CRM,仲良く和気あいあいと、、、
陸上自衛隊の事故機のヴォイスレコーダーが22日に発見されたと言うニュースがすでに出ています。
他のへりが断るほど天候が悪かったとか、山は霧で充満していたとか世間では言っていますが、まともなパイロットなら、これ以上簡単な飛行は無いと言うほど簡単な計器飛行進入方式において墜落しましたので、機体やエンジンの故障があるかないか、他に何かトラブルがあったどうかの決め手が見つかる可能性があります。
私は自分がパイロットになる時から、一人乗りの航空機を志望していました。
一応航空自衛隊のパイロットを目指してスタートしましたので、当時はF86がいよいよ終わって、F104が主流だった時代で、T33の学生の時にF4ファントムがアメリカから小牧へ初号機が空輸されてきて、着いたばかりの機体を見せてもらう機会がありました。
当時から一人乗りの機種を希望していて、F4には乗りたくないと言う気持ちを漠然と持っていました。
戦闘機乗りにはなれずにヘリへ変りましたが、ヘリはほとんど一人乗りだったので気持ちがずいぶんと楽でした。
うまくいっても、死んでもすべて自分の責任という事が気に入っていましたし、考えれば人間関係から、二人操縦をうまくやっていけるかという大きな不安があったように思います。
結果的には1万6千時間のヘリ操縦で、自分以外のパイロットが横に座っていた時間は5百時間程度で、ほとんど自分ひとりで好きなように飛んでいたので希望通りのパイロット人生でした。
中型の204B以降は物資輸送が主で隣には整備士が乗るようにはなりましたが、彼らは操縦をすることが無く、責任部分がはっきり分かれていることにはなっていましたが、連携という事には、やはり馬が合う人と会わない人、楽しい人とそうでない人、うまい誘導や荷物の操作をする人とそうでない人などと、いろいろ気を使うこともあったと思います。
連携がうまくいかないと、人を怪我させたり、ローターを木にぶつけたり、あわや墜落と言う場面もありますので、うまくいかない組み合わせは自然とどこかで配置転換などしてくれていたようです。
自分からはこの人はだめだから降ろせといったことは無かったように思いますが、自然と去って行くと言うような感じでした。
今回のパイロットの組み合わせは階級と年齢が逆転し、階級と正副パイロットの地位も逆転していますので、組み合わせとしてはあまり良くはないのですが、飛行経験や技量の関係も逆転していたかどうかも気になるところです。
もうひとつはLR-2のパイロットがこの機種専業で配置されているとすれば、大変少ない人数で少ない機数を担当していますので、クルーの組み合わせが限られすぎていて、万一人間関係がうまく行かなくなった場合にまったく融通が利かなくなるという危険性があります。
某大手エアーラインではボイスレコーダーの会話内容で人事管理をしていたと言ううわさがあったほど、コクピット内は良い空気ばかりではなかったようです。
入社年次や期別、出身別、正副別や技量、飛行時間などによる地位でコクピット内が最悪の空気でやっていられないなどと言うようなこともずいぶんと聞いたものです。
航空事故の原因は世の中で一般の人が思っているほど高級なものばかりではなく、至って人間臭いことが原因で墜落している例も多いようです。
つい最近もブログに書いた記憶がありますが、パイロットが運航中一番危険な心理状態は、何かに対して激しい怒りを覚えた時であると言うことは自らの経験で良くわかっています。
ボイスレコーダーには何が残っているかわかりませんが、公開できるような内容であると良いのですが。
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