ドクターヘリ 未知の場所への着陸、、、


  後方には見えにくい電線が、土手は狭い幅はストレッチャーを通す分を開ければぎりぎり一杯

 ヘリコプターは飛行機と違い、飛行場でなくても狭い場所へ自由に着陸できると言うことを目標に作られた乗り物と言うことになっています。

 日本の航空法では、緊急救助のヘリはパイロットの判断でこのことを実施して良いと言うことになってはいますが、現実には物理的な条件で、安全に離着陸できるか、離着陸によって地上の人や物件に著しい被害を与えないかを、最終的にパイロットが責任を持って判断することが必要となります。

 この緊急時のための法改正が行われるまでは、ヘリのパイロットが未知の場所へ離着陸が安全に行なえるかどうかの判断において責任を負わされると言うことはありませんでした。

 どのようにしていたかと言うと、飛行場以外の場所へ離着陸する場合は調査要員があらかじめ地上からその場所へ出かけて、測量など調査して安全性に問題がないことを確かめて、書類を起こして許可申請を行ない、許可を取ることになっていたからです。

 飛行機のパイロットが現実的に飛行場以外の場所に着陸することはありませんが、定期便の機長パイロットは原則的に乗客を乗せて、着陸経験のない飛行場に着陸することは許されていません。

 定期便の機長以外のパイロット、自家用機や写真撮影などのパイロットは着陸経験のない飛行場へ着陸することは許されていますが、飛行場の場合、飛行場の諸元、滑走路の長さや障害物の情報、無線関係の情報など十分な情報があり、安全に着陸できるかどうかは事前に判断できることになっています。

 ヘリコプターの場合はこのような安全性に関する情報は事前調査によって確認し、その情報を元に許可申請をして、それが正しければ許可が出され、パイロットにその情報を着陸する前に伝えることになっています。

 救助事例で許可の出ていない道の場所へ着陸する場合は、上空に到着したパイロットが目視で状況を確認して安全性が確認できれば着陸して良いことになっています。

 それでは上空に到着したヘリのパイロットは、どのような手順で、あるいはどのような方法で、着陸する場所が十分な安全性を備えているかを確認する訓練を受け、どのような点に着眼して着陸するべきかを確実に知っていて、実行することが重要となるでしょう。

 しかも救助事例ですから、30分も40分もかけて安全を確認している余裕はないでしょうし、しかも、地上の救急隊などが指定した場所があっても別の場所が良いとか、色々な状況がありそうですが、これという取決めや手順は誰も決めていないということが実情です。

 このようなことが想定されるため、ドクターヘリの場合は経験飛行2000時間以上のパイロットと定めて、一定の判断力を想定していたのですが、この4月からは1000時間機長経験と条件を緩和しました。

 さてこのような条件緩和を行なったからには、未知の場所への離着陸訓練を十分行なうことや、安全確認の手順や方法についての取決めなど、条件緩和に応じた新たな取り組みを実行するべきであると思います。

 この取り組みを、規制官庁から運航業者へすべて丸投げで実行しておけ、適当に、、、と言うようなことでは済まないと思うのですが。

 運航会社は何をどの程度行なったか、教育や訓練はどうだったか、審査はどうだったか程度は知っておくべきだと思いますが実態はどうなっているのでしょうか、、、
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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