埼玉防災ヘリ救助動画、、、、、
埼玉県の新座市の柳瀬川で急な増水のため中州に取り残された2名の救助動画が公開されています。
取り残された1名は救助され、残る一名は濁流に呑み込まれて行方不明になったそうです。
防災航空隊は条件の悪い中、1名を救助したのですからお手柄と言うべきでしょうか、それとも救助劇全体を見たとき、1名が流されてしまったのは不手際と言えるのでしょうか。
中洲に取り残される事案は即、命に直結し、消防の救助隊が状況を判断してどのように救助するかは一刻を争う、大変難しい判断が必要で、結果的に全員救助されればまだしも、1名でも救助に失敗して救命できなかった場合には、判断や行動にミスや遅れが無かったか厳しい局面があるでしょう。
少なくとも、このような状況の中で、きわどいヘリコプターでの吊り上げ救出の場面すべてを、テレビ局、しかも民間のテレビ局に差し出すことには大変な違和感を抱かざるを得ません。
どうしても必要なら、静止画にするとか、最小限のカットでしかも音声を切るなどする必要があるでしょう。
救助依頼が何時にあって、救助隊到着が何時で、その時間の水位はどであったか、ヘリの出動要請が何時で到着時間がどうであったか、救助を始めたのが遅すぎなかったか、救助の技術的なミスや技量未熟は無かったなど、いくえ不明の方の家族がどのように判断するなど、問題が起きる可能性が無いとは言えません。
未だ1名の方がいくえ不明になっている段階で、ほとんどノーカットの動画を民放に渡すことなど、とんでもないと思いますがいかがでしょうか。
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オスプレイ 大分空港へ緊急着陸、、、
北海道での日米合同訓練を終えて、岩国を離陸して沖縄普天間へ帰る途中のオスプレイが大分空港へ何らかのトラブルを起こして緊急着陸したようです。
そろそろ夕闇が迫る6時半ころですから、250ノットで巡航するオスプレイなら、岩国大分間は15分から20分ですから、離陸してすぐに何らかのトラブルが起こり、最大20分程度で岩国の自らの基地へ帰れる位置なのに、民間空港の大分空港へ着陸するとは相当押し迫った故障だったのでしょう。
ニュース映像を見ていると、着陸進入中やエプロンへ向かうタクシー中も外観上以上は無く、同乗の海兵隊員が機外に出てもあたふたする様子は無く、エンジンを止めた時に右側エンジンから白煙が出たようです。
どうやら右側エンジンのオイル系統のトラブルのようで、岩国で右側エンジンにオイルを補給した時にキャップを十分に閉めなかったのでしょうか。
飛行中にオイルを徐々に失い、最終的にオイルの量が一定以下になり、温度も上昇し、いよいよエンジンを止めないといけない寸前になり、緊急着陸し、やれやれとエンジンを止めたら、エンジンルームにたまっていた少量のオイルが機外に出る時に排気管に触れて白煙が一次的に上がったのでしょうか。
あるいは少量の燃料が漏れ出していて、エンジン停止と共に空気の流れが止まって、漏れた少量の燃料が排気管に触れて白煙が上がったのでしょうか。
どちらにしても、遠く普天間までは飛行を継続できないばかりか、直近の大分空港へ着陸したほどですから相当な緊急事態であったことは間違いないようです。
北海道で何回も飛び、岩国経由で普天間へ帰る途中に、岩国で何らかの軽整備をして、その手順に誤りがあって、離陸して10分ほど飛んだら不具合が出たと言うような感じです。
航空機のトラブルのうち、結構な部分が初歩的なミスで起こることは事実で、優秀なはずのオスプレイの関係者もポカミスはすると言うことは避けられず、特に新しい機種は前途多難というほか無いでしょう。
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コードブルードクターヘリ、またしても見てしまいました、、、
ドラマ、コードブルドクターヘリの予告が墜落という言葉があったので、昨日またしても、7回目を見てしまいました。
経験者として、実際の現場とドラマはこのように違うのですよ、と言うようなことを建設的な意見として取り上げるべく、今日もまた書いてしまいます。
今日は踏切事故の傷病者多数の現場の重症患者と、ヘリが墜落すると言うことを主なストーリーとして取り上げていたように思います。
ストーリーでは過激な現場へ急ぐヘリを、訓練中の見習いの医師が無用にせかしたのが影響して、パイロットが砂塵が舞い上がる中で着陸を強行しようとして、立木にぶつかって着陸に失敗したと言う想定だったようです。
ドクターヘリのパイロットは、基本的に医師など医療関係者などから急がされると言うような状況はありえない事になっています。
なぜならいったん出動したら何があっても1分1秒を無駄にせず、最短時間で到着することが最優先されるからで、普通それほど急がなくても良いと言うような状況は原則的にありえない事になっています。
そのような状況で飛行中に見習いの医師がパイロットに急げと言うようなことはありえません。
砂塵が舞い上がって、機体の位置を見失って周りの立木にぶつかると言う想定もありえないでしょう。
砂塵が激しく舞い上がって周りが見えなくなるような、着陸場所はだだ広いグランドなどで、ぶつかるような木がある場所では、周りが見えなくなるほど舞い上がる砂が無いのが普通です。
だだ広いグランドで舞い上がった砂塵で機位を失って、はるかに離れた外との境界付近の立木の位置まで移動しているのに気が着かないで、ぶつけることはありえないでしょう。
このような理由で着陸に失敗して、ヘリが壊れて、乗員は多少は怪我をしたそうですが、ドラマの描写ではいきなりラジオドラマ以下になっています。
アメリカのドラマや映画では絶対にありえない描写ですが、これはやはり金が無くて取れなかったということに尽きるでしょう。
砂塵がもうもうと舞い上がって視界が効かなくなった状況、パイロットが視界を失ってヘリが暴れる状況、ローターが立木を叩く様子、ヘリが激しく地面に叩きつけられる様子、壊れたヘリから乗員が脱出する様子など、撮ろうと思えばいくらでも緊迫の場面は撮れますが、金が無ければ取れませんし、運航会社や医療関係者のことを思えば厳しい場面も放映しにくいのでしょうか。
しかし、このように事故に到る場面をストーリーに入れる重要性は、ドラマに題名を考えれば誰でも当然と思うでしょうが、医療ドラマならヘリの事故シーンは要らないということでしょうか。
その答えはドラマ終了時の、出演者からフジテレビ制作までの関係者の長いテロップの紹介が物語っています。
それは西部警察が日本国中のロケで地元協力のテロップを流して、経費負担を押し付けていたものと瓜二つです。
フジテレビは金が無いため、髭剃りのジレットまで協力企業としてテロップを流していて、制作費を極限までケチっていますので、ヘリの墜落シーンを撮るなど夢のまた夢でしょう。
少なくともテレビドラマなので、必要なカットが撮れないならストーリーに入れるのは無理だと思うのですが、、、、、
福島でモーターグライダー行方不明、、、
連鎖する航空事故ですが、またしても福島スカイパークから、昨日午後1時ころ飛び立った2人乗りのモーターグライダーが、行方不明になっています。
1昨日の海上自衛隊のSH60の乗員3名も、まだ発見されたと言う情報は無いようです。
トヨタとホンダが採用したD-Call net言う事故時の衝撃でドクターヘリを自動的に呼ぶとやらの装置は、ほとんど目撃の無い自損事故による重症の可能性を検出し、自動的に電話回線で通報するそうですが、日本でそのようなことは起こらないようです。
モーターグライダーは門外漢なので良くわかりませんが、機体が軽いため墜落の衝撃音などは遠くへ聞こえにくいでしょうから、少し山中になれば、地上の人が墜落事故の音を聞くこともまれで捜索は困難でしょう。
しからば航空機に着けることが最優先すると思いますが、固体が少なすぎて商売にならないことは普及しないのでしょうか。
話は脱線しましたが、海上自衛隊機の事故はヘリデッキからの転落ではなく、場周経路付近でのバーティゴによる墜落の可能性が高いように思います。
場周なら80ノット程度ですので、いきなり海に突っ込んでも、後部キャビンに乗っていたら、大きなドアーが脱落して脱出は可能でしょうが、コクピットは狭すぎて、衝撃で相当な怪我をする可能性が高く脱出は困難でしょう。
状況は良くわかりませんが、最近の東北地方付近の天候なら、全天雲で月や星の明かりは無く、あるとすれば漁火で、しかも水平線はほぼ視認できないでしょうから、母艦から目を離せばバーティゴに入ってもおかしくはないでしょう。
それにしても、飛行を管理する組織、機種、飛行目的など色々と違っているとは言え、これだけ航空事故が連続すると、それぞれの運航を管理管轄する組織はおおいに注意喚起し、安全性を再確認するような能動的な対応が必要であると言えるでしょう。
このような安全意識の高揚や、重点注意事項の確認など、より安全に飛ぶための対策などは、組織管理が有効に作用している組織体では良く行なわれるのですが、逆に組織が小さいところ、たとえば自家用機、防災ヘリ、ドクターヘリの現場などでは、えてして他人事の一言で片付けるる傾向があり、感心すら持たないと言うところも多いようです。
ドクターヘリ 砂塵と誘導、、、
行政が導入したドクターヘリが救急患者を引き継ぐランデブーポイントに選んだのは一番に学校など公共施設のグランドでした。
ところがいざ飛び出すと、色々不具合が出てきて、あまり最適地と言えない様子になってきています。
その理由の第一は、やはりヘリが離着陸の時に巻き起こす砂塵の被害でしょう。
もともと日本の学校などのグランドには、水はけやクッションのため、ブレンドした特別の砂がまかれていると言うことを知ったのは、ドクターヘリに乗り出してからでした。
砂はヘリが着陸しなくても、強風で飛散し、まわりに被害を与えているようですし、雨が降ると流れ出し、定期的に高額の費用をかけて補充しているようです。
そのような状態で離着陸するヘリの強風が当たれば一挙に相当量が飛んでしまうので、学校にとっても、周りの住宅にとっても大変な被害になるようです。
そこで消防本部はヘリが到着する前にポンプ車を出し、水を撒くことを毎回実施しますが、場所によっては間に合わず、ヘリが上空で待機しますし、広範囲に撒けないので砂塵の飛散をゼロとすることは出来ませんのである程度の被害は出るようです。
また撒いたら撒いたで、ヘリが着陸する場所が泥んこのぬかるみになり、ストレッチャーの車輪や乗員の靴についた泥がヘリに入り、毎回毎回ヘリの床が泥んこになったりします。
普通散水する消防の隊員は、グランドのど真ん中を中心に散水し、誘導の隊員も中央へ着陸するように指示しますが、実はヘリが着陸する最適な場所はほとんどの場合、中央ではないことが多いようです。
学校の場合、周りが2階や3階の校舎があることが多く、極端に言えばヘリから見るとコップの底へ着陸するような感じになり、離陸時の余裕もも考えると、ある程度は端っこのほうが最適と言う場合がほとんどでしょう。
さらに言えることは、特に生徒が少ないような田舎の学校の場合は良くあるのですが、一面整備された砂ではなく、周囲など場所によっては短い草が生えていて、水をそれほど撒布しなくても砂が飛びにくい場所があることが多く、風にもよりますが最適地は必ずしもど真ん中ではない場合が多くあります。
この判断はパイロットしか出来ませんので、ヘリを地上で誘導することを行なっている消防隊員にはそのような判断を求めることは無理ですし、かと言っていつもいつも真ん中へ誘導されることには非常に合理性がないと言うことになります。
と言うことで自分が飛ぶ時には、誘導をしないで、グランドの隅で、人の動きに注意をしながら無線機にいつでも出れるようにお願いしていました。
これが広いグランドで芝生が整備されていれば、砂塵が飛ぶ心配は有ませんが、それでも着陸場所はパイロットが自ら最適地を選んで着陸することを見守っていて欲しいと言ってありました。
ヘリコプターの着陸には、飛行機で言う滑走路への着陸に当たる、進入着陸と、その後にエプロンへ移動してパーキングのための着陸と二通りあります。
飛行機が滑走路へ向かって着陸してくるのと同じように、ヘリの着陸はグランドなどの中央を目掛けて進入してくる状態で、グランドの真ん中で誘導することはほとんど自殺行為で、滑走路の真中で飛行機の進入を誘導するのと同じことになります。
秦野の着陸事故で消防隊員が誘導していたら、死んでいたでしょう。
ヘリの誘導は進入が終わってホバリングが安定し、駐機位置へ移動して着陸する時にするもので、はるか300メートルも手前から、グランドの中央へ向かってくる時に誘導などするものではありません。
そのようなことをされたらパイロットは不必要に速度を落として、誘導者に不安感を与えないように、高いところで止まるような操作をし、秦野の事故を誘発するようなものです。
いずれにしても、砂塵が飛びやすい、周りが建物で囲まれた学校のグランドのような場所で、真ん中へ立って誘導されるほど迷惑なことは無いでしょう。
栃木県2代目防災へり おおるり 就航
長野県が事故のため運行再開に向けて苦しんでいる間にも、栃木県は9月1日から初代のベル412の引退に続いてAW139の導入が決まり、9月1日から運航を始めるとのニュースが入っています。
ベル412の後継機種は競合するものが無く、ほとんどAW139の独壇場で、ベル412に比較すると1,2倍の性能に3倍の価格と言う程度なので経済効果が大変不利なヘリですが代わりが無ければ仕方がないようです。
価格が3倍でも金さえ出せば機体は買えるのですが、パイロットなど運航技術者はそうは行かないので今後苦しむところが続出しそうです。
9月1日で栃木県防災ヘリは引退しますので、普通なら競売にかけることになるのでしょうが、ここはいったん長野県へ無償で貸与すればいいのではないかと思いますがいかがでしょう。
今後数年以内に数十機の防災ヘリが更新時期を迎えますので、世界のベル412の中古市場が暴落するほどの数ではないのかと心配します。
もうひとつの大きな危惧は栃木県では新機種へ移行する良い話題でにぎわう中、極近くの長野では事故で運行再開のめどもつかないと言うような事態はいくらなんでも行政組織としてはかなりまずい、典型的な例で、少なくともかなりの部分での国家的なかかわりが必要でしょう。
長野県が苦しんでいるのに、自治省や国土交通省、内閣府、防衛庁などがまったく何の手助けをすることもなく、ただ傍観するだけで、うがった見方をするなら逆に長野県が苦しむことを喜んでみているような気がしないでもありません。
助け合うような気がまったく無いように見ますがどうなっているのでしょう。
長野県防災へり、運航再開は?、、
長野県が防災へりの運行再開に向けて大変苦悩しているようです。
過去に4回防災へりが墜落し、3県が委託運航、1県が自主運航で他の同じような公的ヘリでは神奈川県のドクターヘリが墜落しています。
事故原因は事故調査委員会で色々と調査し、それぞれの結果が出ていますが、簡単に言えば、すべてパイロットの技量未熟の可能性が高く、さらに言うと管理体制の不備と言えば聞こえが良いのですが、管理体制ゼロが実態でしょう。
そしてさらに言えば、事故調を含む小型航空機の行政機能が、あるいは行政管理能力が無いか、放棄していることも原因なのですが、身内の事故調がそのような要因についての発言力がないと言うことも実態としてあるように思います。
長野防災ヘリの事故調査は、再発防止を目的として行なっているはずですから、事故調の言うとおりに対策を取れば、簡単に再開できるはずですので、長野県は事故調の意見をまず聞くべきでしょう。(これはいやみな冗談ですが、、)
さてこのように公的ヘリの運航に大きなリスクがあり、現実に事故が起きているなか、次週のドラマ「コードブルー」でドクターヘリの事故を取り上げるそうですから、まずは大英断だと評価するべきでしょう。
と言うのは現にドクターヘリを運行していて、事故を起こした当事者の運航会社に取って、出来たら触れて欲しくない一番のものはドクターヘリの事故でしょう。
現に運航しているヘリ会社だけではなく、一緒に飛行する医療関係者も、管理組織の病院や行政にとっても実はあまり触れたくないのが事故で、私が5年間在籍していたところでも、真剣に事故対策や安全について、日常的に活動しているところはほとんど無かったように思います。
私は40年近いパイロット生活で、10人以上の先輩、後輩、同僚、部下の仲間が殉職しましたので、パイロット生活の中で起こるすべての事象が事故に結びつかないか、あるいは常に起こる失敗を防げないかと思わなかった日は一日も無かったことは確信しています。
私の現役中の最後の殉職者は彼の息子の進路について、事故の1月前に待機中の基地病院へ電話をしてきた元部下のパイロットで屋久島で墜落し殉職した40代のパイロットでした。
しかも死因は墜落の衝撃で轢断された脚からの失血死で、自分が近くのドクターヘリにいれば絶対に死なすことは無い症例で、当時は防災ヘリの対応で間に合わずに亡くなったそうです。
話はそれましたがドクターヘリのドラマでヘリの事故が取り上げあられるそうですので、今までまったくストーリーに上がってこなかったへりをどのように取り上げるのか大変楽しみです。
医療関係者がヘリの運航のリスクを含めて、ヘリ全体をどのように評価しているのか、あるいは素人の脚本家がどの程度咀嚼出来ているのか、一目瞭然にわかりますのでぜひとも期待したいものです。
MRJ またしても大ピンチ
アメリカで試験飛行を続けているMRJが試験飛行中に左エンジンが停止し、目的飛行場を変更して着陸したと言うニュースが飛び込んできました。
最初の試験飛行以来重大なトラブルを起こして心配されていたMRJがまた重大なトラブルが発生したようです。
ニュースによると飛行中エンジンの一部が破損して止まってしまったようで、片発で目的飛行場とは違う、飛行場に着陸したと言う情報ですから、無事に着陸できて良かったと言うしかないでしょう。
MRJのエンジンは低燃費のもので、アメリカのプラット&ホイットニー社が新に開発したギアードターボファンと言うタイプのもので、ライバルのブラジルエンブラエルにも装備されるそうです。
普通タービンエンジンが物理的に壊れるのはバードストライクでコンプレッサーが壊れる場合と、材質不良などが原因でタービンの一部が欠けてバランスが崩れて振動を起こして、エンジン全体に破壊が進む場合とがあります。
今回のエンジンは新にエンジンの回転数を落として、ファンに伝えるギアボックスが追加されていますので、従前のエンジンと違ってこのがボックスが壊れると言う可能性がありますが、いずれの原因であってもMRJの開発全体に及ぼす影響は重大なものがありそうです。
この事故の原因調査は機体の国籍が日本でインシデント発生国がアメリカ、エンジンメーカーもアメリカですので、日本の事故調査委員会は出かけるのでしょうか。
そして事故原因が解明され、型式認定取得にどのように影響するか大いに機になりますが、道見ても半年程度はデリバリーが遅くなりそうです。
ライバルのエンブラエルは三菱に先んじて同じエンジンを載せた低燃費の機体をデリバリーするようですから、三菱はさらに遅れを取ってしまいそうです。
最近、三菱がMRJのテストパイロット要員の公募をしていたのを見受けましたが、今頃損ような募集をしなければならない、パッチ宛の運航体制で大丈夫なのでしょうか。
MRJの実用化までますます不安が募るようで、果たして客を乗せて飛べるようになるのでしょうか、大変心配になります。
事故原因を読む、パイロットの資質、、、
昨夜は所用で帰りが遅くなり、就寝前の更新が出来ませんでした。
毎日何らかの記事を上げることを日課としていますが、話題を変え、切り口を変えながら、一日も欠かさず、続けることはなかなか骨が折れます。
と言うことで日付けが変わったばかりの深夜に更新できているうちは、日常生活が好調です。
取り上げるテーマに苦しんで、更新が遅くなっても、1日1記事なら日付が変わってから24時間の猶予がありますが、何か締め切りに追われる作家の気分です。
さて今日はすでにお昼の11時近くなっていますが、がんばって記事を書いています。
私が新聞テレビなどで航空事故のニュース、特にヘリの事故に接した時にすぐに事故原因を推定して記事として取り上げるのは理由があります。
それは自分が当事者ならどうしたか、結果どうなるかと言うことを現役の時早くからいつも考えていました。
なぜかと言うと自分がもし当事者だったならうまく切り抜けることが出来たか、ニュースと同じように事故となって命を失ったかは、ヘリパイロットして生きていくには何より一番重要なことだからです。
新聞テレビで流れる航空事故の情報はまったく断片的で、間違った情報もあり、信頼性も当てにならない場合も多くあります。
これはちょうどパイロットが今落ちていく機体の中で得ることが出来る情報と同じで、そのような中で正しい判断をして、最良の処置操作をして、乗客や自分の命を守ることを求められます。
もちろん少ない情報の中で自分が判断したことが間違っていたら、自分はパイロットとして未熟で、下手をしたら諸共も死ぬことになる可能性が高まり、うまくすれば切り抜けられると言う厳しい結果がまっています。
飛んでいて自分の判断が正しいかどうかは事故や生還の結果になりますが、他人の事故に対する評価や意見表明は、自分のパイロットとしての能力の証明となったり、まぬけを人に知られてしまうことになります。
と言うことで事故のたびに自らのパイロットとして馬鹿さ加減を毎度毎度テレビで全国に宣伝している航空評論家諸氏、それをあたかも本当のように垂れ流すテレビ各局を見ると、日本は本当に平和な国だと再認識します。
コードブルーに負けないように、、、
昨日はフジテレビのコードーブルーの放映の日でした。
このブログの題名がドクターヘリと頭に着いていますので、放送開始と同時にアクセス数がはねあがり、2時間で300ヒットもするようです。
救命が目的のヘリコプターですので、ドラマも現実も激しいと言うか悲惨と言うか、瀕死の大怪我と言うような症例が大変盛り上がると言えば不謹慎ですが、担当の医師看護師さんたちはアドレナリンが噴出するようようです。
もちろんそれに同行するヘリの運航クルーも緊張状態になり、入れ込みが激しくなるのは、人間だから仕方がないのですが、あまりに緊張興奮して事故など起こさないように気を着けなければなりません。
昨日のドラマのほうは移植医療と閉じ込め事案を取り上げていましたが、このブログも激しい症例をひとつ紹介します。
その日は30歳過ぎのやる気満々の新進気鋭のドクターでしかも、近々ドクターヘリを導入する関東から同年代のドクターが研修で一緒に飛ぶことになっていて、それだけでも一段階以上気合が入っていました。
10分少し飛んだら着ける県外の山奥の工事現場の労災事故の要請が入りました。
ウインチに両腕を巻き込まれて、片腕が肩からもぎ取られ、もう片方は何とか繋がっているという、聞いただけでも3段階ぐらい一気に緊張が走るような内容でした。
急いで離陸しようとしたら、ちょっと待てと止められ、何かと思えば、大きな袋詰めした氷を看護師が疾走してきてヘリに積み込みました。
飛行中、2人の新進気鋭の救急医は後ろの席で処置について真剣そのものであれこれ話しています。
ランデブーポイントへ着くや否や、救急車が着き、医師二人と看護師が救急車へ駆け込んで10分ほどで基地病院へ連れて帰るということで機内に患者を収容しました。
私がエンジンスタートしながら見ていると、我が病院の医師が大きな包みを抱えていて、ヘリに乗り込む時に、整備士に前に積んでくれと言っています。
それを見ていた私は頼むから後ろへ置いてくれと頼み、医師は自分の席の前へ置こうとして、またふと氷を取り替えたいからちょっと待ってくれと言いました。
「先生!!10分で着くから早く出ましょう」と言うと「そうですね」とのことやはり緊張していたのでしょうか。
今氷で包んで10分で基地病院へ着くのに、氷を追加するのに5分もかけることは無いでしょうに、やはり緊張していたのでしょうか。
たった10分ほどの飛行でしたがその途中、腕が1本千切れ、もう1本もほとんど千切れかけた患者がなんと、ドクターの呼びかけに答えていました。
と言うような激しい症例の出動が月に一回程度はあったように記憶しています。