていて不可能であった、いつでもどこにでも着陸すると言う機能が目的のために新たに規制緩和されて事業として成り立つことになりました。
ヘリコプターが日本に導入されて始めて事業化されたのが、水田などへの農薬散布で、これも超低空飛行と水田地域でほぼどこへでも着陸するという機能がほぼ特別に許可されることになって、250機以上が飛ぶ大事業として始まりました。これは農業とのコラボと言うことになります。
その後に事業化されたのが、送電線建設などの物資輸送と送電線パトロールでこれは電力会社やその協力会社の土木建築事業とのコラボと言うことになります。この事業では何が規制緩和されたのかと言うと、離着陸時は障害物からの距離を一定以上取る事が必要だったのですが、送電線や障害物からの距離の規制をうやむやにして、許可を出し、その関係の事故が多発したという例があります。
そのほかには報道関係の取材飛行が事業化されて、多くのマスコミの契約で飛ぶヘリが、通常の低空飛行の規制をみんなで渡れば怖くないと、騒音被害苦情を連発させたものです。
これは近年のカメラや防振架台の著しい発達で法に反する低空飛行の必要性は大きく落ちたのですが、相変わらず多数機がひとところに集中して被害を追及されているようです。
このように民間のヘリコプターの運航を振り返ると、一般的には通常の航空法規制では出来ないことを、社会の要求で飛ぶ必要性が認められ、規制をうやむやで実行したり、規制緩和があったりして飛べるようになったという事が連続しています。
これを見ると、安全性を確保するためにある法規制を、飛行目的のために緩和したり、うやむやにしたりして事業を優先し、運航上に起こると想像される危険性の増加に対応する十分な対策、訓練やルールつくりなどをしなかったため、事故が多発したという例が実績として残ることとなりました。
農薬散布飛行、物資輸送、報道取材などの事故が多発した例はこれによるものですが、事故による犠牲者が、パイロットなどの運航会社員、コラボ先の報道会社員など一般大衆が巻き込まれる事が少なかったために大きな社会問題になることはあまりありませんでした。
また事故防止には運航会社、コラボ先関係者、規制官庁も殆ど熱心さが見られる事が少なかったようで、このような意識が新に規制緩和されたドクターヘリの部門で、非常に危険性が高い夜間飛行ヘリ暴走する下地としてあったようです。
このようにヘリコプターの運航は運航会社とコラボする相手先や規制官庁との、駆け引き、連携、思い込み、無関心などがあってなかなか難しい面が多いようです。
つまり、ヘリコプターの運航は関係する組織が多くありしかも、それぞれが何を考えているか良くわからない面があり、どの方向へ進むのかが定まらないという大きな不安を抱えています。
大相撲 戦国時代突入か、、、
名古屋場所は長野県出身の関脇 御嶽海が予想外に優勝し、今後はこのような面白い展開が定着するように思います。
大相撲がモンゴル人など外人力士ばかりが優勝するおかしなものになって以来あまり興味がないようなってしまいました。
大相撲は古典芸能の興行か、スポーツか良くわからないところにNHKが噛んでいますので、あまり見ないのですが、逸ノ城関など得意な力士が出てきたときなどはよく見ていました。
元横綱の日馬富士が平幕の貴ノ岩に暴行した事件は実は相撲界のクーデター事件であったと私は見ています。
ずいぶん前からというか初めからかもしれませんが、横綱たちと他の力士たちの本当の実力差が大変小さくて、ガチンコでやると相撲協会が意図するようなドラマ仕立ての展開が出来なくなり、優勝力士が星を買うことで長くドラマと平和が保たれていたのでしょう。
そのような中で、横綱など上位者が下位者に焼きを入れようとして、返り討ちにあって、実質クーデターのきっかけとなったのが日馬富士暴力事件です。
そのため以降はすべてガチンコ勝負となってしまって、横綱連中が負け続けて、休場者続出で、戦国時代となり、御嶽海の優勝へと繋がったのでしょう。
ピークを過ぎた横綱が元気の良い若手とガチンコをすれば、負けるは、怪我をさせられるはで、しかも注射もできなくなった今となっては、もう戻ってくる事はむつかしいでしょう。
このような状態が本当なら、大相撲は神事興行から、一気にガチンコスポーツに変わったということなので、今回のような新しい展開がどんどん起こるということになります。
実は私が大相撲の世界の最近の状態をこのように捕らえ、興味深く見ているのは、民間のヘリのパイロットの世界をダブらせて見ているからです。
実力のない、格好だけの横綱のような老人パイロットが元気の良い実力がある若手パイロットグループのクーデターにあって一挙に排除されるような世界であったら、どれほど良い方向へ進むのかとしんみり思うからです。
映画版 コードブルー公開に向けて、、、
今週の金曜日 7月27日の映画版のドクターヘリの公開へ向けて、フジテレビはあらゆる手段を使って話題を盛り上げようとしているようです。
ネットのドクターヘリのSNSは普段は実際のドクターヘリの活躍場面の目撃写真などが多数アップされていましたが、最近はこの映画関係の書き込みばかりが集中しています。
また公開日の夜にはドクターヘリの番組を3時間枠でぶつけてくるそうですが、その取材対象は映画に協力した基地病院のみを取上げるようです。
ただし救急医療という切り口では、神戸市民病院の救急医療体制を取上げるようですが、この病院は屋上へリポートはあるもののドクターヘリの受け入れは、神戸大学病院と災害医療センターなどと分け合っていますので、ヘリ受け入れはあまり頻繁でないようでした。
日本でドクターヘリの運航のトップを争っているのは、豊岡病院とコードブルーの協力病院の日本医科大北総病院の二つの病院で、メディアの取上げる頻度も同じように多くなっています。
豊岡病院は出動回数日本一で、本来なら映画やドラマで取上げるような症例やドラマになりそうな例は多数ありますが、なにしろ忙しすぎて映画を取らしてくれと申し入れても実現は難しいでしょう。
ドクターヘリの実情は意外にも地味な活動ですが、ごくたまにはドラマになりそうな症例なども存在しますが、ほとんどは同じような症例を数多く、地道つぶして行く中で、錬度を上げることを繰り返しています。
日々の確実な運航と医療を続ける中で、ごくまれに突然遭遇する劇的な症例を失敗なくこなすという、なかなか難しい活動と言えるでしょう。
ドラマのような活躍がいつもあるわけではなく、毎日の地味な活動を暑さや、寒さ、乱気流や、悪天候、ヘリ酔いなどなど多くの苦難に負けずに、確実に一回一回のフライトを大事に消化していくことに、劇的救命を乗り越える力がついて来る日々の活動があります。
週末には映画を見て批評を書いてみることにします。
ドクターヘリ救命活動の経済的効果、、、、
公的な費用予算で執り行う活動、たとえば今回の大洪水で問題になったようなダムを作って維持管理することや、国道を作って維持管理する、同じように空港を作って維持管理するなどのことは、本来すべて赤字だそうです。
赤字でなく黒字が見込める事業なら、すべて民間企業がやりますし、なたやるべきでしょうし、わざわざ効率の悪い、政府自治体などがするべきではないでしょう。
日本でドクターヘリと呼ばれる医療用ヘリは世界を見ると、ヨーロッパは政府自治体や、利益を目的としない非営利団体などが運営し、アメリカはすべて民営、営利企業が飛ばしているようです。
アジアではほぼ日本だけで、ほんの少し韓国や中国などであるようですが、日本では自治体が運営することになっていますので、当然ながら赤字運営となっていると思われます。
参考に、消防は火災と救急を主な活動として存在していますが、最近のように救急出動が極端に多くなっている都市地域では、有料民営化しても十分にやっていける事業と言えるかもしれません。
全国的に出動の機会が極端に少ない防災ヘリの場合、とても民営化できない状態ですが、埼玉県では山岳出動に有料化条例を施行し実施し始めましたので、自ら民営化方向への糸口を作ってしまった可能性があり、これが将来命取りになるかも知れません。
つまり救急車と同じで有料化から民営化へと進む可能性もゼロではないと言う懸念があるやも知れません。
昨日読者の方からドクターヘリ1回の出動には500万円掛かっているとの書き込みをいただきましたが、正確に日本のドクターヘリの出動に一体どの程度の経費が掛かっているかはわからないと言えます。
アメリカの場合はすべて民営化ですから、民間会社は掛かった費用に利益を乗せて患者さんに請求しますので、ほぼ正確に出ていてその金額は普通に飛ばすと300万円500万円は請求されるそうですから、その8掛け程度は掛かっていることでしょう。
その金額が高いか安いかは、事業が増えてきているか減ってきているか、あるいは消滅したかで、経済的合理性がどの程度成り立っているかがわかります。
つまりアメリカで800機の医療用ヘリが継続的に存在するという事は、経済的合理性があるということで、別の言い方をすれば命の値段と言うことになります。
日本はアメリカなどよりよほど民主的、公平、平等、貧富の差が少ない、人種差別などが少ない、優良福祉国家ですので、各県にドクターヘリが配置されていて、その出動回数とヘリ会社に支払われる費用の関係から、出動1回当たり、20万円から100万円程度の格差があり、即民営化可能な地域から、赤字お荷持つの地域まで分かれても、平常に運航を続けています。
ただしこの1回あたりの運航費用の中には、政府自治体のドクターヘリの運営に当たる公務員の人件費、各地域病院や基地病院に建設したヘリポートや給油設備などの建設維持費用、運航に際して支援する消防隊員、救急車の費用、ヘリに搭乗する医療関係者の人件費などは含まれていません。
これだけの費用を掛けて、得られるものは、国民に対する福祉効果、早期治療による、総合医療費用の削減効果、死亡症例を救命された場合の患者のその後の経済的活動効果などがあり、ドクターヘリはタダ単に高額の費用が掛かるだけではなく、様々な費用の削減効果や、経済効果の拡大に資するという効果もあるということになります。
そして、日本ではすべての国民が、急病、事故でドクターヘリ該当の症例に落ち入った時には、無料で平等に救いの手が差し伸べられることになっています。
このように考えると日本のドクターヘリの制度は少々費用の負担原則がいい加減にもみえますが、世界的に見ても、国民庶民にとっては大変良い制度で世界に誇っても良いように見えます。
しかし全体的に見ると、各県かなりバラバラ、国家厚生労働省の管理監もかなりいい加減、航空行政もへっぴり腰、運航業者もただ言いなりと言うような気もしますがいかがなものでしょう。