陸自 LR2の事故の背景と今後、、、
行方不明であった陸自のLR2は山中に墜落しているのが見つかり、4名の隊員の方たちは大変残念な結果となってしまいました。
陸上航空はほとんどヘリコプターが中心で、固定翼は10機程度しかも小さなLR-2しかありませんので、固定翼中心の空自、海自とは違った運用、要員教育となっていて、計器飛行を駆使して長距離を飛び回るような体制はもともと必要も無く、少ない機数、要員では十分な能力をつける予算も人も機材も、環境も無いと言うことでしょう。
このあたりの運航形態は民間のヘリコプター運航とよく似通っていて、陸自ヘリ出身の運輸省航空従事者試験官になったパイロットたちが劣等感から、計器計器と騒いでいることを、私は冷ややかに見ていました。
と言うのは自分が空自のパイロット訓練を受けて、ひよこの段階から計器飛行を叩き込まれたからで、実際に使うことの無い計器飛行の訓練をピーカンの天気でやっている、民間や陸自にはあまり意味を感じることはありませんでした。
陸自のヘリも民間のヘリも計器飛行など効率が悪く時間がかかるような飛び方などほとんど実用性はなく、最悪の天候になっても飛んで帰ってくるときは、飛行場の駐屯地なのに、電柱すれすれ、営門から帰ってきたなどと、言われたものです。
そのようなヘリパイロットがつけ刃の計器飛行など危険この上ないもので、しかもその飛ばす固定翼機は小型双発が10機程度しかないようでは技量向上も知れたものでしょう。
陸自はこのような背景で起きた事故を十分反省しているまもなく、大変な時代を迎えようとしています。
計器飛行を含む高速固定翼機の能力を持ち、パイロットもその性能にに対応する必要がある、オスプレイが導入されようとしています。
もともとヘリのパイロットとして身に付けなければならない、低空飛行能力、ホバリングを含む低速飛行状態での速度、惰性のコントロールなど、通常のパイロットとして求められないものを要求されることになります。
そのうえ固定翼機のパイロットとしての計器飛行能力が加わり、さらには空中給油に必要な精密編隊飛行、さらにすべての運用を夜間に行なえることなどとなります。
これを十分に会得しなければ、機体の性能を十分に生かすことが出来ないばかりか、事故続出となりかねません。
オスプレイの導入を前に起こった不幸な事故は陸自航空に与えられた大きな試練と言えるでしょう。
スポンサーサイト