単機(短気)の危機、、
航空機が一旦事故を起こすと人が死に、機材や他のものが壊れて失われ、大意変な被害が出て悲惨なことが起こります。
パイロットや整備士は選抜されて、厳しい試験を経て資格を取り、しかも常に新しい情報を取り入れて安全運航に徹しているので事故は起こさないと言うようなわけには行きません。
人間ですから失敗をすることは普通ですし、神様ではないので怠けたり手抜きもしますし、朝、妻と大喧嘩して出てくることもあるでしょう。
航空機自体は安全性を極めた設計でほとんど壊れないことになっていますが、いつ壊れるか、わからないことが実態ですし、場合によっては設計ミスもあったり、品質管理が見逃すこともあります。
このような不安定な状態が普通ですので、パイロット1名と整備士1名、そして運航管理者1名などと最小限の人員で長く飛ばすことは大変な危険性を孕んでいると言えるでしょう。
このような状態は無管理状態、放し飼いと言えるような状態なのですが、これはいわゆる公的なヘリが普通に置かれている状態といえるでしょう。
十人寄れば文殊の知恵と言うように、人が多く携わるほど多くの安全要素が増えるのですが、たとえば防災へりの運航要員以外の人たち、救助隊員や県から派遣されている管理要員の人たち、ドクターヘリの場合は一緒に飛ぶ医療関係者や病院の管理要員の人たちが、うまく安全上の機能を発揮して運航の安全に寄与するかどうかは大変難しいところです。
あるいは県の上層部門の人たちや運航会社の本社部門の管理者などが安全運航にすばらしく貢献するかどうかも、大変微妙なところです。
防災ヘリの場合、県の本庁にいる危機管理部門や総務省の防災ヘリを担当する部門の人たちの機能が安全上大変有効に機能していると言うような話しはまったく聞いたことがありません。
ドクターヘリの場合の最上級管理部門は厚労省の担当だと思いますがその部門から安全上の指示や連絡が入ったことは一度もありませんでした。 思うにたぶん興味が無いのでしょう。
つまり安全は現場がちゃんとやれば良いと言う考えで、興味も持たず自分お仕事でもないと思っているのでしょう。
そのような状態なら関係のヘリが全部断ってきたら自衛隊へ頼むと言うことになんら疑問を持つことなく、垂れ流してきたことでしょう。
日本の150機以上ある単機で最少の人数で運航しているヘリは、すべてこのような状態にあって、その安全は一人のパイロットに100%丸投げされているという状態でしょう。
その根底には、航空機の安全は航空法から下がる多くの規則類をパイロットや整備士などが、現場で守っていれば事故は起きないという、確固たる信念で貫かれていて、自分は関係ないと思っている組織関係者があまりにも多いということでしょう。
自衛隊や大手航空会社は運航部長などが中心になって組織的に、技量や人事、勤務状態、健康状態や家庭状況などまで掌握し、その日その日の様子まで気にかけて運航状況を見守っています。
自衛隊機を飛ばすことを依頼するに当たり、その決定権者は断ってきた各部署の状態などほとんど知らないうえ興味も無く、ただ単にメッセンジャーボーイのように電話をかけただけでしょう。
見事な無管理状態といえるでしょう。
単機運航は危険、パイロットにとって短気も危険ですが、誰にも見守られること無く長く安全に飛び続けることは相当に難しいと言うことは確かでしょう。
7機しかないLR-2は全国3箇所程度に分散しているそうですが、これの管理も相当困難であることでしょうし、ドクタージェットが日本でただ1機入ると、これも難しいと言うことになります。
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