陸自 患者搬送機 墜落か?
函館五稜郭病院から札幌医科大病院へ転院搬送のため、丘珠空港から函館空港へ向かった陸上自衛隊のLR2が消息を絶ったまま12時間経過しようとしています。
函館にはドクターヘリがいますので、普通に搬送すれば飛行時間は40分、札幌から陸上自衛隊の固定翼機を呼べば、飛行時間は往復1時間強です。
ただし、陸上自衛隊機は通常、急患輸送のために緊急発進に備えた状態にしていませんので、パイロットなどの選定や気象情報の収集、飛行計画の作成、そして肝心の医療機器、機材の搭載など離陸準備に最低1時間はかかるでしょう。
飛行要請は送り出し病院と受け入れ病院の両方の医師が打ち合わせをしてから、ドクターヘリでなく陸自のLR2を希望し、それから知事を通じて陸上自衛隊へ災害派遣の要請が入ります。
つまり転院搬送を決めてから患者が実際にヘリポートの無い五稜郭病院を出てから、受け入れ先のヘリポートのある札幌医科大病院へ着くまでには 函館ドクターヘリの場合は おおむね1時間強で到着します。
陸自のLR2を使った場合は双方の空港病院間の救急車搬送時間を入れると3時間程度はかかるでしょう。
なぜこのような常識外ともとれる、無駄なことをしたのでしょうか。
もしドクターヘリで運んでいたらこのような無駄も無く、事故は起きることは無かったことを思うと、行方不明になっている隊員の家族の皆さんに同情を禁じえません。
一部報道によると天候が良くなかったので、計器飛行が出来る陸自のLR2に依頼したとのことですが、別の報道による、丘珠を離陸する当該機の周りの天候はそれほど悪くないように見えますし、函館は視程が5キロほどだったとの報道もあり、正確に調べればわかると思います。
LR2の飛行経路と事故の場所そして、計器飛行の管制承認記録を見れば本当に天候が悪くて計器飛行方式で飛んでいたか、あるかはそれほどでもなかったので山間部で高度を降ろして、特別有視界飛行で空港へ進入していたのかすぐにでもわかるでしょう。
もし天候がドクターヘリ可能な状態なのに、3倍も時間がかかる搬送をなぜ選択したかと言う理由が一定の説明が着くものなら、陸自は必要の無い搬送に駆り出されて、無駄に犠牲になったと言える可能性が出てきます。
北海道の航空医療はドクターヘリが中心となって4機体制となって各地の病院が主導して活躍しています。
札幌は手稲渓仁会病院という病院がドクターヘリを屋上において活躍しているのですが、今回の受け入れ病院はここではなく、札幌医科大病院という病院で、実はこの病院は北海道を全域でカバーするドクタージョットと言う、新しい航空医療分野の厚労省補助金事業ので中心的な病院となっています。
そしてこの事業は試行段階を終わって、本事業として国家の予算処置が終わり、まもなく本事業としてスタートすることが決まっています。
陸自のLR2はこの事業の実証事例の実績として呼び出され、3倍もの時間をかけて転院搬送するために犠牲になったとしたら、本人家族は浮かばれないでしょう。
それでなくても距離100キロ程度の搬送に、機材要員がそろって、5分待機しているドクターヘリを差し置いて、固定翼機を使うことはほぼ常識はずれといって差し支えないでしょう。
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